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Drug Atlas · B22 Antiasthmatic & COPD drugs / 喘息・COPD治療薬

テゼペルマブ

tezepelumab

分類
Biologics & immunomodulators / 生物学的製剤Antiasthmatic & COPD drugs / 喘息・COPD治療薬
商品名(日本)
テゼスパイア
商品名(EU)
Tezspire
科目
Pharmacology
トピック
B22: Antiinflammatory agents inhibiting bronchial inflammatory processes. Antitussive agents and expectorantsB30: Immunopharmacology III (Antibodies and fusion proteins)
承認適応
気管支喘息慢性副鼻腔炎(鼻ポリープ合併)
副作用
関節痛背部痛注射部位反応発疹頭痛
影響検査値
血中好酸球呼気一酸化窒素濃度
対象疾患
鼻茸

🧠 全体像:テゼペルマブは、他の重症喘息生物学的製剤(抗IL-5・抗・抗・抗IgE)とは標的とする場所が根本的に違う薬である。他剤がT2の下流(好酸球そのもの、あるいは//IgEといった個別のサイトカイン・抗体)を叩くのに対し、テゼペルマブはが炎症の引き金を引く最上流のサイトカイン・TSLP()そのものを中和する。この「上流ブロック」という位置づけゆえに、で表現型を絞らずに使える——NAVIGATOR試験は、あらかじめ設定された数300/µL未満の集団でも増悪抑制を示した1。⚠️ ただし「表現型を絞らない」と「効果が表現型によらず一定」は別のことである。効果の大きさは数・FeNOが高いほど大きい23。

薬効群の中での位置づけ

標的 薬剤 効果がに依存するか
TSLP(由来、最上流) テゼペルマブ ⭐ 適応がで絞られない(好酸球300/µL未満の層でも増悪抑制1)。⚠️ ただし効果の大きさは・FeNOが高いほど大きい2
IL-5 ・ の表現型でより強く効く
IL-5受容体α 同上
受容体α(/両方を遮断) 好酸球またはFeNO高値の層でより強く効く
IgE アレルギー性(IgE高値)の表現型に限定

💡 「上流を叩く」ことの臨床的意味。 TSLPはを介したT2/T17反応の橋渡し役であり、肥満細胞と細胞のにも関与する。でない表現型の炎症経路にも及ぶため、 2026は抗TSLP薬を2型マーカーの上昇の有無を問わず考慮しうる薬として記載し、の証拠が無い重症喘息で試みる追加治療の候補にも挙げている3。

⚠️ 「表現型を問わない」を「効果が表現型によらず一定」と読まない

適応が絞られないことと効果量が一定であることは別で、一次資料はいずれもが高いほど効果が大きいと明記している。

  • NAVIGATOR試験のは年間重症増悪率で、テゼペルマブ0.93対2.10(0.44、95%信頼区間0.37〜0.53)。あらかじめ設定された好酸球300/µL未満の集団でも1.02対1.73(0.59、95%信頼区間0.46〜0.75)だった1。
  • のはさらに細かい層の数値を載せている。同じNAVIGATOR試験で、ベースラインの好酸球150/µL未満かつFeNO 25 ppb未満の層は0.79(95%信頼区間0.48〜1.28。⚠️ が1をまたぐ)、好酸球150/µL以上かつFeNO 25 ppb以上の層は0.30(95%信頼区間0.23〜0.40)である2。💡 この2つは同じ試験の別々の部分集団の数字であって、全体の0.44と横に並べて読む数字ではない。
  • 2026が挙げる抗TSLP薬の効果予測因子は高い数(強く予測)・高いFeNO(強く予測)・で、と並んで「とFeNOがともに高い患者で臨床反応が最もよい」とされている3。

GINA 2026 での位置づけ

  • 重症喘息の追加治療として抗TSLP薬(12歳以上)がEvidence Aで挙がる3。
  • ⭐ この一覧で推奨文に表現型の限定が付かないのはこの薬だけである。 抗IL-5/は「重症」、抗は「重症好酸球性・2型喘息、または維持を要する例」、抗IgEは「重症アレルギー性喘息」と対象が書き込まれているのに対し、抗TSLPは「重症喘息」とだけ書かれている3。
  • ⚠️ 維持の減量効果は示されていない。 維持を服用している患者で、抗TSLP薬はと比べステロイド量を有意に減らさなかった。は・では約50%の減量が得られたと別項に記しており、を目的に選ぶ薬ではない3。
  • 効果判定の目安は少なくとも4か月の試験的投与3。

