微生物学

微生物学 · 5/37

眼感染を起こす原虫と蠕虫(一覧)とその診断

Protozoa and helminths causing ophthalmic (eye) infections (list) and their diagnosis

疾患
オンコセルカ症角膜炎眼トキソカラ症眼内炎眼窩蜂窩織炎
症状
硝子体炎点状表層角膜症飛蚊症脈絡網膜炎

🧠 を起こす原虫・蠕虫は「先天性(胎盤経由)」「・レンズ装用関連(角膜への直接侵入)」「血行性・(体循環を介して幼虫・原虫が眼に到達する)」という異なる経路で眼に到達する。 経路を意識すると、症候(か、角膜炎か、眼球内炎か)も自然に整理できる。細菌・ウイルスによるは5/3を参照。

原虫による眼感染

病原体 病態
Toxoplasma gondii が失明の原因となりうる()。後天感染でも()を起こしうる——米国でのは約2%にとどまるが、の強い株が多い南ブラジルなどでは最大18%に達する1
Acanthamoeba ——者に多い。報告例は世界的に増加傾向にある2

蠕虫による眼感染

病原体 病態
(アフリカ眼虫、4/37参照)
Onchocerca volvulus ()。治療はを成虫の寿命(10〜15年)相当の期間する——はのため用いない3
Toxocara canis / T. cati
Dirofilaria

真菌による眼感染

病原体 病態
Aspergillus sp.
Candida spp.

💡 は「原虫と蠕虫」だが、元資料は真菌によるも併記している。 の幅として参考に掲載する。

診断

  • :内・網膜下などに虫体そのものが視認されることがある。
  • 血液検査:血中IgE値の上昇を確認する。
  • 血清学:ELISAによるの検出。

まとめ

  • を起こす原虫はToxoplasma gondii(先天性・)とAcanthamoeba(、レンズ装用関連)が代表。
  • 蠕虫ではと**が(後者は)を、Toxocaraがを、Dirofilariaがを起こす。
  • 真菌(Aspergillus、、Candida)も・の原因として参考に押さえておく。
  • 診断は虫体の直接視認、血中IgE値の上昇、による検出の組み合わせで行う。
  • 細菌・ウイルス性のは別トピック(5/3)で扱う。

出典

  1. 1.Age and ocular toxoplasmosis: a narrative review(FEMS Microbes・2025)眼トキソプラズマ症は先天性感染の再活性化だけでなく後天感染(postnatally acquired infection)でも起こること、米国での後天感染例における眼病変発生率は約2%にとどまる一方、南ブラジルなど毒力の強い株が多い地域では後天感染由来でも眼病変発生率が最大18%に達することを確認した。閲覧 2026-08-26
  2. 2.An update on Acanthamoeba keratitis: diagnosis, pathogenesis and treatment(Parasite・2015)Acanthamoeba角膜炎の報告例は世界的に年々増加しており、その大部分はコンタクトレンズ装用者に生じることを確認した。書誌は2026-09-27にCrossref(DOI 10.1051/parasite/2015010)で照合し、著者が Jacob Lorenzo-Morales・Naveed A. Khan・Julia Walochnik の3名、掲載誌 Parasite 第22巻論文番号10、2015年であることを確認した。閲覧 2026-09-27
  3. 3.Onchocerciasis(StatPearls Publishing・2023)オンコセルカ症の治療はイベルメクチン150μg/kgを年1〜2回、成虫の寿命(10〜15年)に相当する期間反復投与すること、ジエチルカルバマジンはマゾッティ反応を誘発するためオンコセルカ症には用いないことを確認した。閲覧 2026-08-26