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Drug Atlas · A9 Muscle relaxants / 筋弛緩薬 · 必修

ダントロレン

dantrolene

分類
Muscle relaxants / 筋弛緩薬
商品名(日本)
ダントリウム
科目
Pharmacology
トピック
A9: Centrally and peripherally acting skeletal muscle relaxants
禁忌疾患
肝硬変
副作用
脱力悪心
対象疾患
悪性高熱症悪性症候群

🧠 全体像はA9の中で唯一「筋そのもの」にする薬で、中枢(脊髄)にも末梢()にも触れない。標的はで、興奮と収縮を結びつける鎖そのものを断ち切る。の特効薬という一点だけで臨床的な存在意義が確立している薬であり、この薬を知らずに麻酔科の試験問題は解けない。

薬効群の中での位置づけ

A9は作用部位で大きく3分される。は唯一の「筋への」枠に入る。

作用部位 代表薬 標的
中枢性 脊髄の神経伝達
末梢性( 系・ nAChR・ACh放出
筋への

(唯一の)はの誘因、その治療が(RyR1阻害)。 専用の拮抗薬でとは——この3点セットの対比がA9で最も繰り返し問われる。

機序

flowchart TD
    A["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='dantrolene'>ダントロレン</span>が骨格筋の<br><span class='jp-term jp-term-diagram' title='RyR1'>筋小胞体リアノジン受容体</span>に結合"] --> B["RyR1を介したCa²⁺放出を阻害"]
    B --> C["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='sarcoplasmic reticulum'>筋小胞体</span>からのCa²⁺放出が低下"]
    C --> D["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='excitation-contraction coupling'>興奮収縮連関</span>が遮断"]
    D --> E["活動電位は伝わるが筋収縮は起こらない"]
    F["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='malignant hyperthermia'>悪性高熱</span>:RYR1変異でCa²⁺放出が暴走"] -.->|"<span class='jp-term jp-term-diagram' title='dantrolene'>ダントロレン</span>がCa²⁺放出を強制的に止める"| B

💡 ・平滑筋(RyR3)はほとんど影響を受けない。 はRyR1(骨格筋型)への選択性が高いため、への直接的な悪影響が比較的少なく、の救急時に全身投与しても心停止を起こしにくい設計になっている。

適応

領域 使いどころ
確定治療薬。 投与後の急激な・高CO₂血症に対し直ちに静注
抗精神病薬によるへの(支持療法に加えて検討)
慢性 などの慢性(肝毒性のため長期使用は肝機能モニタが必須)

用法・用量

の急性期治療では静注のを、症状が治まるまで反復する。慢性へのは少量から開始し漸増する。の救命的投与と慢性へのでは、もリスク評価もまったく別物として扱う。実際の用量は適応・重症度・体重・肝機能で変わるため、施設のプロトコル・添付文書で確認する。

禁忌・注意

  • 禁忌(経口・:活動性肝疾患(肝硬変を含む)——肝毒性のため慢性へのでは禁忌となる
  • ⚠️ への救命的投与は、肝疾患の有無にかかわらず優先される。 生命を脅かす急性期治療と慢性期の禁忌は分けて判断する
  • 経口の長期投与では定期的な肝が推奨される
  • 妊娠・授乳では有益性とリスクを検討

副作用

頻度 内容
高頻度 脱力悪心、傾眠
注意 (経口長期投与でのモニタリングが重要)
重篤・まれ 重篤な肝毒性(特に長期)、呼吸筋力低下、(急速静注時)

まとめ

  • 骨格筋のを阻害し、からのCa²⁺放出を止めてを遮断する。中枢にもにも作用しない、A9で唯一の「筋への」薬。
  • の確定治療薬。 による発症に対し直ちに静注する。
  • RyR1への選択性が高く心筋・平滑筋への影響は少ない。
  • 経口の慢性治療にも使われるが、肝毒性のため活動性肝疾患(肝硬変を含む)には禁忌。救命的な急性期投与とは判断基準が別。
  • へのも知られるが、ほど確立した第一選択ではない。