Dermatology

Dermatology · 3-27

血管炎・多形紅斑・結節性紅斑

Vasculitis, Erythema Multiforme and Erythema Nodosum

前提:病態
Ⅲ型・Ⅳ型過敏反応単純ヘルペスウイルス1・2型
前提:正常
皮膚・付属器:真皮と皮下組織
疾患
結節性血管炎結節性紅斑多形紅斑
症状
皮膚壊死皮膚結節標的病変

🧠 全体像:紫斑、病変、圧痛性皮下結節は見た目が重なるが、病変の深さと機序が異なる。は血管壁炎症、は感染などに対する表皮標的型免疫反応、は主にである。皮膚所見を診断名で終わらせず、腎・肺・神経・消化管・眼など臓器障害の有無を評価する。

皮膚血管炎

血管径と皮膚所見

主に侵される血管 代表疾患 皮膚所見・全身所見
小血管 皮膚小血管炎、IgA血管炎、ANCA関連血管炎 、点状出血、小水疱、浅い壊死。糸球体腎炎や肺胞出血を伴い得る
中血管 皮下結節、、深い潰瘍、末梢神経障害、腎・
大血管 皮膚所見は乏しいことも多く、虚血症状が中心

皮膚小血管炎の典型は、下腿優位の非性で指に触れるである。薬剤、感染、自己免疫疾患、悪性腫瘍が原因になり得るが、原因不明も多い。

診断

  • 発症24~48時間以内のな紫斑を、十分な深さで病理生検する
  • DIF用には別のな病変を採取し、IgAなどの沈着を評価する
  • 血算、腎機能、肝機能、尿検査を基本とし、腹痛、血便、関節痛、神経症状、呼吸器症状を確認する
  • 臨床背景に応じて補体、ANCA、、感染検査、画像検査を追加する
flowchart TD
    A["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='palpable purpura'>触知性紫斑</span>・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='livedo reticularis'>網状皮斑</span>・壊死"] --> B["全身状態と臓器症状を評価"]
    B --> C["腎・肺・神経・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='GI tract damage'>消化管障害</span>あり"]
    B --> D["皮膚限局が考えやすい"]
    C --> E["緊急の全身性血管炎評価"]
    D --> F["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='fresh'>新鮮</span>病変の生検とDIF"]
    F --> G["薬剤・感染・自己免疫・腫瘍を検索"]
    G --> H["原因治療と重症度別の抗炎症治療"]

皮膚限局で軽症なら安静、挙上、原因薬中止、などが中心となる。反復・潰瘍性では、全身性ステロイドなどを選択する。臓器障害があれば疾患別のが必要である。

重要な全身性血管炎

疾患 手掛かり 治療上の要点
IgA血管炎 、関節痛、腹痛、腎炎 成人でも尿・腎機能を追跡。治療は臓器重症度で決める
上気道病変、肺病変、壊死性糸球体腎炎、 臓器・生命を脅かす場合は副腎皮質ステロイドとリツキシマブまたはで寛解導入
PAN 中血管、結節、神経障害、腹痛 重症度に応じ全身性ステロイドと免疫抑制。B型肝炎関連では抗ウイルス治療などを組み合わせる
50歳以上の新規頭痛、、視覚症状、 疑えば生検・画像を待たず高用量ステロイド。切迫視力障害では静注パルスを検討し、をステロイド節約に用いる

「Wegener腫症」は旧称であり、現在はGPAを用いる。

多形紅斑

は、左右対称に・四肢伸側へ出る典型的病変を特徴とする。典型病変は、暗い中心部、その周囲の淡い浮腫性帯、外側の紅色輪という3層構造をもつ。が最も多い誘因で、など感染や薬剤も関与し得る。

病型 所見
EM minor 典型的病変が主体で、粘膜病変はないか軽い
EM major 典型的病変に1か所以上のを伴い、全身症状が強い

EMはSJS/TENと同じ連続体ではない。SJS/TENは薬剤関連が多く、体幹優位の非典型病変、広範な粘膜病変、表皮壊死・を示す別の重篤疾患である。「SJSはEMの重症型」という古い整理を用いない。

原因治療、創傷・口腔ケア、疼痛・水分管理を行う。HSV関連の反復例では持続的抗ウイルス薬を検討する。眼痛、視力変化、広範な、重い摂食障害では緊急評価する。

結節性紅斑

は、主に下腿前面へ左右対称に生じる、熱感と圧痛の強い紅色皮下結節である。時間とともに紫~様に変化し、通常は潰瘍・瘢痕を残さず数週で軽快する。病理は血管炎を伴わないが典型である。

原因

地域疫学と症状に応じて咽頭検査、胸部画像、結核検査、便・消化管評価などを選ぶ。原因不明も多い。治療は原因治療、安静・挙上、圧迫、禁忌がなければが中心である。全身性ステロイドは感染を十分除外した重症選択例に限る。

三者の比較

項目 皮膚小血管炎
3層の病変 圧痛性皮下結節
主な深さ 真皮小血管 表皮・表皮真皮境界 隔壁
好発部位 依存部、下腿 四肢末端・伸側、左右対称 下腿前面
潰瘍 重症例であり得る 通常なし。水疱・びらんはあり得る 通常なし
重要な全身評価 腎、肺、神経、消化管 粘膜、眼、薬剤歴、感染 感染、肺、消化管、妊娠

まとめ

  • は小血管炎を示唆し、病変の生検・DIFと尿検査を行う
  • 血管炎では皮膚限局か、腎・肺・神経・消化管を侵す全身性かを最初に分ける
  • は四肢の典型的3層病変が特徴で、SJS/TENとは別疾患である
  • は下腿前面の圧痛性結節で、通常は潰瘍・瘢痕を残さない
  • GCAの視覚症状、ANCA関連血管炎の、SJS/TEN疑いは治療を急ぐ