病態生理学

病態生理学 · 2-10

慢性腎不全における臓器の病的変化

Organ changes in chronic renal failure

応用トピック
慢性腎臓病・尿毒症症候群
薬剤
カルシウム受容体作動薬リン吸着薬炭酸水素ナトリウム
疾患
カルシフィラキシスむずむず脚症候群心腎症候群腎性全身性線維症線維性骨炎慢性腎臓病

🧠 一本の幹で覚える: CRF の臓器障害はすべて「①排泄できない** + ②作れなくなったホルモン(・活性 vitamin D) + ③水・電解質・酸の貯留**」の3つから派生する。各臓器の症状はこの3本のどれが効いているかで説明できる。

造血系

機序の全体像はを参照。

  • 赤血球: 典型はだが、病態は相対的欠乏、抵抗性、、出血、炎症、短縮などの複合である。なら鉄欠乏、葉酸・B12、溶血、消化管・婦人科出血などを別途評価する。
  • 血小板: が保たれていても、による・凝集障害でを来し得る。透析、貧血是正、・抗凝固薬、感染、肝疾患も含めて評価する。

⚠️ 鉄欠乏を評価・是正せずに(ESA)を開始しない。 鉄が足りないままESAだけを増量しても反応が乏しく、無効なままだけが積み上がる。 2026年改訂版は、血算・・・でスクリーニングし、鉄欠乏と他の原因を是正したうえでESAを検討するという順序を求めている1。

⚠️ Hbを正常値まで上げてはならない。 CHOIR試験・TREAT試験など複数ので、Hbを正常域近くまで積極的に補正するとかえって脳卒中・心血管イベントが増えることが示された(試験の詳細はを参照)。現行のガイドラインは維持Hbを11.5 g/dL未満にとどめ、「貧血を治す」ことと「Hbを正常化する」ことを同義に扱わないよう求めている1。

💡 もう一つの選択肢が、内因性産生を高める-PH阻害薬(など)である。ただし 2026年版は、是正できる貧血の原因に対処したうえでの第一選択は-PH阻害薬ではなくESAとすることを提案している(2D)。-PH阻害薬はHbを上げる効果ではESAに劣らないが、とくに非透析で一部の薬剤にやバスキュラーアクセス血栓の増加が示唆され、長期の利益と害も分かっていないためである。を希望する人は危険性の説明を受けたうえで第一選択に選んでもよく、ESA低反応の人は試してもよいが、この場面での有効性の根拠は弱い。ESA低反応でより効く、鉄の必要量を減らす、といった利点もでは示されていない。心血管イベント・血栓塞栓症・バスキュラーアクセス血栓の既往、活動性の悪性腫瘍、、、、妊娠などの人では避ける。承認状況は国で違い、はでは承認されている一方、米国は安全性の懸念から承認しなかった。米国ではとバダデュスタットが非透析では承認されず、透析開始後3〜4か月以上の G5Dに限って血栓・心血管イベントの付きで承認された(はその後メーカーが米国市場から撤退)。-PH阻害薬は日本・中国などでも承認されている1。

免疫系

  • 、、慢性炎症、糖尿病、などにより、自然免疫・獲得免疫の機能が低下して感染リスクが上がる。一方で慢性炎症も併存する。を固有の必発所見とはみなさず、認めた場合は薬剤、感染、などを調べる。

