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Drug Atlas · A20 Antidepressants / 抗うつ薬 · 必修

トラゾドン

trazodone

分類
Antidepressants / 抗うつ薬
商品名(日本)
デジレルレスリン
商品名(EU)
Trittico
科目
Pharmacology
トピック
A20: Non-reuptake-inhibitor antidepressants. Agents used for treatment of manic phase of bipolar disorders
副作用
傾眠めまい起立性低血圧持続勃起症
相互作用
モクロベミド
対象疾患
気分障害(うつ病・双極性障害)血管性・レビー小体型・前頭側頭型認知症など非アルツハイマー型認知症

🧠 全体像は非型抗うつ薬の中でSARI(セロトニン拮抗・薬)に分類され、5-HT2A拮抗が前面に出る低用量ではうつ病治療薬というより不眠治療薬として使われることが臨床の実態に近い。抗うつ用量(150〜300 mg/日)ではSERT阻害による本来の抗うつ効果が主体になるのに対し、低用量(25〜100 mg)では強い鎮静・H1拮抗が優位になり依存性の少ない代わりとしてされる——用量によって「主薬効」そのものが入れ替わる珍しい抗うつ薬。

薬効群の中での位置づけ

系統 代表薬 機序の核 際立つ強み・注意点
→NA/5-HT遊離増加 鎮静・食欲増加を積極利用
MT1/MT2作動+5-HT2C拮抗 改善
NMDA拮抗 NMDA拮抗
5-HT2拮抗+弱いSERT阻害 低用量で不眠(適応外)
RIMA が少ない
その他・ グルタミン酸調節/ 軽症例・限定的な位置づけ

はどちらも「SERT阻害+複数の5-HT受容体調節」というな設計を持つが、主作用の重心が正反対。 はSERT阻害が弱くH1・α1拮抗による鎮静が前面に出るのに対し、はSERT阻害が主体で受容体調節が抗うつ効果を底上げする補助的な位置づけにある。

機序

flowchart TD
    A["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='trazodone'>トラゾドン</span>が<span class='jp-term jp-term-diagram' title='5-HT2A receptor'>5-HT2A受容体</span>を拮抗"] --> B["5-HT1A受容体を介した<br>伝達が相対的に優位になる"]
    B --> C["抗うつ効果"]
    A --> D["弱くSERTを阻害"]
    D --> C
    A --> E["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='H1 receptor'>H1受容体</span>・α1受容体を強く拮抗"]
    E --> F["鎮静・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='orthostatic hypotension (postural hypotension)'>起立性低血圧</span>"]
    E --> G["低用量では<span class='jp-term jp-term-diagram' title='sedative effect'>鎮静作用</span>が主効果として<br>前面に出る(<span class='jp-term jp-term-diagram' title='sedatives / hypnotics'>睡眠薬</span>的な<span class='jp-term jp-term-diagram' title='off-label'>適応外使用</span>)"]

💡 同じ分子が用量で「主薬効」を変えるのは、各受容体への親和性の強さが違うため。H1・α1受容体への親和性が最も高いため低用量から鎮静が出るが、SERT阻害には比較的高用量を要する。 だから低用量では鎮静だけが得られ抗うつ効果は乏しく、抗うつ効果を狙うなら150 mg以上へ増量する必要がある——「少量」という臨床の通念はこのな受容体の違いを反映している。

薬物動態

項目 値・特徴
良好(食事により吸収がやや遅延)
代謝 主にCYP3A4でmCPP(5-HT2C作動薬)へ代謝
半減期 約5〜9時間(製剤では平滑化)
mCPP(不安・片頭痛様症状と関連することがある)

適応

領域 使いどころ
精神科 うつ病(抗うつ用量)
睡眠 への(低用量、依存性の少ない代替として頻用)
神経・認知症 など・不眠・に対する症状

用法・用量

抗うつ目的:1回25〜50 mgを開始し漸増、目標用量150〜300 mg/日を不眠目的(適応外):1回25〜100 mgを就寝前1回投与。実際の用量は適応・年齢・肝腎機能で変わるため、施設のプロトコル・添付文書で確認する。

禁忌・注意

  • ⚠️ などMAO阻害薬との併用・前後2週間以内は避ける
  • ⚠️ CYP3A4阻害薬(、一部の抗HIV薬など)との併用でmCPP産生が変わり、副作用が増強しうる
  • ⚠️ という他の抗うつ薬にはまれな重篤な副作用があり、4時間以上持続する勃起は泌尿器科的緊急事態として速やかな受診が必要
  • ・鎮静により高齢者ではに注意
  • QT延長のリスクがあり、心疾患・電解質異常のある患者では慎重投与

副作用

頻度 内容
高頻度 傾眠めまい、口渇
注意 、頭痛
重篤・まれ 、QT延長、(MAOI併用時)

まとめ

  • SARI。5-HT2A拮抗+弱いSERT阻害を機序に持ち、用量によって主薬効が鎮静(低用量)から抗うつ(高用量)へ切り替わる。
  • 低用量での適応外の不眠治療がむしろ臨床上の主用途になっている。
  • H1・α1拮抗が強く、鎮静・の原因になる。
  • CYP3A4で代謝されmCPPを生じる。
  • という他の抗うつ薬にはまれな重篤副作用に注意。
  • 認知症の行動・心理症状(不眠・)にも用いられる。
  • MAO阻害薬との併用は禁忌。