眼科学

眼科学 · ML-06

視力・屈折と屈折異常

Visual acuity, refraction and refractive errors

前提:正常
レンズの式視覚の生理学
症状
眼精疲労

🧠 全体像:眼は「角膜とという2枚のレンズで、網膜にピントを合わせる」である。調節を休ませた状態で、遠くからの平行光線が網膜の上にぴったり像を結ぶのが正視で、ずれていればになる。像が網膜の前に結ぶのが(で直す)、後ろに結ぶのが(で直す)、方向によってピントの位置が違うのが(で直す)。ずれの原因は「眼の長さ(軸性)」か「レンズの強さ(屈折性)」のどちらかで、これを(・自動屈折計・解析)と的(レンズを入れ替えて見比べる)の両面から測る。

眼は複合光学系である

眼に入った光は、・角膜・・・を順に通って網膜に届く。屈折の大部分を担うのは空気との境目にある角膜で、眼全体のはおよそ60 D、そのうち角膜が約3分の2(約43 D)、が残りの約3分の1を受け持つ。

構成要素 役割 の特徴
角膜 空気と組織のの差が大きい面で光を最も強く曲げる 固定。形()の異常が・の原因になる
・ 透明な媒質として光を通す 屈折への寄与は小さい
厚み()を変えてピントを合わせる 可変。調節でが増す
角膜頂点から網膜までの長さ レンズの強さとの釣り合いで、像が網膜の前後どちらに結ぶかが決まる

💡 (D)は(m)の逆数である。1 D のレンズは1 m先で光を集め、4 D なら25 cm 先で集める。レンズの式の基礎はレンズの式で扱う。の測り方(超音波・光学式の生体)は眼組織の透明性とを参照。

遠点と近点

  • :調節を休ませたとき、ピントが合う最も遠い点。正視では無限遠、では眼の前の有限の距離(−2 D のなら 1/2=0.5 m)、では「眼の後ろ」の虚の点になる。
  • :最大に調節したとき、ピントが合う最も近い点。が落ちると遠ざかる。

⭐ の人がなしで近くの文字を読めるのは、が手元にあるからである。の人は遠くを見るときにも調節を使っているので、近くを見るときはさらに多くの調節が要り、疲れやすい。

調節:水晶体がピントを合わせるしくみ

近くを見るとき、眼はのを増やしてピントを手前に寄せる。これを調節とよぶ。

flowchart TD
    A["近くの物を見る"] --> B["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='oculomotor nerve (CN III)'>動眼神経</span>の<span class='jp-term jp-term-diagram' title='parasympathetic fibers'>副交感線維</span>が興奮"]
    B --> C["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='ciliary muscle'>毛様体筋</span>が収縮し、<span class='jp-term jp-term-diagram' title='ciliary body'>毛様体</span>の輪が小さくなる"]
    C --> D["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='zonule of Zinn'>チン小帯</span>がゆるむ"]
    D --> E["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='lens'>水晶体</span>が自身の弾性で丸くなる<br>(特に前面の<span class='jp-term jp-term-diagram' title='curvature'>曲率</span>が増す)"]
    E --> F["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='refractive power'>屈折力</span>が増え、近くの像が網膜に結ぶ"]
    A --> G["同時に<span class='jp-term jp-term-diagram' title='convergence'>輻湊</span>と<span class='jp-term jp-term-diagram' title='miosis'>縮瞳</span>が起こる<br>(<span class='jp-term jp-term-diagram' title='near reflex (near response)'>近見反応</span>の三つ組)"]
  • 年齢による変化:は生涯にわたって線維が増え続け、硬く弾性を失っていく。そのため(調節で増やせるの幅)は小児期が最も大きく、年齢とともに一方的に減る。40歳代で手元が見えにくくなるのがである。
  • 調節の速さ:遠くから近くへ(またその逆へ)ピントを切り替える速さも加齢で遅くなる。
  • 測定への影響:若年者のでは調節が働いて寄りの値が出たり、が隠れたりする。そのため小児では(・)を点眼してに測る。

