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Lab values · Published

アニオンギャップ

Anion gap

別名
AG血清アニオンギャップ
臓器系
内分泌・代謝腎・泌尿器
科目
AnesthesiologyPediatrics
トピック
麻酔科学 A-02:酸塩基平衡とその異常小児科学 2-28:代謝性・呼吸性アシドーシス
関連疾患
D-乳酸アシドーシスサリチル酸中毒シアン化物中毒腎尿細管性アシドーシス先天代謝異常症糖尿病性ケトアシドーシス・高血糖高浸透圧症候群
監視対象薬
ホメピゾール

🧠 全体像(AG)は直接測定する物質ではなく、測定されたの差からの増加を推定する算出値である。代謝性アシドーシスを高AG性と正常AG性に分ける入口だが、、測定法、障害で見かけが変わるため、pH・・アルブミン・を一緒に読む。

何を算出しているか

血漿は電気的に中性だが、ではすべてのイオンを測らない。主要な測定Naから、測定ClとHCO₃を引いた差がAGである。

AG=Na+(Cl+HCO3)\mathrm{AG} = Na^+ - (Cl^- + HCO_3^-)

Kを含めて Na + K − Cl − HCO₃ とする式もあるが、が変わる。患者内の経時比較では式を統一する。

flowchart TD
    A["HCO3低下または<span class='jp-term jp-term-diagram' title='acidemia'>アシデミア</span>"] --> B["AGを計算"]
    B --> C["アルブミンと施設基準で補正"]
    C --> D{"AGは高いか"}
    D -->|"高い"| E["乳酸・ケトン・腎不全・毒物を検索"]
    D -->|"正常"| F["Cl増加、消化管喪失、RTAを検索"]
    E --> G["予測代償とデルタで<span class='jp-term jp-term-diagram' title='mixed'>混合性</span>障害を確認"]
    F --> G
    G --> H["原因を直接測定して治療"]

の中心はアルブミンで、ほかにリン酸、硫酸、有機酸などが含まれる。高AGは「何かの酸が増えた」という警報であり、物質名を特定する検査ではない。

基準範囲とアルブミン補正

Kを含めないAGは約8〜12 mmol/Lを目安とすることが多いが、、分析装置、検体、施設集団によりは大きく異なる。報告書の施設基準を優先する。

ではAGが低く見え、を隠す。一般的な概算は次のとおりである。

補正AG=実測AG+2.5×(4.0albumin [g/dL])\mathrm{補正AG} = \mathrm{実測AG} + 2.5 \times (4.0-\mathrm{albumin\ [g/dL]})
状況 解釈
AG正常・アルブミン正常 高Cl性アシドーシスなどを評価
AG正常・アルブミン低値 補正後に高AGとなる可能性
AG高値・HCO₃低値 未測定酸蓄積を優先
AG高値・HCO₃ほぼ正常 など障害を疑う

高値の意味

原因群 代表例 次に測るもの
乳酸 ショック、低酸素、痙攣、薬剤・毒物、低下 乳酸、灌流、薬剤歴
ケト酸 糖尿病、、アルコール関連 、血糖
腎不全 硫酸・リン酸などの蓄積 クレアチニン、尿量
浸透圧ギャップ、曝露歴
薬剤・代謝物 など 薬剤濃度、服
など 神経症状、特殊測定

⚠️ 原因不明のに意識障害、視覚症状、腎障害、ショック、があれば、毒物・乳酸・を緊急に評価する。AGやが正常でも、曝露時刻によってを除外できない。

正常値・低値の意味

代謝性アシドーシスでAGが正常なら、失われたHCO₃がClに置き換わる正常AG性・高Cl性アシドーシスを考える。

パターン 主な原因
正常AG+HCO₃低下 下痢、、尿路変更、大量Cl負荷、
低AG が最多
低AG+総蛋白高値 など正蛋白の増加
低AG+高Cl測定 によるなど
低AG+Na過小評価 極端な・高蛋白血症、測定上限超え

低AGは見過ごさず、まず再検とアルブミン、総蛋白、Na・Clの測定を確認する。ただし単独でを診断しない。

デルタの使い方

では、ΔAG = 実測AG − 正常AGとHCO₃の低下量を比較すると障害を疑える。

比較 示唆
ΔAGとHCO₃低下がおおむね釣り合う 単純な高AG性代謝性アシドーシス
HCO₃低下の方が大きい 正常AG性アシドーシスの併存
ΔAGの方が大きい の併存

正常AGの設定、アルブミン、発症時期で比は変わるため、固定しただけで病態を確定しない。予測PaCO₂と臨床像も組み合わせる。

血清AGと尿AGを混同しない

尿Na + 尿K − 尿Cl で、尿中NH₄排泄を間接推定する別の算出値である。血清AGが未測定酸を評価するのに対し、尿AGは正常AG性アシドーシスで腎の反応をみる。両者のや意味は交換できない。

測定上の注意

⚠️ AGは3つの測定値の誤差を合成する。予想外の値では、同一時刻・同一検体系列のNa、Cl、を使ったかを確認する。

  • 血清は放置・開栓・搬送遅延でCO₂を失い、HCO₃がとなってAGをにし得る。
  • 血液ガスの計算HCO₃と生化学検査のを混在させると、小さな差が生じる。
  • 間接法Naは著明な脂血・高蛋白血症でとなり得る。
  • Cl電極へのなどのはAGを低く見せ得る。
  • 装置変更後は過去の施設基準と単純比較しない。

まとめ

  • AGはを推定する算出値で、直接測定ではない。
  • は装置・式に依存し、では補正して解釈する。
  • 高値では乳酸、ケトン、腎不全、毒物を原因別に直接測定する。
  • 正常AG性アシドーシスではCl負荷、消化管HCO₃喪失、RTAを考える。
  • 予想外の高値・低値は検体処理、Na・Cl・も確認する。