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Disease Atlas · 呼吸器 · 疾患

肺胞微石症

Pulmonary alveolar microlithiasis

別名
肺微石症
臓器系
呼吸器
科目
PathologyInternal Medicine
トピック
病理学 C/21:慢性間質性(拘束性)肺疾患内科学 S-05:間質性肺疾患
上位概念
間質性肺疾患
鑑別疾患
サルコイドーシス過敏性肺炎・塵肺症肺胞蛋白症
合併症
肺高血圧症気胸
症状
労作時呼吸困難乾性咳嗽チアノーゼ
検査値
肺拡散能低酸素血症
画像所見
敷石状パターン石灰化小葉間隔壁肥厚

🧠 全体像:肺は、自分でリン酸を捨てられなくなる。 サーファクタントのリン脂質はに分解され続けるが、その産物であるリン酸をから汲み出しているのがの NPT2b である1。SLC34A2 のでこの汲み出しが止まると、のリン酸が上がり、がとして無数に沈着する21。⭐ この病気の最大の特徴は、画像が凄まじいのに患者が元気なことである——「ので撮った胸部X線にの陰影が見つかる」のが主たる発見様式であり1、砂嵐のような肺を持ちながら無症状の人がいる。⚠️ そして以外に確立した治療は無い21。

なぜ肺だけが石になるのか

SLC34A2 は第4染色体4p15にあり、13エクソン(第1エクソンは非コード)から690アミノ酸のリン酸輸送体をコードする2。

⚠️ この遺伝子は肺だけの遺伝子ではない。 乳腺・小腸・腎・膵・卵巣・肝・精巣・胎盤・前立腺など、多くの上皮由来組織で発現する2。それでも病変は肺に限られる。

💡 答えは「にはリン酸の供給源が常時ある」ことにある。 NPT2b は肺と小腸で最も豊富に発現しており、では、によるのに由来するリン酸をから汲み出している1。この経路が止まると、のリン酸だけが行き場を失う。

その結果がである。

性状 内容
組成 。の層構造をもつ石灰化小球1
カルシウム:リン比 およそ2:1〜3:11(総説によっては「リン:カルシウム=1:2」と表記2。同じ比を逆から書いたもの)
直径 50〜1000マイクロメートル2
その他 鉄・・カリウム・を種々の量で含む2
で、を思わせるの表面1

⭐ 移植後に自己肺側で再発した報告が無いことが、本症を「全身のリン代謝異常」ではなく肺胞局所の代謝異常とみなす根拠になっている2。

疫学——1022例が示すもの

2014年12月までの544論文から1022例が集められ、65か国に分布していた2。

地域・国 症例数(人口百万あたり)
アジア 576例(56.3%)
ヨーロッパ 285例(27.8%)
トルコ 139例(1.85)
中国 133例(0.10)
日本 119例(0.92)
インド 80例(0.06)
イタリア 65例(1.08)
米国 50例(0.15)

(いずれも2)

💡 絶対数と人口あたりの率は別の話をする。 中国は症例数で2位だが人口あたりでは0.10と低く、トルコ(1.85)とイタリア(1.08)が突出する。率とを反映していると考えられる。

項目 値
163家系の381例(37.2%)
孤発例 641例(62.7%)
両親が 163家系のうち36家系(22%)
男性 513例(50.2%)
女性 421例(41.2%)

(いずれも2)

⚠️ 性差は「国によって逆向き」である。 トルコ・中国・インドでは男性優位(66.7%・58.6%・54.4%)だが、イタリア・スペイン・フランスでは女性優位だった2。⭐ の疾患に性差は本来出ないはずで、受診・診断のされ方の違いを疑う所見である。

診断年齢は全年齢に分布するが、20歳代・30歳代に集中し、その後は減少して高齢者では稀になる2。最年少は生後12時間で死亡した早産の双子、最高齢は84歳・82歳・80歳である2。ERR 2020 は診断年齢の中央値を20〜40歳代とする1。

臨床像——画像と症状の解離

⭐⭐ 本症を最も特徴づけるのは臨床・画像解離である。 画像所見が高度でも症状は軽い1。

⚠️ 経過は一様でない。 診断から58年間、も呼吸機能も画像もまったく不変のまま生存している患者がいる2。一方で、就業前健診の胸部X線が正常だった人が、無症状のまま働いた11か月後の定期健診で既にPAMの画像を呈し、7年後に死亡した例もある2。⭐ この11か月は「発症年齢」ではなく「正常X線から完成した画像までの間隔」である——画像が年単位で完成しうることを示す例として読む。

