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Imaging findings · Published

MIBGシンチグラフィ

MIBG scintigraphy

別名
MIBGシンチI-123 MIBGシンチグラフィメタヨードベンジルグアニジンシンチグラフィ
臓器系
内分泌・代謝循環器腫瘍
科目
Internal MedicinePediatricsNeurology
トピック
内科学 S-14:褐色細胞腫・傍神経節腫小児科 3-04:神経芽腫・Wilms腫瘍・小児肝腫瘍神経内科 G3-10:パーキンソン症候群を呈する疾患神経内科 G3-15:原発性神経変性性認知症
関連疾患
パーキンソン病褐色細胞腫血管性・レビー小体型・前頭側頭型認知症など非アルツハイマー型認知症神経芽腫・ウィルムス腫瘍神経節芽腫進行性核上性麻痺多系統萎縮症慢性心不全

🧠 全体像は一つのを二つの全く異なる目的に使う検査である。ではという交感神経由来の腫瘍を追いかけ、では心臓のそのものを評価してパーキンソン病関連疾患の鑑別や心不全の予後をみる。どちらも「次の一手」を決める検査だが、見ている対象は全く別であり、どちらの文脈で読んでいるかを取り違えると解釈を誤る。

何を見ているか

MIBG()はノルアドレナリンので、や副腎髄質・に発現するを介して細胞内に取り込まれ、に貯蔵される。¹²³Iで標識し、またはSPECTで撮像する。

取り込み経路そのものは全般に共通するため、は同じ薬剤・同じ原理を異なる臓器に向けているに過ぎない。

用途 何を評価するか 主な対象
交感神経由来細胞・の分布
心臓のの密度 パーキンソン病関連疾患の鑑別、の予後評価

が確定した後の局在診断であり、ではない1で腫瘍性の分泌が確からしくなってから、初めてMIBGで「どこにあるか」を探す。

所見の読み方

ではに一致して異常集積が生じる。全身を一度に評価できる点はと共通する強みである。

:心臓と縦隔の平均比であると、な集積低下率であるの2指標で評価する。からのを反映し、高いほどが亢進していることを示す。集積低下(の低下)との亢進は同じ方向の異常として読む。

疾患 心筋MIBG集積 機序
パーキンソン病 低下 の脱落(
保たれる 障害部位が中枢・節前にとどまりは温存される

💡 DaT-SPECTとは見ている軸が違う。DaT-SPECTが評価するのは線条体の、MIBGが評価するのは心筋のである。両者ともパーキンソン病関連疾患の鑑別に使われるが、対象とする神経系も臓器も別であり、片方が正常でも他方の異常を除外できない。

いつ行うか

有用な場面:

  • 生化学的にが確からしいときの局在診断・全身検索
  • ・治療効果判定
  • の診断で、中核的臨床特徴だけでは判定が定まらない場合(の1つ)2
  • パーキンソン病の診断で支持基準を満たすかを判断する場合。または心臓のMIBG取り込み低下のいずれかが支持基準1項目として数えられる3
  • との鑑別が臨床像だけでは困難な場合
  • 慢性心不全患者の評価。以降、1.6が予後不良を識別するとして広く用いられるが、この値はで得られたものであり、が異なる施設では標準化してから当てはめる4

不要な場面:

  • などの生化学検査を行う前のスクリーニング
  • 臨床像が典型的で、他の検査で鑑別がすでについている場合

できないこと:

解釈を乱す要因

⚠️ 干渉薬剤は多岐にわたり、も薬剤ごとに異なる。 は10日以上、など)は1〜3日、抗精神病薬は3〜4週のが必要である1。一部のも集積に影響し得るとされ、の可否を含め事前に確認する。

も必須である。¹²³Iが遊離すると甲状腺に取り込まれるため、投与前になどであらかじめ甲状腺への集積を抑制する1

部位(心筋・唾液腺・・甲状腺・肝・肺・腸管・子宮など、副腎は最大80%の症例)を病的集積と誤らない1

心筋の種類で値が変わる。低エネルギー用と中エネルギー用のでは同一症例でも平均が異なり(日本核医学会のデータベースでLE 2.5・ME 3.0)、施設・機種間で数値を直接比較できない。比較には変換係数による標準化が必要である4

