耳鼻咽喉科学

耳鼻咽喉科学 · 30

鼻炎の分類

Types of rhinitis

前提:正常
過敏症 I
微生物
Klebsiella ozaenae
疾患
アレルギー性鼻炎萎縮性鼻炎乾燥性前鼻炎非アレルギー性鼻症薬剤性鼻炎
症状
くしゃみ結膜充血鼻汁
検査値
尿中ロイコトリエンE4

🧠 全体像:鼻炎は、くしゃみ、鼻閉、を起こすの炎症・機能異常である。アレルギー性、感染性、非アレルギー性を区別し、誘因除去とを軸にを行う。

定義と分類

を伴えば鼻結膜炎、副鼻腔粘膜まで炎症が及べばと呼ぶ。

分類 例・特徴
アレルギー性 (IgE)依存性。季節性 / に加え、ARIAでは間欠性 / 持続性、軽症 / 中等症以上に分類する1
感染性 ウイルス性急性鼻炎、細菌性・膿性鼻炎
非アレルギー性 複数病型の総称で、特発性、刺激性・、、薬剤性、食餌性、高齢者など2
薬剤性 のによる、全身薬による
萎縮性 、痂皮、悪臭の萎縮性鼻炎。クレブシエラ・関連例を含む
乾燥性前鼻炎 前方の乾燥、痂皮、出血の乾燥性前鼻炎
関連 、など

アレルギー性鼻炎

は、に対する(IgE)介在性I型過敏反応である。季節性では樹木・イネ科・雑草花粉など、ではダニ、抗原、カビなどが代表的である。は摂取後の全身反応としてを伴うことはあるが、の一般的なと同列に扱わない1。

所見

診断

症状と曝露の時間関係、季節性、家族・本人の歴を確認する。または血清グロブリンE(IgE)は、病歴と合致するを同定するために用いる。に用いるとは目的が異なる。

治療

  1. 原因抗原・煙・を可能な範囲で減らす。
  2. は鼻閉を含む全般症状に最も有効な薬剤群である。
  3. 第2世代抗ヒスタミン薬はくしゃみ・掻痒・に有効。鼻噴霧抗ヒスタミン薬も選択できる。
  4. (など)は喘息合併などで検討するが、第一選択とは限らない。⚠️ 米国の添付文書は神経精神系有害事象についてを掲げ、では代替治療に反応しないかできない患者に使用を限るよう求めている。同じでも喘息とについては処方前に利益と危険を比較検討するよう求めるにとどまり、使用を禁じてはいない3。
  5. 経口・は禁忌と使用期間に注意し、点鼻薬を連用しない。
  6. 症状が持続し原因抗原が明確なら、皮下またはを検討する。

持続する炎症は・の症状を悪化させ、からに関与しうる。

などの生物学的製剤は「非特異的免疫療法」ではない。重症喘息やを伴う病態など、それぞれの適応に基づき専門的に使用する。

非アレルギー性・血管運動性鼻炎

「」は歴史的で機序を正確に表さない用語で、現在は非アレルギー性鼻症(nonallergic rhinopathy)またはとして扱う。温度変化、煙・香料、飲酒、運動、ストレスなどで水様性・鼻閉が誘発される。アレルギー検査は陰性で、・は比較的乏しい2。

  • 誘因回避、
  • 鼻閉優位ならまたは鼻噴霧抗ヒスタミン薬
  • 水様性優位なら鼻噴霧
  • 肥大が保存治療に反応しない場合は、粘膜を温存する手術を検討する

薬剤性鼻炎

を数日以上連用すると血管拡張・鼻閉が生じうる。原因薬を中止し、やで離脱を支える。患者には開始時から短期使用であることを説明する。

まとめ

  • アレルギー検査陽性だけで診断せず、症状と曝露の一致を確認する。
  • が反復する「風邪」に見えることがある。
  • の長期連用は鼻閉を悪化させる。

出典

  1. 1.Allergic rhinitis(Nature Reviews Disease Primers・2020)アレルギー性鼻炎はIgE介在性で、ARIAでは間欠性・持続性と軽症・中等症以上に分類し、病歴と必要時の感作検査で診断すること閲覧 2026-08-09
  2. 2.Nonallergic Rhinopathy: A Comprehensive Review of Classification, Diagnosis, and Treatment(The Journal of Allergy and Clinical Immunology: In Practice・2024)非アレルギー性鼻炎は複数病型の総称で、血管運動性鼻炎より非アレルギー性鼻症・特発性鼻炎という用語が推奨されること閲覧 2026-08-09
  3. 3.SINGULAIR (montelukast sodium) tablets, chewable tablets, oral granules — Prescribing Information(U.S. Food and Drug Administration(DailyMed、製造販売元 Organon LLC)・2021)openFDAのラベルAPIで当該setid(effective_time 20250430、brand_name SINGULAIR、labeler Organon LLC)の枠組み警告の全文を自分で取得し、逐語で "Reserve use of SINGULAIR for patients with allergic rhinitis who have an inadequate response or intolerance to alternative therapies" とあること、および喘息・運動誘発性気管支収縮については "consider the benefits and risks before prescribing" と述べるにとどまり使用を禁じていないことを確認した。米国の添付文書の記載であり、他国の規制上の位置づけは確認していない。なお DailyMed の SPL 更新日(effective_time 20250430)は掲載日であって改訂年ではない。添付文書本文に印字された改訂表示は Revised: 6/2021 で、Medication Guide も Revised: June 2021 のため year は 2021 とした閲覧 2026-09-13