⚠️⚠️ 遺伝子型と表現型の相関は無い。 総説は「文献のデータは遺伝子型・表現型相関を支持せず、疾患のはほぼ専ら非遺伝的な因子に結びついている」と述べている2。💡 同じ変異を持つ同胞の経過が違いうるということで、遺伝子診断は予後を教えてくれない。

画像

胸部単純X線——4期分類

⭐ 単純X線だけで病期を分けられる2。

期 所見
第1期() びまん性の非石灰化。無症状の小児に見られ、報告は稀
第2期(典型期) 直径1 mm未満のびまん性散在性石灰化によるの外観。⭐ と横隔膜の輪郭は保たれる
第3期() がを覆い、と横隔膜の境界が不明瞭になる
第4期(進行末期) 強い石灰化により「」。・気嚢・骨化を伴いうる

(いずれも2)

古典的な2つの徴候。

  • ⭐ :「肺実質の濃度が・横隔膜・・心横隔膜溝を覆い隠す」所見1。第3〜4期にあたる
  • ⭐ :胸郭と石灰化した肺の陰影とのあいだに見える黒い線で、Felson により最初に記載された1

💡 「砂嵐」から「」への連続として覚える。 第2期でが見えるかどうかが、第3期との分かれ目である。

HRCT

所見 内容
びまん性の性肺胞陰影 本体1
石灰化した ⭐ 単なる肥厚でなく石灰化していることが本症の手掛かり21
1
⭐ 第3〜4期では「診断的、さらには病態特異的でありうる」とされる2
の、胸膜の石灰化 進行例で強い21
小嚢胞()・ 晩期。を伴うこともある21

⚠️ は本症に特異的ではない。 の原因はをはじめ多岐にわたる。本症で「病態特異的でありうる」とされるのは第3〜4期であって、あらゆる病期ではない2。

診断

flowchart TD
    A["胸部X線で偶発的に<br>びまん性の<span class='jp-term jp-term-diagram' title='high attenuation'>高吸収</span><span class='jp-term jp-term-diagram' title='micronodule'>微小結節</span>"] --> B["家族歴を聴取<br><span class='jp-term jp-term-diagram' title='consanguineous marriage'>近親婚</span>・同胞の胸部X線"]
    B --> C["胸部<span class='jp-term jp-term-diagram' title='high-resolution computed tomography'>HRCT</span><br>石灰化した<span class='jp-term jp-term-diagram' title='interlobular septum'>小葉間隔壁</span>・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='crazy-paving pattern'>敷石状パターン</span>"]
    C --> D{"家系に既知の<br>診断例があるか"}
    D -->|"ある"| E["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='chest radiograph'>胸部単純X線</span>で足りる"]
    D -->|"ない"| F["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='bronchoalveolar lavage (BAL)'>気管支肺胞洗浄</span>で<span class='jp-term jp-term-diagram' title='microlith'>微石</span>を回収"]
    F --> G["SLC34A2 の<span class='jp-term jp-term-diagram' title='genetic analysis'>遺伝子解析</span>"]
    E --> H["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='staging'>病期分類</span>と呼吸機能で経過観察"]
    G --> H
  • ⭐ 最適な診断手技は胸部との組み合わせである。ただし既に診断例のある家系ではで足りる2
  • でが回収される。組織学的には、無定形ないしの核の周囲にの石灰層をもつ PAS 陽性構造である2
  • ()は歴史的に肺への集積を示したが、⚠️ が大きく取って代わった1
  • は早期には正常で、進行に伴い低下を伴うを示す1

💡 無症状の同胞を探すことが、この病気の診療で最も価値のある行為かもしれない。 が37.2%を占め、が22%の家系にある2——1例が見つかった時点で家系の胸部X線を撮る理由がここにある。