機序

flowchart TD
    A["アレルゲン・ウイルス・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='air pollution'>大気汚染</span>物質などの刺激"] --> B["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='airway epithelial cell'>気道上皮細胞</span>がTSLPを放出"]
    B --> C["テゼペルマブがTSLPに結合し受容体への結合を阻止"]
    C --> D["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='dendritic cell'>樹状細胞</span>を介したT2/T17反応が抑制される"]
    C --> E["肥満細胞・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='basophil'>好塩基球</span>の活性化が抑制される"]
    C --> F["ILC2(<span class='jp-term jp-term-diagram' title='innate lymphoid cell (ILC)'>自然リンパ球</span>)の活性化が抑制される"]
    D --> G["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='interleukin-4'>IL-4</span>・IL-5・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='interleukin-13'>IL-13</span>などのT2サイトカイン産生↓"]
    E --> G
    F --> G
    G --> H["好酸球性・アレルギー性炎症全般が上流で抑制される"]
    H --> I["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='asthma exacerbation'>喘息増悪</span>の頻度低下・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='nasal polyp'>鼻茸</span>の縮小"]

⭐ 「由来のTSLPを阻害し、好酸球性・アレルギー性炎症全般を上流で抑える」という一文がこの薬の要点をすべて含む。 個別のサイトカインではなく、複数の炎症経路が合流する手前の「元栓」を締めるイメージで理解する。⚠️ ただしのは、TSLPを遮断すると気道・粘膜の炎症に関わる幅広いとサイトカイン(、下の好酸球、IgE、FeNO、IL-5、)が低下すると述べたうえで、喘息とを伴うにおける作用機序は決定的には確立されていないと明記している2。

検査値がどう動くか

TSLPを上流で止めると、下流のが一斉に下がる。のの(5.1)は、210 mgを4週ごとにすると数・FeNO・IL-5濃度・濃度・濃度がと比べてベースラインから低下し、IgEを除いて投与2週でほぼ最大の抑制に達し、その後も治療期間を通じて持続する(IgEはより緩やかに低下する)と述べる。下のは別の試験で89%減少し(は25%減少)、この減少はベースラインのの値によらず一貫していた2。

💡 好酸球が減ることは、この薬にとって作用機序ではなく結果である。 はIL-5受容体αに結合してで好酸球そのものを直接除去するが、テゼペルマブはTSLPを止めた結果としてIL-5などの産生が落ち、好酸球が二次的に減る。⭐ だからこそ「好酸球が低い患者にも使える」という位置づけと、「好酸球が高いほどよく効く」という効果量の勾配が同時に成り立つ(前者は適応の話、後者は効果予測の話である)。数とFeNOは、 2026でも治療開始前の反応予測因子として扱われている3。

適応

⭐ 承認されているのは2つの疾患名だけである。 そしてと日本ではの適応が喘息より狭く成人のみで、喘息とがどちらも12歳以上で揃うのは米国だけである。

領域 使いどころ の(SmPC) 日本の電子添文 米国の添付文書
高用量薬に他の長期管理薬を併用してもコントロールできない重症・難治例への 成人及び12歳以上2 成人及び12歳以上の小児4 12歳以上5
(合併) 全身性ステロイド薬や手術で十分にコントロールできない例への 成人のみ。18歳未満は有効性・安全性が確立していないと明記2 成人のみ4 12歳以上5

⚠️ は、・日本・米国のいずれでも承認された適応名ではない。 本症の患者に本剤が使えるのは、本症がを伴う(あるいは重症喘息)として現れているからであって、本症という診断名に承認が下りているからではない。のでこの語が現れるのは試験(WAYPOINT)のベースライン特性の表だけで、の17%が増悪呼吸器疾患/AERDを併存していたと記録されているにとどまる2。

⚠️ のはの適応そのものに「との併用による」という条件を書き込んでいる(単剤で使う適応ではない)2。日本の電子添文も「本剤は全身性ステロイド薬、手術等ではコントロールが不十分な患者に用いること」(5.3)と限定し、さらに別の節で「治療反応は通常投与開始から24週までには得られる。24週までに治療反応が得られない場合は、漫然と投与を続けないよう注意すること」(7項)と定めている4。

