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Symptoms · Published

球麻痺

Bulbar palsy

臓器系
神経
科目
Neurology
トピック
神経内科 G2-04:延髄障害の症候群神経内科 G2-16:発話・言語障害の分類神経内科 03:脳神経の診察(Cranial nerves I〜XII)神経学 G1-31:ギラン・バレー症候群
関連疾患
ギラン・バレー症候群ジフテリアポリオ筋萎縮性側索硬化症重症筋無力症脊髄性筋萎縮症

🧠 全体像は、にある脳神経の核と、そこから先が壊れた状態である。・迷走・副・が担うのは話すこと・飲み込むこと・気道を守ることで、失われればと呼吸不全にそのまま行き着く。だからで問うべきは構音がどれだけ崩れたかではなく、唾液を処理できているか、咳が出せるか、呼吸が保てているかである。所見の読み方の核は、舌の萎縮とという徴候が「ある」ことで、ここがと分かれる。

下位脳神経が何を担っているか

脳神経 機能 障害されると
咽頭の知覚、嚥下反射の惹起 の消失。嚥下が始まらない
Ⅹ 迷走神経(+Ⅺ延髄根) 挙上、咽頭・喉頭の運動 、鼻腔への逆流、嗄声、咳嗽力の低下
頸部の筋力低下、の挙上不良
舌の運動 舌の萎縮・、突出時の患側偏位、構音の崩れ

⭐ 診察でまず見るのはである。安静時に口腔底へ置かせて観察する。突出させると正常でも細かい動きが出て、と紛らわしい。——で鼻に抜け、声量が乏しく子音が不明瞭になり、・絞扼性の話し方とは音が違う。

球麻痺と偽性球麻痺を分ける

同じ「話せない・飲み込めない」でも、核・)と両側の)では所見が反対に振れる。の一般論は 麻痺 にある。

病変 延髄の、末梢神経、、筋 両側の
萎縮・あり 萎縮なし。小さく遅く動く
減弱・消失 保たれる、または亢進
正常〜減弱 亢進
弛緩性(・弱い) 痙性(・絞扼性・遅い)
情動 保たれる (強制笑い・強制泣き)

💡 は三叉神経で完結するもⅤ。は橋〜中脳で、延髄を通らない)。延髄の病変では回路が残るので亢進しないが、橋より上の両側性の障害ではされて亢進する。この1つの反射で、病変が延髄より上か下かが分かれる。

実際の死因は誤嚥性肺炎と呼吸不全

⚠️ で患者を失う原因はである。次を毎回確認する。

  • 唾液を処理できているか、や湿った声はあるか — 唾液の不誤嚥は食事の問題より先に始まる。
  • 咳嗽力・ができるか — 誤嚥してもできれば肺炎になりにくい。
  • 、吸気力、、朝の頭痛は並走することが多い。

⚠️ 嚥下評価の点数だけで安全を判断しない。 肺炎になるかどうかを決めるのは誤嚥の量よりできるかで、咳嗽力の落ちた患者では少量の誤嚥でも肺炎になる。同じ理由で、急性のではが下がったときにはすでに遅い——血液ガスではなくの連続測定と臨床的なで気道確保を決める。嚥下障害そのものの分類と検査の進め方は 嚥下障害 にある。

病変の高さで原因を絞る

高さ 手がかり
延髄の核 (同側の脳神経+対側の四肢)。突然発症なら
末梢神経・神経根 四肢の、上行性の経過、髄液の
。反復刺激で振幅が減衰する
広範な。感覚は保たれる
近位筋優位、CK上昇

最初に決めるのは経過である。 数時間〜数日ならで、いずれも原因検索より気道管理が先に来る。数か月かけて進むなら、頭蓋底・脳幹腫瘍、を考える。

⚠️ 症状が変動するならを疑う。 夕方に悪化する構音・嚥下障害を疲労と片付けると、の最初の受診機会を失う。また、ジフテリア(毒素性脱髄。の数週後にから始まる)とは、接種歴と渡航歴を聞かなければできない。

まとめ

  • 脳神経(Ⅸ・Ⅹ・Ⅺ・Ⅻ)の核・障害で、・嚥下・気道防御が同時に落ちる。
  • 舌の萎縮との消失が徴候で、と分かれる。
  • の亢進は、病変が延髄より上(両側)にあることを示す。
  • 死因はと呼吸不全。唾液の処理、咳嗽力、を追い、血液ガスを待たずに気道確保を判断する。
  • 経過が急なら、緩徐なら。変動するならを疑う。