外科学

外科学 · A/03

外科感染症と抗菌薬の役割

Surgical infections. The role of antibiotics in surgery

前提:病態
内毒素:性状と作用機序外毒素:性状と種類抗菌薬治療の原則:経験的・標的・予防的治療

ポッドキャスト

🧠 感染成立には量、病原性、宿主抵抗力が関与するが、実際の感染リスクは術式、手術時間、患者背景を含む多因子で決まる。は適応のある手術で切開前60分以内に投与し、手術が終わったら止めるのが原則(「術後24時間まで」は現行の推奨ではなく、延長をやめるための古い到達目標)。術後発熱の 5つのW(Wind・Water・Walking・Wound・Wonder drugs) は記憶の枠組みで、実測の診断順もこの並びに近いが、時期だけで原因を決めない。

1. 外科感染症とは

の代表例:

  • (膿瘍、、潰瘍、、)
  • 骨髄炎、
  • (虫垂炎、胆嚢炎、胆管炎、、、、大腸穿孔による)

手術に伴う(狭義の「surgical infection」):

  • 創感染(A/02 参照)
  • 呼吸器感染
  • 血管内デバイス関連感染
  • 術後腹膜炎・膿瘍

2. 感染の病態生理

  • 死滅した、フィブリン、、死菌/生菌、細菌産物が集まってできる混合物が 膿
  • 膿の環境は低酸素・酸性 → 正常な細胞・酵素機能を阻害する
  • 感染源:
    • 常在菌(皮膚=グラム陽性、消化管=主にグラム陰性、食道・大腸・生殖器などはも常在)
    • 外因性の菌

💡 病原体は宿主に対して4つの戦略を並行して使う: 付着・・・細胞内生存。この4つは互いに独立した枝で、「付着したから傷害が起こる」というの関係ではない。発熱・ショックへつながるのはの枝だけで、その実体は外毒素と内毒素が引き起こす反応である。

flowchart TD
  P["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='pathogenic microorganism'>病原微生物</span>"] --> Att["付着<br>線毛・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='lectin'>レクチン</span>・宿主分子の模倣<br>・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='mucus layer'>粘液層</span>/<span class='jp-term jp-term-diagram' title='biofilm'>バイオフィルム</span>"]
  P --> Dmg["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='tissue injury'>組織傷害</span>"]
  P --> Evade["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='immune evasion'>免疫回避</span><br>莢膜による貪食阻害・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='IgA protease'>IgAプロテアーゼ</span><br>・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='surface antigen'>表面抗原</span>の変異"]
  P --> Intra["細胞内生存<br>貪食殺菌の回避"]
  Dmg --> Tox["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='exotoxin production'>外毒素産生</span><br>組織融解酵素・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='cytotoxin'>細胞毒</span><br>・調節破綻・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='superantigen'>スーパー抗原</span>"]
  Dmg --> Endo["内毒素<br><span class='jp-term jp-term-diagram' title='lipopolysaccharide (LPS)'>リポ多糖</span>またはタイコ酸"]
  Tox --> Fever["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='immune-mediated'>免疫介在性</span>反応<br>IL-1・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='tumour necrosis factor'>TNF</span>↑ → 発熱・ショック"]
  Endo --> Fever
戦略 具体的な仕組みと代表例
付着 線毛(Neisseria gonorrhoeae)、(Giardia)、宿主分子の模倣()、・(Staphylococcus epidermidis)
(外毒素による) 組織融解酵素(Streptococcus pyogenes の)、(Listeria のリステリオリシン)、細胞機能の調節破綻()、(黄色ブドウ球菌の-1、TSST-1)
の分泌(Haemophilus influenzae)、表面外被の変異(の可変、VSG)、線毛抗原の変異(N. gonorrhoeae)、莢膜による貪食阻害(Streptococcus pneumoniae)
細胞内生存 C3bを介した侵入で殺菌を回避(Leishmania)、からの脱出(Mycobacteria)、ファゴソームとの融合阻止(Toxoplasma)

