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Drug Atlas · C4 Antifungals / 抗真菌薬 · 必修

イブレキサフンガープ

ibrexafungerp

分類
Antifungals / 抗真菌薬
商品名(EU)
Brexafemme
科目
PharmacologyDermatology
トピック
C4: Antifungal agents皮膚科 2-13:性器カンジダ症
承認適応
カンジダ症
標的微生物
Candida albicansCandida glabrataCandida auris
副作用
下痢悪心腹痛めまい
相互作用
ケトコナゾール

🧠 全体像など同じ標的()を狙いながら、まったく違う化学骨格(トリテルペノイド系)を持ち、しかもできるという二重の特異性を持つ抗真菌薬である。標的が同じでも結合部位がと部分的にしか重ならないため、耐性株にもある程度活性を保つ。現在のとその再発抑制に限られ、20年以上ぶりの新規クラスの経口VVC治療薬という位置づけが最大の特徴である。

薬効群の中での位置づけ

系統 代表薬 化学骨格 耐性株への活性
静注のみ 低い(FKS変異により耐性化)
静注のみ 低い
トリテルペノイド 経口 比較的高い(結合部位がと部分的にしか重ならないため)1

と同じ標的なのに経口で使え、しかも耐性株にもある程度効く」という対比が最頻出のポイント。 上の結合部位がと部分的にしか重ならないためが限定的で、FKS変異による耐性株でも70〜86%が感受性を保つ(自体は17〜50%にとどまる)。1

機序

flowchart TD
    A["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='ibrexafungerp'>イブレキサフンガープ</span>が<span class='jp-term jp-term-diagram' title='oral'>経口投与</span>後に吸収される"] --> B["真菌の<span class='jp-term jp-term-diagram' title='glucan synthase'>グルカン合成酵素</span>に結合"]
    B --> C["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='echinocandin'>エキノキャンディン</span>とは部分的にしか重ならない結合部位"]
    C --> D["β-1,3-<span class='jp-term jp-term-diagram' title='glucan'>グルカン</span>合成を阻害"]
    D --> E["細胞壁の構造的強度が失われ<br><span class='jp-term jp-term-diagram' title='fungicidal'>殺真菌的</span>に作用"]
    C -.->|"<span class='jp-term jp-term-diagram' title='cross resistance'>交差耐性</span>が限定的"| F["FKS変異による<span class='jp-term jp-term-diagram' title='echinocandin'>エキノキャンディン</span>耐性株にも<br>ある程度活性を保つ"]

💡 「同じ酵素を狙っても、結合の仕方が違えば耐性の乗り越え方も違う」というを体現する薬。 耐性は主にFKS遺伝子の変異で生じるが、の結合部位はこの変異の影響を受けにくい領域を含むため、完全なには至らない。1

適応

領域 使いどころ
婦人科 の治療2
婦人科 の再発抑制(月1回・6か月)2

は現時点のには含まれない。この文脈での位置づけは、週1回静注のとあわせて「新しい肢」として整理されている。3

用法・用量

VVC治療:150 mg錠を2錠(合計300 mg)ずつ、約12時間空けて1日に2回(1日総量600 mg)内服する。食事の有無に関わらず投与できる。RVVC再発抑制:同じ1日量(600 mg)を月1回、6か月継続する。2

禁忌・注意

副作用

頻度 内容
VVC治療(2%以上) 下痢(16.7%)、悪心(11.9%)、腹痛(11.4%)、めまい(3.3%)、嘔吐(2.0%)2
RVVC再発抑制(2%以上) 頭痛(17.6%)、腹痛(10.0%)、下痢(7.7%)、悪心(5.4%)、尿路感染症(3.8%)、感(3.1%)2

まとめ

  • の経口抗真菌薬。標的はと同じだが、化学骨格・結合部位が異なる。
  • 結合部位が部分的にしか重ならないためが限定的で、FKS変異による耐性Candidaにもある程度活性を保つ。
  • の治療とそのに限られ、は適応外。
  • 妊娠は禁忌(動物試験で)。強いCYP3A4阻害薬併用時は減量、CYP3A4併用は避ける。
  • 消化器症状(下痢・悪心・腹痛)が主な副作用で、20年以上ぶりの新規クラス・経口の非VVC治療薬という位置づけが特徴。

出典

  1. 1.BREXAFEMME (ibrexafungerp) tablets, for oral use — full prescribing information(U.S. Food and Drug Administration (DailyMed)・2024)イブレキサフンガープの承認適応が外陰腟カンジダ症(VVC)の治療および再発性外陰腟カンジダ症(RVVC)の再発抑制であること、機序が真菌細胞壁のβ-1,3-グルカン合成に関わるグルカン合成酵素の阻害であること、VVC治療の用法が300 mg(150 mg錠2錠)を約12時間空けて1日に投与すること(1日総量600 mg)、RVVC再発抑制ではこれを月1回・6か月継続すること、妊娠中は禁忌であり動物試験で胎児毒性が確認されていること、生殖可能な女性には治療中および最終投与後4日間の効果的な避妊が求められること、頻度2%以上の有害事象としてVVC治療では下痢(16.7%)・悪心(11.9%)・腹痛(11.4%)・めまい(3.3%)・嘔吐(2.0%)があること、強いCYP3A4阻害薬(ケトコナゾール・イトラコナゾールなど)との併用では曝露量が著しく増加するため150 mgを1日2回への減量が必要であり、強い・中等度のCYP3A4誘導薬との併用は曝露量低下のため避けることを確認した。閲覧 2026-08-10
  2. 2.Ibrexafungerp: A First-in-Class Oral Triterpenoid Glucan Synthase Inhibitor(Journal of Fungi・2021)イブレキサフンガープ(トリテルペノイド系、通称fungerps)がエキノキャンディン系と同じグルカン合成酵素を標的としながら結合部位が部分的にしか重ならないため交差耐性が限定的であること、エキノキャンディン耐性(FKS変異)株に対してもエキノキャンディン系薬(17〜50%が感受性)より高い割合(70〜86%)で感受性を保つこと、ニューヨーク市アウトブレイク由来の汎耐性Candida aurisにも活性を示すこと、動物モデルでの経口バイオアベイラビリティが約50%であることを確認した。閲覧 2026-08-10
  3. 3.Global guideline for the diagnosis and management of candidiasis: an initiative of the ECMM in cooperation with ISHAM and ASM(European Confederation of Medical Mycology (ECMM) / ISHAM / ASM・2025)エキノキャンディン系が引き続き侵襲性カンジダ症の第一選択であること、週1回投与のレザフンギンと経口薬イブレキサフンガープが新しい治療選択肢に加わったことを確認した。閲覧 2026-08-02