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Imaging findings · Published

後縦隔腫瘤

Posterior mediastinal mass

別名
傍脊椎腫瘤後縦隔腫瘍の画像所見
臓器系
呼吸器腫瘍小児
科目
AnatomyPathology
トピック
解剖学 2.5:胸部:縦隔病理学 B/22:小児腫瘍の特徴(神経芽腫・網膜芽細胞腫・ウィルムス腫瘍など)
関連疾患
神経芽腫・ウィルムス腫瘍神経鞘腫神経節芽腫神経節腫

🧠 全体像)に腫瘤を見つけたとき最初にすべきことは、良悪性の判定ではなくを軸にした鑑別の絞り込みである。成人では、小児ではが最多を占め、そこに・食道関連病変・傍脊椎の感染が加わる。生検を急ぐ前に、の有無との可能性を必ず確認する。

所見の定義

縦隔の区画分類には版があり、どの版で区画を切っているかを明示することがの前提になる。現行のITMIG(国際胸腺悪性腫瘍研究グループ)/JART分類はCTの横断像で解剖学的境界を再定義したもので、は頭側を、尾側を横隔膜、前方を臓側(中)区画の後縁、後外側を胸壁後方で外側を通る垂直線で囲む範囲を指す1。この区画に生じる異常の大半はが占める1。側面胸部X線上のランドマーク(心膜後縁など)で三分割していた古典的なの「」とは境界が異なるため、本ノートは現行のに従いとして扱う。

の鑑別はノートの「の鑑別」に委ね、本ノートは・傍脊椎に限定する。区画分類全体の枠組みは縦隔腫瘍ノートを参照。

鑑別の柱

分類 代表疾患 鍵となる所見
(最多) 成人:(末梢瘍)
小児:
の拡大、)の有無
・重症慢性溶血における 両側傍脊椎の、脂肪含有、慢性溶血の病歴
を伴うことがある) 境界明瞭な、内部が均一な
食道関連 、高度なによる拡張食道 食道走行に沿った腫瘤様陰影、の有無
傍脊椎の感染・その他 リンパ節腫脹リンパ腫など)、下行 椎体破壊・の合併、大動脈との

⭐ 鑑別を絞る形態所見として、の拡大・肋骨の性変化はを、石灰化(CTで80〜90%に認める。単純X線では最大30%にとどまる2)やの椎体病変を、脂肪含有を、多発性・両側性を示唆する。年齢も鍵で、小児で石灰化を伴う腫瘤はまずを第一に考える。

⚠️ 生検の前に考えること

  • )の評価にはMRIが要る。 胸部原発のでは最大28%にを介したがあり、CTだけでは過小評価しうる2
  • を疑う病変は、生検前に生化学的評価(または)をする。 未評価のままを行った20例中14例(70%)で何らかの有害事象が生じたとする報告があり、内訳は血腫30%、重症高血圧15%のほか、の難易度上昇41%、不適切な生検25%、強い疼痛25%、手術の遅延15%であった3
  • ⚠️ を腫瘍と誤って生検・切除すると、血管に富む腫瘤からの大量出血や、代償していた造血能の喪失につながる。 慢性溶血性疾患の病歴と両側性・脂肪含有という所見の組み合わせを見逃さない。

評価の進め方

flowchart TD
    A["胸部X線で傍脊椎陰影"] --> B["造影CTで評価<br>区画・石灰化・脂肪含有・血管との関係"]
    B --> C{"<span class='jp-term jp-term-diagram' title='neurogenic tumor'>神経原性腫瘍</span>を疑うか"}
    C -->|"疑う"| D["MRIで<span class='jp-term jp-term-diagram' title='intraspinal extension'>脊柱管内進展</span>を評価"]
    C -->|"疑わない"| E["基礎疾患を確認<br>慢性溶血の有無など"]
    D --> F{"<span class='jp-term jp-term-diagram' title='pheochromocytoma'>褐色細胞腫</span>・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='paraganglioma'>傍神経節腫</span>を疑うか"}
    F -->|"疑う"| G["生検前に生化学的評価<br><span class='jp-term jp-term-diagram' title='plasma free metanephrines'>血漿遊離メタネフリン</span>など"]
    F -->|"疑わない"| H["生検の要否を判断"]
    E --> H
    G --> H

紛らわしいもの

紛らわしいもの 見分けるポイント
正常変異(の偏位) 実質を伴う腫瘤影ではなく血管・の投影。過去画像と比較して形状が安定していれば正常変異
・肺背側の病変 主座が内にありの外。気管支の走行と連続するかで区別する
の胃嚢 を伴う嚢胞様陰影として下部に投影されるが、食道と連続し造影で診断がつく
脊椎の・転移など) ではなくの破壊が主体。CTの骨条件で区別する

まとめ

  • を指す。古典的なとは境界が異なるため、どちらの版かを明示する。の鑑別はノートに委ねる。
  • が最多で、成人は、小児はが代表。
  • 石灰化・脂肪含有・多発性/両側性・年齢が鑑別を絞る手がかりになる。
  • 生検前にMRIでを、を疑う病変では生化学的評価を済ませる。
  • を腫瘍として生検・切除すると、大量出血や造血能の喪失につながる。

出典

  1. 1.ITMIG Classification of Mediastinal Compartments and Multidisciplinary Approach to Mediastinal Masses(RadioGraphics(Radiological Society of North America)・2017)ITMIGのCTに基づく傍脊椎(後縦隔)区画の境界定義と、この区画で最多を占めるのが神経原性腫瘍であることを確認した閲覧 2026-08-04
  2. 2.Mediastinal Masses in Children: Radiologic-Pathologic Correlation(RadioGraphics(Radiological Society of North America)・2021)神経芽腫はCTで80〜90%に石灰化を認める(単純X線では最大30%)こと、胸部原発の最大28%で椎間孔を介した脊柱管内進展があることを確認した閲覧 2026-08-04
  3. 3.Biopsy of pheochromocytomas and paragangliomas: potential for disaster(Surgery(学術誌)・2009)褐色細胞腫・傍神経節腫の経皮生検20例中14例(70%)で有害事象が生じ、内訳は血腫30%・重症高血圧15%・根治手術の難易度上昇41%・不適切な生検25%・強い疼痛25%・手術の遅延15%であったこと、したがって生検前の生化学的評価が必須であることを確認した閲覧 2026-08-04