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Disease Atlas · 眼科 · 病態

輪部幹細胞疲弊症

Limbal stem cell deficiency

別名
輪部幹細胞欠損症角膜輪部幹細胞疲弊症角膜上皮幹細胞疲弊症
臓器系
眼科
科目
Microscopic Anatomy and Embryology (Microscopic Anatomy)Pharmacology
トピック
組織学 17.1:感覚器:眼薬理学 Core36:先端治療医薬品・ワクチン
関連疾患
水疱性角膜症翼状片
原因薬剤
マイトマイシンC5-フルオロウラシルヒドロキシ尿素
症状
視力低下羞明
原因となる疾患
トラコーマ移植片対宿主病自己免疫性多内分泌腺症候群1型色素性乾皮症先天性角化異常症表皮水疱症

🧠 全体像:は自分では再生できない。角膜との境界にある輪部のに住む幹細胞が供給し続けている。⭐ 輪部はさらに、が角膜へ侵入してくるのを止める堤防でもある。 だからここが枯れると、が絶えるだけでなく、が角膜の上へ這い上がってくる()。⚠️ はと違ってを持たないので、透明だった角膜に血管が入り、する。 本症の本体は「角膜が傷んだ」ではなく、「角膜を作り直すが失われた」である。

定義——「幹細胞が減った/働かなくなった」ことの結果

国際合意は本症を、の幹/前駆細胞の数あるいは機能の低下により、の正常な恒常性を維持できなくなったと定義する1。特徴は(正常ながに置き換わること)、および/または遷延性・再発性の上皮欠損(血管新生の有無を問わない)・眼表面の炎症・瘢痕である1。

中身
部分型 角膜表面の不完全な。残存する輪部と細胞がある1
全型 幹細胞の完全な喪失による角膜表面全体の1

⚠️ 単独の所見では診断できない。 遅発性の・再発性/遷延性の上皮欠損・上皮の菲薄化は本症でしばしば見られるが、本症に特異的ではなく、これらが1つ以上あることだけでは診断に十分でないことがある1。

ニッチという考え方——細胞だけ足しても戻らない

は輪部のに存在すると一般に考えられている1。⭐ とその下の輪部血管が、この幹細胞のとして機能する1。

flowchart TD
    A["正常な輪部<br><span class='jp-term jp-term-diagram' title='Palisades of Vogt'>Vogt柵状構造</span>+輪部血管=<span class='jp-term jp-term-diagram' title='niche'>ニッチ</span>"] --> B["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='limbal stem cells'>輪部幹細胞</span>が<span class='jp-term jp-term-diagram' title='corneal epithelium'>角膜上皮</span>を供給し続ける"]
    A --> C["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='conjunctival epithelium'>結膜上皮</span>の角膜への侵入を阻む堤防"]
    D["外傷・炎症・薬剤・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='genetic defects'>遺伝的欠陥</span>"] --> E["幹細胞の枯渇と<span class='jp-term jp-term-diagram' title='niche'>ニッチ</span>の破壊"]
    E --> F["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='corneal epithelium'>角膜上皮</span>を作り直せない<br>→ 遷延性・再発性の上皮欠損"]
    E --> G["堤防が失われる<br>→ <span class='jp-term jp-term-diagram' title='conjunctival epithelium'>結膜上皮</span>が角膜へ侵入(<span class='jp-term jp-term-diagram' title='Conjunctivalization'>結膜化</span>)"]
    G --> H["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='conjunctival epithelium'>結膜上皮</span>は<span class='jp-term jp-term-diagram' title='antiangiogenic property'>抗血管新生性</span>を欠く<br>→ 表層血管新生・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='Pannus'>パンヌス</span>"]
    H --> I["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='subepithelial fibrosis'>上皮下線維化</span>・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='stromal scarring'>実質瘢痕</span>・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='opacity (turbidity)'>混濁</span>"]
    F --> I
    I --> J["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='decreased visual acuity'>視力低下</span>・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='photophobia'>羞明</span>・疼痛"]

💡 ⭐ 治療戦略は幹細胞集団を補充するだけでは足りず、の回復も試みなければならない——合意文がそう明記している1。「細胞を植えたのに定着しない」は、土壌が壊れているからである。

