症状ノート一覧へ

Symptoms · Published

小水疱

Vesicle

臓器系
感染症皮膚
科目
PathologyDermatologyNeurology
トピック
病理学 C/100:水疱性皮膚疾患(天疱瘡・水疱性類天疱瘡・疱疹状皮膚炎)皮膚科 1-05:皮膚炎・湿疹群の臨床病型と治療皮膚科 1-20:汗疱・異汗性湿疹神経学 G1-02:顔面神経障害の症候
関連疾患
カポジ水痘様発疹症セリアック病水痘・帯状疱疹多形日光疹単純ヘルペスウイルス感染症皮膚糸状菌症(白癬)疥癬疱疹状皮膚炎

🧠 全体像:小水疱は水疱と同じ「表皮内または表皮下への」という現象の、直径がより小さい版である。大きさそのものより、複数の小水疱がして現れるパターンが診断的価値を持つ——の形(単一に沿うか、露出部に一致するか、手掌足底に深く分布するか)が原因をかなり絞り込む。

水疱との使い分け

  • 直径5mm前後を境に、それ未満を小水疱、それ以上を水疱と呼ぶ教科書が多い(5〜10mmを目安とする記載もある)。
  • 水疱ができる層(表皮内か表皮下か)、壁の性状(弛緩性かか)、の意味は水疱に譲り、ここでは再掲しない。
  • のように「極めて小さく痒い」小水疱が主体で、水疱ほど大きく成長しにくい病型もある。

集簇性小水疱が示す原因

分布のパターン 代表疾患 見分け方
紅斑上にし同一部位へ反復 口唇・性器などに反復し、前駆する疼痛・灼熱感を伴う
片側1に限局する 帯状疱疹(水痘・帯状疱疹 を越えない分布。耳介・外耳道に出ればを伴うを疑う
曝露部に一致し強いを伴う 分布が曝露パターンと一致し、で原因を確認する
手掌・足底・指側面に 」の深い小水疱と強い。片側性なら白癬を再検する
flowchart TD
    A["小水疱が<span class='jp-term jp-term-diagram' title='aggregation/clustering (histological, e.g. lymphocytic aggregates)'>集簇</span>している"] --> B{"分布の軸は?"}
    B -->|"同一部位へ反復"| C["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='herpes simplex (HSV)'>単純ヘルペス</span>を考える"]
    B -->|"片側1<span class='jp-term jp-term-diagram' title='dermatome'>皮節</span>に限局"| D["帯状疱疹を考える"]
    B -->|"曝露部と一致し<span class='jp-term jp-term-diagram' title='pruritus'>瘙痒</span>が強い"| E["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='contact dermatitis'>接触皮膚炎</span>を考える"]
    B -->|"手掌・足底に<span class='jp-term jp-term-diagram' title='deep-seated'>深在性</span>"| F["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='pompholyx'>汗疱</span>を考える"]

同じ「」でも分布の軸が違う。 は同一部位への反復、帯状疱疹はという神経支配、は曝露パターンという外的要因、は解剖学的部位(手掌・足底)が軸になる。「どこに」「どう並ぶか」を先に言語化すると鑑別が速い。

診断の決め手になる随伴所見

所見 示唆する原因
強いが主体で疼痛を伴わない
前駆する疼痛・灼熱感が先行する 、帯状疱疹
夜間増悪する・手関節の分布
肘・膝・に左右対称で極めて痒い セリアック病の皮膚型)
環状に拡大し中心が治癒傾向 (白癬)

💡 セリアック病状であり、消化器症状がなくても小腸生検でを伴うことが多い。小水疱そのものより、除去食への反応が診断の裏付けになる。

⚠️ を伴う帯状疱疹は免疫不全の検索と眼科紹介を急ぐ。 を越えて広がるは細胞性免疫の低下(HIV感染、悪性腫瘍、免疫)を示唆する。鼻尖に病変が及ぶ場合()は眼球への進展リスクが高く、視力を脅かすため眼科的評価を要する。

まとめ

  • 小水疱は水疱と同じ機序の小型版であり、水疱ができる層や水疱に譲る。
  • 直径5mm前後がおおよその境界だが、大きさよりのパターンが診断的価値を持つ。
  • の軸(反復部位・神経支配・曝露パターン・解剖学的部位)を先に言語化すると鑑別が速い。
  • 強い、前駆する疼痛・灼熱感は・帯状疱疹を示唆する。
  • はセリアック病の皮膚型であり、除去食への反応が診断を裏付ける。