調節の年齢別の値との矯正、とは調節・・・で詳しく扱う。

屈折の測り方

には、器械や検者が眼からの反射を見て決める検査と、患者にレンズを見比べてもらう的検査がある。実際にはな値を出発点にして、的に最終の度数を決める。検眼レンズ・試験枠・ホロプター・自動屈折計といったそのものは眼科の診断法と検査機器にまとめてある。

方法 種類 原理 強み
的 試験枠やホロプターのレンズを入れ替え、最もよく見えるレンズを選んでもらう 実際に処方する度数を決められる
眼底からの反射光(瞳孔内の光の帯)の動きを観察し、レンズで中和する 協力が得にくい乳幼児でも測れる。下の小児の標準
自動屈折計 眼底からの反射光を器械が解析する 速く再現性がある。的検査の出発点
解析 眼から戻る光ののゆがみを測り、球面・円柱だけでなく収差まで分解する の計画、見え方の質の評価

検影法の読み方

では、検者が一定の距離(作業距離、例えば 50〜67 cm)から帯状の光(線条光)を瞳孔に当て、光源を左右や上下に振る。瞳孔の中に見える反射の帯が、光源を振った方向と同じ向きに動くか逆向きに動くかで、患者のが検者より遠いか近いかが分かる。

瞳孔内の反射 意味 次に入れるレンズ
線条光を振った方向と同じ向きに動く(同行) が検者より後方にある(・正視・作業距離より弱い) を足していく
線条光と逆向きに動く(逆行) が患者と検者の間にある(作業距離より強い) を足していく
瞳孔全体が一様に明るく光り、動きが見えない(中和) がちょうど検者の位置にある この時点のレンズ度数から作業距離の分を差し引く
  • 線条光を縦にして左右に振ると水平方向の経線の屈折が、横にして上下に振ると垂直方向の経線の屈折が分かる。経線ごとに中和点が違えばがある。
  • 中和したレンズ度数から作業距離の逆数(67 cm なら約1.5 D、50 cm なら2 D)を差し引いた値が、その眼の屈折値になる。

💡 同行は「まだが足りない」、逆行は「が要る」と覚える。瞳孔全体がぱっと光る中和点を探すのがの要である。

flowchart TD
    A["作業距離から線条光を瞳孔に当てて振る"] --> B{"瞳孔内の反射はどう動くか"}
    B -->|"同じ向き(同行)"| C["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='convex lens'>凸レンズ</span>を加えて再観察"]
    B -->|"逆向き(逆行)"| D["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='concave (minus) lens'>凹レンズ</span>を加えて再観察"]
    B -->|"動かず瞳孔全体が光る"| E["中和"]
    C --> B
    D --> B
    E --> F["レンズ度数から作業距離分を差し引く"]
    F --> G["線条光を90度回して別の経線も測る<br>差があれば<span class='jp-term jp-term-diagram' title='astigmatism'>乱視</span>"]

波面解析の表示

解析の結果は、瞳孔の範囲を色分けした地図で示される(耳側と鼻側の向きが添えられる)。色の尺度は中央の緑を0として、一方の端がの進み、他方の端が遅れを表す。中央に大きく一様な色の円があれば主に球面の、左右や上下で色が対称に分かれれば、非対称な模様が残れば収差を示す。の計画に使う装置では、の地図の横に、球面+円柱の成分だけを高さの地図として取り出したものと、照射の目標となる角膜形状の地図が並べて表示される。

視力の測り方

視力は「2点を2点として見分けられる最小の角度(最小)」の逆数で表す。最小が1分(1/60度)なら小数視力1.0である。

視標の作り方

視標 形 判定するもの
Landolt 環 外径を5としたとき、線の太さと切れ目の幅がそれぞれ1の輪 切れ目の向き(上下左右など)。切れ目の幅が最小に相当する
E 字(向きを変える E) 5×5 のに収まり、線の太さと隙間が1ずつの字 字の開いている向き。文字を知らない人や小児にも使える
数字・文字 同じく5×5 ので太さを1にそろえた数字・字 読めた字の数
絵視標 ・車・帆船・きのこ・花など、線の太さをそろえた絵 何の絵かを言う。幼児用