💡 この枠組みは1989年に始まっている。 Kenyon と Tseng が、片眼性の本症でからのによりの表現型を再構成できることを示した1。⚠️ 両眼性には後にが導入されたが、主にのため成功率が大幅に低い1。⭐ 片眼か両眼かが、この疾患の治療を最初に分ける。

原因

⚠️ 本症の疫学データは存在しない1。ただし報告された症例集積では、を受けた症例の少なくとも3分の2が眼表面の熱傷/化学傷による1。

後天性・非免疫介在性

後天性・免疫介在性

/、、、、1。

💡 この群に共通するのは「慢性の炎症+瞼による+異常」という三重苦である。 幹細胞そのものが一撃で壊されるのではなく、のが少しずつ削られていく。

遺伝性

⚠️ 一次的なはまれな病因だが、早期に診断して相応に管理できることが重要である1。

臨床像

⚠️ 初期には無症状のことがある1。症状が出れば、・刺激感・・・・乾燥感・・疼痛・・・失明のいずれもありうる1。

⭐ フルオレセインの「遅れて染まる」を読む

💡 は細胞間結合が緩く、透過性がの最大40倍ある1。だから色素が細胞間隙へ拡散していく。

⭐ 上皮欠損は「直ちに」染まるが、した表面は点眼から10分以上経ってから染まる——このが本症の手がかりで、したあとでも可視化できる1。⚠️ 点したらすぐ見て終わり、では見つからない。

段階 所見
早期 しばしばで。患部に曲線状ののみ1
進行 光反射の鈍化、不整でした上皮、角膜表層の血管新生、周辺の1
重症 異常上皮が輪部からき状に広がる()1
、、の瘢痕と血管新生、遷延性/再発性の上皮欠損1

⚠️ の消失・平坦化を単独の根拠にしない。 正常眼でも加齢とともに減るので、本症に特異的ではない1。

診断検査——臨床所見だけでは足りない

⚠️ 外科的介入の前には、可能であればで診断を確定することが推奨される1。

検査 何を見るか 限界
角膜表面の・細胞。合意は「gold standard」とする。簡便・低侵襲1 ⚠️ を示す陽性は確定的だが、陰性は否定にならない(角化のある眼などではが完全に欠如しうる)。サンプリングの偏りがあり病期判定には使えない1
(IVCM) 細胞形態で角膜//輪部上皮を区別。の消失、の、の低下1 上皮を除去せずに済む。⭐ ・部分型では、残存するの検出でより感度が高い可能性がある1
上皮厚・深度、と。本症ではこれらが消失し輪部上皮厚が有意に減る1 非侵襲で視野は広いが、のは無い1

細胞マーカー

⭐ CK12は細胞にのみ、CK13とCK7は細胞にのみ発現する1。⚠️ CK19は特異性に関して相反するデータがある1。MUC1・MUC5AC も診断の支持に使え、でMUC5ACを検出するほうがでを検出するより感度が高いと思われる1。

病期分類——決め手は「視軸に届いているか」

⭐ 最も重要な因子は、すなわち角膜中央5 mmが侵されているか(Stage II・III)である。次にの50%超が保たれているか1。

病期 角膜中央5 mm A B C
Stage I 上皮は正常 輪部病変50%未満 50%以上100%未満 100%
Stage II 侵されている 輪部病変50%未満 50%以上100%未満 —
Stage III 角膜表面全体が侵されている — — —

上表は国際合意のによる1。

治療

⭐ 手術の前に眼表面を整える

⚠️ の前に眼表面を最適化することが必須と考えられている2。

  • 眼瞼との再建
  • との治療()
  • ⚠️ 点眼薬による眼表面毒性の最小化——そのものが本症の原因になりうる以上、これは治療の一部である
  • 上皮化を促す点眼薬
  • の使用

以上は管理に関する国際合意が挙げる項目である2。

手術——片眼性か両眼性か、原因、病期で選ぶ

・・(//体外培養)・・が、片眼性か両眼性か、原因、病期に応じて選ばれる。合意はの決定に用いる段階的なフローチャートを確立した2。

💡 ⭐ 口腔粘膜上皮という選択肢が意味を持つのは、両眼性のときである。 の輪部が使えず、は拒絶されやすいという行き止まりを、自分の別の場所ので迂回する発想である。