骨・ミネラル代謝異常

臨床ではCKD-MBDと呼ばれる全身性症候群である。講義の「」はこのうち骨の部分にあたる(下記)。

flowchart TD
  A["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='Nephron'>ネフロン</span>減少"] --> B["リン排泄低下・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='fibroblast growth factor 23'>FGF23</span>上昇"]
  B --> C["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='active vitamin D'>活性型ビタミンD</span>低下"]
  C --> D["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='intestinal calcium absorption'>腸管Ca吸収</span>低下"]
  B --> E["進行例で持続性<span class='jp-term jp-term-diagram' title='hyperphosphatemia'>高リン血症</span>"]
  D --> F["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='parathyroid hormone'>PTH</span>上昇(<span class='jp-term jp-term-diagram' title='secondary hyperparathyroidism'>二次性副甲状腺機能亢進症</span>)"]
  E --> F
  F --> G["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='high-turnover bone disease'>高回転骨病変</span>・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='osteitis fibrosa'>線維性骨炎</span>"]
  C --> H["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='defective mineralization'>石灰化障害</span>・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='low-turnover bone disease'>低回転骨病変</span>にも関与"]
  E --> I["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='vascular smooth muscle'>血管平滑筋</span>の<span class='jp-term jp-term-diagram' title='osteoblast-like'>骨芽細胞様</span>形質転換"]
  I --> J["血管・弁石灰化"]
  G --> K["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='bone pain'>骨痛</span>・筋力低下・骨折"]
  H --> K
  J --> L["心血管イベント・心血管死"]
  • 要点:リン排泄低下、上昇、低下、Ca・変化が相互作用する。は早期には代償され正常のこともあり、Ca、リン、を単一値でなく推移として評価する。
  • 高は主にを生じる。やは別の低回転・であり、「がを起こす」と単純化しない。も、腎不全、透析、糖尿病、肥満、Ca・リン負荷などが関与するの小・血栓性疾患である。
  • ⚠️ 「」と「」は同じ語ではない。 の2006年の見解表明は、の語をに伴う骨形態の変化(で回転・石灰化・骨量を評価する)だけに用い、による骨・ミネラル代謝の全身性の異常で、骨・ミネラル代謝の異常および/または骨外石灰化として現れるより広いをと呼ぶよう推奨した2。つまりはという大きな概念の一部分にすぎない。の治療は、リン・Ca・のを個々にではなく推移として合わせて評価して決める3。
  • ⚠️ は症状なく進み、心血管死に直結する。 のは動脈硬化のとは異なり、中膜のがの形質へ転換して生じる()ため動脈の弾性が失われ、心血管イベントの独立した危険因子になる。 2017は、既知の血管・弁石灰化を有する G3a〜G5Dの患者を心血管リスク最高群とみなすことを提案している(2A)3。
  • 治療の骨格( 2017): 高値のリンを正常域へ向けて下げ(2C)、を使う成人ではCa含有薬の量を制限する(2B)。透析前(G3a〜G5)の成人に製剤(など)をルーチンには用いず(2C)、使うのは重度で進行性のを伴うG4〜G5に限るのが妥当とする。(G5D)でを下げる治療が必要なときは、()・・ビタミンDアナログのいずれか、またはとの併用を提案する(2B)。⚠️ はこの推奨ではの選択肢の一つとして並んでおり、「他の治療が効かないときの追加薬」という位置づけではない。 内科的・薬物治療に反応しない重度の(G3a〜G5D)にはを提案する(2B)3。用量・目標値の詳細はCKD-MBDを参照。

電解質・酸塩基平衡

高カリウム血症

減少による排泄低下に加え、で頻用するRAS阻害薬・(MRA)自体がでのK分泌を抑えるため、腎保護・効果の高い薬剤ほどを助長しやすいというジレンマが生じる。⚠️ 高K血症を理由にRAS阻害薬・MRAを安易に中止すると、蛋白尿・心不全・腎機能低下の抑制という主要な利益を失う。

💡 このジレンマに対し、消化管でKを吸着する新しい経口——、——を用いてRAS阻害薬・MRAを中止せずに血清Kを許容範囲に保つ考え方が広がっている。OPAL-HK試験では、RAS阻害薬服用中でK5.1以上6.5 mmol/L未満の患者にを投与すると4週間で血清Kが平均-1.01 mmol/L低下した。続いて、開始時K5.5以上6.5 mmol/L未満で5.1 mmol/L未満まで下がった107例を継続とへの切り替えに無作為に割り付けると、8週までの高K血症(5.5 mmol/L以上)のはプラセボ群60%に対し継続群では15%にとどまった4。従来のは作用発現が緩徐で消化管合併症(など)の懸念があり、生命を脅かす緊急の高K血症の治療には向かない。

