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Drug Atlas · B26 Antihistamines / 抗ヒスタミン薬 · 必修

シプロヘプタジン

cyproheptadine

分類
Antihistamines / 抗ヒスタミン薬
商品名(日本)
ペリアクチン
科目
Pharmacology
トピック
B26: Histamine and antihistaminesCore52: Drug-induced adverse reaction: serotonin syndrome
承認適応
セロトニン症候群
副作用
傾眠体重増加
原因となる疾患
無顆粒球症

🧠 全体像は分類上は第1世代抗ヒスタミン薬の一つに過ぎないが、臨床での存在感は「アレルギーを抑える薬」としてよりもとしての顔の方が大きい。拮抗という他の第1世代薬と共通する機序に加えて、への強いを併せ持つ数少ない抗ヒスタミン薬であり、この一点がシグナルの過剰状態を鎮める根拠になる。ただしでしか使えず、意識障害・イレウスを伴う重症例にはそのものが使えないという実務上のも併せて理解する。

薬効群の中での位置づけ

分類 薬剤 追加の受容体プロファイル 臨床的な意味
第1世代抗ヒスタミン薬(鎮静性) 、クロルフェニラミン H1中心、中枢移行あり アレルギー症状・掻痒
第1世代抗ヒスタミン薬+強い5-HT2A拮抗 H1+5-HT2A(強) アレルギー症状に加え、の対症治療
5-HT2A拮抗が主作用の薬剤 一部の 5-HT2Aが主標的 精神科的適応が主体で抗ヒスタミン用途ではない

「たまたま5-HT2Aも強い抗ヒスタミン薬」という位置づけが理解の核心。 開発時の主眼は拮抗によるアレルギー症状の緩和だったが、への親和性も高く、この「副次的な」性質がの治療という別の臨床的価値を生んだ。

機序

flowchart TD
    A["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='cyproheptadine'>シプロヘプタジン</span>を<span class='jp-term jp-term-diagram' title='oral'>経口投与</span>"] --> B["末梢・中枢の<span class='jp-term jp-term-diagram' title='H1 receptor'>H1受容体</span>を拮抗"]
    B --> C["ヒスタミンによる<span class='jp-term jp-term-diagram' title='increased vascular permeability'>血管透過性亢進</span>・掻痒を抑制"]
    A --> D["中枢の<span class='jp-term jp-term-diagram' title='5-HT2A receptor'>5-HT2A受容体</span>を強く拮抗"]
    D --> E["過剰な<span class='jp-term jp-term-diagram' title='serotonergic'>セロトニン作動性</span>シグナルの下流を遮断"]
    E --> F["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='neuromuscular excitability'>神経筋興奮</span>・自律神経症状の緩和"]
    A --> G["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='anticholinergic effects'>抗コリン作用</span>(M受容体拮抗)も併せ持つ"]
    G --> H["口渇・眠気などの副作用"]

💡 の治療における位置づけを誤解しない。 原因薬の中止とベンゾジアゼピンによる鎮静という支持療法の土台があってこそ追加される薬であり、だけで症候群を止められるわけではない。この用途を裏付ける根拠は少数の症例報告・総説にとどまり、で確立した効果ではない1

適応

領域 使いどころ
アレルギー科・ 蕁麻疹、性浮腫、、皮膚疾患に伴う2
中毒・救急 支持療法(原因薬中止+ベンゾジアゼピン)に反応しないへの追加治療(1

⚠️ への使用はどの国でも適応外(オフレーベル)である。 添付文書上の正式な効能・効果はアレルギー性疾患に限られ23での使用はStatPearlsなどの総説・少数の症例集積に基づく実務上の選択肢という位置づけにとどまる。

用法・用量

アレルギー疾患:成人は1回4 mgを1日1〜3回、年齢・症状により適宜増減する。小児は年齢・体重を十分考慮して慎重にする23

(適応外):支持療法に反応しない場合に限り、初回12 mgをし、以後2 mgを2時間ごとに追加投与することがある1のみで注射剤がないため、経口摂取が困難な重症例(意識障害・イレウスなど)ではそのものが使えない点が実務上の限界になる。