細胞治療——Holoclar

⭐ 欧州では、幹細胞を含む体外拡大培養されたヒト細胞(Holoclar)が承認されている3。

項目 内容
適応 物理的または化学的なによる中等症から重症のの成人患者。片眼性・両眼性を問わない3
「中等症から重症」の定義 ⭐ 角膜4のうち少なくとも2のがあり、角膜中央が侵され、視力が高度に障害されているもの3
生検 ⚠️ 損傷のない輪部組織が最低1〜2 mm² 必要3
承認 2015年2月17日に、2024年2月22日に通常の承認へ移行3

⚠️ 適応は「による」ものに限られる。 や遺伝性の本症はこの適応の外にある3。⚠️ また「損傷のない輪部が最低1〜2 mm²」という要件は、全型で輪部が完全に失われた眼を除外する3——培養である以上、種になる細胞が要る。

まとめ

  • 本症はの幹/前駆細胞の数あるいは機能の低下によりの恒常性を維持できなくなった状態で、が本体である。⭐ 輪部は上皮の供給源であると同時にに対する堤防でもある。
  • ⚠️ 上皮欠損・・上皮菲薄化はいずれも本症に特異的ではない。 単独の所見で診断しない。
  • ⭐ 治療は幹細胞を補うだけでなくを回復しなければならない。 片眼性ならからの、両眼性ならだが拒絶により成功率が大幅に低い——ここが最初の分岐。
  • 最多の原因は/化学傷(移植例の3分の2以上)。⚠️ 急性期の50%超が強い危険因子。⭐ コンタクトレンズ誘発型は中止で可逆的、は10歳代に発症して全型へ進む。
  • ⭐ は「10分以上経ってから」染まるを見る。 早期はの、重症ではき状。⚠️ の消失は加齢でも起こる。
  • 検査は(gold standard、⚠️ 陰性でも否定できない)・IVCM(で感度が高い可能性)・。⚠️ 手術の前に検査で確定する。
  • 病期は(角膜中央5 mm)に届いているかで Stage I / II / III、輪部病変の範囲で A / B / C。
  • ⚠️ 手術の前に眼表面を整える(の再建・抗炎症・と・点眼毒性の最小化・)。手術は・・・・から選ぶ。
  • Holoclar はによる中等症〜重症の成人例に限られ、損傷のない輪部1〜2 mm² を要する。2015年のから2024年に通常承認へ移行した。

