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Drug Atlas · C6 Antivirals / 抗ウイルス薬 · 必修

ジドブジン

zidovudine

分類
Antivirals / 抗ウイルス薬
商品名(日本)
レトロビル
商品名(EU)
Retrovir
科目
Pharmacology
トピック
C6: Antiretroviral agents
標的微生物
HIV-1HIV-2
副作用
頭痛悪心筋痛筋力低下
監視検査値
ヘモグロビン絶対好中球数
影響検査値
ヘモグロビン絶対好中球数
対象疾患
HIV感染症・AIDS

🧠 全体像は1987年に承認された世界初のであり、HIV治療の歴史そのものを体現する薬である。としてHIV逆転写酵素を止める機序自体は他のNRTIと共通だが、同じ逆転写という機序が宿主のにも及びやすいため、骨髄抑制(貧血・好中球減少)というの毒性が際立つ。に優れる新しいNRTIが揃った現在、な初回治療には使われないが、周産期のHIVという一点で今も現役の役割を持ち続けている。

薬効群の中での位置づけ

NRTIの塩基類似体 代表薬 固有の注意点
骨髄抑制()、が相対的に強い
HLA-B*57:01過敏症反応
(ヌクレオチド)類似体 腎・(TDF)、HBVにも活性
が高く、HBVにも活性

NRTI全体に共通する「」という副作用群(骨髄抑制・・末梢神経障害・を伴う)の中で、は骨髄抑制が際立って強い代表格。 同じクラス内の毒性プロファイルの違いを説明する軸として、試験でも実務でも押さえておきたい。

機序

flowchart TD
    A["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='zidovudine'>ジドブジン</span>が細胞内で<br>段階的にリン酸化され<br><span class='jp-term jp-term-diagram' title='active metabolite'>活性代謝物</span><span class='jp-term jp-term-diagram' title='zidovudine'>ジドブジン</span>三リン酸へ"] --> B["HIV逆転写酵素がdTTPの代わりに取り込む"]
    B --> C["3'-OHを欠くため<br>次のヌクレオチドが結合できない"]
    C --> D["DNA鎖の伸長が止まる"]
    A -.->|"宿主の<span class='jp-term jp-term-diagram' title='mitochondrial DNA'>ミトコンドリアDNA</span><br>ポリメラーゼγも部分的に阻害"| E["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='bone marrow progenitor cell'>骨髄前駆細胞</span>のミトコンドリア機能低下"]
    E --> F["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='Dose-related'>用量依存性</span>の骨髄抑制<br>(貧血・好中球減少)"]

薬物動態

項目 値・特徴
約60%(相当なを受ける)
分布 中枢神経系へよく移行する(血液脳関門を比較的よく通過する数少ないNRTI)
代謝 主に肝での
排泄 代謝物として
半減期 短く、より頻回の投与が必要

適応

領域 使いどころ
HIV治療 現在はに優れる他のNRTIが優先され、な初回治療には通常使わない
妊娠中の母体投与、分娩時の静注、出生児への予防投与という一連のレジメンで今も中心的な役割を持つ
曝露後予防(歴史的) かつては後予防の中心薬だったが、現在は他クラスを含むレジメンに置き換わっている

用法・用量

HIV治療での成人量は通常1回300mgを1日2回。周産期予防では、母体への妊娠中投与、分娩時の静注投与、新生児への出生後投与という段階ごとに用量・が異なる。実際の用量は施設のプロトコル・添付文書で確認する。

禁忌・注意

  • ⚠️ 重度の貧血・好中球減少では投与を避けるか、開始前後で血算を密にモニタリングする
  • ⚠️ 他の骨髄抑制性薬剤(など)との併用はを増強するため避けるか慎重にモニタリングする
  • NRTIクラス共通:まれにを伴う重度のを起こす
  • 長期使用で(筋力低下・筋痛)が報告される

副作用

頻度 内容
高頻度 頭痛悪心
注意 、好中球減少(いずれも)、長期使用での筋痛筋力低下
重篤・まれ 重度の骨髄抑制(輸血・を要することがある)、を伴う

まとめ

  • 世界初の(1987年承認)。のNRTIとしてDNA鎖伸長の停止によりHIV逆転写を止める。
  • 宿主のにも影響するため、の骨髄抑制(貧血・好中球減少)がNRTIの中でも際立つ。
  • に優れる新しいNRTIの登場により、現在はな初回治療の第一選択ではない。
  • 周産期のHIVでは今も中心的な役割を持ち、妊娠中も安全に使える数少ないの一つ。
  • 血算(ヘモグロビン・好中球数)のモニタリングが必須で、他の骨髄抑制性薬剤との併用は避ける。