💡 どの視標も「全体が5単位、線と隙間が1単位」という同じ設計で作られている。遠くから見て1単位(切れ目)が1分の角度になる大きさの行が、視力1.0の行である。

ハンガリーでは Csapody 表が標準で、向きを変えた E 字の列、数字の列、幼児用の絵の列が並び、各列の途中に正常視力の基準線が引かれている。

遠見視力と近見視力

検査 距離 意味
5 m(または4〜6 m) 調節をほぼ使わない状態の視力。の評価の基本
30〜40 cm の読書表 読書距離での視力。・調節の評価、近用の処方に使う

の種類(ETDRS ・小数視力・Snellen・logMAR の換算)、ピンホール、検査の実際は眼科の診断法と検査機器を参照。視力が良くても見えにくさを訴える患者では、を調べる(調節・・・)。

屈折異常の分類

調節を休ませた状態で、平行光線が網膜上に結像する眼を正視、そうでない眼を非正視()とよぶ。

状態 平行光線の結像位置 典型的な訴え
正視 網膜上 不要 なし
網膜の前 (マイナス) 遠くがぼやける
網膜の後ろ (プラス) 疲れ目・頭痛、強ければ遠くも近くもぼやける
経線ごとに異なる位置(1点に集まらない) () どの距離でもぼやける・ゆがむ
左右の眼で屈折が大きく違う 左右別の度数。差が大きければコンタクトレンズ での疲れ、小児では
収差 瞳孔の場所によってピントがずれる では直せない。、を考えた手術 夜間の光のにじみ・まぶしさ

原因による分け方:軸性と屈折性

種類 しくみ 例
軸性 レンズの強さは正常範囲だが、眼軸が長すぎる()か短すぎる() 学童期に進むの大部分、の強い
屈折性 眼軸は正常範囲だが、角膜やのが強すぎる()か弱すぎる() 、核による、高血糖による一時的な、のや、のない眼(強い)

IMI の定義では、は眼軸の過度な伸長による、は角膜やの構造の変化によるとされる1。

屈折異常の頻度

  • 小児期はが主体:新生児・乳児の多くは軽いで、成長とともに眼軸が伸びて正視に近づく()。
  • 成人期はが主体:学童期から思春期にかけてが現れ、進む人が多い。
  • は東アジアで最も多い:都市部の若年者では大多数がという地域もある。
  • 世界的に増えている:を−0.50 D 以下と定義したでは、2000年のは世界人口の22.9%(約14億人)で、2050年には49.8%(約48億人)、(この研究では−5.00 D 以下)は9.8%(約9億4千万人)に達すると推計されている2。

が進む要因として考えられているもの

要因 内容
遺伝 両親がだと子もになりやすい
近業 読書・画面など近くを長時間見る生活
屋外活動の不足 屋外で過ごす時間が短いほどになりやすい
教育・都市環境 教育の強度が高い地域・都市部で多い
発症年齢 早く発症するほど最終的に強いになりやすい

の発症予防と進行抑制(屋外活動、、、特殊な・コンタクトレンズ)はの予防と進行抑制が正本である。

遠視

では、調節を休ませると像が網膜の後ろに結ぶ。で光を手前に集めれば、像が網膜上に戻る。

潜伏遠視と顕性遠視

の人は、若いうちは調節での一部または全部を打ち消している。どこまでが調節で隠れているかによって、次のように分ける。

区分 意味 見つけ方
全 調節を完全に止めたときのの総量 を点眼して測る
潜伏 の緊張が常に残っていて、ふつうの検査では現れない部分 下でだけ現れる(全−)
ふつうの的検査でを受け入れる部分 なしの
 随意 のうち、患者が調節で打ち消せる部分 なしでも遠くが見えるが、も受け入れる
 絶対 のうち、最大に調節しても打ち消せない部分 なしでは遠くもぼやける