出典

  1. 1.Global Consensus on Definition, Classification, Diagnosis, and Staging of Limbal Stem Cell Deficiency(Cornea(Cornea Society International Limbal Stem Cell Working Group)・2019)PMCの全文(PMC6363877)で確認した。輪部幹細胞疲弊症が、角膜上皮の幹/前駆細胞の数あるいは機能の低下によって角膜上皮の正常な恒常性を維持できなくなる眼表面疾患と定義され、結膜化(正常な角膜上皮が結膜上皮に置き換わること)および/または遷延性・再発性の上皮欠損(血管新生の有無を問わない)・眼表面の炎症・瘢痕といった上皮機能不全の徴候を特徴とすること。⚠️ 遅発性のフルオレセイン染色・再発性あるいは遷延性の上皮欠損・血管新生の有無を問わない上皮の菲薄化は、本症でしばしば見られるものの本症に特異的ではなく、これらの徴候が1つ以上あることだけでは診断に十分でないことがあること。部分型が角膜表面の不完全な結膜化と残存する輪部および角膜上皮細胞で、全型が幹/前駆細胞の完全な喪失による角膜表面全体の結膜化で特徴づけられること。輪部幹細胞が輪部の基底上皮に存在すると一般に考えられ、Vogt柵状構造(POV)とその下の輪部血管がニッチとして機能し、正常な輪部と輪部幹細胞が結膜上皮の角膜表面への侵入に対する障壁として働くこと。したがって治療戦略は幹細胞集団を補充するだけでなくニッチの回復も試みなければならないこと。1989年に Kenyon と Tseng が片眼性の本症に対して健側からの自家角膜上皮幹細胞移植で角膜上皮の表現型を再構成できることを示し、両眼性疾患には後に同種移植が導入されたが主に免疫学的拒絶のため成功率が大幅に低いこと。病因が後天性(非免疫介在性:化学外傷・熱外傷・放射線・コンタクトレンズ装用・輪部にかかる複数回の手術・水疱性角膜症・感染性眼疾患・慢性の眼瞼疾患[重症の眼瞼炎/酒皶・トラコーマ]・眼表面腫瘍・重症の翼状片・薬剤性[マイトマイシンC・5-フルオロウラシル・防腐剤・全身化学療法および免疫療法]/免疫介在性:Stevens-Johnson症候群および中毒性表皮壊死症・粘膜類天疱瘡・春季カタル・アトピー性角結膜炎・移植片対宿主病)、特発性、遺伝性(先天無虹彩症・先天性角化不全症・自己免疫性多内分泌腺症候群1型(APECED)・色素性乾皮症・KID症候群・EEC症候群・LADD症候群・表皮水疱症)に分類されること。⚠️ 本症の疫学データは存在しないが、報告された症例集積では最多の原因が眼熱傷であり、輪部幹細胞移植を受けた本症の症例の少なくとも3分の2が眼表面の熱傷/化学傷によること。化学眼外傷は一般に男性に多いこと。眼熱傷の急性期に輪部虚血が50%を超えることが本症発症の強い危険因子であること。アルカリ外傷が酸より多く、細胞膜を鹸化して輪部組織のより深部まで浸透するため組織障害が重篤になること。硫黄マスタードが遅発性の角膜症と本症を来しうること。⚠️ 熱外傷は化学傷よりはるかに頻度が低いとされること。コンタクトレンズ誘発性の本症は病態が多因子的で明確でないが、大半はレンズ装用の中止と内科的治療により可逆的であること。輪部にかかる手術(輪部・結膜腫瘍の切除、反復する広範な翼状片手術、代謝拮抗薬を用いた線維柱帯切除術)が輪部幹細胞とニッチの直接破壊により本症を起こしうること、その範囲はしばしば区域性であること、これらを医原性の本症と呼ぶこと。先天無虹彩症が新生児5万〜10万人に1人で、常染色体顕性遺伝または PAX6 の孤発変異により生じ、出生時には角膜表面と輪部幹細胞の機能が正常であるのに本症(無虹彩症関連角膜症)が通常10歳代に発症し、経過とともに実質混濁を伴う全型へ進行すること。酒皶による重症の慢性眼瞼結膜炎・進行した眼表面扁平上皮癌・放射線は、それぞれ全病因の5%未満を占めること。症状は初期には無症状のことがあり、眼不快感・刺激感・異物感・結膜充血・流涙・乾燥感・眼瞼痙攣・疼痛・羞明・視力低下・失明を来しうること。結膜上皮は細胞間結合が緩く透過性が角膜上皮の最大40倍であること。⭐ 上皮欠損が直ちに染色されるのに対し、結膜化した表面では色素が細胞間隙へ拡散するためフルオレセイン点眼から10分以上経ってから異常な遅発性染色が観察され、これは洗眼後にも可視化できること。早期はしばしば区域性で上方角膜に生じ、患部に曲線状の点状染色のみが見えること。進行すると光反射の鈍化・不整で混濁した上皮・角膜表層の血管新生・周辺のパンヌスが生じ、より重症では異常上皮が輪部から渦巻き状に広がり渦巻き角膜症(whorl-like epitheliopathy)と記載されること。進行期には上皮下線維化・線維血管性パンヌス・角膜実質の瘢痕と血管新生(結膜上皮は角膜上皮と比べて抗血管新生性を欠くため)・遷延性および/または再発性の上皮欠損を伴うこと。⚠️ Vogt柵状構造の消失・平坦化も見られうるが、これは正常眼でも加齢により減るため本症に特異的ではないこと。