反応の主役は IL-1(-1) と () で、これらの上昇が発熱・ショックを引き起こす。

3. 術式別の感染リスク

感染リスク=量×(病原性宿主抵抗力)\text{感染リスク} = \text{量} \times \left(\frac{\text{病原性}}{\text{宿主抵抗力}}\right)
術式区分 定義 創感染率 代表例 の要否
清潔 非、炎症なし、の破綻なし。消化管・呼吸器・泌尿生殖器が開放されない 1.5–4.2% 修復 通常不要
消化管・呼吸器を開放するが漏出なし。口腔咽頭・虫垂・無菌の泌尿生殖器・胆道を開放する場合を含む。の破綻は軽度にとどまる <10% 胆嚢摘出(漏出なし) 通常必要
汚染 あり、感染胆汁/尿、消化管からの大量漏出、の重大な破綻、12–24時間以内の外傷創 10–20% 必要
不潔・感染 既存の感染、膿を排出するために清潔組織を切離する手術、壊死組織の残存する外傷創、便汚染、治療の遅れ 20–40% (、便性腹膜炎) 治療(予防ではない)

⚠️ 「虫垂」が2行に出てくるのは矛盾ではない。 炎症のない虫垂を開放する手術は、を起こした虫垂に対するは汚染である。同じ術式名でも術中に見た炎症・漏出の有無で段が動く。講義に載っている表ではと汚染の行の見出しが入れ替わって印刷されているので、見出しではなく定義文のほうで読むこと(上の表は定義文に合わせて並べ直してある)。

この表の感染率は古典的な教科書の値で、施設・年代・術式によって大きく変動する。この枠組みの出発点は、62,939創を10年間にわたり前向きに追跡した疫学研究である1。近年の検討では汚染・不潔創の感染率は歴史的な値より低く報告されており、整形外科外傷400例では創分類の段階のあいだで感染率に有意差が出なかった(有意に高リスクだったのは糖尿病)2。分類はの細菌負荷の目安であって、個々の患者の感染確率ではない。

感染リスクを高める因子

  • どの感染か: 創内血腫(血液はを助ける)、壊死組織、異物()、肥満、汚染
  • どの患者か: 高齢、ショック、糖尿病、、、化学療法、免疫抑制、遠隔部位感染

予防策

  • 体毛の除去
  • ヨード液またはによる無菌的
  • 無菌バリア・
  • 外科的手洗いと防護具
  • 手術時間の短縮
  • 術中の正常体温維持、
  • 適切な手技(創をできるだけ小さく、層構造でのとドレナージでを減らす、灌流・酸素化を保つ縫合)
  • 手術室環境の整備(換気、)

4. 外科手術における抗菌薬の役割

全身性抗菌薬予防投与

  • 常在菌/: で十分 → 想定される起因菌に有効な
  • 院内感染菌/耐性株: が必要 → 培養された菌に有効な薬
  • 併用療法: スペクトラムを広げ効果を高める
  • : 、安価、副作用少、環境負荷も低い
  • 多剤/菌:
    • グラム陽性: (黄色ブドウ球菌)、()
    • グラム陰性: ()産生菌、緑膿菌、Acinetobacter 属(多剤耐性 Acinetobacter baumannii は MACI と略される)

⚠️ はβ-ラクタム系に、はバンコマイシンに耐性を示す代表的耐性菌である。治療薬は菌種、感受性、感染部位に応じて選択する。34

予防抗菌薬の効果

は、適応のある清潔・で(SSI) のを低下させる。48件の・16,189例を統合したでは、に対するSSIのが 0.60(95%信頼区間 0.53–0.68) で、も平均 0.91日 短縮した5。効果の大きさは術式と患者背景により異なる。

誰に投与するか(適応)

⚠️ 「清潔手術には不要」で終わらせない。 の適応は次のとおり整理されている6。

適応 内容
SSIのリスクが高い手術 ・汚染手術
起きたときの損失が大きい清潔手術 SSIの発生自体はまれでも壊滅的な結果になりうるもの。を留置する手術が代表
患者側の要因 免疫不全など、SSIリスクを高めるをもつ患者
適応にならないもの 清潔・非・非複雑な手術へのルーチン投与(英国の推奨)