Donders の古典的な分け方では、これに相対が加わる。これは、強いを伴わせたときにだけを打ち消せる状態で、調節とが連動しているため「はっきり見ようとすると眼が内に寄る」ことを意味する。小児のの背景になる。

💡 加齢とともにが減ると、潜伏がに、随意が絶対に移っていく。若いころは困らなかったの人が、30〜40歳代で疲れ目や手元の見えにくさを訴え、同年代の正視の人より早くの症状が出るのはこのためである。

遠視の症状と合併症

問題 しくみ
・頭痛 遠くを見るときも近くを見るときも、常に余分な調節を使う
強い調節に伴う過剰なで眼が内に寄る()
強いやで、幼児期に網膜にはっきりした像が結ばない()
閉塞隅角の素因 眼軸が短くが浅い眼が多く、を起こしやすい(緑内障)

⚠️ 小児のは調節で隠れるので、下のをしないと見落とす。を伴うは、わずかな度数でもで矯正する(下の小児の矯正の目安を参照)。

近視

では、調節を休ませると像が網膜の前に結ぶ。で光を広げれば、像が網膜上に戻る。

軸性近視と屈折性近視

種類 原因 特徴
眼軸が伸びすぎる 学童期のの大部分。強度になるほど網膜・が引き伸ばされる
角膜やのが強すぎる 、核、高血糖、など

程度による分類

分類 度数の目安
軽度(従来の区分) −3 D より弱い
中等度(従来の区分) −3 D〜−6 D
(従来の区分) −6 D より強い
(IMI の定義) 等価球面度数が−0.50 D 以下
軽度(IMI の定義) −0.50 D 以下で、−6.00 D より弱い
(IMI の定義) 等価球面度数が−6.00 D 以下

IMI は、研究と臨床で定義をそろえるため、を調節を休ませた状態の等価球面度数−0.50 D 以下、を−6.00 D 以下と定めた1。等価球面度数は「球面度数+円柱度数の半分」である。

強度近視の危険

眼軸が長く伸びた眼では、網膜・・が薄く引き伸ばされ、で矯正しても視力が出ない病的な変化が起こりうる。

合併症 内容
周辺部の網膜が薄くなり、裂孔ができやすい()
黄斑にができ、急に中心がゆがんで見えにくくなる()
・ 眼球が突出し、黄斑が萎縮する
緑内障・ ではどちらも起こりやすい

近視と運動

の人は、頭や眼に強い衝撃を受ける競技(格闘技など)での危険を意識する必要がある、というのが従来のである。現在の実際的な対応は次のとおり。

乱視

では、角膜(ときに)のが方向によって違うため、平行光線が1点に集まらず、経線ごとに異なる位置に焦点を結ぶ。どの距離を見てもぼやけ、線の向きによって見え方が違う。

正乱視と不正乱視

種類 定義 矯正
最も強く曲がる経線と最も弱い経線が直交している ()、トーリックコンタクトレンズ、
経線どうしが直交しない、または面が不規則 では直せない。で角膜前面を滑らかな面に置き換える

正乱視の向き

種類 強く曲がる経線 特徴
垂直方向(角膜が縦方向に強く曲がる) 若年者に多い。上下の眼瞼の圧も関わる
水平方向 高齢者に多い。加齢とともにからへ移りやすい
斜めの方向(おおむね30〜60度、120〜150度) 慣れにくく、の違和感が出やすい

💡 の代表はと角膜の瘢痕である。でどうしても視力が出ないでは、でを探す。

不同視

左右の眼の屈折度が大きく違う状態をという。

  • での問題:レンズの度数が違うとの大きさも違い()、差が大きい(おおむね2〜3 D 以上)と両眼で一つの像にまとめにくく、疲れやの原因になる。眼の表面に乗るコンタクトレンズは像の大きさの差を小さくできる。
  • 小児での問題:度数の強い側の眼に、はっきりした像が入らないまま育つと、になる。片眼は見えているので本人も家族も気づきにくく、就学前の視力検査が重要である()。

