病理学

病理学 · A/26

ショック(循環不全)

Causes and types of shock

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Mechanism / 機序High-yield / ポイント
疾患
神経原性ショック

🧠 全体像:ショックは原因(心拍出量低下・・血管拡張)を問わず「」という共通の終着点に至る症候群で、早期はで可逆的だが、進行するとを介して自己増幅的に不可逆的な細胞傷害へと悪化する。

定義

  • ショック = 生命を脅かす全身的な低灌流 → 組織へのが不十分となる。心拍出量の低下、循環血液量の低下、またはによる。
  • 結果:重度の低血圧、全身の、。強い交感神経活動 → 毛細血管うっ滞、細胞の低酸素、アシドーシス。
  • 早期 = 可逆的傷害、後期 = 不可逆的壊死 → 死。

ショックの種類

型 機序 例
・心拍出量低下 心筋梗塞、不整脈、心筋炎、心筋症
閉塞性 心筋自体は保たれうるが、増大・心充満障害により拍出が妨げられる1 流出(肺塞栓)/充満(心タンポナーデ)の障害、
の低下 出血、熱傷、嘔吐・下痢、DKA/DI
アナフィラキシー I型→ ヒスタミン → 血管拡張+透過性亢進 アレルゲン・薬物への曝露
の喪失 (血管拡張+徐脈)
敗血症性 感染による 代表例はグラム陰性菌の内毒素(LPS/lipid A)。グラム陽性菌・真菌でも起こる

敗血症性ショックの発生機序

  • PAMPs → → (IL-1、、プロスタグランジン、ROS、PAF)→ 内皮の活性化・傷害:
    • 凝固促進 → DIC、血管拡張 → 低灌流、透過性亢進 → 浮腫。
  • 代謝: インスリン低下・抵抗性増大 → 高血糖 → 好中球機能の障害。枯渇 → 副腎不全。
  • 結果: — 腎(、髄質の低酸素)、肺(ARDS・2)、副腎の脂質枯渇、消化管粘膜の出血・壊死。

💡 敗血症・の定義(、2016年): 敗血症は「感染に対するのによる生命を脅かす臓器障害」(実務上はの急性2点以上上昇)、は「適切な後もなおMAP 65 mmHg以上の維持にを要し、かつ2 mmol/L超」と定義される3。旧定義では「感染+()の基準2項目以上」を敗血症とし、臓器障害を伴うものを「」と呼んだ。は基準による敗血症の同定を有用でないとし、「」という語も冗長として廃した3。

ショックの病期

  1. 非進行性(可逆的): 代償性の、、ADH、交感神経反射 → 頻脈、血管収縮、。重要臓器は灌流される。
  2. 進行性: 広範な低酸素 → → → 細動脈の拡張、血液のうっ滞、心拍出量のさらなる低下。
  3. : リソソーム酵素の漏出、虚血腸管 → 、による腎不全 → 死。
flowchart TD
    A["非進行性(可逆的)<br>代償性の<span class='jp-term jp-term-diagram' title='renin-angiotensin-aldosterone system'>RAAS</span>・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='catecholamine'>カテコラミン</span>"] --> B["進行性<br><span class='jp-term jp-term-diagram' title='anaerobic glycolysis'>嫌気性解糖</span>→<span class='jp-term jp-term-diagram' title='lactic acidosis'>乳酸アシドーシス</span>"]
    B --> C["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='Irreversibility'>不可逆性</span><br>リソソーム酵素漏出・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='acute tubular necrosis, ATN'>急性尿細管壊死</span>"]
    C --> D["死"]

💡 ポイント: ・・閉塞性 → 心拍出量低下+上昇(冷たく湿った皮膚)、分布性(敗血症・アナフィラキシー・)→ SVR低下(早期は温かい)。 = TLR駆動の → ++ATN。病期:非進行性 → 進行性 → 。

まとめ

  • ショックは全身的なで、・・閉塞性と、分布性(アナフィラキシー・・敗血症性)に分類される。
  • ・・閉塞性は上昇(冷たく湿った皮膚)、分布性は低下(早期は温かい)を呈する。
  • はPAMPs→TLR→によるが起点で、・・を来す。
  • 病期は非進行性(代償性・可逆的)→進行性()→(リソソーム酵素漏出・臓器不全)と進行する。

出典

  1. 1.Clinical review: Circulatory shock--an update: a tribute to Professor Max Harry Weil(Critical Care・2012)ShubinとWeilによる循環血液量減少性・心原性・閉塞性(肺塞栓・心タンポナーデ・大動脈解離による後負荷増大)・血液分布異常性の4病態生理学的分類を確認し、心原性と閉塞性はいずれも心拍出量低下を来すが機序(収縮性低下 対 後負荷増大)が異なる別カテゴリであることを確認した閲覧 2026-08-27
  2. 2.Acute Respiratory Distress Syndrome and Diffuse Alveolar Damage. New Insights on a Complex Relationship(Annals of the American Thoracic Society・2017)剖検・生検研究で、ARDSの臨床基準を満たす患者のうち組織学的にびまん性肺胞傷害(DAD)を認めるのは約半数にとどまり、DADの有無はARDSの診断要件ではないがDADを伴う群は死亡率が高いことを確認した閲覧 2026-08-27
  3. 3.The Third International Consensus Definitions for Sepsis and Septic Shock (Sepsis-3)(Society of Critical Care Medicine / European Society of Intensive Care Medicine / JAMA・2016)敗血症を「感染に対する調節不全の宿主反応による生命を脅かす臓器障害」(実務上はSOFAスコアの急性2点以上上昇)と再定義したこと、旧来の「感染+SIRS基準2項目以上=敗血症」という同定法をタスクフォースが有用でないと判断し「重症敗血症」という語を冗長として廃したこと(PMC全文で確認)、敗血症性ショックを「適切な輸液蘇生後もなおMAP 65 mmHg以上の維持に昇圧薬を要し、かつ乳酸値2 mmol/L超」の敗血症サブセットと定義したことを確認した閲覧 2026-08-27