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Drug Atlas · B22 Antiasthmatic & COPD drugs / 喘息・COPD治療薬

ザフィルルカスト

zafirlukast

分類
Antiasthmatic & COPD drugs / 喘息・COPD治療薬
科目
Pharmacology
トピック
B22: Antiinflammatory agents inhibiting bronchial inflammatory processes. Antitussive agents and expectorants
承認適応
気管支喘息
副作用
頭痛悪心
監視検査値
AST・ALT
影響検査値
AST・ALT
相互作用
ワルファリン
対象疾患
アスピリン増悪呼吸器疾患

🧠 全体像:はと同じCysLT1受容体拮抗薬で、(LTC4・LTD4・LTE4)による・・を受容体レベルで遮断する。はと同じだが、食後は吸収が大きく落ちる(米国添付文書は空腹時服用を指示、一方で日本の承認用法は朝食後及び就寝前だった)という食い違いを抱える服薬上のと、肝毒性(を含む)という重大リスクを抱える点が対照的である。⚠️ 日本では、2026年3月17日版の医薬品マスターに本剤の収載が無い1——保険診療で使える薬の一覧に載っていない、ということである。「と同じクラスの薬だが、国内では保険診療の選択肢に入らない」という現在地を最初に押さえる(⭐ 米国では成分として現役——ブランド ACCOLATE の包装は販売終了だが、オーソライズドジェネリックとが流通している2)(⚠️ 収載が無いことは承認の有無や供給状況そのものを示すものではない——この一覧は保険で算定できる医薬品の一覧である)。

薬効群の中での位置づけ

薬剤 標的 服用 特徴
CysLT1受容体拮抗 1日1回、食事の影響なし 小児にも広く使われる標準薬
CysLT1受容体拮抗(と同じ標的。米国添付文書の書き方は「LTD4・LTE4の選択的受容体拮抗薬」) 1日2回(米国:空腹時/日本:朝食後及び就寝前——食後は約40%低下) ⚠️ 禁忌になると肝不全の報告。日本の医薬品マスターには収載が無い1
阻害(産生そのものを止める) は1日4回、は1日2回(食後1時間以内) LTB4も含めすべてのを抑える

⭐ 同じCysLT1受容体拮抗薬でも、との立ち位置は同じではない。 標的分子は同一(CysLT1受容体を介するLTC4/D4/E4シグナルの遮断)だが3、は空腹時服用の負担と肝毒性リスクを抱え、実地での使用はに大きく劣後する。

機序

flowchart TD
    A["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='membrane phospholipid'>細胞膜リン脂質</span>"] --> B["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='arachidonic acid'>アラキドン酸</span>"]
    B --> C["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='5-lipoxygenase, 5-LO'>5-リポキシゲナーゼ</span>経路"]
    C --> D["LTC4・LTD4・LTE4<br>(<span class='jp-term jp-term-diagram' title='cysteinyl leukotriene'>システイニルロイコトリエン</span>)"]
    D --> E["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='airway smooth muscle'>気道平滑筋</span>のCysLT1受容体"]
    E --> F["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='bronchoconstriction'>気管支収縮</span>・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='airway mucosa'>気道粘膜</span>浮腫・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='mucus secretion'>粘液分泌</span>亢進"]
    G["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='zafirlukast, Accolate'>ザフィルルカスト</span>"] -.->|"CysLT1受容体を<span class='jp-term jp-term-diagram' title='competitive'>競合的</span>に拮抗"| E

💡 標的の書き方は資料で少し違う。 米国添付文書は本剤を「LTD4とLTE4の選択的受容体拮抗薬」と記載し、AERDの総説はCysLT1受容体を介するシグナルの遮断薬という括り方をしている43。⭐ どちらも同じ受容体の話で、リガンドの側から書くか受容体の側から書くかの違いである。

💡 「受容体を塞ぐ」薬であり、「作らせない」薬ではない。 の産生そのものは止めないため、CysLT1を介さないLTB4(好中球の)やCysLT2・GPR99経由のシグナルには作用しない3。この点は阻害薬であるとの違いになる。

