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Drug Atlas · A7 Alpha-blockers / α遮断薬 · 必修

ドキサゾシン

doxazosin

分類
Alpha-blockers / α遮断薬
商品名(日本)
カルデナリン
商品名(EU)
Cardura
科目
Pharmacology
トピック
A7: α-receptor antagonists
副作用
めまい低血圧頭痛持続勃起症失神
対象疾患
褐色細胞腫前立腺肥大症
原因となる疾患
術中虹彩緊張低下症候群

🧠 全体像は選択的α1拮抗薬(-zosin系)の中でも半減期が最も長く1日1回投与に向く代表格。米国のCarduraは高血圧とBPHの両方に適応を持つが、日本のカルデナリンは高血圧症・による高血圧症のみがで、の適応はない(BPHにはなど他の-zosin系が使われる)1としての立ち位置はALLHAT試験を境に変わった——心不全リスクの増加が示されて以降、高血圧のではなくなり、今は「への追加」や「術前のα遮断」で選ばれる薬になっている。

薬効群の中での位置づけ

は選択性でまず分かれ、はさらに適応で枝分かれする。

系統 代表 適応 特徴
(-zosin系) 高血圧+BPH(日本ではにBPH適応はなくのみがBPHにも承認) と前立腺平滑筋を同時に弛緩
選択的α1A遮断薬( BPH特化 が弱くが少ない
・周術期 中枢5-HT1A作動を併せ持つ
の高血圧発作 α1・α2の両方を遮断
α+β遮断薬 ・心不全 β遮断でを防ぐ

-zosin系3剤()の使い分けはほぼ半減期の違いに集約される。 は短時間作用型で1日2〜3回、は中間、は最も長く1日1回で足りる。

機序

flowchart TD
    A["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='doxazosin'>ドキサゾシン</span>が<span class='jp-term jp-term-diagram' title='vascular smooth muscle'>血管平滑筋</span>・<br>前立腺/<span class='jp-term jp-term-diagram' title='bladder neck'>膀胱頸部</span>平滑筋のα1受容体へ結合"] --> B["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='competitive'>競合的</span>にノルアドレナリンの<br>結合を阻害"]
    B --> C["Gq/PLC/IP3経路の活性化が<br>起こらない"]
    C --> D["細胞内Ca2+↑が起こらず<br>平滑筋が弛緩したまま"]
    D --> E["血管:<span class='jp-term jp-term-diagram' title='peripheral vascular resistance'>末梢血管抵抗</span>↓ → 血圧↓"]
    D --> F["前立腺/<span class='jp-term jp-term-diagram' title='bladder neck'>膀胱頸部</span>:<span class='jp-term jp-term-diagram' title='dynamic component of obstruction'>動的閉塞成分</span>↓<br>→ <span class='jp-term jp-term-diagram' title='voiding symptoms'>排尿症状</span>改善"]

💡 α1B受容体(主に血管)と(主に前立腺)を区別せず両方叩くのが-zosin系の特徴。 これが効果と改善効果を同時に持つ理由であり、同時に「血管側も遮断してしまう」ためが避けにくい理由でもある。

薬物動態

項目 値・特徴
約65%
代謝 (CYP3A4が関与)
半減期 約22時間と長い(1日1回投与で足りる)
蛋白結合 高い

適応

領域 使いどころ
循環器 高血圧症(単剤の第一選択ではないが、への追加として使う)
内分泌 による高血圧症、および術前α遮断(通常術前7〜14日から開始・漸増し、その後β遮断薬を追加する)。この適応では1日最高用量が16 mgまで引き上げられる1
泌尿器(海外のみ) 米国のCarduraなど一部の国ではによるLUTSにも適応があるが、日本のカルデナリンにの適応はない1

用法・用量

日本の承認用量:通常成人1日1回0.5 mgから投与を開始し、効果が不十分な場合は1〜2週間の間隔をおいて1〜4 mgに漸増して1日1回する。年齢・症状により適宜増減するが、1日最高投与量は8 mgまでとする。ただしによる高血圧症では1日最高投与量を16 mgまでとする1初回投与時の急激な血圧低下(first-dose phenomenon)を避けるため低用量から開始するのが原則。の術前投与は専門施設のプロトコルに従う。実際の用量は年齢・体重・腎肝機能・製剤でも変わるため、施設のプロトコル・添付文書で確認する。

禁忌・注意

  • ⚠️ 初回投与時の・失神(first-dose phenomenon):初回は少量を就寝前に投与し、起立時はゆっくり動くよう指導する
  • など)との併用になり著明な低血圧を起こしうる。時間をずらすなど慎重に併用する
  • 予定患者のリスクがあり、服用歴を術前に必ず申告する
  • 高血圧単剤治療としてはALLHAT試験で心不全リスク増加が示され、現在はに位置づけられていない

副作用

頻度 内容
高頻度 めまい低血圧(起立性、特に初回投与時)、頭痛
注意 、鼻閉
重篤・まれ 初回投与時の失神、まれに

まとめ

  • 選択的α1拮抗薬。と前立腺/平滑筋のα1受容体をに遮断する。
  • -zosin系の中で半減期が最も長く(約22時間)、1日1回投与に向く。
  • ⚠️ ALLHAT試験で心不全リスク増加が示され、高血圧単剤の第一選択からは外れた。 今はへの追加薬。
  • 日本のカルデナリンにの適応はない(米国のCarduraなど海外の一部の国ではBPHにも適応があるが、日本のは高血圧症・による高血圧症のみ)。BPHにはが使われる。
  • 日本の承認用量は1日1回0.5 mgから開始し1〜4 mgに漸増(最高8 mg、では16 mgまで)。
  • の術前α遮断に用いられる(β遮断薬より先に開始する原則を守る)。
  • ⚠️ 初回投与時の・失神が古典的な注意点。就寝前少量から開始する。
  • 前には服用歴の申告が必須()。

出典

  1. 1.カルデナリン錠0.5mg/1mg/2mg/4mg 添付文書(ヴィアトリス製薬株式会社・2026)日本の効能又は効果は高血圧症・褐色細胞腫による高血圧症のみで前立腺肥大症の適応はない。1日1回0.5mgから開始し1〜4mgに漸増(最高8mg/日、褐色細胞腫では16mg/日)。禁忌は成分過敏症のみ閲覧 2026-08-03