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Lab values · Published

コルチゾール

Cortisol

別名
血清コルチゾール
臓器系
内分泌・代謝全身
科目
Internal Medicine
トピック
内科学 E-06:糖質コルチコイド欠乏と過剰内科学 L-31:副腎不全
関連疾患
Waterhouse-Friderichsen症候群クッシング症候群シーハン症候群下垂体機能低下症原発性アルドステロン症原発性副腎不全抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)成長ホルモン分泌不全性低身長症先天性副腎過形成副腎白質ジストロフィー副腎皮質癌免疫関連有害事象
監視対象薬
オシロドロスタットメチラポン
影響する薬剤
エトミデートトレメリムマブ

🧠 全体像:コルチゾールは、急性ストレス、を同時に反映するため、随時の単回値を「高い・低い」だけで診断に使えない。 欠乏を疑えば朝のコルチゾールとACTH、必要時の刺激試験へ進み、過剰を疑えば深夜唾液、24時間尿中遊離、から目的に合う検査を選ぶ。

何を測っているか

視床下部のCRHが下垂体ACTHを促し、ACTHがのコルチゾール産生を刺激する。コルチゾールはCRH・ACTHへ負のフィードバックをかける。

flowchart TD
    A["視床下部CRH"] --> B["下垂体ACTH"]
    B --> C["副腎皮質コルチゾール"]
    C --> D["血圧・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='glucose metabolism'>糖代謝</span>・免疫・ストレス応答"]
    C -->|"負のフィードバック"| A
    C -->|"負のフィードバック"| B
    E["感染・手術・低血糖"] --> A

血清検査は主に総コルチゾールを測る。約90%以上がやアルブミンに結合し、が生理活性を持つ。このため総値の変化が、そのままの変化とは限らない。

時刻と基準値

通常は起床前後に高く、夜間に最低となる。は採血時刻、睡眠周期、測定法で異なるため、施設の時刻別範囲を用いる。

状況 採血・検体の選び方
副腎不全の初期評価 安定時の午前8〜9時血清コルチゾール+ACTH
判定困難な低値 などの
の初期評価 深夜唾液、24時間尿中遊離、1 mg一晩DST
急性重症患者 時刻、治療、蛋白、臨床像を含め個別解釈

夜勤・シフト勤務では時計時刻より睡眠覚醒周期を考慮する。随時値はのスクリーニングには使わない。

低値の意味

機序 ACTHの方向 代表的原因
高値 自己免疫、・感染・浸潤、先天性酵素欠損
低値〜 下垂体・視床下部病変、手術・放射線
医原性HPA抑制 低値 長期グルココルチコイド使用・離脱
見かけ上の低値 ACTHは背景次第 低CBG、低アルブミン、重症肝疾患

安定例では朝の低値だけで原発性・中枢性を分けず、ACTHを同時測定する。朝3 µg/dL未満はを強く示唆し、15 µg/dL超は可能性を低くするという目安があるが、測定法・を優先し、中間域では刺激試験を行う。

⚠️ 低血圧・ショック、嘔吐、腹痛、意識障害、低Na血症、低血糖を伴いを疑う場合、可能ならコルチゾール・ACTHを採血しても、結果を待って投与を遅らせない。

高値の意味

機序 代表的状況 注意点
生理的ストレス 感染、手術、外傷、低血糖、疼痛 単回高値は適応反応になり得る
CBG増加 妊娠、 総値上昇、は乖離し得る
内因性過剰 ACTH依存性・非依存性 適切なスクリーニングを反復
外因性作用 経口・吸入・外用・注射ステロイド 測定値が低くても作用は過剰になり得る
薬剤・ 薬剤・サプリを確認

肥満、高血圧、糖尿病、うつだけで無差別に検査しない。年齢に不釣り合いな症、幅広いなど、複数の進行性所見があるときにを上げる。

過剰を確認する検査

検査 何を見るか 主な落とし穴
夜間最低値の消失 シフト勤務、睡眠不良、採唾液不備
一日の遊離分泌量 不完全採尿、腎機能低下
負の 、CYP3A4相互作用

Endocrine Societyはこれらの高精度検査から患者に合うものを選び、尿中遊離・深夜唾液は通常2回測定する。異常なら別の推奨検査で確認してからACTH測定・画像による原因検索へ進む。

flowchart TD
    A["コルチゾール異常を疑う"] --> B{"欠乏か過剰か"}
    B -->|"欠乏"| C["午前8〜9時コルチゾール+ACTH"]
    C --> D["中間域なら<span class='jp-term jp-term-diagram' title='ACTH stimulation test'>ACTH刺激試験</span>"]
    B -->|"過剰"| E["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='exogenous steroid'>外因性ステロイド</span>を全経路で確認"]
    E --> F["深夜唾液・尿中遊離・1 mg DSTから選択"]
    F --> G["別検査で再確認後、ACTHで原因分類"]

測定上の注意

⚠️ 「採血時刻」「最後のステロイド投与」「エストロゲン」「蛋白状態」を欠いたコルチゾール値は解釈できない。

  • 妊娠・はCBGを増やし、血清総値を高くする。
  • 低アルブミン・低CBGは総値を低くし、副腎を過小評価し得る。
  • や一部は免疫測定へする。
  • 急性疾患、疼痛、睡眠不足、飲酒・精神疾患はを乱す。
  • などの影響は測定法依存である。
  • ACTHは不安定なため、同時採血後の冷却・迅速処理など施設手順を守る。

モニタリング

慢性副腎不全の補充量は血清コルチゾールを正常化する目的で調整せず、体重、起立性血圧、活力、過剰徴候で評価する。グルココルチコイド離脱時のHPA回復は朝値を連続量として解釈し、薬剤の半減期と最終投与時刻をそろえる。周期性クッシングが疑われる場合は症状の強い時期に反復する。

まとめ

  • 血清コルチゾールは、ストレス、CBG、測定法に左右される。
  • 欠乏は朝コルチゾール+ACTHから始め、中間域では刺激試験へ進む。
  • では採血結果を待たず治療する。
  • 過剰評価に随時値を使わず、深夜唾液・尿中遊離・抑制を選ぶ。
  • 単回値ではなく、目的に合う検体・時刻・動的反応を組み合わせる。