用法・用量

  • 喘息:成人及び12歳以上に210 mgを4週間隔で245。
  • を伴う:用量・間隔は喘息と同じ210 mg・4週間隔だが、と日本では成人に限られる24。
  • ⭐ 体重・年齢・腎肝機能による調整が要らない。 高齢者・・のいずれでもは不要とされている2。
  • 1回分を打ち忘れたときは気づいた時点でできるだけ早く投与し、以後は予定日に戻す。2回分をまとめて打たない2。
  • NAVIGATOR試験のレジメンもこれと同一(210 mgを4週ごと52週間)1。

禁忌・注意

  • 禁忌:テゼペルマブまたは添加剤に対する過敏症の既往歴のみ。疾患名で指定された禁忌は無い24
  • ⚠️ の治療薬ではない。 やの急性期治療に用いてはならず、投与開始後に喘息症状がコントロール不良になったり悪化したら受診するよう患者へ指導する24
  • ⚠️ 投与開始後にステロイド薬を急に中止しない。 減量が必要ならの管理下で徐々に行う24
  • ⚠️ 重篤な過敏症(アナフィラキシー・発疹)が起こりうる。 投与から数時間以内のことが多いが、数日遅れて発現する例もある24。のは、テゼペルマブとはのアナフィラキシーの既往が危険因子になりうるとして投与後に適切な時間観察することを求め、重篤な過敏症が起きたら直ちに投与を中止するよう定めている2
  • ⚠️ 重篤な感染症。 TSLPの遮断は理論上、重篤な感染症のリスクを高めうる(プラセボ対照試験では増加は観察されていない)。投与開始前に既存の重篤な感染症を治療し、投与中に発症したら軽快するまでする2
  • ⚠️ 重篤な心事象。 長期試験でプラセボ群に比べ本剤群に重篤な心臓有害事象の数値上の偏りが観察された(は確立しておらず、リスクの高い患者集団も特定されていない)2。⭐ 米国の添付文書はこの偏りを数値で示している——最長104週の長期延長試験で、重篤な心臓有害事象の発現率は100あたり本剤1.08・0.21(差0.88、95%信頼区間0.24〜1.53)、判定委員会が認定した(心血管死・・)は0.60対0.42(差0.18、95%信頼区間−0.51〜0.75)だった5。💡 前者のは0をまたがず、後者はまたぐ。「数値上の偏り」という表現の中身はこの差である。日本の電子添文も重大な副作用として「(頻度不明)」を挙げ、冠動脈障害・不整脈・心不全の発現頻度が高かったとの報告に触れている4。胸痛・呼吸困難・倦怠感・・失神感が出たら直ちに受診するよう指導し、⚠️ 重篤な心事象が起きたら急性期が安定するまで投与を中止する。重篤な心事象または重篤な感染症を起こした患者への再投与のデータは現時点で無い2
  • ⚠️ 寄生虫(蠕虫)感染は投与開始前に治療する。 TSLPは一部の蠕虫感染に対する免疫応答に関与している可能性があり、本剤が蠕虫への応答に影響するかは不明である。投与中に感染してが無効なら投与を一時中止する24
  • ⚠️ 投与中の生ワクチン接種は避ける(安全性が確認されていない。日本の電子添文 8.1)4

副作用

3極の添付文書が副作用として挙げているのは、いずれも局所・軽度のものが中心である。⚠️ ただし頻度は適応で入れ替わるので、喘息の数値をを伴うへ持ち出さない。

区分 内容
最も高頻度() 喘息では関節痛 3.8%・咽頭炎 4.1%、を伴うでは咽頭炎 5.4%2
副作用一覧(・いずれも common=1/100以上1/10未満) 咽頭炎、発疹、関節痛、注射部位反応(紅斑・腫脹・疼痛。 3.8%)2
日本の電子添文(1%以上) 発疹、注射部位反応(紅斑・腫脹・疼痛等)、関節痛、咽頭炎4
米国の添付文書(喘息) 発現率3%以上かつより高い事象として咽頭炎・関節痛・が各4%(⚠️ も各3%。本剤665例・669例)5
米国の添付文書(を伴う) ⚠️ 同じ基準でも数値の桁が違う——18%対10%、12%対8%、6%対3%、咽頭炎5%対1%、5%対2%、インフルエンザ4%対1%、注射部位反応4%対2%、関節痛3%対2%(本剤203例・205例)5
重大 重篤な過敏症(アナフィラキシーを含む、頻度不明)、(頻度不明)24