薬物動態

項目 値・特徴
吸収 ⚠️ 食後投与でが約40%低下する(米国添付文書)。日本人でもCmax 32%・ 22%の低下が報告されている45
蛋白結合 99%超(高い)
代謝 肝のCYP2C9により代謝。半減期約10時間4
高齢者 65歳超では見かけのが低下し、Cmax・が若年成人の約2〜3倍になる。⚠️ 同じ添付文書でも節で数字が違う——CLINICAL PHARMACOLOGY は「約2〜3倍(2 to 3 fold)」、DOSAGE AND ADMINISTRATION は「約2倍(approximately twice)」と書いており、どちらも試験間比較に基づく4
安定したアルコール性肝硬変の患者ではCmax・が健常成人より約50〜60%高い。⚠️ 肝硬変を含むは禁忌4

⭐ 食事の影響を強く受けるため、服用タイミングの指導が問題になる。 米国添付文書は「食事の1時間前または2時間後」という空腹時服用を指示しており、守らないと血中濃度が上がらず効果が乏しくなる。1日1回・食事に関係なく服用できるとの実務上の違いはここに集約される。ただし日本の承認用法は朝食後及び就寝前であり、この吸収低下データとかみ合わない服薬設計だった点は「用法・用量」で扱う。

適応

領域 使いどころ
(米国) 5歳以上のの予防・慢性管理4。⚠️ かつての日本の承認用法は成人の用量しか置いていなかった5
実地での位置づけ CysLT1受容体拮抗薬という同じクラスの中でも、空腹時服用の負担と肝毒性リスクからに置き換えられていることが多い

⚠️ 急性発作の治療薬ではない。 ではなく、に他の喘息治療薬の減量・中止を自己判断させない4。

アスピリン増悪呼吸器疾患での位置づけ

はの過剰産生を病態の中心に置くので、(と本剤)は経過の早期から用いるべきとされる3。⚠️ ただし期待してよい効果の範囲が限られている——CysLT1受容体拮抗薬の役割が明確なのは中の下気道の保護で、喘息・に対する長期的な有益性は明確でない3。⭐ 同じ「」でも、本症で特異的に検討されて喘息・副鼻腔に良好な結果が出ているのは阻害薬のの側である3。💡 受容体を塞ぐだけではCysLT2・GPR99経由のシグナルもLTB4も残る、という機序の違いがそのまま効果の差として現れる読み方になる。

⚠️ 本症の診断にも影響する。 の内服は、反応の程度を弱めてを陰性化させうる因子として挙げられている(喘息が良好に制御されている・最近を手術で切除した・高用量の全身性ステロイド内服中と並ぶ)6。診断を確かめる前に始めると、診断の機会を自分で潰すことになる。

国ごとの入手可能性

⚠️ 米国では「ACCOLATE というブランドの包装」と「成分としての」を分けて読む。 の添付文書(Strides Pharma Science、Version 4)の Marketing Information 欄は、そこに収載された ACCOLATE の2包装(NDC 64380-177-01・64380-178-01)の販売終了日を2026年3月12日としている4。実際、NDCディレクトリにブランド名 ACCOLATE の製品は0件である。⭐ それでもは米国で引き続き入手できる——同じ NDA020547 の製品が同じ会社から NDA authorized generic(成分名の製品)として販売終了日なしで収載され、さらに Dr. Reddy’s(ANDA090372)・Aurobindo(ANDA213163)・Camber/Annora(ANDA212475)などのがいずれも販売終了日なしで収載されている2。Drugs@ 側でも NDA020547(ACCOLATE 10 mg・20 mg)と後発4申請(ANDA090372・ANDA213163・ANDA212475・ANDA204928)はすべて Prescription の区分にある7。💡 「ブランドの販売終了」は「その成分が使えなくなった」ことではない。 逆に Drugs@ の Prescription 表示は申請の状態であって、個々の包装が現に売られていることの証明でもない——2つの文書が食い違って見えたのは、両者が別のことを述べているからである。