高次収差

で直せる球面(・)と円柱()のを「低次収差」とよぶのに対し、それ以外の複雑なゆがみを収差とよぶ。解析の結果は Zernike 多項式という模様の組み合わせに分解され、次数が上がるほど模様が細かくなる三角形の表で整理される。

次数 主な成分 臨床での意味
0次・1次 全体の位相と傾き 見え方には影響しない
2次 焦点ずれ(・)、 低次収差。・コンタクトレンズで矯正できる
3次 コマ収差(光が彗星の尾のように片側へ流れる)、トレフォイル 、偏心したで増える
4次 (瞳孔の中心と周辺でピントが違う)など 瞳孔が開く夜間に光のにじみ・まぶしさとして現れる
5次以上 さらに細かい成分 通常は小さい

💡 収差は瞳孔が大きいほど影響が大きい。「昼は見えるのに夜の運転で信号がにじむ」という訴えは、後・・で収差が増えたときの典型である。

屈折異常の矯正

方法 種類・内容 向いている場面
、二重焦点(遠用と近用の境目がある)、累進(境目なく度数が変わる) 最も安全で基本的な矯正。には二重焦点・累進
コンタクトレンズ ソフト・ハード(酸素透過性)・トーリック・多焦点、夜間に装用して角膜の形を一時的に変える 強い・・、運動時。詳細はコンタクトレンズとその合併症
角膜をレーザーで削ってを変える(PRK・LASIK など)、内レンズ ・コンタクトレンズから離れたい成人。詳細は角膜
透明 濁っていないを取り出し、度数を合わせたに置き換える 強い、を伴う中高年。の眼では術後のに注意する

⚠️ と透明は「健康な眼への手術」である。適応・合併症の説明と、術前の(の除外)が欠かせない。

小児の矯正の目安

乳幼児では、やを防ぐために矯正を考える度数が年齢ごとに示されている。これは科学的データではなくの合意に基づく目安で、個々の小児に合わせて判断する3。

状態 1歳未満 1歳〜2歳未満 2歳〜3歳未満 3歳〜4歳未満
左右同程度の 5.00 D 以上 4.00 D 以上 3.00 D 以上 2.50 D 以上
左右同程度の(なし) 5.00 D 以上 5.00 D 以上 4.50 D 以上 3.50 D 以上
を伴う 1.50 D 以上 1.00 D 以上 1.00 D 以上 1.00 D 以上
左右同程度の 3.00 D 以上 2.50 D 以上 2.00 D 以上 1.50 D 以上
:の左右差 4.00 D 以上 3.00 D 以上 3.00 D 以上 2.50 D 以上
:の左右差 2.50 D 以上 2.00 D 以上 1.50 D 以上 1.50 D 以上
:の左右差 2.50 D 以上 2.00 D 以上 2.00 D 以上 1.50 D 以上

の値はのない場合で、やがあれば閾値を下げる。指針の要約部分に載る表の食い違いが2026年2月に訂正され、1歳未満ののないは5.00 D 以上に統一された3。

⭐ を伴うだけ閾値が極端に低い(1歳以降1.00 D 以上)ことに注目する。を矯正すると調節が減り、それに連動したも減ってが戻るからである。

flowchart TD
    A["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='decreased visual acuity'>視力低下</span>・見えにくさ"] --> B["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='naked eye / unaided eye'>裸眼</span>視力・ピンホール"]
    B --> C["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='objective refraction'>他覚的屈折検査</span><br>自動屈折計・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='retinoscopy'>検影法</span>"]
    C --> D{"小児または調節の影響が疑われるか"}
    D -->|"はい"| E["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='cycloplegic agent'>調節麻痺薬</span>を点眼して再測定<br>潜伏<span class='jp-term jp-term-diagram' title='hyperopia'>遠視</span>を明らかにする"]
    D -->|"いいえ"| F["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='subjective refraction'>自覚的屈折検査</span>で度数を決める"]
    E --> F
    F --> G{"矯正で視力が出るか"}
    G -->|"出る"| H["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='refractive error'>屈折異常</span>として矯正法を選ぶ<br><span class='jp-term jp-term-diagram' title='spectacles'>眼鏡</span>・コンタクトレンズ・手術"]
    G -->|"出ない"| I["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='irregular astigmatism'>不正乱視</span>(<span class='jp-term jp-term-diagram' title='corneal topography'>角膜形状解析</span>)や<br>器質的疾患・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='amblyopia'>弱視</span>を検索"]