⚠️ 発疹も、載る節が文書によって違う。 のは発疹を副作用一覧に頻度区分 common で挙げ、脚注で発疹・そう痒性発疹・紅斑性発疹・・斑状発疹をまとめた集計だと定義している2。日本の電子添文も「11.2 その他の副作用」の1%以上に発疹を置き、さらに「11.1.1 重篤な過敏症」でアナフィラキシー・発疹等に触れている4。⚠️ 一方、米国の添付文書は喘息・のどちらの副作用表にも発疹を挙げず、「5.1 過敏症反応」で中に観察された過敏症反応の例(発疹と)として記載している5。

⚠️ 頭痛の扱いは、同じ電子添文の中でも節によって違う。 副作用一覧に頭痛を挙げていないのはの一覧(咽頭炎・過敏症・発疹・関節痛・注射部位反応)2・日本の電子添文の「11.2 その他の副作用」4・米国の添付文書の副作用表5である。一方、日本の電子添文の「17.1 有効性及び安全性に関する試験」は、頭痛を両試験の主な副作用の筆頭に挙げている——喘息のNAVIGATOR試験で1.5%(8/528例)、を伴うのWAYPOINT試験で3.0%(6/203例)である4。⭐ 「副作用一覧に載っていない」と「試験で観察されなかった」は別のことである。 ただし同じ重症喘息の生物学的製剤でもは頭痛が副作用一覧そのものに載る最も高頻度の副作用(喘息8%・EGPA 17%)なので、頻度の桁は違う。

まとめ

  • テゼペルマブは由来のTSLPを標的とする抗体で、他の重症喘息生物学的製剤より上流の因子を阻害する。
  • ⭐ 2026の重症喘息の追加治療の一覧で、推奨文に表現型の限定が付かない唯一の生物学的製剤である(対象が「重症喘息」とだけ書かれている)3。NAVIGATOR試験は好酸球300/µL未満の集団でも増悪抑制を示した(0.59、95%信頼区間0.46〜0.75)1。⚠️ ただし効果量は一定ではない——好酸球150/µL未満かつFeNO 25 ppb未満の層は0.79(95%信頼区間0.48〜1.28で1をまたぐ)、両方が高い層は0.30である2。
  • ⚠️ 維持の減量効果は示されていない(・では約50%減量できたとされるのと対照的)。を目的に選ぶ薬ではない3。
  • は(・日本・米国とも12歳以上)と、を伴うの2つだけ。⚠️ の適応はと日本では成人のみで、12歳以上に広げているのは米国だけである245。
  • ⚠️ という診断名への承認は3極のいずれにも無い。 本症の患者に使えるのは、を伴う(または重症喘息)としての適応を介してである24。
  • 用法・用量は適応・年齢を問わず210 mgを4週間隔で。体重・腎肝機能・高齢による調整は不要2。
  • ⚠️ 日本の電子添文は「全身性ステロイド薬・手術でコントロールが不十分」をの要件とし、24週で治療反応が無ければ漫然と継続しないと定める4。のはの適応をとの併用として書いている2。
  • ⚠️ 禁忌は過敏症のみだが、として重篤な過敏症(遅発性もある)・重篤な感染症・重篤な心事象・蠕虫感染が置かれている。⭐ 重篤な心事象の「数値上の偏り」は、米国添付文書では100あたり1.08対0.21(差0.88、95%信頼区間0.24〜1.53)と数値で示されており、は0をまたがない——一方での差はまたぐ5。発現したら急性期が安定するまで中止し、再投与のデータは無い2。副作用は咽頭炎・関節痛・発疹・注射部位反応が中心だが、⚠️ 頻度は適応で入れ替わる(米国のの試験では18%対10%、6%対3%)5。頭痛は3極いずれの副作用一覧にも挙がらないが、日本の電子添文は17.1で両試験の主な副作用の筆頭に置いている(1.5%・3.0%)245。⚠️ 発疹は逆向きの食い違い——と日本は副作用一覧に挙げるが、米国は副作用表ではなく5.1(過敏症反応)の例として挙げる245。