⭐ 個々の術式では判断が分かれる。手術は、感染リスクの高い環境では予防投与を行うが、低リスク環境では行わない(では、低リスク環境での効果は「ほとんど差がない」中等度の質のエビデンス、高リスク環境での有効性は低い質のエビデンス)。合併症のないに対する胆嚢摘出では、現行のエビデンスはルーチンの予防投与を推奨していない6。上の術式区分表の「要否」欄は大まかな目安であって、術式ごとの指針に置き換わる。

既存感染がある場合は予防ではなく治療として扱い、想定起因菌をカバーする初期治療ののち、に応じて最適化する6。

いつ投与するか(タイミングと再投与)

  • 切開時にで有効な組織濃度が得られている必要がある。初回投与は、を含む一般的な薬剤では切開前60分以内に行う6
  • バンコマイシンのように半減期の長い薬剤だけ、切開の60分より前に投与する6。の指針は、薬剤の半減期に応じて切開前120分以内という枠を示している。この枠の根拠となった観察研究14件・54,552例のでは、切開の120分より前に投与した群でSSIリスクが約5倍、切開後に投与した群で約2倍となる一方、120〜60分前と60〜0分前のあいだには有意差が無かった
  • 術中再投与は、手術が薬剤の半減期の2倍を超えたとき、または1.5 Lを超える出血があったときに行う6。半減期約2時間のならおよそ4時間ごと、半減期60分のならおよそ2時間ごとが目安

何を投与するか

  • が第一選択(アレルギーや術前汚染がなければ)。実際に最も多く使われるのは第1・第2世代(、、)で、大腸手術など嫌気性菌を覆う必要がある場合は+メトロニダゾールの併用が用いられる6
  • 消化管穿孔などグラム陰性菌の広範なカバーが必要な場合は第2剤を併用
  • ⚠️ 自己申告のβ-ラクタムアレルギーを鵜呑みにしない。 申告によりβ-ラクタム以外の薬剤へ切り替えるとSSIリスクがかえって高まることが示されており、申告のある患者の多くは予防投与としてβ-ラクタムを安全に使える。クリンダマイシンは単回投与でも Clostridioides difficile 感染のリスクを上げる6

いつ止めるか

⚠️ 現行の指針は「手術が終わったら止める」である。「24時間以内」ではない。

発行元 逐語の趣旨
手術終了後に予防投与を延長しないことを推奨
米国 清潔・では、ドレーンが留置されていても、手術室で皮切を閉じたあとにを追加投与しない
手術室での後に抗菌薬を中止する
  • ⚠️ 講義は「心臓手術では最大48時間まで延長することがある」という例外を挙げるが、これは現行の助言ではない。 の(69試験)は、心臓手術・血管手術で術後延長がSSIを減らしうるという低〜非常に低い質のエビデンスを認めたうえで、限られた根拠・有害事象・耐性化を考慮して延長しないよう助言している6。「心臓手術だけは別」と覚えるのではなく、延長が検討された領域ではあるが、それでも推奨されていないと覚える
  • 実際、人工関節で単回投与と24時間投与を比べても、・表層SSI・90日・90日合併症のいずれにも差が無く、投与期間が長いほどと Clostridioides difficile 感染が増えてSSIは減らなかった6
  • 不要な延長はSSIを減らさず、耐性菌や Clostridioides difficile 感染のリスクを高める

💡 実地はここから大きくずれている。53か国303病院のポイント調査では、24時間を超える予防投与が西欧で29.5%、アフリカで92.5%を占めていた6。「24時間以内に止める」という古い到達目標は、延長をやめるための当座の上限であって、現行の推奨そのものではない。

術前管理の工程指標(外科感染症の観点から)

医療の質評価で用いられてきた工程指標は次のとおり。⚠️ このうち「術後24時間以内に中止」は工程指標としての上限であって、上に挙げた現行指針(時に中止)より緩い。

