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Lab values · Published

Dダイマー

D-dimer

別名
フィブリンDダイマー
臓器系
血液循環器全身
科目
Internal MedicineAnesthesiology
トピック
内科学 H-08:血栓症の評価麻酔科学 B-10:肺塞栓症の病態・診断・治療麻酔科学 B-09:致死的凝固異常:肺塞栓症と播種性血管内凝固
関連疾患
Kasabach-Merritt現象Trousseau症候群急性前骨髄球性白血病新型コロナウイルス感染症深部静脈血栓症静脈血栓塞栓症腸間膜虚血(急性・慢性、虚血性大腸炎を含む)脳静脈洞血栓症播種性血管内凝固肺血栓塞栓症
影響する薬剤
コンシズマブマルスタシマブ

🧠 全体像は、凝固でできたが線溶で分解された痕跡である。高感度だが非特異的なので、役割は低いの患者でを除外することにある。陰性は適切な患者でに使えるが、陽性だけでは血栓をできない。

何を測っているか

トロンビンがフィブリノゲンをフィブリンへ変え、が架橋する。そのが分解するとを含む分解産物が生じる。したがって、単なるフィブリノゲン分解ではなく「凝固形成後に線溶が起きた」ことを反映する。

flowchart TD
    A["凝固活性化"] --> B["トロンビン生成"]
    B --> C["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='fibrin formation'>フィブリン形成</span>"]
    C --> D["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='factor XIII'>第XIII因子</span>による架橋"]
    D --> E["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='plasmin'>プラスミン</span>による分解"]
    E --> F["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='D-dimer'>Dダイマー</span>上昇"]
    F --> G["血栓の存在部位・原因は特定できない"]

は抗体を用いた免疫測定で定量する。測定法は認識する分解産物やが統一されておらず、装置間で同じ数値が同じ意味とは限らない。

単位とカットオフ

表示 意味 注意点
FEU フィブリノゲン等量で 500 µg/L FEUが固定閾値の代表例
DDU そのものの質量で 数値はFEUのおおむね半分だが、単純換算で運用しない
ng/mL・µg/L・mg/L 質量濃度の単位 500 ng/mL = 500 µg/L = 0.5 mg/L

と陰性は、検査法、単位、対象患者、診断アルゴリズムを一組として用いる。報告書の「正常範囲」を、別施設のWells・YEARS経路へ無条件に当てはめない。

50歳を超える低〜中確率患者では、検証済みのFEU法で年齢 × 10 µg/Lを年齢調整上限として使える。例えば70歳なら700 µg/L FEUである。年齢調整は高い、未検証の測定法、単位不明の結果へ外挿しない。

低値・陰性の意味

高感度法による陰性は、DVT・が低い患者で画像を省略できる可能性を示す。これは単独ではなく、検証済みのと組み合わせた診断戦略のである。

状況 陰性の扱い
VTE低確率・高感度法・適切な VTEを原則除外できる
VTE高確率 陰性でも画像検査を優先する
抗凝固開始後 値が低下し、偽陰性の懸念が増える
発症から時間が経過、小さな血栓、再発疑い 感度が下がり得るため臨床像と画像を優先する

⚠️ 循環不安定な肺塞栓症疑い、強いDVT所見、画像を急ぐべき高確率例では、待ちを診断・治療のにしない。

高値の意味

機序・状況 代表例 解釈
血管内血栓 DVT、、動脈血栓 部位に応じた画像で確認する
全身性凝固活性化 血小板、PT、フィブリノゲン、臓器障害と統合する
・炎症 感染、手術、外傷、熱傷、炎症性疾患 高値でも血栓の特異性は低い
生理・背景 加齢、妊娠・ で検証された経路を用いる
悪性腫瘍・臓器障害 癌、肝疾患、腎機能低下 ベースライン高値が多く除外効率が下がる

陽性は「形成と分解がどこかで増えた」ことしか示さない。値が高いほど重症病態の可能性は上がり得るが、数値だけから血栓の有無・部位・新旧を確定しない。

DICではは重要な構成項目であり、2025年ISTHスコアは施設に対する倍率を使う。それでも単独診断ではなく、原因疾患、血小板、PT、フィブリノゲン、を組み合わせる。

VTEを疑うときの使い方

flowchart TD
    A["DVT・肺塞栓症を疑う"] --> B["Wellsなどで<span class='jp-term jp-term-diagram' title='clinical pretest probability'>臨床的検査前確率</span>を評価"]
    B --> C{"低確率・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='PE unlikely'>可能性低</span>値か"}
    C -->|"はい"| D["対応する高感度<span class='jp-term jp-term-diagram' title='D-dimer'>Dダイマー</span>"]
    D --> E{"陰性か"}
    E -->|"はい"| F["VTEを原則除外"]
    E -->|"いいえ"| G["部位に応じた画像検査"]
    C -->|"いいえ"| G
    G --> H["陽性画像と臨床像で診断"]

NICEはDVTで2段階Wells 1点以下なら、2点以上なら超音波を優先し、肺塞栓症では4点以下と4点超で経路を分ける。使用するスコアの版と後続手順を混在させない。

入院、術後、妊娠、癌、強い炎症では陽性が多く、を測っても画像を減らせないことがある。妊娠では一律の年齢調整ではなく、妊娠に適応・検証されたYEARSなどの経路を用いる。

測定上の注意

  • クエン酸Na採血管は規定量まで満たし、血液と抗凝固薬の比を保つ。充填不足は結果へ影響し得る。
  • 55%超ではに対してクエン酸が過剰になるため、検査室へ調整を相談する。
  • のある検体、採取・・測定の遅延、輸液ライン混入は再採血を検討する。
  • 溶血・黄疸・脂血、などの干渉は測定法依存であり、臨床像と矛盾すれば検査室へ照会する。
  • 抗凝固治療開始時刻、手術・外傷・妊娠、炎症、癌、腎機能を結果と同じ時間軸に置く。

経時変化

の反復測定はDICなど全身性凝固異常の推移には使えるが、VTE治療効果を日々の値だけで判定しない。新たな症状があれば、前回値からの増減より再発のと画像を優先する。

まとめ

  • が分解された痕跡で、血栓の部位や原因を示さない。
  • 低確率患者の陰性でVTEを除外する検査であり、陽性単独でVTEを確定しない。
  • 50歳超の年齢調整閾値は、FEU法と検証済み診断経路を組み合わせて使う。
  • FEU・DDUと質量単位を確認し、別法の数値を機械的に比較しない。
  • 高確率・循環不安定例ではを待たず画像・救命対応へ進む。