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Drug Atlas · B13 Steroids / ステロイド · 必修

ブデソニド

budesonide

分類
Steroids / ステロイドAntiasthmatic & COPD drugs / 喘息・COPD治療薬
商品名(日本)
パルミコートリノコートゼンタコート
商品名(EU)
PulmicortEntocort
科目
Pharmacology
トピック
B22: Antiinflammatory agents inhibiting bronchial inflammatory processes. Antitussive agents and expectorantsB13: Mineralocorticoids. Topically applied glucocorticoids. Adrenocortical antagonists, inhibitors of corticosteroid synthesis
副作用
嗄声
相互作用
イトラコナゾール
対象疾患
IgA腎症クループ・急性喉頭蓋炎・細菌性気管炎クローン病セリアック病ネフリティック症候群気管支喘息顕微鏡的大腸炎好酸球性食道炎自己免疫性肝炎潰瘍性大腸炎
原因となる疾患
鼻出血

🧠 全体像は全身性ステロイドがGC/MC作用の比で並ぶスペクトラムから外れ、「局所で効かせ、吸収された分は肝で速やかに壊す」という別の設計原理で作られた薬である。吸入・経鼻という古典的なに加えて、経口製剤()でも全身性副作用を抑えたまま腸管局所だけに効かせるという応用まで持つのが、同じ型ステロイドの中でも独自の強みになる。

薬効群の中での位置づけ

型GC()は「全身暴露をどう抑えるか」という同じ課題への解答が少しずつ異なる。

薬剤 主な 全身暴露を抑える仕組み 特徴的な適応
吸入・経鼻・経口( 極めて高い(肝で約90%が不活化) 喘息・COPD・・IgA腎症(製剤)
吸入・経鼻・外用 された分もCYP3A4で速やかに代謝 喘息・COPDの代表格
経鼻・吸入・外用 が極めて低い(ほぼ全身に回らない) の点鼻薬として頻用
外用・ に限定し全身投与を避ける設計 (慢性ぶどう膜炎・

だけが「」を全身性副作用の抑制に応用している。 で放出されるよう設計され、腸管局所(の好発部位)で抗炎症効果を発揮したあと、吸収された薬剤はで速やかに不活化される。これは吸入薬としての性質(高い)をという別の文脈に転用した設計である。

機序

flowchart TD
    A["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='budesonide'>ブデソニド</span>が局所(気道・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='nasal mucosa'>鼻粘膜</span>・腸管)に到達"] --> B["局所で<span class='jp-term jp-term-diagram' title='glucocorticoid receptor (GR)'>グルココルチコイド受容体</span>(GR)に結合"]
    B --> C["局所の抗炎症遺伝子発現↑・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='inflammatory cytokine'>炎症性サイトカイン</span>↓"]
    C --> D["気道炎症・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='nasal mucosa'>鼻粘膜</span>炎症・腸管<span class='jp-term jp-term-diagram' title='mucositis'>粘膜炎</span>症の抑制"]
    A --> E["一部が<span class='jp-term jp-term-diagram' title='systemic circulation'>全身循環</span>へ吸収される"]
    E --> F["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='hepatic first-pass metabolism'>肝初回通過代謝</span>でCYP3A4により速やかに不活化(約90%)"]
    F --> G["全身性副作用(<span class='jp-term jp-term-diagram' title='adrenal suppression'>副腎抑制</span>・高血糖など)が他のGCより少ない"]

💡 は「どこで放出させるか」を制御する物理設計。 pH依存性・のコーティングによりで崩壊するよう作られており、の好発部位()にピンポイントで効かせる。など左側〜直腸優位の病変にはこの設計が届きにくいため、や他の局所治療が必要になる。

薬物動態

項目 値・特徴
(経口) 約10%(大部分がで失われる)
(吸入) 製剤依存で10〜30%程度がに到達
代謝 CYP3A4によるが極めて高い
排泄 代謝物として腎・胆汁排泄
半減期 約2〜3.6時間

CYP3A4阻害薬との併用でが大きく増える。 通常は肝で握りつぶされる分がCYP3A4阻害薬(など)併用下では代謝されずにへ回り、経口製剤で特にAUCが大きく上昇することが報告されている(後述)。

適応

領域 使いどころ
呼吸器 喘息・COPDの(吸入)、(経鼻)、小児への吸入
消化器 型の軽症〜中等症(第一選択)、(直腸〜左側病変への局所製剤)、非肝硬変性の代替として全身性副作用を抑えたい場合)
腎臓 IgA腎症(回腸を標的とした、蛋白尿・腎機能低下リスクの高い症例)

用法・用量

吸入(喘息・COPD)経鼻(は重症度に応じて幅がある。経口(を1日9 mg程度から開始し寛解導入後にするレジメンが代表的。実際の用量は適応・重症度・製剤で大きく変わるため、施設のプロトコル・添付文書で確認する。

禁忌・注意

  • 禁忌:過敏症、未治療の
  • ⚠️ 強いCYP3A4阻害薬との併用は全身性副作用のリスクを高める。 などとの併用では経口・吸入いずれもが数倍に増加しうる(後述の相互作用参照)
  • の直腸〜左側病変にはは届きにくい。 病変部位に応じた製剤選択が必要
  • 長期・高用量の吸入では口腔カンジダ・嗄声のリスクがあり、使用後のうがいで予防する

副作用

頻度 内容
高頻度 口腔カンジダ(吸入)、嗄声(吸入)
注意 頭痛、消化器症状(経口製剤)、(経鼻)
重篤・まれ 高用量・長期使用での、CYP3A4阻害薬併用時の全身性ステロイド症状(医原性Cushing様所見)

まとめ

  • 型GCの中でも極めて高い(肝で約90%不活化)が最大の特徴で、吸入・経鼻に加えてでも全身性副作用を抑えられる。
  • で放出されるよう設計され、に効く。の左側病変には向かない。
  • IgA腎症では回腸を標的としたという新しい応用がある。
  • CYP3A4阻害薬(など)との併用でが大きく増え、医原性Cushing様所見のリスクが上がる。
  • 吸入薬共通の注意として、使用後のうがいで口腔カンジダ・嗄声を予防する。
  • 同じ型でも、は主に呼吸器・は皮膚・眼内という役割分担がある。