  • を切開前60分以内に投与
  • 承認済みガイドラインに準拠した薬剤選択
  • 術後24時間以内に予防投与を中止
  • 適切な体毛除去
  • 心臓手術での
  • 大腸手術での正常体温維持

これらの多くは A/05: 術前管理 の内容と重なる。

5. 術後発熱の鑑別 — 5つのW

⭐ 術後発熱を時期で絞り込む、頻出の語呂合わせ。ただし古典的な語順と実測の順序は一致しない。

語呂 原因 古典的に教えられる時期 実測の診断日(中央値)
Wind(風=呼吸器) 肺炎、誤嚥など。だけを発熱原因と決めつけない 術後24〜48時間 5日
Water(水=尿路) 尿路感染症 術後3日以降 8日
Walking(歩行) ・(歩行で予防できる) 術後7〜10日 9日
Wound(創) 創感染 術後5日以降 11日
Wonder drugs(薬) 薬剤性発熱 いつでも —

米国の全国データベース(一般外科手術後に肺炎・尿路感染症・・を生じた成人11,137例)で診断日の中央値を測ると、上の右列のとおり 肺炎5日 → 尿路感染症8日 → 9日 → 11日 の順だった。著者らは、古典的な wind, water, wound, walk ではなく wind, water, walk, wound と教えるべきだとしている7。

⚠️ ただし、この順序が成り立つのは入院中に診断された例までである。退院後に診断された例では肺炎10日・他の3つがいずれも14日で、語呂が示す順序も時期も当てはまらなかった。また、これは発症日ではなく診断日の中央値であり、疑わなければ診断は遅れる。時期で候補を絞るのは出発点であって、除外の根拠にはならない。

まとめ

  • 感染成立には汚染量・病原性・宿主抵抗力が関与し、実際のリスクは術式・手術時間・患者背景を含む多因子で決まる。
  • 病原体は「付着」「」「」「細胞内生存」の4戦略を並行して使う。発熱・ショックへつながるのはの枝だけで、外毒素・内毒素が起こす反応(IL-1・)が実体である。
  • 術式区分の感染率は教科書的な目安で、施設・年代で大きく変動する。同じ術式でも術中所見(炎症・漏出)で段が動く。
  • の適応は、・汚染手術、を留置する清潔手術、免疫不全などの高リスク患者。清潔・非・非複雑な手術へのルーチン投与は行わない。手術は感染リスクの高い環境でのみ、胆嚢摘出(合併症のない)はルーチンには行わない。
  • 初回投与はなど一般的な薬剤では切開前60分以内。半減期の長いバンコマイシンだけ60分より前に投与する。術中再投与は半減期の2倍を超える手術か1.5 L超の出血のとき。
  • 予防投与は手術が終わったら止める(・米国・)。ドレーンが残っていても追加投与しない。「術後24時間以内」は工程指標としての上限で、現行の推奨そのものではない。
  • 予防投与の長期化はSSI率を改善せず、・耐性菌・C. difficile 感染のリスクを上げるだけ。
  • として・(グラム陽性)、産生菌・緑膿菌・多剤耐性 Acinetobacter baumannii(グラム陰性)を押さえる。
  • 術後発熱の実測の診断日中央値は 肺炎5日 → 尿路感染症8日 → 9日 → 11日。退院後に診断された例ではこの順序も時期も当てはまらない。