治療

⚠️⚠️ 確立した薬物療法は無い。 総説は「現時点で疾患の進行を抑えうる薬物療法も遺伝子治療も存在しない」と述べている2。

試みられたもの 結果
無効2
無効2
(従来の投与法) 無効2
文献が限られ、⚠️ 議論が続いている。長期の有益性を報告したものもあれば有用性を疑うものもある2

💡 「効かない」の並びには意味がある。 がでは治療の柱であるのに本症では効かない——蓄積しているものが洗い流せる蛋白様物質ではなく、固い結石だからである。

肺移植

終末期にはが唯一の確立した治療である213。

  • 総説が集めた17例。大半が両側移植で、片側移植の報告もある2
  • ⭐ 再発の報告が無い。 最長で15年間、再発なく生存している2
  • ⚠️ ただし移植そのものの死亡は少なくない。 総説の表では、術後早期の死亡が・の不安定・敗血症でそれぞれ記載され、さらに2例がで死亡している(追跡20か月・5年)2

動物モデルが示した方向

⭐ Npt2b 欠損マウスで、リン酸を「入れない」あるいは「取り出す」介入が効いた1。

  • 著明ながの蓄積を予防し、量を減少させた
  • ()ないし(EGTA)によるのが、摘出ヒト肺との双方で結石量を減らした

⚠️ これはマウスと摘出肺の結果であって、ヒトでの治療効果ではない。 2015年の総説が「は無効」としているのと矛盾しないよう読む——と製剤が違う(従来の全身投与・と、剤による)。2025年の総説も「病態解明の進展が治療法の候補を示唆している」という段階にとどめている3。

予後

  • 経過は緩徐に進行し、しばしば中年後期に呼吸不全へ至る3
  • ⚠️ この数字の母集団は「日本人53例の長期」である。 その研究では、呼吸不全が診断後10〜20年以内に34.1%の患者の死因となり、生存した患者のうちさらに42.9%が診断後20〜49年以内に同じ経過をたどった。全体の平均生存は46.2歳までであった1
  • ⚠️ 一方で58年間まったく進行しない患者もいる2。遺伝子型は予後を教えない

鑑別

相手 分けるもの
同じくを作るが、⭐ 石灰化しない。が効く
上肺優位の結節と。石灰化は病歴の長い例に限られる
歴。のリンパ節はであって肺胞内ではない
発熱・全身症状を伴う。石灰化しない
・などの背景があり、⭐ 上肺優位に分布する
下肺・優位のと。石灰化は伴わない

まとめ

  • SLC34A2(NPT2b、IIb型)のにより、がのリン酸を汲み出せなくなる疾患。
  • 💡 供給源はの。だから遺伝子は全身の上皮で発現しているのに、病変は肺だけに出る。移植後に自己肺で再発しないことがこれを支持する。
  • はで、Ca:P ≈ 2:1〜3:1、直径50〜1000マイクロメートル。
  • ⭐⭐ 臨床・画像解離が最大の特徴。主な発見様式は他目的の胸部X線での。
  • 1022例・65か国。トルコ(人口百万あたり1.85)とイタリア(1.08)が突出。37.2%、が家系の22%。⚠️ 性差は国によって逆向きで、診断のされ方の反映を疑う。
  • 単純X線は4期に分かれる。第2期はでが見える、第3〜4期でとへ。も古典的所見。
  • HRCTでは石灰化したと。第3〜4期のは「病態特異的でありうる」とされる。
  • 診断は+。既に診断例のある家系では単純X線で足りる。はに取って代わられた。
  • ⚠️ ステロイド・・はいずれも無効。 終末期のが唯一の確立した治療で、再発の報告は無い。
  • ⚠️ 遺伝子型・表現型相関は無い。58年間まったく不変の例から、正常X線の11か月後に画像が完成して7年後に死亡した例まで幅がある。
  • 予後の数字は日本人53例の長期由来——診断後10〜20年以内に34.1%が呼吸不全で死亡、生存例のさらに42.9%が20〜49年以内に続き、全体の平均生存は46.2歳まで。