⚠️ 日本では現在、保険診療で使える品目として収載されていない。 2000年12月に承認され2001年2月に発売され、を含む重篤なについて添付文書改訂・注意喚起が重ねられた薬だが5、2026年3月17日版の厚生労働省の医薬品マスターには、101行・31行に対して本剤は0行である1。海外文献でが挙がっていても、日本の実地では選択肢に入らない。⚠️ ただし「収載が無い」は保険診療の一覧についての事実であって、承認そのものがどうなったか(自主的な販売中止か、承認整理か)を示す資料には当たれていない。

⚠️ Accolate は米国だけの商品名ではない。欧州でも同じ名前で承認されていた。 が定期的安全性報告の手続きで公表した国内承認品目一覧(PSUSA/00003138/201512、2016年9月2日付)には、10か国・14品目が挙がっている——英国 Accolate™ 20 mg Film-coated Tablets(PL 17901/0001)、スペイン ACCOLATE 20 mg(62443.0)、ハンガリー Accolate 20 mg filmtabletta(OGYI-T 5562/01・/02、ASTRAZENECA KFT.)、アイルランド(PA 970/1/1)、そしてイタリアだけ商品名が Accoleit である。販売承認取得者はいずれもアストラゼネカ系の各国法人だった8。

⭐ それでも商品名欄(brandEu)からは外した。 この欄は学習者が実際に探せる製品名を書く欄なので、現行の収載が確認できるものだけを残すという基準で判断した。確認できた範囲では、スペイン AEMPS CIMA(2026年9月17日に再確認。103件に対し0件)・フランス BDPM(同85行に対し0行)・イタリア AIFA の包装マスター(同543行に対し0行)・ハンガリー OGYÉI の医薬品データベース・英国 emc(2026年9月17日に再確認。は検索結果20件に対し、も Accolate も「No search results」)のいずれにも現行の収載が無い。⚠️ いつ・なぜ各国で流通が止まったのかは、一次資料で確認できていないので書かない。

用法・用量

成人・12歳以上:20 mgを1日2回。5〜11歳:10 mgを1日2回。いずれも食事の1時間前または2時間後の空腹時に服用する(米国添付文書)4。

⚠️ 日本の承認用法は米国の空腹時投与指示とは相反していた。 日本添付文書の用法・用量は「通常、成人にはとして1日40〜80 mgを朝食後及び就寝前の2回に分けてする」というもので、20 mg錠・40 mg錠のいずれも1日2回投与だった。食後投与でが低下する(日本人男子でCmax 32%・ 22%減少)というデータが存在するにもかかわらず、承認された服用タイミングは空腹時ではなく朝食後であり、この点で米国の運用と食い違っていた。条文は「ただし、高齢者の1日投与量は40mgとする。なお、成人(高齢者を除く)の1日最高量は80mgとする」と続き、⚠️ その理由の筆頭は「高齢者に1日80mgを投与し重篤なが発現した症例が報告されている」ことである(の増大はその次に挙がる理由)5。

