小児科学

小児科学 · 1-23

小児の咽頭痛

Sore Throat in Children

前提:病態
化膿レンサ球菌(A群)
前提:正常
頸部内臓
疾患
Lemierre症候群咽後膿瘍環軸椎回旋位固定急性扁桃炎・扁桃周囲膿瘍頸部膿瘍
症状
咽頭痛斜頸

🧠 全体像: 小児の最多原因はウイルスである。、、、、など気道・の赤旗を先に除外し、(GAS)は適切に検査して陽性例だけを治療する。

鑑別

原因 手がかり
ウイルス性咽頭炎 咳、、嗄声、結膜炎、
GAS咽頭炎 5〜15歳、急な発熱・、前頸部リンパ節、、扁桃滲出、咳なし
EBV 強い倦怠感、後頸部リンパ節、肝脾腫
/ 後咽頭の小水疱/の広範な疼痛性病変
カンジダ 免疫不全・抗菌薬後、拭って取れる
、逆流、煙・化学刺激、異物・外傷

見逃せない疾患

疾患 赤旗
/ 高熱、、、、
、、、片側腫脹
幼児、・腫脹、、
咽頭炎後の再増悪、敗血症、片側、肺塞栓像
ジフテリア 、、免疫不十分・渡航歴
Stevens–Johnson症候群 多部位、皮疹、薬剤歴

⚠️ 気道閉塞が疑われる児を無理に仰臥位にせず、で咽頭を刺激しない。気道専門チームを直ちに招集する。

ガスの診断と治療

flowchart TD
    A["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='sore throat'>咽頭痛</span>"] --> B{"明らかなウイルス症状があるか"}
    B -->|"はい"| C["GAS検査なし・支持療法"]
    B -->|"いいえ"| D["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='rapid antigen detection test, RADT'>迅速抗原検査</span>"]
    D -->|"陽性"| E["ペニシリンまたはアモキシシリン"]
    D -->|"陰性・3歳以上の小児"| F["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='throat culture'>咽頭培養</span>で確認"]
    F -->|"陽性"| E
    F -->|"陰性"| G["抗菌薬不要"]

GAS咽頭炎は3歳未満ではまれで、も極めて少ないため通常は検査しない1。だけでGASとウイルスを確実に区別できない。発熱・前頸部リンパ節・扁桃滲出/腫脹・咳嗽なしに年齢による加点(3〜14歳+1点・15〜44歳0点・45歳以上−1点)を加えたCentor変法(McIsaacスコア)は、3〜14歳の小児で感度96.9%と通常診療(70.6%)を上回ったが、検査要否を絞る補助にとどまり確定診断ではない2。陽性例は原則10日間のペニシリン/アモキシシリンで治療し、ペニシリンアレルギーでは即時型かを確認して代替薬を選ぶ。抗菌薬の主目的は症状短縮そのものよりもなどの合併症予防にあるが、抗菌薬による症状短縮は平均16時間程度、のは3分の1未満に下がる一方、高所得国でのは小さく1例の合併症予防に多数への投与を要する3。この検査・は国により異なり、米国の学会指針は・培養での確認と陽性例への抗菌薬投与を推奨する一方、欧州の複数のガイドラインは咽頭炎を自然軽快する疾患とみなし治療を限られた場合に限る、またはリスクに応じ個別化するなど、国際的に複数の戦略が併存する4。反復性の・扁桃炎では、頻度基準(例:年7回以上)を満たす重症例に限りが選択肢になるが、対象を厳格に絞った比較試験でも非手術群の多くが軽症で経過したため効果は限定的で、個別判断を要する5。

ウイルス性は水分、/などで支持療法を行う。アスピリンは一般的なに用いない。は気道、、必要時ドレナージを行う。で脾腫があればを避ける。

まとめ

  • ・喘鳴・・は気道/の赤旗である。
  • 明らかなウイルス症状ではGAS検査も抗菌薬も不要である。
  • 3歳以上の症候性小児では迅速検査陰性をで確認する。

出典

  1. 1.Clinical Practice Guideline for the Diagnosis and Management of Group A Streptococcal Pharyngitis: 2012 Update by the Infectious Diseases Society of America(Clinical Infectious Diseases・2012)米国感染症学会のガイドラインが、3歳未満では急性リウマチ熱がまれで連鎖球菌性咽頭炎の典型像も乏しいためGAS検査を通常推奨しないこと(同胞にGAS感染者がいる例など一部は例外)、小児・青年での迅速抗原検査陰性は咽頭培養で確認すべきこと、第一選択薬がペニシリンまたはアモキシシリンであることを確認した。閲覧 2026-08-27
  2. 2.A clinical score to reduce unnecessary antibiotic use in patients with sore throat(CMAJ (Canadian Medical Association Journal)・1998)3〜76歳521例の前向き研究で、発熱・扁桃滲出/腫脹・前頸部リンパ節・咳嗽なしに年齢による加点(3〜14歳+1点・15〜44歳0点・45歳以上−1点)を加えたCentor変法(McIsaacスコア)は、GAS感染同定の感度が全体で83.1%、3〜14歳の小児では96.9%(通常診療70.6%)であったことを確認した。閲覧 2026-08-27
  3. 3.Antibiotics for sore throat(Cochrane Database of Systematic Reviews・2013)27試験12,835例(小児を含む)を収載したコクランレビューで、抗菌薬は急性リウマチ熱を発症後1か月以内に3分の1未満(RR 0.27, 95% CI 0.12–0.60。抄録はこの効果量について試験数を示さず several studies とのみ記しており、収載27試験全体の統合値ではない)に減らした一方、症状短縮は平均約16時間にとどまり、高所得国では合併症予防の絶対的な利益は小さく1例の合併症予防に多数への投与を要する(必要治療数は低所得国でより小さい)ことを確認した。閲覧 2026-08-27
  4. 4.Acute pharyngitis in children and adults: descriptive comparison of current recommendations from national and international guidelines and future perspectives(European Journal of Pediatrics・2023)2009〜2023年の19件の各国・国際ガイドラインを比較し、急性リウマチ熱予防を主目的に抗菌薬治療を推奨する立場、咽頭炎を自然軽快する疾患とみなし抗菌薬を限られた場合に限る立場、リウマチ熱リスクに応じて個別化する立場という3つの異なる戦略が併存し、抗菌薬投与期間も目的により10日間または5〜7日間に分かれることを確認した。閲覧 2026-08-27
  5. 5.Efficacy of tonsillectomy for recurrent throat infection in severely affected children. Results of parallel randomized and nonrandomized clinical trials(The New England Journal of Medicine・1984)年7回以上などの厳格な適格基準を満たす反復性咽頭感染の重症小児を対象とした並行無作為化・非無作為化試験で、扁桃摘出により追跡2年間の咽頭感染回数は有意に減少したが、非手術群の多くも軽症で経過したため手術適応は個別に判断すべきことを確認した。閲覧 2026-08-27