代謝性アシドーシス

能の低下により代謝性アシドーシスが進行性に生じる。骨からのCa・リン動員による緩衝はの悪化に、亢進は筋量減少につながる。2009年のでは、経口による補正が進行速度を有意に遅らせ(CrCl低下1.88対5.93 mL/min/1.73m²/年)、への進行を減らし(6.5%対33%)、も改善させたことが示された5。⚠️ ただしこの利益は、その後のプラセボ対照試験では確認されていない。 3か月以上追跡した15試験(2,445例)の系統的レビューをプラセボ対照試験に限って統合すると腎不全リスクの低下は示されず(0.81、95%信頼区間0.54〜1.22)、最大のBiCARB試験( G3〜G4・60歳以上・22 mmol/L未満)も0.97(0.64〜1.49)で、腎以外の転帰にも利益は示されなかった。このためは2012年版の「血清HCO3⁻22 mmol/L未満で補正」という段階づけられた推奨を2024年版で取り下げ、重大な臨床的影響を来しうる18 mmol/L未満を目安に薬物治療を考慮するpractice point(推奨より弱い位置づけ)へ変更している6。💡 作業部会は、を上げること自体は明らかに有効で、より重いアシドーシスを避ける治療としては適切としつつ、正常域までの補正が腎不全リスクを下げることは示されていないと述べている6。低値が持続する例では補正を検討する。

消化管

  • 、薬剤、、、便秘、炎症などが、食欲低下、悪心・嘔吐、、に関与する。
  • 障害やの影響で消化管出血が重症化し得る。持続する食欲低下と摂取不足はにつながるため、透析適応を含めて評価する。

呼吸器・漿膜

  • Na・、、が肺水腫・胸水を生じ、呼吸困難と低酸素血症を来す。
  • では・などのを生じ得る。低下と誤嚥リスクにより肺感染症にも注意するが、をそのものとは区別する。

神経系

  • 早期:
    • 疲労
    • 集中力低下
    • 頭痛(、高血圧、電解質異常など)
  • 進めば睡眠障害、うつ、 → 昏睡。
  • 、末梢/。
  • 神経筋の(反射↑):
    • 痙攣
    • 振戦
  • 低 Ca²⁺ の:
    • (顔面神経走行部をするとが収縮)
    • (血圧カフ → 手の痙攣)

皮膚

  • 掻痒(主症状)— 複合要因:
    • 毒素
    • 尿酸
    • イオン
    • 乾燥肌
    • 貧血
    • PTH
  • 皮膚所見:
    • 色:蒼白(貧血)、灰色調()
    • 乾燥した皮膚/口唇/口、
    • 尿臭(NH₃)
    • 出血、、、(尿素結晶)
    • ・、眼底病変

心血管系

⭐ 患者の最大の死因はに至ることではなく、心血管疾患である。 多くの患者はに到達する前に、主に心血管イベントで死亡する。旧分類(K/DOQI:National Kidney Foundationによる腎疾患質改善イニシアチブ)の2(60〜89相当)・3(30〜59相当)・4(15〜29相当)の患者27,998例を5年間追跡した研究では、導入率が各病期で1.1%・1.3%・19.9%にとどまったのに対し、死亡率は19.5%・24.3%・45.7%とすべての病期で死亡がを大きく上回り、死亡した患者では心不全・冠動脈疾患・糖尿病・貧血のが高かった7。

💡 これは、が喪失という腎局所の問題にとどまらず、・高血圧、、による、蓄積、慢性炎症が重なり合って全身の血管・心筋を障害する心腎代謝疾患であることの帰結である。

  • : ・高血圧による増大と、貧血による前負荷増大がに重なり、心筋の肥大・線維化を来す。心不全・不整脈・突然死のリスクを高める。
  • : の毒素蓄積により心膜の炎症・を来しうる。透析未導入または透析不十分が背景にあることが多く、治療の中心は透析の導入・強化である。

心腎症候群

心と腎の機能障害が連鎖する(急性/慢性)。どちらが「火元」かで分類する(詳細はの項に譲る):