⚠️ 常用量を超えて漫然と増量しない。では抗ヒスタミン薬に共通する・痙攣・呼吸循環停止のリスクがあり、特に乳幼児で重篤化しやすい3

禁忌・注意

  • 禁忌(日米共通)、狭窄性消化性潰瘍、症候性閉塞幽門十二指腸閉塞高齢の衰弱した患者、成分への過敏症32
  • 禁忌(米国添付文書):新生児・早産児、授乳婦、MAO阻害薬投与中3
  • 禁忌(日本の添付文書)の急性2
  • ⚠️ と高齢の衰弱した患者は「慎重投与」ではなく禁忌である。 による尿閉と、鎮静・低血圧による転倒がいずれも重篤化しうるため、日米いずれの添付文書も禁忌欄に置いている

副作用

頻度 内容
高頻度 傾眠、口渇、食欲増進・体重増加
注意 めまい、、低血圧・頻脈
重篤・まれ 2時の・痙攣・呼吸循環停止(乳幼児で特にリスクが高い)3

は設定されていない(米国添付文書・日本添付文書のいずれも独立した欄なし)32

まとめ

  • 拮抗による第1世代抗ヒスタミン薬だが、への強いを併せ持つ点が他の同世代薬と一線を画す。
  • この5-HT2Aゆえに、支持療法(原因薬中止+ベンゾジアゼピン)に反応しないへの追加治療として使われるが、どの国でもであり効果の根拠も限定的。
  • での用量は初回12 mg、以後2 mgを2時間ごとに追加が代表的なレジメンだが、のみのため重症の意識障害例では使えない。
  • 正式な適応は・蕁麻疹・性浮腫などの一般的な抗ヒスタミン用途。
  • 新生児・早産児、、MAO阻害薬併用は禁忌。は設定されていない。

出典

  1. 1.Cyproheptadine Hydrochloride Tablets, USP — Prescribing Information(U.S. Food and Drug Administration (DailyMed)・2021)枠組み警告が設定されていないこと、成人の用法・用量(1回4 mgを1日1〜3回、最大1日32 mg、目安0.5 mg/kg/日)、小児の用法・用量、禁忌(新生児・早産児、授乳中、MAO阻害薬併用、緑内障、消化性潰瘍、前立腺肥大による排尿路閉塞、高齢の衰弱患者)、主な副作用(鎮静・めまい・協調運動障害・口渇・低血圧・頻脈・食欲増進/体重増加)、適応(季節性・通年性アレルギー性鼻炎、血管運動性鼻炎、蕁麻疹、血管浮腫、アナフィラキシーの補助療法)、過量投与時の中枢神経抑制・幻覚・痙攣・呼吸循環停止のリスク(特に乳幼児)を確認した閲覧 2026-08-11
  2. 2.ペリアクチン錠4mg/散1% 添付文書(2023年4月改訂)(医薬品医療機器総合機構(PMDA)添付文書情報・2023)日本の効能・効果が皮膚疾患に伴う瘙痒(湿疹・皮膚炎など)、蕁麻疹、血管運動性浮腫、枯草熱、アレルギー性鼻炎に限られセロトニン症候群への適応が承認されていないこと、成人用法(1回4 mgを1日1〜3回)、小児は年齢・体重を考慮し慎重に調節すること、新生児・低出生体重児・閉塞隅角緑内障・狭窄性胃潰瘍・老齢の衰弱した患者が禁忌であること、独立した「警告」の項が設定されておらず「重要な基本的注意」の項で眠気・無顆粒球症に言及されていることを確認した閲覧 2026-08-11
  3. 3.Serotonin Syndrome(StatPearls (NCBI Bookshelf)・2024)セロトニン症候群の治療は原因薬の中止とベンゾジアゼピンによる鎮静が基本であり、支持療法に反応しない場合にシプロヘプタジン(初回12 mg、以後2 mgを2時間ごとに追加)を用いるが有効性の根拠は限定的であることを確認した閲覧 2026-08-10