出典

  1. 1.Tezepelumab in Adults and Adolescents with Severe, Uncontrolled Asthma(New England Journal of Medicine・2021)Europe PMCで抄録全文を取得して確認した(誌面全文は本文執筆時点で全経路403のため未取得。以下は抄録に逐語で載っている値のみ)。12〜80歳の重症コントロール不良喘息患者1061例(テゼペルマブ529例・プラセボ532例)を210mg4週ごと52週間皮下投与に無作為化した第3相試験で、主要評価項目の年間喘息増悪率がテゼペルマブ群0.93(95%信頼区間0.80〜1.07)・プラセボ群2.10(95%信頼区間1.84〜2.39)、率比0.44(95%信頼区間0.37〜0.53、p<0.001)であること、あらかじめ主要評価項目として設定されたベースライン血中好酸球数300/µL未満の集団でも1.02対1.73(率比0.59、95%信頼区間0.46〜0.75、p<0.001)であることを確認した。抄録には好酸球150/µL未満の層の成績は載っていない。閲覧 2026-09-07
  2. 2.Tezspire (tezepelumab) — Summary of Product Characteristics (Annex I)(European Medicines Agency・2025)「4.1 Therapeutic indications」がAsthma(高用量吸入ステロイド薬と他の長期管理薬を併用してもコントロール不良の重症喘息の成人及び12歳以上の青年への上乗せ維持療法)とChronic rhinosinusitis with nasal polyps(全身性ステロイド薬および/または手術で十分な疾患コントロールが得られない重症CRSwNPの成人患者への鼻噴霧用ステロイドとの併用による上乗せ療法)の2つであり、アスピリン増悪呼吸器疾患は適応として掲げられていないこと(AERD・NSAID-ERDが現れるのはWAYPOINT試験のベースライン特性の表と脚注だけで、CRSwNP試験の被験者の17%がNSAID-ERD/AERDを併存していたと記載されていること)、「4.2」で喘息が成人及び12歳以上に210mg4週ごと、CRSwNPが成人に210mg4週ごとであり、CRSwNPでは18歳未満の有効性・安全性が確立していないと明記されていること、「4.3」の禁忌が有効成分または添加剤への過敏症のみであること、「4.4」に急性増悪への使用禁止・ステロイドの急な中止の非推奨・過敏症反応(アナフィラキシー、発現が数日遅れることがある)・重篤な感染症・重篤な心事象(長期試験でプラセボ群より数値上多かったが因果関係は確立していない)・蠕虫感染(TSLPが一部の蠕虫感染への免疫応答に関与しうるため投与開始前に治療する)が置かれていること、「4.8」で最も高頻度の副作用が喘息では関節痛3.8%・咽頭炎4.1%、CRSwNPでは咽頭炎5.4%であり、副作用一覧が咽頭炎・過敏症(アナフィラキシー反応を含む、頻度不明)・発疹・関節痛・注射部位反応で構成され頭痛と背部痛を含まないこと(過敏症以外の4つはいずれも頻度区分common=1/100以上1/10未満)を確認した。あわせて「4.4」の重篤な心事象の項が、長期試験で観察されたのは「数値上の偏り(a numerical imbalance)」であって因果関係もリスク集団も確立していないとしたうえで、重篤な心事象が発現したら急性期が安定するまで投与を中止すること、重篤な心事象または重篤な感染症を発現した患者への再投与のデータは現時点で無いことを定めていることを逐語で確認した。2026-09-07に「5.1」の薬効薬理・薬力学を追加で確認し、TSLPの遮断が血中好酸球・気道粘膜下好酸球・IgE・FeNO・IL-5・IL-13という幅広いバイオマーカーとサイトカインを低下させると述べる一方で「the mechanism of action of tezepelumab in asthma and CRSwNP has not been definitively established」と作用機序が決定的には確立していないことを明記していること、210mg4週ごとの皮下投与が血中好酸球数・FeNO・IL-5濃度・IL-13濃度・血清IgE濃度をプラセボと比べてベースラインから低下させ、IgEを除いて投与2週でほぼ最大の抑制に達し治療期間を通じて持続すること(IgEの低下はより緩やか)、別の試験で気道粘膜下の好酸球数が89%減少し(プラセボは25%減少)その減少がベースラインの炎症バイオマーカーによらず一貫していたことを逐語で確認した。閲覧 2026-09-07