禁忌・注意

  • 禁忌:本剤・への過敏症、肝硬変を含む(米国添付文書)。日本添付文書はさらに本剤による肝障害の既往のある患者を禁忌とし、既往患者への再投与でより重度な肝障害が生じたとの報告を理由としていた45
  • ⚠️ 肝毒性が最大の注意点。 生命を脅かす肝不全の報告があり、右上腹部痛・黄疸・倦怠感などの症状に注意する。⭐ 型としてはで、米国添付文書はで見られたの多くは推奨用量の4倍の用量での観察であり、市販後に報告された肝イベントは女性に多かった(predominantly in females)と書き分けている。を疑う症状が出たら中止してを直ちに測り、肝機能検査が肝障害と合致するなら再投与しない。💡 定期的な測定は「重篤な障害を防ぐと証明されてはいない」——米国添付文書は肝機能検査の価値を考慮してよいとするにとどめ、早期発見と即時中止が回復の見込みを高めるという一般的な考えを根拠に挙げている。一方、日本では等(0.1%未満)による死亡例が報告され、定期的な肝機能検査が求められていた45
  • ⚠️ ワルファリンのを約35%延長させる。 併用時は凝固能を厳重に監視し、抗凝固薬を減量する。💡 機序はによるCYP2C9阻害と考えられており、実際にS-ワルファリンのが63%・半減期が36%増加している(側の動態はワルファリンの影響を受けない)。同じ理由で、CYP2C9で代謝される・フェニトイン・カルバマゼピンとの併用にも注意が要る(正式な相互作用試験は行われていない)4。日本添付文書も・アスピリン・・との相互作用を記載していた5
  • ⚠️ との相互作用は向きが2つある。 試験で下がるのは側(液剤併用で約30%低下)だが、市販後にはを服用中の患者に本剤を追加して血中濃度が上昇した(中毒症状を伴うこともある)まれな報告があり、機序は不明とされている4
  • まれに、全身性の好酸球増多・・に合致する血管炎の臨床像を呈する例が報告されている。⭐ これらは多くの場合(常にではない)全身性ステロイドの減量・中止に伴って現れるので、好酸球増多・血管炎性の皮疹・肺症状の悪化・心合併症・に注意する。⚠️ 添付文書は「本剤がの発症に関与する可能性は、否定も確立もできない」という書き方をしている——「本剤が起こす」と読み替えない4
  • 神経精神系事象の報告がある。米国添付文書は成人・青年・小児のいずれでも報告があり、は不眠とうつであるとし、一部の症例の臨床経過は薬剤による影響と矛盾しないと述べて、発現時には継続の利益と危険を慎重に評価するよう求めている4
  • ⚠️ 授乳中は服用しない。 時の母乳中濃度は平均50 ng/mL(同時の血漿中は255 ng/mL)だが、米国添付文書はマウス・でが示されていることと新生仔・イヌが本剤のに感受性が高いことを理由に、には投与すべきでないとしている。⭐ 「母乳への移行量が少ないから可」ではない——禁止の根拠は移行量ではなく毒性試験の側にある。妊娠については Pregnancy Category B で、「明らかに必要な場合にのみ使用する」という書き方である4
  • ⚠️ 高齢者の扱いは日米で違う。ただし「米国は問題なしとしている」ではない。 米国添付文書は用法の項で「高齢者に20 mg 1日2回を用いたで、有害事象の全体頻度や有害事象による中止の頻度は増えなかった」として減量を求めていない。⚠️ だが逆向きのデータは別の節(PRECAUTIONS の Geriatric Use)に置かれている——短期のプラセボ対照試験(65歳以上243例)で増えたのは感染の頻度7.0%対2.9%(非重症・中止不要)にとどまる一方、3759例を対象とした4週間の・非対照試験では、高齢者(384例)は青年・成人より有害事象を報告した割合が高く、有効性の指標の改善も小さかった(高齢者で1%超の有害事象は頭痛4.7%・下痢と悪心1.8%・咽頭炎1.3%で、感染の割合は3群中最も低かった)4
  • 一方日本の添付文書は、高齢者の1日投与量を40 mg(1回20 mg・1日2回)に制限していた。⚠️ 理由の筆頭はではなく実害である——「高齢者に1日80mgを投与し重篤なが発現した症例が報告されていること」が先に置かれ、「高齢者では非高齢者に比べて の増大など暴露量が増大し、副作用発現のリスクが増大することが考えられ」るのはその次に続く理由である5。💡 日本の常用量は1日40〜80 mgなので、上限を切ることが意味を持つのは日本の用法の側だけである(用法・用量の条文自体が「ただし、高齢者の1日投与量は40mgとする」と書き込んでいる)
  • ⚠️ の血中濃度を動かす薬がある。 (中等度のCYP2C9阻害薬)併用で約58%上昇、アスピリン(650 mg 1日4回)併用で約45%上昇、併用で約40%低下、液剤併用で約30%低下する。⭐ 向きが逆の相互作用が混在するので、「併用に注意」ではなく上がるのか下がるのかで覚える4

