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Lab values · Published

尿沈渣

Urinary sediment

別名
尿沈渣検査
臓器系
腎・泌尿器
科目
Internal Medicine
トピック
内科学 N-03:腎疾患の鑑別診断内科学 N-01:糸球体疾患
関連疾患
ANCA関連血管炎IgA血管炎(ヘノッホ・シェーンライン紫斑病)シスチン尿症ネフリティック症候群ネフローゼ症候群急性腎障害血管炎(大血管炎・中血管炎・小血管炎)精巣上体炎・精巣炎全身性エリテマトーデス巣状分節性糸球体硬化症膜性増殖性糸球体腎炎慢性腎臓病
監視対象薬
エデト酸カルシウム二ナトリウム

🧠 全体像:尿沈渣は、尿中の赤血球・白血球・上皮細胞・円柱・結晶・微生物を形態で読むパネル検査である。個々の粒子より組み合わせが障害部位を示し、は糸球体、は尿細管を示唆する。採尿法とで壊れやすいため、陰性所見だけで疾患を除外しない。

何を見ているか

尿沈渣は、尿をして濃縮した沈渣を顕微鏡で観察する方法と、未尿を自動粒子分析・する方法がある。方法ごとに濃縮率や単位が異なり、/HPF/LPF/µLをそのまま相互換算できない。

系統 主な成分 分かること
細胞 赤血球、白血球、尿細管・尿路・ 出血、炎症、尿細管傷害、混入
円柱 硝子、赤血球、白血球、顆粒、脂肪、 腎実質内で形成された病変の手掛かり
結晶 尿酸、Ca、リン酸Mgアンモニウム、など 尿環境、結石、代謝・薬剤
微生物 細菌、酵母様真菌など 症状・・培養と合わせ感染を評価

円柱は・集合管でタム・ホースフォール蛋白を骨格に形成される。このため血球円柱は単なる下部尿路出血よりを強く示唆する。

基準と採尿条件

赤血球0〜2/HPF、白血球0〜5/HPF程度を目安とする施設が多いが、採尿・・顕微鏡条件で基準は異なる。施設の方法と単位を優先し、症状のある患者では固定閾値だけで判断しない。

条件 推奨・注意
検体 清潔な由来の混入を減らす
時間帯 形態評価には濃縮された早朝〜第2早朝尿が適することが多い
搬送 尿を速やかに、可能なら採取後2時間以内に分析
保存 遅延時は施設手順で冷蔵・保存し、・混和して分析
記録 月経、運動、発熱、カテーテル、抗菌薬を併記する

細胞の読み方

所見 主な示唆 注意点
尿路出血が多い 形態だけで部位を確定しない
糸球体出血 尿とで評価しやすい
白血球 尿路感染、間質性腎炎、糸球体炎 培養陰性のもある
など 自動分析では確認鏡検を要することがある
多数 ・膣からの混入 感染を意味しない

陽性なのに赤血球が少なければ、溶血した赤血球、を考える。逆にでは赤血球や白血球が崩れ、鏡検で過小評価され得る。

円柱で障害部位を読む

円柱 主な意味
脱水、発熱、運動でも出る非特異的所見
糸球体腎炎を強く示唆
腎盂腎炎、間質性腎炎、糸球体腎炎
蝋様・ 高度な慢性腎

⚠️ などを伴うに、急速なクレアチニン上昇、乏尿、肺胞出血、浮腫・高血圧が加わる場合は、を含む緊急病態として血清学・腎生検を急ぐ。

結晶・微生物

所見 読み方
尿酸・Ca結晶 健常者にも出る。尿pH、結石、摂取・中毒歴と統合
リン酸Mgアンモニウム結晶 感染を示唆
六角形。を疑う
アシクロビル、メトトレキサートなど。投与・脱水と対応
細菌・酵母様真菌 症状、、採尿品質、培養で感染か混入かを判断

結晶の存在だけで結石症を診断せず、結晶が見えないことでも結石を除外しない。細菌尿もカテーテルや混入で生じるため、無症候者へ鏡検だけを根拠に抗菌薬を開始しない。

評価の進め方

flowchart TD
    A["尿沈渣異常"] --> B["採尿法・保存・試験紙と整合を確認"]
    B --> C{"主なパターン"}
    C -->|"変形RBC・RBC円柱"| D["蛋白定量・Cr・補体・自己抗体"]
    C -->|"尿細管細胞・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='muddy brown cast'>泥状褐色円柱</span>"| E["虚血・毒性・薬剤・血行動態を評価"]
    C -->|"WBC・WBC円柱"| F["培養、腎盂腎炎・間質性腎炎を評価"]
    C -->|"脂肪成分"| G["蛋白尿・アルブミン・ネフローゼ評価"]
    D --> H["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='timing'>緊急度</span>に応じ腎生検"]
    E --> I["原因除去と腎機能推移"]
    F --> I
    G --> H

測定上の注意

  • 放置すると細胞・円柱が崩れ、細菌が増殖し、pHが上昇する。
  • 強い運動、発熱、月経、外傷的カテーテル採尿は一過性血尿を作る。
  • 自動分析は粒子の定量に強いが、は鏡検確認が必要になる。
  • 陰性でも病変が局在性・早期なら除外できず、臨床疑いが強ければ尿で反復する。

まとめ

  • 尿沈渣は細胞・円柱・結晶の組み合わせで障害部位を読むパネル検査である。
  • は糸球体、は尿細管、はネフローゼを示唆する。
  • を速やかに分析し、方法・単位の違いを確認する。
  • 結晶・細菌・少数細胞は単独で病名を決めず、症状、蛋白尿、腎機能、培養と統合する。
  • と急速な腎機能低下は、血清学と腎生検を急ぐである。