  3. 3.Global Strategy for Asthma Management and Prevention(Global Initiative for Asthma (GINA)・2026)2026年版の全文PDFを取得し、重症喘息の追加治療の一覧で抗TSLP薬(テゼペルマブ、12歳以上)が「重症喘息」に対してEvidence Aで挙がる一方、抗IL-5/IL-5Rαは重症好酸球性喘息、抗IL-4Rαは重症好酸球性・2型喘息または維持経口ステロイドを要する例、抗IgEは重症アレルギー性喘息と対象が限定されていること、抗TSLPの節が「2型マーカーの上昇の有無を問わず考慮しうる」と述べ、2型炎症の証拠が無い場合の選択肢を挙げる箇所でも抗TSLPを挙げつつ維持経口ステロイド服用例ではエビデンスが不十分と但し書きしていること、同節が「ベースラインの血中好酸球数またはFeNOが高いほど臨床アウトカムがよいという明確な相関があった」と述べ、良好な反応の予測因子として高い血中好酸球数(強く予測)・高いFeNO(強く予測)・鼻茸を挙げていること、付録の2型バイオマーカーの表が「デュピルマブまたはテゼペルマブで治療した重症喘息患者は、血中好酸球数とFeNOがともに高いときに臨床反応が最もよい」としていること、維持経口ステロイドを服用している患者では抗TSLP薬がプラセボと比べてステロイド量を有意に減らさなかったこと(メポリズマブ・ベンラリズマブでは約50%減量できたと別項に記載)、試験的投与の目安が少なくとも4か月であることを逐語で確認した。閲覧 2026-09-07
  4. 4.テゼスパイア皮下注210mgシリンジ/210mgペン 電子添文(添付文書番号 2290403G1025_1_05、2026年2月改訂・第4版、効能変更・用法変更)(医薬品医療機器総合機構(PMDA)電子添文・2026)電子添文の全文で、2026年2月改訂により「4. 効能又は効果」に鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎(既存治療で効果不十分な患者に限る、成人のみ)が加わり気管支喘息(成人及び12歳以上の小児)と並ぶ承認適応になっていること、「6. 用法及び用量」がいずれも1回210mgを4週間隔皮下投与であること、「7. 用法及び用量に関連する注意」に治療反応が通常24週までに得られ以後の漫然投与を戒める記載があることを確認した。あわせて「11.2 その他の副作用」が発疹・注射部位反応・関節痛・咽頭炎で構成され頭痛を含まない一方、「17.1 有効性及び安全性に関する試験」は頭痛を主な副作用の筆頭に挙げていること(NAVIGATOR試験の210mg Q4W群で「主な副作用は、頭痛1.5%(8/528例)及び注射部位紅斑1.5%(8/528例)であった」、WAYPOINT試験の同群で「主な副作用は、頭痛3.0%(6/203例)、注射部位疼痛3.0%(6/203例)、及び疲労1.5%(3/203例)であった」)を逐語で確認した。閲覧 2026-09-07
  5. 5.TEZSPIRE (tezepelumab-ekko) injection, for subcutaneous use — Prescribing Information(U.S. Food and Drug Administration(DailyMed)・2025)改訂2025年10月の添付文書の全文を取得し、「INDICATIONS AND USAGE」が重症喘息(1.1、成人及び12歳以上)とコントロール不良の鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎(1.2、成人及び12歳以上)の2つを掲げていること、6.1項の喘息の有害反応表で咽頭炎・関節痛・背部痛がいずれも本剤群4%・プラセボ群3%(本剤N=665、プラセボN=669)であること、最長104週の無作為化二重盲検長期延長試験において重篤な心臓有害事象の発現率が100患者年あたり本剤1.08・プラセボ0.21で発現率差0.88(95%信頼区間0.24〜1.53)、判定された主要心血管イベント(心血管死・非致死性心筋梗塞・非致死性脳卒中)が0.60対0.42で発現率差0.18(95%信頼区間−0.51〜0.75)であることを逐語で確認した。閲覧 2026-09-07