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Symptoms · Published

脳神経麻痺

Cranial nerve palsy

臓器系
神経
科目
NeurologyENTAnatomy
トピック
神経内科 G2-05:橋障害の症候群神経内科 G2-06:中脳障害の症候群神経内科 G1-11:頭蓋内圧亢進と脳ヘルニアの症候神経内科 G1-24:頭蓋内腫瘍の症候耳鼻咽喉科 13:急性・慢性化膿性中耳炎の合併症解剖学 7.3:頭部:頭蓋腔と髄膜
関連疾患
サルコイドーシス横紋筋肉腫上咽頭癌水頭症髄膜癌腫症
スコア
Hunt and Hess分類

🧠 全体像で最初に決めることは2つしかない。単独か多発か、そして核性・である。単独の麻痺は神経1本の走行のどこかを探す作業だが、多発すると意味が変わる——複数の神経が同時に落ちるのは、それらが解剖学的に隣り合う一点を病変が占めているときだからで、組み合わせがそのまま病変部位の名前になる。は本数が増えるほど局在が絞れる、珍しい種類の症状である。

まず決める2つのこと

flowchart TD
    A["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='cranial nerve palsy'>脳神経麻痺</span>"] --> B{"障害された神経は1本か"}
    B -->|"1本"| C["その神経の走行を追う<br>核・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='subarachnoid space'>くも膜下腔</span>・頭蓋底孔・末梢"]
    B -->|"2本以上"| D["隣り合う一点を探す<br><span class='jp-term jp-term-diagram' title='cavernous sinus'>海綿静脈洞</span>・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='petrous apex'>錐体尖</span>・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='cerebellopontine angle'>小脳橋角部</span>・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='jugular foramen'>頸静脈孔</span>・脳幹"]
    C --> E{"対側の長経路徴候があるか"}
    D --> E
    E -->|"あり(<span class='jp-term jp-term-diagram' title='alternating/crossed'>交代性</span>)"| F["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='brainstem lesion'>脳幹病変</span>"]
    E -->|"なし"| G["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='infranuclear'>核下性</span>:<span class='jp-term jp-term-diagram' title='subarachnoid space'>くも膜下腔</span>から頭蓋底・末梢"]

か核性・かは、両側支配かどうかで決まる。 多くのは両側の大脳皮質から支配を受けるため、片側のでは症状が出ない。片側性ので麻痺が現れるのはの下半分(対側支配)と、の一部に限られる。の両側障害がまとまった症候になったものが仮性で、核性・の同じ症候がである。の一般的な対比は麻痺を参照。

⚠️ 「なら中枢、なら末梢」と対応させない。脳幹のそのものの病変はだが、所見はに出る。 顔面全体が麻痺していても脳卒中は除外できない。

多発脳神経麻痺は病変部位を名指しする

⭐ 組み合わせを暗記するのではなく、その孔・その腔を通る神経を数える。同じ場所を通るから同時に落ちる。

部位 巻き込まれる神経 決め手になる所見
III・IV・VI+V1・V2 眼窩後部痛、、前額から頬の感覚障害。交感神経も走るためが併存しうる
III・IV・VI+V1 との違いはV2が保たれること
の神経+II が加わったら
VI+V1 中耳炎に続く持続性、外転障害の三つ組
VII・VIII+V(進行例でIX・X) 難聴めまいを伴う
IX・X・XI 嗄声、嚥下障害の脱力
脳幹 病変 同側の+対側の・感覚障害という

💡 は脳幹のである。 中脳ならIII麻痺+、橋ならVI・VII麻痺+というように、脳神経は同側、長経路は対側に出る。片側のと対側の四肢症状を同時に見たら、それだけで病変は脳幹に決まる。

⚠️ どの孔にも当てはまらない、隣り合わない神経の多発麻痺は、髄膜そのものに病変が広がっている合図である。、結核性・真菌性の、リンパ腫を考える。両側性・非対称・進行性という組み合わせが典型で、造影MRIと髄液細胞診(1回陰性でも繰り返す)を要する。

緊急を示すもの

⚠️ 以下は経過観察の対象にしない。

所見 想定する病態 対応
を伴う麻痺 緊急の血管画像。は神経の外側表層を走るため圧迫で先に落ちる。意識低下を伴えばヘルニアとして扱う
急速に本数が増える多発 )、脳幹脳炎 造影MRI、髄液、糖尿病・免疫抑制の有無を確認
上行性のを伴う・両側 とその亜型 呼吸筋と自律神経を先に評価する
の突然発症 ・出血 脳卒中

💡 は頭蓋内を最も長く走るため、頭蓋内圧亢進によって病変とに出る)。単独のを見たらを確認する。局在の手掛かりとしてあてにできない唯一のだと考えておく。

まとめ

  • 最初に決めるのは、単独か多発か、か核性・かの2点。
  • 片側ので麻痺が出るのは顔面下半分・の一部だけ。他は両側支配で代償される。
  • 脳幹の核病変はだが所見はに出る。額が麻痺しても脳卒中は否定できない。
  • 多発麻痺は組み合わせが部位名になる。、脳幹。
  • 同側+対側長経路徴候()はを意味し、隣り合わない神経の多発麻痺は髄膜病変を示唆する。
  • を伴う麻痺と、急速に本数が増える多発麻痺は緊急評価する。
  • だけは頭蓋内圧亢進によるになりうる。