出典

  1. 1.Pulmonary alveolar microlithiasis(European Respiratory Review(Kosciuk P, Meyer C, Wikenheiser-Brokamp KA, McCormack FX)・2020)PMC 版(PMC9488654)で本文を閲覧した。微石が同心円状の層構造をもつ石灰化小球でヒドロキシアパタイトからなりカルシウム対リン比がおよそ2:1〜3:1であること、原因が SLC34A2 の変異によるナトリウム依存性リン酸共輸送体 NPT2b の欠損であること、NPT2b が「肺と小腸で最も豊富に発現する」輸送体でII型肺胞上皮細胞に局在し、肺胞マクロファージによるサーファクタントリン脂質の異化に由来するリン酸を肺胞腔から汲み出す役割をもつこと、Npt2b 欠損マウスで「著明な食餌性リン酸制限が微石の蓄積を予防し微石量を減少させる」こと、エチレンジアミン四酢酸ないしエグタジン酸によるカルシウムキレート剤の治療的肺胞洗浄が摘出ヒト肺と動物モデルの双方で結石量を減らしたこと、診断年齢の中央値が20〜40歳代であること、「無関係の主訴で撮影された胸部X線に高吸収の陰影が偶然見つかることが本症の主たる発見様式である」こと、画像所見が高度でも症状が軽い臨床・画像解離が特徴であること、胸部X線が下肺優位の微細な微小結節性陰影で砂状に見え進行すると「肺実質の濃度が心陰影・横隔膜・肋骨横隔膜洞・心横隔膜溝を覆い隠して『消失する心臓(vanishing heart)』と呼ばれる所見をもたらす」こと、「胸郭と石灰化した肺の陰影との間の黒い胸膜線が Felson により最初に記載された」こと、HRCT ではびまん性の高吸収微小結節性肺胞陰影・石灰化した小葉間隔壁肥厚・すりガラス影・敷石状パターン・胸膜下の間質肥厚・小嚢胞として現れる傍隔壁性肺気腫を認めること、呼吸機能が早期には正常でしばしば進行に伴い「拡散能低下を伴う拘束性障害」を示すこと、テクネチウム99mメチレンジホスホン酸を用いた骨シンチグラフィが歴史的に集積を示したが HRCT がこれに大きく取って代わったこと、気管支肺胞洗浄で回収される微石が走査電顕で「球状の構造と皮質骨を思わせる多孔性の表面」を示すこと、支持療法が標準で終末期には肺移植が唯一の確立した治療であること、予後の記述が「日本人53例の長期追跡研究では(In a long-term follow-up study of 53 Japanese patients)、呼吸不全が診断後10〜20年以内に34.1%の患者の死因となり、生存した患者のうちさらに42.9%が診断後20〜49年以内に同じ経過をたどった。全体の平均生存は46.2歳までであった(Mean survival overall was to an age of 46.2 years.)」という2文であり、34.1%・42.9%・46.2歳がいずれもこの53例の日本人コホートに付いた値であることを確認した閲覧 2026-09-09
  2. 2.Pulmonary alveolar microlithiasis: review of the 1022 cases reported worldwide(European Respiratory Review(Castellana G, Castellana G, Gentile M, Castellana R, Resta O)・2015)PMC 版(PMC9487614)で本文を、抄録を PubMed の eutils 経由で閲覧した。2014年12月までに公表された544論文から1022例を集めた総説であること、本症が微石(microlith)と呼ばれる微小結石の肺胞内へのびまん性の蓄積を特徴とし、II型肺胞上皮細胞のIIb型ナトリウム依存性リン酸共輸送体をコードする SLC34A2 の変異により生じること、症例が65か国に分布しアジア576例(56.3%)・ヨーロッパ285例(27.8%)であること、国別ではトルコ139例(人口百万あたり1.85)・中国133例(0.10)・日本119例(0.92)・インド80例(0.06)・イタリア65例(1.08)・米国50例(0.15)であること、性別が男性513例(50.2%)・女性421例(41.2%)・不明88例(8.6%)で、トルコ・中国・インドでは男性優位(66.7%・58.6%・54.4%)である一方イタリア・スペイン・フランスでは女性優位であること、診断年齢が全年齢に分布するが20歳代・30歳代に集中しその後減少して高齢者では稀であること、最年少が生後12時間で死亡した早産の双子・最高齢が84歳/82歳/80歳であること、家族例が163家系の381例(37.2%)で孤発例が641例(62.7%)であること、163家系のうち36家系(22%)で両親がいとこ婚であったこと、SLC34A2 