Drug Atlas · B3 Other / その他 · 必修
フォスタマチニブ
fostamatinib
- 分類
- Kinase inhibitors / キナーゼ阻害薬
- 商品名(日本)
- タバリス
- 商品名(EU)
- Tavlesse
- 科目
- Pharmacology
- トピック
- B3: Agents used in anemias
- 承認適応
- 免疫性血小板減少症(ITP)
- 副作用
- 下痢悪心めまい
- 監視検査値
- 血小板数
- 影響検査値
- アミノトランスフェラーゼ
🧠 全体像:フォスタマチニブ fostamatinib フォスタマチニブ(fostamatinib) fostamatinib(フォスタマチニブ) は、ロミプロスチムromiplostimロミプロスチム(romiplostim)romiplostim(ロミプロスチム)・エルトロンボパグeltrombopagエルトロンボパグ(eltrombopag)eltrombopag(エルトロンボパグ)(TPOTPO(thyroid peroxidase)受容体作動薬=血小板の産生を増やす)やリツキシマブ(B細胞除去B-cell depletion B細胞除去(B-cell depletion)B-cell depletion(B細胞除去) =自己抗体の産生源を減らす)とは異なり、血小板が壊される最後の段階そのものを止めるという第三の発想の薬である。脾チロシンキナーゼspleen tyrosine kinase (SYK) 脾チロシンキナーゼ(spleen tyrosine kinase (SYK))spleen tyrosine kinase (SYK)(脾チロシンキナーゼ) (SYK)を阻害してマクロファージのFc受容体 Fc receptor Fc受容体(Fc receptor) Fc receptor(Fc受容体) シグナルを遮断し、抗体が付着した血小板が貪食される過程を妨げる——「作る・減らす・壊させない」という3つのアプローチが慢性ITPITP(immune thrombocytopenia)治療に揃っていることを理解する軸になる。
💡 日本での正式な一般的名称は「ホスタマチニブ」である。 電子添文の一般的名称は ホスタマチニブナトリウム水和物(Fostamatinib Sodium Hydrate)(JAN) で、用法・用量も「ホスタマチニブとして初回投与量100mg」と書かれている1。本ノートを含め本サイトでは英語綴りに近い「フォスタマチニブfostamatinibフォスタマチニブ(fostamatinib)fostamatinib(フォスタマチニブ)」で統一しているが、国内の添付文書・薬価NHI drug price 薬価(NHI drug price)NHI drug price(薬価) 収載・処方箋では「ホ」で始まるので、検索して見つからないときは両方の表記を試す。
薬効群の中での位置づけ
前治療で血小板数 platelet count 血小板数(platelet count) platelet count(血小板数) を維持できないITPに対して、フォスタマチニブfostamatinib フォスタマチニブ(fostamatinib)fostamatinib(フォスタマチニブ) は血小板破壊 platelet destruction 血小板破壊(platelet destruction) platelet destruction(血小板破壊) の実行段階を狙う経口薬 oral drugs 経口薬(oral drugs) oral drugs(経口薬) である。
| 薬剤 | アプローチ | 機序 | ASH 2026 での位置づけ |
|---|---|---|---|
| ロミプロスチムromiplostimロミプロスチム(romiplostim)romiplostim(ロミプロスチム)・エルトロンボパグeltrombopagエルトロンボパグ(eltrombopag)eltrombopag(エルトロンボパグ) | 産生を増やす | TPO受容体作動 | 血小板産生Thrombopoiesis 血小板産生(Thrombopoiesis)Thrombopoiesis(血小板産生) 刺激薬として、追加治療を要する成人に推奨(推奨2a。強い推奨・エビデンスの確実性は中)2 |
| リツキシマブ | 産生源を減らす | 抗CD20によるB細胞除去 B-cell depletionB細胞除去(B-cell depletion) B-cell depletion(B細胞除去) | 同じ場面での代替として提案(条件付き推奨・確実性は低)2 |
| フォスタマチニブfostamatinib フォスタマチニブ(fostamatinib)fostamatinib(フォスタマチニブ) (SYK阻害薬) | 破壊を止める | SYK阻害→Fc受容体 Fc receptor Fc受容体(Fc receptor) Fc receptor(Fc受容体) シグナル遮断 | 上の2つが適さないか本人が選ばない場合に、BTK阻害薬BTK inhibitorBTK阻害薬(BTK inhibitor)BTK inhibitor(BTK阻害薬)・ミコフェノール酸モフェチルmycophenolate mofetil ミコフェノール酸モフェチル(mycophenolate mofetil)mycophenolate mofetil(ミコフェノール酸モフェチル) と並んで提案(条件付き推奨・確実性は非常に低い)2 |
💡 ASH 2026 の推奨文は、どれも薬効群の名前で書かれている。 推奨2aの主語は「血小板産生刺激薬thrombopoietic agent血小板産生刺激薬(thrombopoietic agent)thrombopoietic agent(血小板産生刺激薬)」で、パネルはアバトロンボパグ・エルトロンボパグeltrombopagエルトロンボパグ(eltrombopag)eltrombopag(エルトロンボパグ)・ヘトロンボパグ・ロミプロスチムromiplostimロミプロスチム(romiplostim)romiplostim(ロミプロスチム)・遺伝子組換えヒトトロンボポエチン thrombopoietin, TPO トロンボポエチン(thrombopoietin, TPO) thrombopoietin, TPO(トロンボポエチン) を互換として扱った。したがって上表の強い推奨は、この2剤だけに与えられたものではない2。