副作用

頻度 内容
1%以上(米国試験、本剤4058例対2032例) 頭痛12.9%対11.7%、感染3.5%対3.4%、悪心3.1%対2.0%、下痢2.8%対2.1%、SGPT上昇1.5%対1.1%。⚠️ この表の採録基準は「本剤群の1%以上で報告され、かつプラセボ群より数値が大きい事象」であって、統計学的な検定は示されていない。⭐ だから列と並べて読む——最も多い頭痛は12.9%対11.7%でとほぼ同率であり、表に載っていること自体は薬剤との因果を意味しない4
・上昇(日本の承認時試験で 1.9%・ 1.2%)5
重篤・まれ ⚠️ ・肝不全(・死亡に至った例がある)、に合致する血管炎、、。米国のにはほかに出血・皮下出血・浮腫、蕁麻疹・・(水疱を伴うこともある)皮疹、関節痛・筋痛・倦怠感・掻痒がある45

まとめ

  • と同じCysLT1受容体拮抗薬で、による・浮腫・を遮断する。標的は同一だが実地での立ち位置は大きく異なる。
  • 食事の1時間前または2時間後に服用しないとが大きく低下する(米国添付文書)——1日1回・食事の影響を受けないとの実務上の最大の違い。ただし日本の承認用法は朝食後及び就寝前の1日2回であり、この吸収低下データと相反する服薬設計だった。
  • ⚠️ を含む重篤な(・死亡例あり)が最大のリスク。⚠️ 禁忌の書き方は国で違う——米国は肝硬変を含むそのものを禁忌とし、日本はこれに加えて本剤による肝障害の既往(再投与でより重度の肝障害が出た報告がある)を禁忌としたうえで定期的な肝機能検査を求めていた。
  • ワルファリンのを約35%延長させる(S-ワルファリンの +63%)。機序はによるCYP2C9阻害と考えられ、同じ経路で代謝される薬にも注意が要る。⭐ 自分の血中濃度が動く側の相互作用(で上昇、・で低下)と、相手の血中濃度が動く側(ワルファリン、まれに中毒)を分けて覚える。
  • ⚠️ 米国ではブランドと成分を分けて読む。 ACCOLATE ブランドの包装は添付文書の Marketing Information で販売終了日が2026年3月12日とされ、NDCディレクトリにブランド名 ACCOLATE の製品は0件だが、同じNDAのオーソライズドジェネリックと複数のが販売終了日なしで収載されている。⭐ ブランドの終了を成分の終了と読まない。
  • ⚠️ 日本では2026年3月17日版の医薬品マスターに収載が無く、保険診療の選択肢に入らない。 海外の喘息・AERD文献に登場しても国内の実地とは切り離して読む。の商品名欄は空にしたが、これは「欧州に無かった」という意味ではない——EMAの国内承認品目一覧(2016年)には Accolate(イタリアは Accoleit)として10か国が挙がっており、ハンガリーにも承認があった。確認できた5つの登録簿に現行の収載が無いので欄から外した、というだけである。