が第4染色体4p15に位置し13エクソン(第1エクソンは非コード)からなり690アミノ酸のリン酸輸送体をコードすること、乳腺・小腸・腎・膵・卵巣・肝・精巣・胎盤・前立腺など複数の上皮由来組織で発現すること、2006年以降に18例と5家系で16種類の変異が同定され大半が機能喪失ないし未成熟終止をもたらすこと、II型肺胞上皮細胞がリン酸イオンを除去できなくなり細胞外液中にリン酸カルシウム沈着(微石)が形成されること、微石のリン:カルシウム比が1:2で鉄・マグネシウム・カリウム・銅を種々の量で含み直径が50〜1000マイクロメートルであること、臨床経過が一様でなくその変動要因が主として非遺伝的であること、遺伝子型と表現型の相関を支持するデータが文献に無いこと、胸部X線が4期に分類され第1期(前石灰化期)はびまん性の非石灰化微小結節で無症状の小児に見られ報告が稀なこと、第2期(典型期)が直径1 mm未満のびまん性散在性石灰化微小結節による砂紙様の外観で心陰影と横隔膜の輪郭は保たれること、第3期(進行期)で間質肥厚が微小結節を覆い心陰影と横隔膜の境界が不明瞭になること、第4期(進行末期)で強い石灰化により「白い肺」となり傍隔壁性肺気腫・気嚢・骨化を伴いうること、HRCT の敷石状パターンが第3〜4期において「診断的、さらには病態特異的でありうる」とされること、石灰化した小葉間隔壁・胸膜の石灰化・晩期の胸膜下嚢胞と鏡面像が見られること、最適な診断手技が胸部HRCTと気管支肺胞洗浄の組み合わせであり既に診断例のある家系では胸部単純X線で足りること、気管支肺胞洗浄で微石が回収され組織学的には無定形ないし顆粒状の核の周囲に同心円状の石灰層をもつ PAS 陽性構造であること、全身性副腎皮質ステロイド・全肺洗浄・カルシウムキレート剤がいずれも無効と示されていること、エチドロン酸二ナトリウムは文献が限られ議論が続いていること、現時点で進行を抑えうる薬物療法も遺伝子治療も存在しないこと、肺移植が17例報告され両側12例・片側5例で再発の報告が無く最長で15年間再発なく生存した例があり、⚠️ 表3の転帰欄には術後早期の死亡が多臓器不全・循環動態の不安定・敗血症でそれぞれ記載され閉塞性細気管支炎による死亡が2例あること(⚠️ 両側12例・片側5例という内訳を明記した1文は本文中に見つけられず、表3の集計は監査時の読み取りでは11対6となった。この内訳は未確定として扱う)、移植後に自己肺側でも再発報告が無いことが本症を肺胞局所の代謝異常とみなす根拠になること、進行例72例にばち指を認め16例が気胸を合併したこと、1例が診断から58年間にわたり臨床的にも画像上も不変のまま生存していること(The longest living clinical case, with an absolutely stationary clinical, functional and radiographic picture, is still alive, 58 years after the diagnosis.)、⚠️ 別の1例では「就業前の受診時の胸部X線が正常であったが、職場で無症状に過ごしたわずか11か月後の定期受診でPAMの画像が示された」(the patient had a normal chest radiograph at a medical visit prior to employment at a factory, but only 11 months later, during which he had been symptom-free at work, a periodic visit demonstrated the picture of PAM.)のであって、この11か月は発症年齢ではなく正常X線から画像完成までの間隔であり、その患者が7年後に死亡したこと、移植例の転帰欄が「Died postoperatively because of multi-organ failure」「Died postoperatively from haemodynamic instability」「1 died postoperatively from sepsis」「Followed-up for 20 months, died of bronchiolitis obliterans」「Followed-up for 5 years, died of bronchiolitis obliterans」「Followed-up for 15 years」等であることを確認した。⚠️ 本総説は移植例で「15年間再発なし」を最長生存としており、例数の内訳は上記のとおり閲覧 2026-09-09
  3. 3.Pulmonary Alveolar Microlithiasis: A Disorder of Pulmonary Phosphate Homeostasis(Clinics in Chest Medicine(Zhou CY, Elwing JM, Bendstrup E, McCormack FX)・2025)肺胞微石症が常染色体潜性遺伝の超希少肺疾患であり、肺上皮の主要なナトリウム依存性リン酸共輸送体の機能喪失により肺胞腔のリン酸が上昇してリン酸カルシウム結晶が蓄積すること、無症状者のルーチンの胸部X線で偶然に、あるいは既知の家族歴をもつ家系のスクリーニングで発見されることが多いこと、経過が緩徐で中年後期に呼吸不全へ至ることが多いこと、現在の管理が支持療法に限られ終末期には肺移植が行われること、病態解明の進展が治療法の候補を示唆していることを確認した。抄録のみを閲覧しており全文は未取得閲覧 2026-09-09