肝腎症候群

flowchart TD
  A["進行肝硬変・腹水"] --> B["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='splanchnic vasodilation'>内臓血管拡張</span>"]
  B --> C["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='effective circulating volume'>有効循環血漿量</span>↓"]
  C --> D["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='renin-angiotensin-aldosterone system'>RAAS</span> 活性化 → Na⁺/<span class='jp-term jp-term-diagram' title='water retention'>水貯留</span>"]
  D --> E["腹水増悪"]
  C --> F["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='renal vasoconstriction'>腎血管収縮</span>・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='reduced renal perfusion'>腎灌流低下</span>"]
  F --> G["HRS-AKI/HRS-AKD/HRS-CKD"]
  • 歴史的な「1型・2型」と固定閾値は用いず、腎機能低下の時期と持続期間によりHRS-AKI、HRS-AKD(90日未満)、HRS-(90日超)と表す。HRS-AKIは①腹水を伴う肝硬変、②48時間以内にクレアチニン0.3 mg/dL以上の上昇、7日以内にから50%以上の上昇、および/または尿量0.5 mL/kg/時以下が6時間以上、③必要なら適切な容量補充を行ったうえで24時間以内にクレアチニン・尿量が改善しない、④AKIの主因として別の説明を強く示す根拠が無い、で診断する。・蛋白尿・既存があっても起こりうる8。講義の「1型(<20 mL/min、急速進行)・2型(<40 mL/min、腹水)」はこの旧分類である。
  • 💡 ポイント:でが低下し、と交感神経が作動して腎血管が収縮する。感染、出血、薬剤性障害、閉塞、を並行して除外する。HRS-AKIと診断したら、(第一選択は)を20〜25%アルブミンと併用して直ちに開始することが強く推奨されている(grade A)。診断の前提として全例に48時間アルブミンを投与し続けることは推奨されない8。

まとめ

臓器・領域 要点
全体の幹 の蓄積、ホルモン(・)産生低下、水・電解質・酸の貯留の3本から各臓器の障害を説明する
は相対的欠乏を中心とする複合病態。鉄欠乏など是正できる原因を先に正し、ESAを第一選択とし、Hbは11.5 g/dL未満を目標にして正常化しない。では障害で出血しやすい
骨・ミネラル は骨・ミネラル代謝異常と骨外石灰化を含む全身性症候群で、はその骨の部分。血管・弁石灰化は心血管リスク最高群の目印。はの低下治療の選択肢の一つ
電解質・酸塩基 RAS阻害薬・MRAは高K血症を助長しうるが、安易に中止せずなどで対処する。補正は 2024で18 mmol/L未満を目安とするpractice pointになった
消化管・呼吸器・神経・皮膚 食欲低下・悪心、肺水腫・、疲労から昏睡までの中枢症状、神経筋の、掻痒・
最大の死因は心血管疾患。旧K/DOQI2〜4を5年追跡した研究では、どの病期でもより死亡のほうがはるかに多かった。と
心腎・肝腎 は起点で1〜5型に分ける。はHRS-AKI・HRS-AKD・HRS-と表し、HRS-AKIには+アルブミンを直ちに開始する