出典

  1. 1.診療報酬情報提供サービス 医薬品マスター(令和7年度・y_20260317)(厚生労働省(診療報酬情報提供サービス)・2026)公開されている医薬品マスターのZIP(R07_y.zip、展開すると2026年3月17日付のy_20260317.csv、19,337行)を取得して品目名を数えた。陽性対照としてモンテルカストは101行・テオフィリンは31行ヒットするのに対し、ザフィルルカスト(アコレート)とジロートンはいずれも0行で、2026年3月17日時点の医薬品マスターに収載が無いことを確認した。このマスターは日本の保険診療で算定できる医薬品の一覧であり、承認の有無そのものを示す文書ではない。2026年9月17日に同じZIPを取り直して再現した(行数・件数とも一致)閲覧 2026-09-16
  2. 2.openFDA NDC Directory API — search=generic_name:zafirlukast(U.S. Food and Drug Administration(openFDA/NDCディレクトリ)・2026)APIを叩いて収載20件を数えた。brand_name が ACCOLATE の製品は別クエリで0件(NOT_FOUND)で、先発品の商品名は現行のNDCディレクトリに無い。一方、同じNDA020547の製品が Strides Pharma Science Limited から marketing_category が NDA AUTHORIZED GENERIC、brand_name が Zafirlukast として2件(64380-187/64380-188、販売開始2022年、marketing_end_date は空)収載され、AvKARE も NDA020547 の製品を2件収載している。さらに ANDA の後発品が Dr. Reddys Laboratories(ANDA090372)・Aurobindo Pharma(ANDA213163)・Camber Pharmaceuticals と Bryant Ranch Prepack(ANDA212475)・American Health Packaging から収載され、いずれも marketing_end_date は空である。残りは原薬(BULK INGREDIENT)等の登録である閲覧 2026-09-17
  3. 3.Aspirin-exacerbated respiratory disease: Update on medical management(World Journal of Otorhinolaryngology - Head and Neck Surgery・2020)Europe PMC経由でPMC7729248の全文XMLを取得して該当箇所を確認した。ロイコトリエン修飾薬が2群に分かれ、第1群のCysLT1受容体拮抗薬(モンテルカスト・ザフィルルカスト)はCysLT1受容体を介するシグナルを遮断するがCysLT2やGPR99(CysLT3)を介するシグナルには作用しないこと、第2群が5-リポキシゲナーゼ阻害薬でありジロートンはこのクラス唯一の薬剤で下流のすべてのロイコトリエン(LTB4を含む)を遮断すること、CysLT1受容体拮抗薬はアスピリン脱感作中の下気道保護に明確な役割を持つ一方で喘息・鼻茸に対する長期的な有益性は明確でないこと、そしてジロートンについて原文が "Zileuton has been studied in AERD specifically and has a positive effect on asthma, sinus outcomes as well as preventing or diminishing aspirin-induced reactions." と述べていることを、2026年9月16日に自分で全文XMLを取得して確認した閲覧 2026-09-07
  4. 4.ACCOLATE (zafirlukast) tablet, film coated — Prescribing Information(DailyMed(U.S. National Library of Medicine)/Strides Pharma Science Limited・2026)DailyMedの当該ページ全文を取得して確認した(2026年9月17日に再取得。Version 4・Effective Time 20260316のまま)。ページの製品名は ACCOLATE、Labelerは Strides Pharma Science Limited、Marketing Category は NDA020547 で先発品のSPLである。⚠️ この文書の本体には改訂表示が印刷されておらず、year はDailyMedがページ下部のラベル情報欄に生成する「Revised: 3/2026」(Effective Time 20260316、Version 4)に拠る。