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Drug Atlas · A10 Local anesthetics / 局所麻酔薬 · 必修

コカイン

cocaine

分類
Local anesthetics / 局所麻酔薬
科目
Pharmacology
トピック
A10: Local anesthetics
禁忌疾患
急性冠症候群慢性冠症候群(安定狭心症)高血圧症
副作用
胸痛鞍鼻動悸痙攣錯乱
相互作用
エピネフリンプロプラノロール
原因となる疾患
横紋筋融解症可逆性脳血管攣縮症候群高血圧症脳動脈瘤

🧠 全体像の中で唯一、Naに加えてという第二のを持つ。他のはすべて血管拡張を起こしアドレナリンを別添しないと作用が短時間で終わるのに対し、は単独で血管収縮を起こす——この一点が「の中でだけは別枠」として扱われる理由。同じ機序がとしては強力な交感神経刺激と依存性を生み、医療用としての顔と乱用薬物としての顔を併せ持つ。

薬効群の中での位置づけ

薬剤 血管への作用 アドレナリン併用
各薬 血管拡張 作用延長のため併用することが多い
唯一、単独で血管収縮を起こす 併用は禁忌(交感神経刺激が重なり致死的合併症のリスク)

なのにアドレナリンを足してはいけない唯一の薬」が 他のでアドレナリンを併用する理由(血管収縮による作用延長・出血減少)を、自身がすでに満たしているためで、そこへさらにアドレナリンを重ねると交感神経刺激が過剰になる。

機序

flowchart TD
    A["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='cocaine'>コカイン</span>が神経細胞膜のNaチャネルを遮断"] --> B["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='local anesthesia'>局所麻酔</span>効果(機序は<span class='jp-term jp-term-diagram' title='lidocaine'>リドカイン</span>と共通)"]
    C["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='cocaine'>コカイン</span>が<span class='jp-term jp-term-diagram' title='sympathetic nerve terminal'>交感神経終末</span>での<br>カテコールアミン再取り込み(NET)を阻害"] --> D["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='synaptic cleft'>シナプス間隙</span>のノルアドレナリン濃度が上昇"]
    D --> E["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='vascular smooth muscle'>血管平滑筋</span>のα受容体を持続的に刺激"]
    E --> F["局所の血管収縮<br>(他の<span class='jp-term jp-term-diagram' title='local anesthetics'>局所麻酔薬</span>にはない性質)"]
    C --> G["中枢神経系でも<br>ドパミン・セロトニン再取り込みを阻害"]
    G --> H["強い<span class='jp-term jp-term-diagram' title='euphoria'>多幸感</span>・精神依存<br>→乱用薬物としての性質"]
    D --> I["全身に回れば頻脈・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='elevated blood pressure'>血圧上昇</span>・<br><span class='jp-term jp-term-diagram' title='coronary vasospasm'>冠攣縮</span>のリスク"]

💡 局所の血管収縮と全身の交感神経刺激は同じ「」という一枚の機序から生まれる。 局所では止血・視野確保に有利に働く一方、全身に吸収されれば・不整脈・高血圧という循環器合併症の原因になる。

薬物動態

項目 値・特徴
表面(粘膜)のみ
代謝 血漿・ベンゾイルエクゴニン(不活性、尿中で検出)へ
特記 アルコール併存下ではコカエチレンより心毒性が強いとされる)を生成する
麻薬及び取締法上の麻薬に指定。医療用途は厳重に管理される

適応

領域 使いどころ
の止血、前の処置(麻酔と血管収縮を一度に得られる)
眼科 歴史的に角膜に用いられたが、毒性のため現在はほぼ使われない

用法・用量

処置では4%前後の溶液を綿球に浸して粘膜に塗布する。全身毒性を避けるため総量に上限を設けて使用する。実際の用量は適応、年齢、体重、患者の心血管リスクで変わるため、施設のプロトコル・添付文書で確認する。

禁忌・注意

副作用

頻度 内容
高頻度 全身吸収時の頻脈・
注意 胸痛)、不安・
重篤・まれ 痙攣、心筋梗塞・、慢性乱用による(進行すれば

まとめ

  • の中で唯一、Naの二つの機序を持つ。
  • 単独で血管収縮を起こすため、アドレナリン併用は禁忌(他のとは逆)。
  • 医療用途は処置(止血+麻酔)にほぼ限られる。
  • 全身吸収・乱用時は交感神経刺激により・不整脈・高血圧を起こしうる。
  • 冠動脈疾患・コントロール不良の高血圧が禁忌。
  • の循環器合併症にを単独で使うとunopposed alphaで悪化しうる。
  • 麻薬及び取締法上のであり、乱用薬物としての側面も併せ持つ。