出典

  1. 1.KDIGO 2026 Clinical Practice Guideline for the Management of Anemia in Chronic Kidney Disease(KDIGO・2026)2026年9月24日にkdigo.orgの全文PDF(Kidney International 2026;109 Suppl 1S)で確認した。Practice Point 1.2.1は血算・網赤血球・フェリチン・TSATで貧血を検査するとし、Practice Point 3.1.2はESAまたはHIF-PH阻害薬の開始前に鉄欠乏を含む是正可能な原因すべてに対処するとする。推奨3.1.1は是正可能な原因に対処したうえでの第一選択としてHIF-PH阻害薬よりESAを提案し(2D)、根拠として直接比較試験でHIF-PH阻害薬の貧血治療効果は非劣性だが一部の試験で主要心血管イベントとバスキュラーアクセス血栓が多いことが示唆され(とくに非透析CKD)、長期の利益と害が不明であること、ESA低反応での有効性の上乗せや鉄必要量の減少は無作為化比較試験で示されていないこと、経口を希望する人は危険性の説明を受けたうえで第一選択としてもよくESA低反応の人は試してもよいが根拠は弱いことを挙げる。Practice Point 3.1.3とTable 6は有害事象リスクの高い人(心血管・血栓塞栓・バスキュラーアクセス血栓の既往、活動性の癌、多発性嚢胞腎、増殖性網膜症、肺動脈性肺高血圧症、妊娠など)でHIF-PH阻害薬を避けるとする。ロキサデュスタットはEMAが承認しFDAが安全性の懸念から承認しなかったこと、ダプロデュスタットとバダデュスタットはFDAが非透析CKDでは承認せず透析開始後3〜4か月以上のG5Dに限り血栓・心血管イベントの枠組み警告付きで承認したこと(ダプロデュスタットはその後米国市場から撤退)、HIF-PH阻害薬は中国・日本など他国でも承認されていることを述べる。推奨3.3.1はESAで治療する成人のHbを11.5 g/dL未満に目標設定することを推奨する(1D)。閲覧 2026-09-24
  2. 2.Definition, evaluation, and classification of renal osteodystrophy: a position statement from Kidney Disease: Improving Global Outcomes (KDIGO)(Kidney International・2006)抄録(PubMed、PMID 16641930)で確認した。従来「腎性骨異栄養症」と呼ばれ骨生検で分類されてきたCKDの骨・ミネラル代謝異常について、①腎性骨異栄養症の語はCKDに伴う骨形態の変化に限って用い、骨組織形態計測で回転・石灰化・骨量を含む統一分類で報告すること、②CKDによる骨・ミネラル代謝の全身性の異常で、骨・ミネラル代謝の異常および/または骨外石灰化として現れる、より広い臨床症候群をCKD-MBDと呼ぶことを推奨した閲覧 2026-09-24
  3. 3.KDIGO 2017 Clinical Practice Guideline Update for the Diagnosis, Evaluation, Prevention, and Treatment of Chronic Kidney Disease–Mineral and Bone Disorder (CKD-MBD)(KDIGO・2017)このurlはKDIGO 2017 CKD-MBD改訂ガイドラインの推奨文の要約(2頁)である。2026年9月24日に取得して確認した。4.1.1(G3a〜G5Dの治療はリン・Ca・PTHの推移を合わせて評価して決める)、3.3.2(既知の血管・弁石灰化を有するG3a〜G5Dの患者を心血管リスク最高群とみなす、2A)、4.1.2(高値のリンを正常域へ向けて下げる、2C)、4.1.6(リン低下治療中の成人でCa含有リン吸着薬の量を制限する、2B)、4.2.2(透析前G3a〜G5の成人に活性型ビタミンD製剤をルーチンに用いない、2C。重度で進行性の副甲状腺機能亢進症を伴うG4〜G5に限るのが妥当)、4.2.4(PTH低下治療を要するG5Dにカルシミメティクス・カルシトリオール・ビタミンDアナログのいずれかまたはカルシミメティクスとの併用、2B)、4.2.5(内科的・薬物治療に反応しない重度の副甲状腺機能亢進症のG3a〜G5Dに副甲状腺摘出術、2B)。CKD-MBDと腎性骨異栄養症の定義はこの要約には無い。閲覧 2026-09-24
  4. 4.Patiromer in Patients with Kidney Disease and Hyperkalemia Receiving RAAS Inhibitors(New England Journal of Medicine・2015)OPAL-HK試験で、RAS阻害薬服用中でカリウム5.1以上6.5 mmol/L未満のCKD患者にパチロマーを投与すると4週間で血清カリウムが平均-1.01 mmol/L低下し(P<0.001)、続く無作為化中止期(開始時カリウム5.5以上6.5 mmol/L未満で5.1 mmol/L未満まで下がった107例)では8週までの高カリウム血症(5.5 mmol/L以上)の再燃がプラセボ群60%に対しパチロマー継続群15%にとどまったこと(P<0.001)を抄録で確認した。閲覧 2026-08-14