ザフィルルカストがロイコトリエンD4・E4の選択的競合的受容体拮抗薬であり、5歳以上の喘息の予防・慢性管理に適応があり急性発作の治療には用いないこと、用法が成人・12歳以上は20 mgを1日2回、5〜11歳は10 mgを1日2回で、高脂肪食・高蛋白食を用いた2試験でバイオアベイラビリティが平均約40%低下したため食事の1時間前または2時間後に服用すること、禁忌が本剤・添加物への過敏症および肝硬変を含む肝機能障害であること、生命を脅かす肝不全の報告があり右上腹部痛・黄疸・倦怠感などの症状に注意すること、肝移植に至った肝不全および死亡例が報告されていること、まれにChurg-Strauss症候群(全身性好酸球増加症・好酸球性肺炎・血管炎)の報告がありその関連は否定も確立もできないとされること、神経精神系事象(不眠・うつ)の報告があること、ワルファリン併用でS-ワルファリンのAUCが63%・半減期が36%増加しプロトロンビン時間が約35%延長し、これはザフィルルカストによるCYP2C9阻害によると考えられること、ザフィルルカストが in vitro で臨床濃度に近い濃度でCYP3A4とCYP2C9を阻害すること、代表的な副作用(対プラセボ)が頭痛12.9%対11.7%・感染3.5%対3.4%・悪心3.1%対2.0%・下痢2.8%対2.1%・SGPT上昇1.5%対1.1%であること、代謝がCYP2C9によりなされ半減期約10時間・蛋白結合99%超であること、65歳超では見かけの経口クリアランスが低下しCmax・AUCが若年成人の約2〜3倍になる一方、用法の項は高齢者について20 mg 1日2回で有害事象や中止の頻度の増加を認めなかったとして減量を求めていないこと、ただし同じ PRECAUTIONS の Geriatric Use は続けて "An open-label, uncontrolled, 4-week trial of 3759 asthma patients … A higher percentage of elderly patients (n=384) reported adverse events when compared to adults and adolescents. These elderly patients showed less improvement in efficacy measures." と述べ、高齢者で1%超の有害事象が頭痛4.7%・下痢と悪心1.8%・咽頭炎1.3%で感染の割合は3群中最も低かったとしていること、副作用表の採録基準が "adverse events reported by ≥1% of zafirlukast-treated patients, and at rates numerically greater than in placebo-treated patients" であって統計学的検定を示していないこと、安定したアルコール性肝硬変の患者ではCmax・AUCが健常成人より約50〜60%高いこと、フルコナゾール併用でザフィルルカストの血中濃度が約58%上昇しエリスロマイシン併用で約40%・液剤テオフィリン併用で約30%低下すること、アスピリン(650 mg 1日4回)併用でザフィルルカストの血中濃度が約45%上昇することを確認した。なお Marketing Information 欄は、このSPLが収載する ACCOLATE の2包装(NDC 64380-177-01・64380-178-01、販売開始2023年1月2日)について販売終了日を2026年3月12日としている。⚠️ これはこのSPLに載る ACCOLATE ブランドの包装についての記載であって、NDA020547 そのものや成分としての流通を述べたものではない(後者はNDCディレクトリとDrugs@FDAで別に確認した)。閲覧 2026-09-17
  5. 5.アコレート錠20mg/40mg 医薬品情報(DI)2009年6月改訂(第6版)(アストラゼネカ株式会社・2009)2026年9月16日に取得(200、約334 KB)。日本でアコレート錠(ザフィルルカスト20 mg・40 mg)が2000年12月に承認され2001年2月に発売されたこと、用法・用量が通常成人にはザフィルルカストとして1日40〜80 mgを朝食後及び就寝前の2回に分けて経口投与するというものであったこと、禁忌が本剤成分への過敏症の既往に加え本剤による肝障害の既往のある患者(既往患者への再投与でより重度な肝障害が発現したとの報告がある)であること、劇症肝炎を含む重篤な肝機能障害・黄疸により死亡に至った例があり定期的な肝機能検査を求めていること、高齢者への1日投与量を40 mg(1回20 mg・1日2回)までとする注意の理由として、文書が「高齢者に1日80mgを投与し重篤な肝機能障害が発現した症例が報告されていること」を筆頭に挙げ、「および、高齢者では非高齢者に比べて AUC の増大など暴露量が増大し、副作用発現のリスクが増大することが考えられます」をその次に置いていること(用法・用量の条文にも「ただし、高齢者の1日投与量は40mgとする。なお、成人(高齢者を除く)の1日最高量は80mgとする」とある)、承認時の臨床試験(総症例1193例)での副作用発現率が13.9%(166例)で主な内訳が頭痛2.3%・ALT上昇1.9%・悪心1.4%・AST上昇1.2%・腹痛1.0%であったこと、重大な副作用として劇症肝炎等(0.1%未満)・無顆粒球症(まれ)・好酸球性肺炎(頻度不明)が挙げられていること、ワルファリン・テオフィリン・アスピリン・エリスロマイシン・テルフェナジンとの薬物相互作用が添付文書に記載されていること、日本人健康成人男子で食後投与によりCmaxが32%・AUCが22%減少したとの報告があることを確認した。⚠️ この文書が述べるのは2009年時点の国内の添付文書の内容であって、現在の供給状況ではない(現況は医薬品マスターで別に確認した)閲覧 2026-09-16
