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Lab values · Published

重炭酸

Bicarbonate

別名
血清重炭酸HCO₃⁻総二酸化炭素
臓器系
内分泌・代謝腎・泌尿器全身
科目
Internal MedicineDermatologyPediatrics
トピック
内科学 L-37:慢性腎臓病・尿毒症症候群皮膚科 3-02:スティーヴンス・ジョンソン症候群と中毒性表皮壊死症小児科学 3-30:小児尿路結石症
関連疾患
アセトアミノフェン(パラセタモール)中毒腎尿細管性アシドーシス薬疹(SJS・TENを含む)
監視対象薬
アセタゾラミドゾニサミドトピラマート
影響する薬剤
アセタゾラミドゾニサミドトピラマート
スコア
SCORTEN

🧠 全体像は体液の主要なで、日常の生化学検査では血清・血漿の総、血液ガスではpHとPCO₂から計算したHCO₃⁻として報告される。低値・高値は病名ではなく、代謝性変化と呼吸性変化への代償の両方で起こる。 pH、PCO₂、電解質、と同じ時刻に読んで初めて酸塩基異常を分類できる。

何を測っているか

細胞で生じたCO₂は水と反応して炭酸となり、H⁺とHCO₃⁻に解離する。肺はCO₂を、腎はH⁺排泄とHCO₃⁻再生・再吸収を調節し、両者でpHを保つ。

報告項目 実体 解釈上の注意
生化学検査の HCO₃⁻、溶存CO₂、炭酸の合計を測定 約95%をHCO₃⁻が占め、日常診療では血清HCO₃⁻の近似値として使う
血液ガスのHCO₃⁻ 実測pHとPCO₂から計算 直接測定ではなく、血液ガス検体の呼吸状態を反映する
PCO₂を標準条件に置いて計算 呼吸性要因を弱めた代謝成分の補助指標で、実測とは同一でない

と血液ガスHCO₃⁻は通常近いが、動脈か静脈か、採取時刻、検体の空気曝露、計算法により数mmol/Lの差が生じ得る。食い違いを直ちに病態変化とせず、同時採取かと検体品質を確認する。

基準値と位置づけ

成人の生化学検査ではおおむね22〜29 mmol/L、の計算HCO₃⁻では22〜26 mmol/Lが目安だが、施設・検体・測定法のを優先する。mmol/LとmEq/LはHCO₃⁻では数値が等しい。

値の方向 まず考える一次性変化 代償でも起こる変化
低値 代謝性アシドーシス に対する腎性代償
高値 に対する腎性代償

⚠️ HCO₃⁻だけで「アシドーシス」「アルカローシス」と診断しない。アシドーシス・アルカローシスは過程、は血液pHの状態であり、障害ではHCO₃⁻の向きとpHが一致しないことがある。

低値の意味

機序 代表的状況 次に見るもの
の増加 、腎不全、毒物 AG、乳酸、ケトン、腎機能、曝露歴
HCO₃⁻喪失 下痢、 Cl、K、尿pH、尿NH₄⁺の代替指標
腎での低下 、進行CKD K、eGFR、尿pH、薬剤
への代償 低酸素、敗血症、妊娠、肝疾患、 pH、PCO₂、発症の急性・慢性

低HCO₃⁻を見たら、まずAG = Na − (Cl + HCO₃⁻)を計算する。高AGなら測定されないの増加、正常AGならHCO₃⁻喪失または腎性障害を優先する。では未補正AGが見かけ上低くなるため、アルブミンも確認する。

2024年KDIGOは、CKD成人で臨床的影響を伴い得るアシドーシスを防ぐ介入の例として血清HCO₃⁻ 18 mmol/L未満を挙げる。これは全患者の一律な救急閾値ではなく、補正時には血圧、、K、上限超過を監視する。

高値の意味

機序 代表的状況 鑑別の手掛かり
H⁺喪失 嘔吐、、利尿薬 、尿Cl、K、
アルカリ負荷 、クエン酸を含む大量輸血、 投与歴、Ca、腎機能
、重いK欠乏 血圧、K、レニン・アルドステロン
への代償 COPD、低換気、神経筋疾患 pH、PCO₂、慢性経過

では尿Clが病態整理に役立つが、直近の利尿薬、CKD、輸液で解釈が変わる。高HCO₃⁻と高PCO₂の組み合わせをと即断せず、慢性低換気への適切な代償かを確認する。

酸塩基異常の読み方

flowchart TD
    A["HCO₃⁻異常を確認"] --> B["同時刻のpH・PCO₂を確認"]
    B --> C{"HCO₃⁻は低いか高いか"}
    C -->|"低い"| D["代謝性アシドーシスまたは<span class='jp-term jp-term-diagram' title='respiratory alkalosis'>呼吸性アルカローシス</span>の代償"]
    C -->|"高い"| E["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='metabolic alkalosis'>代謝性アルカローシス</span>または<span class='jp-term jp-term-diagram' title='respiratory acidosis'>呼吸性アシドーシス</span>の代償"]
    D --> F["AG・補正反応・臨床背景を確認"]
    E --> G["PCO₂・尿Cl・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='body fluid volume'>体液量</span>・薬剤を確認"]
    F --> H["期待代償から外れれば<span class='jp-term jp-term-diagram' title='mixed'>混合性</span>障害"]
    G --> H

代謝性アシドーシスでは期待PCO₂ ≈ 1.5 × HCO₃⁻ + 8 ± 2 mmHgを補助に使える。実測PCO₂が期待範囲より高ければ、低ければの併存を疑う。式は病歴や換気評価の代わりではない。

測定上の注意

  • 生化学検体を開栓したまま放置するとCO₂が空気中へ失われ、になり得る。
  • 採取から分離・測定までの遅延、充填不足、輸液ラインからの混入を確認する。
  • 血液ガスは、遅延、過剰な液体ヘパリン、採取中のでpH・PCO₂と計算HCO₃⁻が変わる。
  • 化学と血液ガスHCO₃⁻を比較するなら、できるだけ近い時刻・同じ治療条件で採取する。
  • 極端な脂血・溶血・黄疸の影響は分析法ごとに異なるため、検査室の干渉情報を確認する。

⚠️ 意識障害、ショック、深大呼吸、痙攣、重いK異常、著しいpH異常を伴う場合は、の再検だけで対応を遅らせない。血液ガス、乳酸、血糖・ケトン、電解質、腎機能を同時に評価する。

SJS/TENのではHCO₃⁻ 20 mmol/L未満が予後項目の1つだが、単独で診断やを決める値ではない。小児ではCa、P、尿酸、腎機能とともに測り、低値ならを検索する。

まとめ

  • 生化学のはHCO₃⁻の近似値として用い、血液ガスHCO₃⁻はpHとPCO₂からの計算値である。
  • 低値は代謝性アシドーシスとの代償、高値はの代償で起こる。
  • pH、PCO₂、AG、Cl、Kを組み合わせ、期待代償から障害を探す。
  • 空気曝露や測定遅延によるを疑い、異なる検体・時刻の値を機械的に比較しない。
  • はHCO₃⁻単独ではなく、pH、症状、循環、呼吸、原因疾患で判断する。