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Symptoms · Published

背部痛

Back pain

臓器系
全身
科目
Urology
トピック
泌尿器科学 U-14:腎実質・腎被膜の非特異的感染症
関連疾患
SAPHO症候群Scheuermann病バンコマイシン注入反応びまん性特発性骨増殖症ポリオ圧迫性脊髄症横断性脊髄炎急性腎盂腎炎・腎膿瘍結核性脊椎炎骨粗鬆症常位胎盤早期剥離常染色体優性多発性嚢胞腎食道癌神経腸管嚢胞髄膜癌腫症精巣腫瘍脊髄硬膜外血腫脊髄硬膜外膿瘍脊髄腫瘍脊椎椎体炎・椎間板炎前脊髄動脈症候群大動脈瘤腸腰筋膿瘍椎体骨折転移性硬膜外脊髄圧迫慢性再発性多発性骨髄炎卵巣癌膀胱尿管逆流
起因薬
L-グルタミンイデベノンエクリズマブエリグルスタットエンシフェントリンタダラフィルテゼペルマブフェゾリネタントベロトラルスタットミタピバトメポリズマブラブリズマブ

🧠 全体像:は(に限局した痛み)より扱う範囲が広い。頸部からまでの脊椎・構造そのものの痛みに加え、後腹膜・胸腔・骨盤内の臓器からの()として現れるを含む。だから最初の分岐は「脊椎・そのものが痛いのか、別の臓器の痛みが背部に投影されているのか」であり、後者では部位・性状・随伴症状が原因臓器を教えてくれる。

脊椎由来か、臓器由来の関連痛かをまず分ける

手掛かり 脊椎・由来を示唆 内臓由来のを示唆
体動・姿勢との関係 特定の姿勢・動作で再現性よく増悪する 体動より臓器の状態(食事・排尿・子宮収縮など)に連動する
圧痛の局在 ・を押すと痛みが再現する 表面を押しても再現しにくく、など深部に圧痛が移る
随伴症状 ・脱力などを伴うことがある 発熱、血尿、腹部膨満、性器出血など原臓器の症状を伴う

部位・随伴症状から原因を絞る

由来 代表例 手掛かり
脊椎・骨そのもの 骨粗鬆症による 高齢者の急性発症、限局したの。を伴えば・脊髄圧迫を疑う
腎・尿路(後腹膜) ・、 〜背部の圧痛()、発熱・悪寒や血尿を伴う
血管(後腹膜) 破裂 突然発症、低血圧、の三徴(揃うのは半数程度)
縦隔・消化管の局所浸潤 の 嚥下障害・体重減少に先行または並行する痛〜
婦人科・泌尿器腫瘍の進展 卵巣癌の、の 腹部膨満・腹水(卵巣癌)、の既往()。から離れた背部へのが初発症状のことがある
妊娠に伴う産科救急 突然発症・持続性で・、性器出血を伴う。外から見える出血量と重症度は一致しない
ポリオの 発熱・・頭痛と並存し、脊椎そのものの病変ではない
脊椎・の感染 ・、、、膿瘍 発熱、椎体の強い限局圧痛、創部。脊椎処置・歴(過去12か月)・・免疫抑制が背景にある。からの患者では結核性も考える
・脊髄の圧迫 、 新規の尿閉・排尿開始困難・排便障害、会陰部/肛門周囲の(サドル型麻痺)、両側の、両下肢の新規の脱力

⭐ 同じ「」でも、から離れた場所に出ることがある。 のはによるもので、精巣局所の症状ではない。「痛い場所=病変の場所」と決めつけない。

評価の進め方

flowchart TD
    A["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='back pain'>背部痛</span>"] --> B{"突然発症で<br><span class='jp-term jp-term-diagram' title='hemodynamics'>循環動態</span>が不安定か"}
    B -->|"あり"| C["血管破綻・産科救急を最優先で除外"]
    B -->|"なし"| D{"発熱・尿所見の異常があるか"}
    D -->|"あり"| E["腎・尿路感染を評価"]
    D -->|"なし"| F{"<span class='jp-term jp-term-diagram' title='neurological deficit'>神経脱落症状</span><br>(<span class='jp-term jp-term-diagram' title='numbness'>しびれ</span>・脱力・膀胱直腸障害)があるか"}
    F -->|"あり"| G["脊髄圧迫・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='pathologic fracture'>病的骨折</span>を評価"]
    F -->|"なし"| H["体重減少・既知の悪性腫瘍の有無を確認し<br>局所浸潤・転移を検討"]

⚠️ 若年・健康な患者の急性の多くは筋骨格由来で自然軽快するが、体重減少、既知の悪性腫瘍の既往、発熱、夜間増悪、があれば筋骨格由来と即断しない。

💡 ただし赤旗は「1つ当たれば陽性」という使い方をしない。 赤旗は組み合わせて解釈するもので、複数を統合した予測モデルのほうが単一の所見より尤度比が高い。とくにの単独所見や年齢の一律の閾値は偽陽性を多数生む——悪性腫瘍を拾ううえで実際に効くのは、癌の既往・原因不明の体重減少・改善しない持続痛の組み合わせである1。

⚠️ だけは、組み合わせを待たずに動く。 外科的緊急症であり、新規の尿閉・排尿開始困難・排便障害・会陰部/肛門周囲の(サドル型麻痺)が病歴上の要点で、両側の・急速に増悪する下肢痛・両下肢の新規の脱力が加われば疑いはさらに強まる。これらが揃う像は巨大な正中型などによる根の高度圧迫を示し、永続的な神経脱落を防ぐために緊急評価を要する1。⭐ の患者では、排尿・排便の状況と会陰部の感覚を必ず聞く。 聞かなければ出てこない症状である。