出典

  1. 1.The epidemiology of wound infection. A 10-year prospective study of 62,939 wounds(Surgical Clinics of North America・1980)書誌のみを Crossref と PubMed で照合した。10年間・62,939創を前向きに追跡した創感染の疫学研究である。本文は購読誌のみの公開で、Unpaywall でもリポジトリ版が無く(oa_status closed・has_repository_copy false)、PubMed にも抄録が無いため、本実行では本文を取得できていない。したがって本ノートの表に載る感染率の各値がこの論文に由来するかどうかは確認できていない。閲覧 2026-09-21
  2. 2.Surgical Wound Classification and Surgical Site Infections in the Orthopaedic Patient(JAAOS Global Research & Reviews・2017)全文(PMC6132296)で確認した。整形外科外傷400例の検討で手術創分類の段階のあいだに手術部位感染率の有意差が無く(P=0.270)、有意に高リスクだったのは糖尿病(P=0.028)であったこと、米国CDCのリスクモデルが手術創分類・ASA分類・手術時間の3要素からなり創分類が最も主観的で観察者間のばらつきが大きいこと、同論文が引く多施設研究では汚染・不潔創の感染率が歴史的な報告値より有意に低かったことを逐語で確認した。閲覧 2026-09-21
  3. 3.Methicillin-resistant Staphylococcus aureus: an overview of basic and clinical research(Nature Reviews Microbiology・2019)MRSAのβラクタム系抗菌薬耐性閲覧 2026-08-09
  4. 4.Vancomycin-resistant enterococci(Clinical Microbiology Reviews・2000)VREのバンコマイシン耐性と多剤耐性閲覧 2026-08-09
  5. 5.Antibiotic prophylaxis for surgical wound infections in clean and clean-contaminated surgery: an updated systematic review and meta-analysis(International Journal of Surgery・2024)抄録で確認した。清潔・準清潔手術における予防抗菌薬とプラセボを比べた無作為化比較試験48件・16,189例のメタ解析で、手術部位感染の統合オッズ比が0.60(95%信頼区間0.53-0.68)、在院日数の平均差が-0.91日(95%信頼区間-1.61から-0.16)であったことを逐語で確認した。領域別のサブグループのオッズ比は抄録の記載がいずれも1を超えており全体の推定と向きが合わないため、本ノートには書いていない。閲覧 2026-09-21
  6. 6.Surgical Antibiotic Prophylaxis: A Proposal for a Global Evidence-Based Bundle(Antibiotics・2024)全文(PMC10812782)で確認した。予防抗菌薬の適応を準清潔手術・汚染手術、および人工物留置のように感染が起きたときの結果が壊滅的になりうる清潔手術、ならびに免疫不全など高リスクの患者とし、英国NICEは清潔・非人工物・非複雑な手術へのルーチン投与を推奨していないこと、鼠径ヘルニア手術は感染リスクの高い環境でのみ行い低リスク環境では行わないこと、合併症のない胆石症に対する待機的腹腔鏡下胆嚢摘出ではルーチン投与が推奨されないこと、初回投与はセファゾリンを含む多くの薬剤で切開前60分以内とし半減期の長いバンコマイシンのみ60分より前に投与すること、術中再投与は半減期の2倍を超える手術または1.5Lを超える出血で行うこと、術後は原則として中止しWHOは手術終了後の延長を推奨せず米国CDCは清潔・準清潔手術でドレーン留置下でも閉創後の追加投与を行わないよう推奨しSHEAは手術室での閉創後に中止するよう推奨していること、24時間を超える予防投与が西欧で29.5%・アフリカで92.5%を占めていたこと、投与期間の延長が急性腎障害とクロストリジオイデス・ディフィシル感染を増やす一方で手術部位感染を減らさなかったこと、自己申告のβラクタムアレルギーによる非βラクタム薬への切り替えがむしろ感染リスクを高めうることを逐語で確認した。閲覧 2026-09-21
  7. 7.Wind, water, wound, walk--do the data deliver the dictum?(Journal of Surgical Education・2015)抄録で確認した。米国外科学会NSQIPの2011年データから、一般外科手術後に肺炎・尿路感染症・手術部位感染・静脈血栓塞栓症のいずれかを生じた成人11,137例を解析し、診断日の中央値が肺炎5日・尿路感染症8日・静脈血栓塞栓症9日・手術部位感染11日(p<0.001)であったこと、入院中に診断された例では4日・5日・5日・7日、退院後に診断された例では10日・14日・14日・14日であったこと、および著者らが語呂を wind water wound walk ではなく wind water walk wound と教えるべきだと結論していることを逐語で確認した。退院後に診断された群では語呂が示す時期も順序も当てはまらないとも述べている。閲覧 2026-09-21