  5. 5.Bicarbonate Supplementation Slows Progression of CKD and Improves Nutritional Status(Journal of the American Society of Nephrology・2009)CKD患者134例(CrCl 15〜30 mL/min/1.73m²、血清重炭酸16〜20 mmol/L)を経口重炭酸ナトリウム補充群と通常治療群に無作為割付けし2年間追跡したところ、CrCl低下速度が補充群1.88・対照群5.93 mL/min/1.73m²/年(P<0.0001)、急速進行(低下>3 mL/min/1.73m²/年)が補充群9%・対照群45%、末期腎不全への進行が補充群6.5%・対照群33%といずれも補充群で有意に少なく栄養指標も改善したことを確認した。閲覧 2026-08-14
  6. 6.KDIGO 2024 Clinical Practice Guideline for the Evaluation and Management of Chronic Kidney Disease(KDIGO・2024)2012年版が血清HCO3⁻22 mmol/L未満を代謝性アシドーシス治療の目安とする段階づけられた推奨(2B)を置いていたのに対し、2024年改訂版はこれを取り下げ、18 mmol/L未満を目安に薬物治療を考慮するpractice pointへ変更したことを、kdigo.orgのPDF本文で確認した。取り下げの根拠として、3か月以上追跡した15試験2,445例の系統的レビューをプラセボ対照に限って統合すると腎不全リスク低下が確認されないこと(HR 0.81、95%CI 0.54〜1.22)、最大のBiCARB試験(CKD G3〜G4・60歳以上・血清重炭酸22 mmol/L未満)がHR 0.97(0.64〜1.49)で腎外転帰にも利益を示さず費用増とQoL低下を伴ったことが本文に記されている。作業部会は重炭酸を上げること自体は明らかに有効で、より重いアシドーシスを避ける治療としては適切とする一方、正常域までの補正が腎不全リスクを下げることは示されていないと述べている。閲覧 2026-09-08
  7. 7.Longitudinal Follow-up and Outcomes Among a Population With Chronic Kidney Disease in a Large Managed Care Organization(Archives of Internal Medicine・2004)K/DOQIステージ2・3・4のCKD患者27,998例を5年間追跡した結果、腎代替療法導入率が各病期で1.1%・1.3%・19.9%だったのに対し死亡率は19.5%・24.3%・45.7%と全病期で死亡が透析導入を大きく上回り、死亡した患者では心不全・冠動脈疾患・糖尿病・貧血の有病率が高かったことを確認した。閲覧 2026-08-14
  8. 8.Acute kidney injury in patients with cirrhosis: Acute Disease Quality Initiative (ADQI) and International Club of Ascites (ICA) joint multidisciplinary consensus meeting(Journal of Hepatology・2024)2026年9月24日に全文(PMC11193657のHTML)で確認した。HRS-AKIは進行肝硬変と腹水の患者に特有のAKIの表現型で、尿細管障害・蛋白尿・既存CKDがあっても起こりうるとし、診断基準を、a) 腹水を伴う肝硬変、b) 48時間以内の血清クレアチニン0.3 mg/dL以上の上昇、または7日以内に基準値から50%以上の上昇、および/または尿量0.5 mL/kg/時以下が6時間以上、c) 臨床的に必要なら適切な容量補充を行ったうえで24時間以内に血清クレアチニン・尿量が改善しないこと、d) AKIの主因として別の説明を強く示す根拠がないこと、とする。診断の要件としてアルブミンを48時間系統的に投与することには反対を強く推奨し(grade D)、旧来のHRS 1型・2型の語を腎機能障害の時期と持続期間によりHRS-AKI・HRS-AKD・HRS-CKDへ置き換えることを強く推奨する(grade D。HRSが90日未満ならHRS-AKD、90日超ならHRS-CKD)。HRS-AKIの診断が確定したら直ちに血管収縮薬(第一選択はテルリプレシン)を20〜25%アルブミンと併用して開始することを強く推奨する(grade A)閲覧 2026-09-24