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Urology · U-20

前立腺肥大症(BPH)の症状と鑑別診断

Symptoms and differential diagnosis of BPH (benign prostatic hyperplasia)

前提:病態
前立腺炎/前立腺肥大症(BPH)
疾患
神経因性膀胱前立腺肥大症尿道口狭窄
症状
残尿感切迫性尿失禁尿意切迫感尿勢低下尿線途絶頻尿夜間頻尿
スコア
国際前立腺症状スコア

🧠 全体像:BPH()は前立腺の非悪性な腺・間質過形成であり、50歳までに男性の約40%にみられるほどありふれた疾患である。症状は「刺激症状(の異常)」と「閉塞症状(排出の異常)」の2軸で捉え、診断は→DRE→PSA→IPSS→→超音波という段階的な流れで進める。

BPHとは

  • 前立腺のに生じる、非悪性の腺性・間質性過形成。
  • 病因は完全には解明されていないが、性ホルモンが中心的な役割を果たす。
  • として現れ、「膀胱刺激症状」と「症状」の両方の要素を含む。
  • 診断はDRE、画像検査(、経直腸的US)、血清PSAを中心に行う。
  • 肢は阻害薬、遮断薬、手術。

症状

分類 症状
刺激症状(に伴うLUTS) 頻尿、・切迫性尿失禁
閉塞症状(に伴うLUTS) ・断続的な尿流、排尿開始の遅延、排尿終末時の

診断の進め方

  1. (症状の内容)

  2. (DREを含む)

    • 軟らかく腫大した前立腺 → BPHを示唆
    • 硬い/結節性 → 前立腺癌を疑う、圧痛 → 炎症を疑う
  3. 血液検査

    • 前立腺癌が疑われる場合はPSA値を確認
    • 4 ng/mL未満が目安とされるが、⚠️ 低いPSA値だけでは前立腺癌を除外できない。現行の診療では年齢別、PSA density なども併用され、単一のだけで判断しない。
    • :過去30日間の7つのBPH関連症状の有無・重症度を点数化する評価法
    • 各項目0〜5点:頻尿、
    • 排尿速度を測定。正常は約20〜25 mL/秒
    • BPH患者では排尿速度の低下と排尿開始の遅延がみられる。
    尿流パターン 波形の特徴
    正常 高いピーク流量に達し、なめらかに減衰する釣鐘型の単峰性カーブ
    BPH ピーク流量が低下し、が緩やかで、が延長した平坦なカーブ
    ピーク流量が著しく低く、状に平坦なカーブが持続する(「台形型」)
    • (優先)または経直腸的(前立腺癌が疑われ生検を要する場合)に施行
    • 得られる情報:前立腺の大きさ・形状(正常は20 mL未満)、前立腺体積、推定円形面積比(正常に近いほど1に近づく)、膀胱壁厚も評価可能

BPHの合併症

  • 膀胱壁肥厚(による増加 → 排尿に必要な圧が上昇 → 膀胱筋層が代償性に肥厚)
  • 水尿管・水腎症

鑑別診断

BPHのLUTSは以下の疾患・状態と鑑別する必要がある。

鑑別疾患・状態 ポイント
前立腺癌 DREでを触知
外傷・炎症・処置歴を確認
画像で確認
慢性前立腺炎 圧痛、炎症所見
膀胱出口の閉塞をきたしうる
の関与を確認
外尿道口狭窄 局所所見で判別
局所所見で判別
画像で確認
心不全 の原因として鑑別
利尿薬の使用 薬剤性頻尿として鑑別
骨盤内手術後の機能障害 を確認
所見を確認

まとめ

  • BPHはで、刺激症状と閉塞症状の両方をLUTSとして呈する。
  • 診断は→DRE→PSA→IPSS→→超音波という段階的評価で行い、PSAの単一に頼りすぎない。
  • 尿流量パターン(正常・BPH型・)は非侵襲的にBPHとを鑑別する手がかりになる。
  • 症状が類似する多数の疾患(前立腺癌、、薬剤性など)との鑑別が診断の要となる。