評価の進め方

flowchart TD
    A["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='MIBG scintigraphy'>MIBGシンチグラフィ</span>の目的は?"] --> B{"腫瘍か心筋か"}
    B -->|"<span class='jp-term jp-term-diagram' title='tumor imaging'>腫瘍イメージング</span>"| C["生化学的に<span class='jp-term jp-term-diagram' title='pheochromocytoma and paraganglioma'>PPGL</span>・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='Neuroblastoma'>神経芽腫</span>が<br>確からしいか確認"]
    C --> D["局在・全身検索としてMIBGを施行"]
    D --> E{"<span class='jp-term jp-term-diagram' title='SDHB mutation'>SDHB変異</span>など<br>陽性率が低い<span class='jp-term jp-term-diagram' title='genotype'>遺伝型</span>か"}
    E -->|"はい"| F["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='somatostatin receptor (SSTR)'>ソマトスタチン受容体</span><br>イメージングを優先・併用"]
    E -->|"いいえ"| G["MIBGの所見で局在を判断"]
    B -->|"<span class='jp-term jp-term-diagram' title='myocardial scintigraphy'>心筋シンチグラフィ</span>"| H["パーキンソン病関連疾患の鑑別<br>または<span class='jp-term jp-term-diagram' title='chronic heart failure'>慢性心不全</span>の予後評価が目的"]
    H --> I["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='heart-to-mediastinum ratio'>H/M比</span>・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='washout rate'>洗い出し率</span>を測定"]
    I --> J{"集積は低下しているか"}
    J -->|"低下"| K["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='postganglionic'>節後性</span>交感神経障害を支持<br>(パーキンソン病・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='dementia with Lewy bodies (DLB)'>レビー小体型認知症</span>、予後不良)"]
    J -->|"保たれる"| L["節前・中枢性病変を支持<br>(<span class='jp-term jp-term-diagram' title='multiple system atrophy (MSA)'>多系統萎縮症</span>・PSPなど)"]

まとめ

  • MIBGはノルアドレナリンのを介して交感神経由来細胞・に取り込まれ、という2つの全く異なる用途に使われる。
  • が確定した後の局在診断であり、スクリーニングには使わない。関連では感度が低く、の方が優れる。
  • で評価し、パーキンソン病・では低下、では保たれる。DaT-SPECTとは評価する神経系そのものが異なる。
  • 干渉薬剤・依存性のを踏まえて解釈する。

出典

  1. 1.European Association of Nuclear Medicine Practice Guideline/Society of Nuclear Medicine and Molecular Imaging Procedure Standard 2019 for radionuclide imaging of phaeochromocytoma and paraganglioma(European Association of Nuclear Medicine (EANM) / Society of Nuclear Medicine and Molecular Imaging (SNMMI)(Taïeb D, et al.)・2019)MIBGシンチグラフィは生化学的にカテコールアミン過剰が確認された後の局在診断として位置づけられスクリーニング検査ではないこと、SDHB関連PPGLではMIBG陽性例が50%未満でありMIBGを使うべきでないとされること、遺伝背景を問わないPPGL全体のプール検出率が68Ga-DOTA-SSA PET/CTの93%に対し123I-MIBGは38%で有意差があること、干渉薬剤(ラベタロールは10日以上、三環系抗うつ薬・交感神経作動薬は1〜3日、抗精神病薬は3〜4週の休薬)、甲状腺ブロック(ヨウ化カリウム130 mg/日を投与1時間前)、生理的集積部位(心筋・唾液腺・涙腺・甲状腺・肝・肺・副腎(最大80%)・腸管・子宮)を確認した閲覧 2026-08-04
  2. 2.Standardization of 123I-meta-iodobenzylguanidine myocardial sympathetic activity imaging: phantom calibration and clinical applications(Clinical and Translational Imaging(Nakajima K, et al.)・2017)H/M比は心臓と縦隔の平均計数比、洗い出し率は経時的な集積低下率であること、低エネルギー用コリメータと中エネルギー用コリメータでは同一症例でも平均H/M比が異なり(日本核医学会データベースでLE 2.5・ME 3.0)施設間で直接比較するには変換係数による標準化が必要なこと、ADMIRE-HF試験以降H/M比1.6が慢性心不全患者の予後不良を識別するカットオフとして広く用いられ、晩期H/M比を含む変数をNYHA分類・左室駆出率・BNPと組み合わせた5年心臓死亡リスク予測モデルが示されていることを確認した閲覧 2026-08-04
  3. 3.Diagnosis and management of dementia with Lewy bodies: Fourth consensus report of the DLB Consortium(Neurology (American Academy of Neurology)・2017)指標的バイオマーカーとして線条体ドパミントランスポーター取り込み低下・MIBG心筋シンチグラフィの取り込み低下・REM睡眠時無筋緊張のポリソムノグラフィ確認の3つが挙げられ、MIBGは節後性心臓交感神経支配を反映すること、DAT画像とは独立したバイオマーカーとしていずれか1つで指標的基準を満たすことを確認した閲覧 2026-08-04
  4. 4.Diagnostic Criteria for Parkinson's Disease: From James Parkinson to the Concept of Prodromal Disease(Frontiers in Neurology(Marsili L, et al.)・2018)2015年MDS臨床診断基準の支持基準の一つが嗅覚低下または心臓交感神経系のMIBGシンチグラフィ取り込み低下のいずれかであり、両所見のうち一方の存在が支持基準としてカウントされることを確認した閲覧 2026-08-04