  6. 6.Updating the classification and routine diagnosis of NSAID hypersensitivity reactions: A WAO Statement(World Allergy Organization Journal(World Allergy Organization 声明)・2025)Europe PMC経由でPMC12361610の全文を取得し、N-ERDの診断の節を自分で読んで確認した。段階的負荷でアスピリン325 mgを上下気道の症状なく忍容すればCOX-1阻害薬過敏はおおむね除外できるとしたうえで、原文は "However, a negative DC does not fully exclude hypersensitivity, especially if the patient has well-controlled asthma, underwent recent surgical excision of nasal polyps, or is taking leukotriene (LT) receptor antagonists or high-dose systemic corticosteroids, factors associated with reduced reaction severity and negative reactions." と述べており、ロイコトリエン受容体拮抗薬の内服が反応の程度を弱め陰性化させうる因子として名指しされていることを確認した。id・title・url・org・year は同じ文書を引いている diseases/aspirin-exacerbated-respiratory-disease.md と揃えてある閲覧 2026-09-16
  7. 7.openFDA Drugs@FDA API — search=products.active_ingredients.name:ZAFIRLUKAST(U.S. Food and Drug Administration(openFDA/Drugs@FDA)・2026)APIを叩いて5申請を数えた(2026年9月17日に再取得。meta.results.total は5で、既定の limit は1なので url には &limit=10 を付けて全件を返させている)。NDA020547(STRIDES PHARMA INTL、ACCOLATE 10 mg・20 mg)はいずれも marketing_status が Prescription で、Discontinued の区分には移っていない。後発のANDAは ANDA090372(DR REDDYS LABS LTD)・ANDA213163(AUROBINDO PHARMA)・ANDA212475(ANNORA PHARMA)・ANDA204928(RISING PHARMS、ORIG承認日 2022-08-25、te_code AB)の4件で、10 mg・20 mgとも Prescription である。⚠️ 検索語で件数が変わる——`openfda.generic_name:"zafirlukast"` で引くと total は4になり ANDA204928 が落ちるが、これは同申請に openfda の注釈ブロックが付いていないためで、申請そのものは Drugs@FDA に実在する(`application_number:ANDA204928` で単独取得できる)。Drugs@FDA のこの区分は申請の状態であって、個々の包装が現に販売されているかを示すものではない閲覧 2026-09-17
  8. 8.List of nationally authorised medicinal products — Active substance: Zafirlukast (PSUSA/00003138/201512)(European Medicines Agency・2016)PDF全文(EMA/546104/2016、文書の日付は2 September 2016、2頁)を取得しpdftotextで表を読んだ。欧州各国で国内承認されていたザフィルルカスト製剤の一覧で、14行・10か国(PT・HU・BE・IT・MT・LU・IE・ES・FI・UK)が挙がり、販売承認取得者はいずれもアストラゼネカ系の各国法人である。商品名は逐語で "Accolate™ 20 mg Film-coated Tablets"(PL 17901/0001、UK)、"ACCOLATE 20 mg"(62443.0、ES)、"Accolate 20 mg filmtabletta"(OGYI-T 5562/01 および /02、HU、ASTRAZENECA KFT.)、"Accolate 20 mg Film-coated Tablets"(PA 970/1/1、IE)、イタリアだけ "Accoleit 20 mg compresse rivestite con film"(31964012)である。⚠️ この文書は2016年時点で各国に国内承認があったことを示すもので、現在の承認・流通の状況は述べていない閲覧 2026-09-16