診断検査として、インプレッションサイトロジーが本症の診断における「gold standard」とされ簡便・低侵襲で角膜表面の杯細胞または結膜上皮細胞を検出できること。⚠️ ただし杯細胞を示す陽性のインプレッションサイトロジーは診断を確定するが、陰性でも本症を否定できないこと(角化のある眼などでは杯細胞が完全に欠如しうる)。またサンプリングの偏りのため本症の病期判定には定量的な検査ではないこと。CK12が角膜上皮細胞にのみ発現しCK13とCK7が結膜細胞にのみ発現すること、CK19は特異性に関して相反するデータがあること、MUC1・MUC5AC も診断の支持に使えること、RT-PCRでMUC5ACを検出するほうが免疫細胞化学で杯細胞を検出するより感度が高いと思われること。生体共焦点顕微鏡(IVCM)は上皮細胞を除去せずに済み重症度の情報を与え、区域性・部分型ではインプレッションサイトロジーより角膜上皮の残存の検出に感度が高い可能性があること、本症の眼ではVogt柵状構造が存在せず上皮下神経叢の断片化と神経密度・基底細胞密度の低下が見られること。前眼部OCTは細胞レベルの解像度は無いが非侵襲で視野が広く、上皮厚・パンヌス深度の測定とVogt柵状構造・輪部陰窩の評価に有用で、本症の眼ではこれらが消失し輪部上皮厚が有意に減少すること。⚠️ 臨床所見のみでは限界があるため、外科的介入の前には可能であれば診断検査で診断を確定することが推奨されること。臨床所見に基づく病期分類が、Stage I(角膜中央5 mm領域の上皮が正常。A=輪部病変50%未満、B=50%以上100%未満、C=100%)、Stage II(角膜中央5 mm領域が侵される。A=輪部病変50%未満、B=50%以上100%未満)、Stage III(角膜表面全体が侵される)の3期であること、最も重要な因子が視軸すなわち角膜中央5 mmが侵されているか(Stage II・III)であり、輪部幹細胞の50%超が保たれているかも考慮すべきことを確認した。閲覧 2026-09-04
  2. 2.Global Consensus on the Management of Limbal Stem Cell Deficiency(Cornea(Cornea Society International Limbal Stem Cell Deficiency Working Group)・2020)抄録のみを閲覧しており全文は未取得。輪部幹細胞疲弊症の内科的・外科的治療が薬物戦略・手術手技・生体工学・細胞治療の導入により大きく発展し選択肢が多岐にわたるため国際的な合意が必要とされたこと。合意として、外科的治療の前に眼表面を最適化することが必須と考えられ、その内容が眼瞼と結膜の再建・抗炎症治療・ドライアイとマイボーム腺機能不全の治療・点眼薬による眼表面毒性の最小化・上皮化を促す点眼薬・強膜レンズの使用であること。片眼性か両眼性か、原因、病期に応じて、結膜上皮切除・羊膜移植・輪部幹細胞移植(同種・自家・体外培養という異なる手技と細胞源)・口腔粘膜上皮移植・人工角膜が外科的治療として行われうること。治療方針の決定に用いる段階的なフローチャートが確立されたことを抄録で確認した。閲覧 2026-09-04
  3. 3.Holoclar (ex vivo expanded autologous human corneal epithelial cells containing stem cells) : EPAR - Medicine overview(European Medicines Agency・2024)欧州医薬品庁の製品ページで確認した。Holoclar の有効成分が「幹細胞を含む体外拡大培養された自家ヒト角膜上皮細胞」であること。承認された適応が逐語で "Treatment of adult patients with moderate to severe limbal stem cell deficiency (defined by the presence of superficial corneal neovascularisation in at least two corneal quadrants, with central corneal involvement, and severely impaired visual acuity), unilateral or bilateral, due to physical or chemical ocular burns." であり、すなわち物理的または化学的な眼熱傷による中等症から重症の輪部幹細胞疲弊症(角膜4象限のうち少なくとも2象限の表層角膜血管新生があり、角膜中央が侵され、視力が高度に障害されているものと定義される)の成人患者に限られ、片眼性・両眼性を問わないこと。生検には損傷のない輪部組織が最低1〜2 mm²必要であること。2015年2月17日に条件付き承認として付与され、2024年2月22日に通常の承認へ移行したこと、現在も欧州連合で承認されていることを確認した。閲覧 2026-09-04