まとめ

  • 眼のは約60 D で、約3分の2を角膜、残りをが担う。調節ではが収縮してがゆるみ、が丸くなってが増す。は年齢とともに減り、40歳代でになる。
  • 屈折は(・自動屈折計・解析)に測ってから、的にレンズを見比べて決める。小児では下で測る。
  • は、反射が同行なら、逆行ならを足し、瞳孔全体が光る中和点のレンズ度数から作業距離分(67 cm なら約1.5 D)を差し引く。線条光を縦・横に回して経線ごとに測る。
  • 視標は「全体5単位・線と隙間1単位」の設計で、切れ目が1分の角度になる行が視力1.0。遠見は5 m、は30〜40 cm で測る。
  • は網膜の前、は後ろに結像し、それぞれ・で矯正する。原因は軸性()か屈折性(角膜・)。
  • 小児は、成人はが主体で、は東アジアに多く世界的に増えている(2050年に世界人口の約半数と推計)。予防と進行抑制はの予防と進行抑制の回で扱う。
  • は全=潜伏+、=随意+絶対。・・閉塞隅角の素因になる。
  • は IMI で−0.50 D 以下、は−6.00 D 以下。は・・の危険があり、・の急な出現は即日の。
  • は(直・倒・斜)とに分かれ、はで直せずが必要。は不等像とが問題。
  • 収差(コマ収差・)はで直せず、夜間の光のにじみの原因になる。
  • 矯正は(・二重焦点・累進)、コンタクトレンズ(を含む)、、透明。乳幼児の矯正の目安は年齢別の合意値で、を伴うは1.00 D 以上で矯正を考える。

出典

  1. 1.IMI – Defining and Classifying Myopia: A Proposed Set of Standards for Clinical and Epidemiologic Studies(Investigative Ophthalmology & Visual Science(International Myopia Institute)・2019)近視は非調節時の等価球面屈折値が−0.5D以下、強度近視(高度近視)は−6.00D以下と定義されること、軸性近視は眼軸長の過度な伸長に起因する屈折状態、屈折性近視は角膜・水晶体など屈折装置の構造変化に起因する屈折状態と定義されることを確認した。閲覧 2026-09-29
  2. 2.Global Prevalence of Myopia and High Myopia and Temporal Trends from 2000 through 2050(Ophthalmology・2016)抄録(PubMed 26875007)で、近視を−0.50 D以下・強度近視を−5.00 D以下と定義した145研究・210万人のメタ解析により、2000年の近視は14億600万人(世界人口の22.9%)・強度近視は1億6300万人(2.7%)、2050年には近視が47億5800万人(49.8%)・強度近視が9億3800万人(9.8%)に達すると推計されたことを確認した。閲覧 2026-09-29
  3. 3.Pediatric Eye Evaluations Preferred Practice Pattern(American Academy of Ophthalmology・2022)AAO 公開の表2(乳幼児の屈折矯正の目安、2026-09-29 に公式PDFを再取得)で、4歳未満を年齢別に、左右同程度の近視・斜視のない遠視・内斜視を伴う遠視・乱視、斜視のない不同視(近視・遠視・乱視の左右差)それぞれの矯正を考える度数が示され、値は科学的データではなく専門家の合意に基づく目安で個々の小児に合わせるべきこと、斜視や弱視があれば不同視の閾値を下げることを確認した。PPPのページで、2026年2月にHighlighted Findings and Recommendation for Care の節に載る表2の食い違いが訂正され、1歳未満の斜視のない遠視の値が5.00 D以上になったことも確認した。閲覧 2026-09-29