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Symptoms · Published

項部硬直

Nuchal rigidity

臓器系
神経感染症
科目
NeurologyPediatrics
トピック
神経内科 02:髄膜刺激徴候の診察神経内科 G1-22:髄膜炎と脳炎小児科学 2-04:中枢神経疾患の警告徴候・検査と腰椎穿刺
関連疾患
ウイルス性脳炎くも膜下出血クリプトコッカス症ポリオ咽後膿瘍細菌性髄膜炎新生児敗血症髄膜癌腫症脳卒中無菌性髄膜炎
スコア
Hunt and Hess分類

🧠 全体像は、の炎症や出血で神経根が伸展刺激を受けたときに生じる防御性のである。臨床的な価値は一方向にしかない——あれば髄膜炎とを強く疑わせるが、無いことは何も除外しない。感度が低い所見を除外に使ってしまうのが最大の落とし穴で、疑ったら所見の有無にかかわらずへ進む。もう一つの役割は、頸部そのものの可動域制限と区別することである。

このノートは所見の取り方と解釈に絞る。頭痛の赤旗全体は頭痛ノート、発熱の評価は発熱ノートが扱う。

髄膜刺激徴候の取り方

徴候 手技 陽性所見
仰臥位で頭部を的にさせる 屈曲に対する抵抗と疼痛。顎が胸に着かない
股・膝を90°屈曲させた位置から膝を伸展する 伸展への抵抗と疼痛
頭部を的にさせる 股・膝が反射的に屈曲する
頭部を毎秒2〜3回、水平に振る 頭痛の増悪

屈曲だけが制限されるかどうかを見る。 ではが特異的に痛く硬い一方、左右への回旋は比較的保たれる。屈曲・伸展・回旋のすべてが等しく制限されるなら、髄膜ではなく・頸部筋の問題を考える。

無いことで髄膜炎を除外できない

⚠️ はいずれも特異度は高いが感度が低いの感度は数%にとどまるという報告があり、自体もの3割前後でしか陽性にならない。は当初高感度と報告されたが、その後の検証で感度は低く、陰性を除外根拠にできない

⚠️ 発熱・・意識変容のがそろうは半数以下である。ただし頭痛・発熱・・意識変容の4つのうち2つ以上はほぼ全例に認められるので、単独所見ではなく組み合わせで疑う。

所見が出にくい集団 理由・代わりに見るもの
乳児 が発達的に出ない。、甲高い、体温不安定で拾う
高齢者 頸部の変形性変化に紛れ、意識変容だけが前景になる
免疫抑制・好中球減少 炎症反応そのものが乏しい。では亜急性の頭痛のみのことがある
の発症直後 血液が髄膜を刺激するまでに時間がかかり、初期は陰性でありうる

⚠️ を疑ったら、所見の陰性や・画像の遅れを理由に抗菌薬を遅らせない。 血液培養を採取したうえでを開始する。

髄膜刺激か、頸そのものの問題か

病態 見分け方
が選択的に制限。回旋は保たれる。発熱・頭痛・を伴う
変形性 全方向がに制限。急性の全身症状を欠く
全方向に痛みを伴わない。他の錐体外路徴候を伴う
頸を動かすと痛むがより回旋が痛い。嚥下時痛、、頸部の腫脹
破傷風 が先行し、へ進む。持続的な全身ので、屈曲だけの所見ではない

陽性を見たら

flowchart TD
    A["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='nuchal rigidity (neck stiffness)'>項部硬直</span>・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='meningeal signs'>髄膜刺激徴候</span>"] --> B{"突然発症の激烈な頭痛か"}
    B -->|"あり"| C["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='subarachnoid hemorrhage'>くも膜下出血</span>として<span class='jp-term jp-term-diagram' title='noncontrast CT'>単純CT</span><br>陰性でも臨床的に疑えば<span class='jp-term jp-term-diagram' title='lumbar puncture'>腰椎穿刺</span>"]
    B -->|"なし"| D{"発熱・意識変容があるか"}
    D -->|"あり"| E["血液培養後ただちに経験的抗菌薬<br>脳炎を疑えばアシクロビルを併用"]
    D -->|"なし"| F["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='cervical vertebra'>頸椎</span>・頸部筋・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='extrapyramidal symptoms (EPS)'>錐体外路症状</span>を評価"]

⚠️ 、新規のけいれん、著明な意識低下、高度の免疫不全があれば、の前に頭部画像を検討する。ただし画像で頭蓋内圧が正常だと保証できるわけではない

まとめ

  • の刺激による防御性で、髄膜炎とを疑う入口になる。
  • 陽性なら強く疑わせるが、陰性は何も除外しないはいずれも感度が低い。
  • がそろうのは半数以下。頭痛・発熱・・意識変容のうち2つ以上を疑いの閾値にする。
  • 乳児・高齢者・免疫抑制者では所見が出ない。乳児はで拾う。だけが選択的に制限されるかを見て、全方向の制限は疾患かと考える。
  • 疑ったら所見や検査の遅れを理由に抗菌薬を遅らせない。血液培養後にただちに開始する。