⚠️ 脊椎感染症は「発熱がない」ことを除外根拠にしない。 発熱・脊椎処置歴・免疫抑制・・椎体の強い限局圧痛のいずれかがあれば、・・・・膿瘍を疑って緊急に評価する。背景として挙がるのは過去12か月以内の・・免疫抑制で、からの患者では結核性も考える1。💡 やを伴うときにとくにを疑う——膿瘍はと違い、痛みだけでなく圧迫による麻痺を作る。

⚠️ 「痛い場所を撮る」で足りないことがある。 軟部組織・膿瘍・脊髄の描出にはが選択すべき検査で、単純X線はを、はと脊椎安定性を見る役割にとどまる。は骨髄炎・・疲労性変化を描出しうるが、これらの評価ではに劣る1。引き裂かれるようなではを考え、またはを行う1。

薬剤の有害事象として出ることもある

は薬剤の有害事象としても報告される。喘息の生物学的製剤であるテゼペルマブでは、重症喘息の統合安全性集団(本剤665例・669例)でが本剤群4%・プラセボ群3%、を伴うの試験(本剤203例・205例)で5%対2%と報告されている2。

💡 どちらもプラセボ群に同程度(あるいは半分程度)出ている点が要点である。 添付文書の副作用一覧に載っていることは「その薬がを起こす」ことを意味しない。薬剤性を疑うのは、投与の開始・増量との時間的関係があり、上に挙げた原因が除外できるときに限られる。

まとめ

  • はより範囲が広く、脊椎・由来の痛みと、後腹膜・胸腔・からのの両方を含む。
  • 体動での再現性・圧痛の局在で脊椎由来かかを見分け、部位と随伴症状(発熱・血尿・体重減少・性器出血など)で原因臓器を絞る。
  • ののように、痛みの部位がと離れていることがある。
  • 突然発症+不安定は血管破綻・産科救急を疑い最優先で除外する。
  • を伴うは脊髄圧迫・を疑い、筋骨格由来と即断しない。
  • は外科的緊急症。新規の尿閉・排便障害・サドル型麻痺・両側・両下肢の脱力を必ず聞く。
  • 脊椎感染症(・・)は、脊椎処置歴・・免疫抑制が背景にある。発熱が無いことを除外根拠にしない。
  • 赤旗は単独で判定せず組み合わせて解釈する。だけ・年齢だけでは偽陽性が多い。ただしだけは組み合わせを待たない。
  • の約97%は転移性である1。原発を探すより、既知の癌の既往を聞くほうが早い。
  • 薬剤の副作用一覧にがあっても、プラセボ群と差が無ければ因果を意味しない。

出典

  1. 1.Low Back Pain: Evaluation and Management(StatPearls (NCBI Bookshelf)・2025)全文を確認した(Last Update December 13, 2025)。赤旗として転移性癌の既往・原因不明の体重減少・脊椎処置歴/静注薬物使用/免疫抑制/腰椎手術歴に発熱や局所圧痛を伴うものを挙げる一方、Evaluation 節は「赤旗は単独ではなく組み合わせて解釈する(should be interpreted collectively rather than independently)」とし、脊椎悪性腫瘍でとくに有用なのは癌の既往・原因不明の体重減少・改善しない持続痛・全体としての臨床的判断であって、**夜間痛の単独所見や年齢の一律の閾値は偽陽性を多数生む**と明記する。椎体骨折・悪性腫瘍・感染・馬尾症候群のいずれでも、複数の赤旗を統合した診断予測モデルのほうが単一の病歴所見や身体所見より高い尤度比を示したとする。あわせて次を同じ全文で確認した——馬尾症候群は外科的緊急症で、病歴上の要点は「新規の尿閉、排尿開始困難、排便障害、会陰部または肛門周囲の感覚脱失(サドル型麻痺)」であり、「両側の坐骨神経痛、急速に増悪する下肢痛、両下肢の新規の脱力」が加わると疑いが強まり、これらが揃う像は巨大な正中型椎間板ヘルニアなどの占拠性病変による馬尾神経根の高度圧迫を示すこと。脊椎感染症は「過去12か月以内の脊椎手術、静注薬物使用、免疫抑制」を背景にもち、発熱・限局痛・圧痛・創部があればとくに疑うべきで、原因として椎体骨髄炎・椎間板炎・化膿性仙腸関節炎・硬膜外膿瘍・傍脊柱筋膿瘍が挙がり、流行地域からの患者では結核も考えること。硬膜外膿瘍は神経脱落症状や放散痛を伴うときにとくに疑うこと。画像はMRIが軟部組織・神経・椎間板の評価に適し、骨シンチは骨髄炎・椎間板炎・疲労性変化を描出しうるがこれらの評価ではMRIに劣ること、引き裂かれるような背部痛で大動脈解離を疑う場合はCTまたはMR血管造影を行うこと、脊椎腫瘍の約97%が転移性であること。閲覧 2026-09-07
  2. 2.TEZSPIRE (tezepelumab-ekko) injection, for subcutaneous use — Prescribing Information(U.S. Food and Drug Administration(DailyMed)・2025)重症喘息の統合安全性集団(PATHWAY・NAVIGATOR、本剤665例・プラセボ669例)の有害反応表で背部痛が本剤群4%・プラセボ群3%、鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎の試験(WAYPOINT、本剤203例・プラセボ205例)で本剤群5%・プラセボ群2%であることを逐語で確認した(6.1項)。閲覧 2026-09-07