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Symptoms · Published

近視

Myopia

別名
近眼
臓器系
眼科
科目
Medical BiophysicsPulmonology and Thoracic Surgery
トピック
生物物理学 02.10:屈折力呼吸器内科 45:遺伝性肺疾患
関連疾患
Cornelia de Lange症候群Stickler症候群Weill-Marchesani症候群マルファン症候群黄斑分離症近視性脈絡膜新生血管先天停在性夜盲

🧠 全体像:は、調節が働いていない状態で平行光線が網膜より前方で結像してしまうである。大部分は眼球そのものが伸びる(の伸長)であり、角膜・のそのものが強すぎるとは区別する。度数が強い()は単なる「見えにくさ」ではなく、が病的に伸展したとして、・・緑内障・といった視力を脅かす合併症のリスクがとは別次元になる点が最重要である。小児期のはで進行し続けるため、・・屋外活動といった進行抑制の介入が現在の実地の焦点になっている。

定義と分類

  • :非調節時のが−0.5D以下と定義される1。
  • :の過度な伸長に起因するで、の大部分を占める。
  • :角膜・などのに起因するで、頻度は低い。
  • ():が−6.00D以下と定義される1。
  • :過度なに伴いに(、など)を来し、の低下をきたしうる状態1。の一部がへ進展する。

💡 「=」ではない。 度数()は屈折の指標、は眼底のの有無で決まる別の軸であり、両者は重なりつつも同一ではない2。

病態生理

flowchart TD
    A["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='axial length'>眼軸長</span>の伸長(<span class='jp-term jp-term-diagram' title='axial myopia'>軸性近視</span>)"] --> B["平行光線が網膜より前方で結像"]
    C["角膜・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='lens'>水晶体</span>の<span class='jp-term jp-term-diagram' title='refractive power'>屈折力</span>過剰(<span class='jp-term jp-term-diagram' title='refractive myopia'>屈折性近視</span>)"] --> B
    B --> D["遠方がぼやける"]
    A -->|"高度に進行"| E["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='high myopia'>強度近視</span>(<span class='jp-term jp-term-diagram' title='high myopia'>高度近視</span>)"]
    E -->|"<span class='jp-term jp-term-diagram' title='globe wall'>眼球壁</span>の病的伸展"| F["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='pathologic myopia'>病的近視</span>:<span class='jp-term jp-term-diagram' title='posterior staphyloma'>後部ぶどう腫</span>・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='myopic maculopathy'>近視性黄斑症</span>"]

眼軸が伸びるほど網膜・・は物理的に引き伸ばされ菲薄化する。この菲薄化そのものが、単なるにとどまらない構造的な脆弱性を生む。

⚠️ 強度近視の合併症

⚠️ 「は病気ではない」で終わらせてはいけない。 はとして、以下の視力を脅かす合併症のリスクがとは別次元になる2。

合併症 要点
に伴う・を背景に発生しやすい
における視力予後を左右する主要な合併症
緑内障 ・形態の変化を背景に非依存性にもリスクが上がる
・の牽引とが重なって生じる。⚠️ は・なども含む総称で、はその一員(同義語ではない)
・ を定義するそのもの

症候性の近視

の大部分は単独()だが、以下は・加齢変化・代謝異常・薬剤を背景に化する「」として区別する。

背景 機序
先天素因(・) ・など結合組織のにより眼軸が伸長しやすい
(の初期) 核の上昇により(化)が生じる
糖尿病の急激な血糖変動 の含水量変化により一過性に屈折が変動する
薬剤性 など・を起こす薬剤で急性化しうる

では先天性のがの中心の一つであり、と並んで診断の手がかりになる。は、高齢者で「急に近くが見えるようになった」という訴えの背景にあることがある。

小児近視の進行抑制

小児期に発症したは成長とともに進行し続けることが多く、進行が強いほど成人期の・のリスクが高まるため、進行抑制への介入が重要になっている。

  • :香港の中国系小児474例(4〜9歳、非)を対象としたで、2年間の発症率は0.05%群28.4%・0.01%群45.9%・プラセボ群53.0%となり、0.05%は発症を有意に抑制した一方、0.01%はと有意差がなかった3。の発症率は人種差が大きいため、他の集団への外挿には注意が必要である。
  • :就寝時に装用する特殊コンタクトレンズで角膜形状を一時的に変化させ、を抑制する。
  • 屋外活動:屋外で過ごす時間を増やすことがの発症・進行を抑制する行動介入として位置づけられている。

まとめ

  • は非調節時に平行光線が網膜前方で結像するで、大部分はの伸長によるである。
  • (−6.00D以下)と(眼底のを伴う状態)は別の軸で、の一部がへ進展する。
  • ⚠️ は・・緑内障・という視力を脅かす合併症のリスクがとは別次元になる。
  • の背景には・などの先天素因、、糖尿病の血糖変動、薬剤性がある。
  • 小児の進行抑制には・・屋外活動が用いられ、0.05%は発症を有意に抑制することが無作為化試験で示されている。

出典

  1. 1.IMI – Defining and Classifying Myopia: A Proposed Set of Standards for Clinical and Epidemiologic Studies(Investigative Ophthalmology & Visual Science(International Myopia Institute)・2019)近視は非調節時の等価球面屈折値が−0.5D以下、強度近視(高度近視)は−6.00D以下と定義されること、軸性近視は眼軸長の過度な伸長に起因する屈折状態、屈折性近視は角膜・水晶体など屈折装置の構造変化に起因する屈折状態と定義されること、病的近視は過度な眼軸伸長に伴う後眼部の構造変化(後部ぶどう腫・近視性黄斑症など)で最良矯正視力の低下をきたしうる状態と定義されることを確認した。閲覧 2026-08-11
  2. 2.IMI Pathologic Myopia(Investigative Ophthalmology & Visual Science(International Myopia Institute; Ohno-Matsui K, et al.)・2021)強度近視(高い近視性屈折異常)と病的近視(眼底に後部ぶどう腫やびまん性脈絡膜萎縮以上の近視性黄斑症を伴う状態)は別概念であること、病的近視の合併症として後部ぶどう腫・近視性黄斑症・ドーム状黄斑・近視性牽引黄斑症・近視性脈絡膜新生血管が挙げられ、病的近視が世界的な視覚障害の主要原因であることを確認した。閲覧 2026-08-11
  3. 3.Effect of Low-Concentration Atropine Eyedrops vs Placebo on Myopia Incidence in Children: The LAMP2 Randomized Clinical Trial(JAMA(Yam JC, et al.)・2023)香港の中国系小児474例(4〜9歳、非近視)を対象とした無作為化プラセボ対照試験で、2年間の累積近視発症率が0.05%アトロピン群28.4%・0.01%アトロピン群45.9%・プラセボ群53.0%となり、0.05%アトロピンはプラセボと比較して近視発症を有意に低下させた一方、0.01%アトロピンはプラセボと有意差がなかったことを確認した。閲覧 2026-08-11