⭐ ここは2026年に書き換わった。 ASH 2019 の第二選択の推奨(推奨6=エルトロンボパグ eltrombopag エルトロンボパグ(eltrombopag) eltrombopag(エルトロンボパグ) とロミプロスチム romiplostim ロミプロスチム(romiplostim) romiplostim(ロミプロスチム) のどちらでもよい、推奨7〜9=脾摘 splenectomy脾摘(splenectomy) splenectomy(脾摘)・リツキシマブ・TPO受容体作動薬の序列)は撤回され、2026年版の推奨2a・2bに置き換えられた。2019年版は当時、フォスタマチニブfostamatinib フォスタマチニブ(fostamatinib)fostamatinib(フォスタマチニブ) を「主に三次 tertiary 三次(tertiary) tertiary(三次) 治療の場面で検討されてきた薬剤であり、第二選択薬Second-line drugs:QAPL 第二選択薬(Second-line drugs:QAPL)Second-line drugs:QAPL(第二選択薬) としての位置づけは確立していない」として推奨の対象外に置いていた3。2026年版ではSYK阻害薬が推奨2bの選択肢として明示された——ただし推奨の強さは条件付き、エビデンスの確実性は非常に低い2。
⚠️ 順位が付いたわけではない。 推奨2bのパネルは、BTK阻害薬BTK inhibitorBTK阻害薬(BTK inhibitor)BTK inhibitor(BTK阻害薬)・ミコフェノール酸モフェチルmycophenolate mofetilミコフェノール酸モフェチル(mycophenolate mofetil)mycophenolate mofetil(ミコフェノール酸モフェチル)・SYK阻害薬を明確に順位付けできるだけの直接的な根拠は無いとしており、副作用プロファイル・費用・入手可能性と共有意思決定 shared decision-making 共有意思決定(shared decision-making) shared decision-making(共有意思決定) で選ぶとしている2。⚠️ ASH 2026 の推奨文は薬効群(SYK阻害薬)で書かれており、フォスタマチニブfostamatinib フォスタマチニブ(fostamatinib)fostamatinib(フォスタマチニブ) という薬剤名で書かれてはいない(全57頁の本文で「fostamatinib」が現れるのは参考文献4件の題名だけである)2。⚠️ 同じ推奨2bで、パネルはアザチオプリン azathioprine アザチオプリン(azathioprine) azathioprine(アザチオプリン) を「利益と害の釣り合いが劣るのでこの3者と同等ではない」と切り分けている——ただし低コスト・世界的な入手可能性・妊娠中の安全性から有用な場面はあるとしている2。
⭐ 作用点target 作用点(target)target(作用点) が違うので、前治療が効かなくなった例に別の角度から当てられる。 第III相2試験に組み入れられた150例は前治療数の中央値が3(範囲1〜14)で、副腎皮質ステロイド94%・免疫グロブリン53%・TPO受容体作動薬48%、35%が脾摘後 post-splenectomy 脾摘後(post-splenectomy) post-splenectomy(脾摘後) だった。主要評価項目primary endpoint 主要評価項目(primary endpoint)primary endpoint(主要評価項目) (14〜24週の6回の来院のうち4回以上で血小板5万/μL以上を保つ「安定した血小板反応」)の達成率は統合解析 pooled analysis 統合解析(pooled analysis) pooled analysis(統合解析) で本剤17%対プラセボ placebo プラセボ(placebo) placebo(プラセボ) 2%だった4。⚠️ この厳しい評価項目を満たすのは少数であるという前提で位置づけを理解する。米国添付文書は同じ試験について、救援療法salvage therapy 救援療法(salvage therapy)salvage therapy(救援療法) を要した患者が本剤30%・プラセボplacebo プラセボ(placebo)placebo(プラセボ) 45%、出血の発現が本剤29%・プラセボplacebo プラセボ(placebo)placebo(プラセボ) 37%だったとも記載している(いずれも統計学的な比較は示されていない)5。
⚠️ 「作用点target 作用点(target)target(作用点) が違うから併用できる」と読まないこと。 EUEU(European Union)の製品概要 Summary of Product Characteristics, SmPC/SPC 製品概要(Summary of Product Characteristics, SmPC/SPC) Summary of Product Characteristics, SmPC/SPC(製品概要) は、JAKJAK(Janus kinase)阻害薬・TPO受容体作動薬・リツキシマブなど免疫調節薬との併用は検討されていないと明記している4。実際の試験で併用が許容されていたのは、安定用量の副腎皮質ステロイド(プレドニゾロンprednisoloneプレドニゾロン(prednisolone)prednisolone(プレドニゾロン)換算20mg/日未満)・アザチオプリンazathioprineアザチオプリン(azathioprine)azathioprine(アザチオプリン)・ダナゾールdanazolダナゾール(danazol)danazol(ダナゾール)だけである。
機序
flowchart TD
A["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='platelet membrane glycoprotein'>血小板膜糖蛋白</span>に対する自己抗体が<br>血小板表面に結合"] --> B["脾臓・肝臓のマクロファージの<br><span class='jp-term jp-term-diagram' title='Fc receptor'>Fc受容体</span>が抗体の<span class='jp-term jp-term-diagram' title='Fc region'>Fc部分</span>を認識"]
B --> C["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='Fc receptor'>Fc受容体</span>シグナルが<br><span class='jp-term jp-term-diagram' title='spleen tyrosine kinase (SYK)'>脾チロシンキナーゼ</span>(SYK)を活性化"]
C --> D["マクロファージが抗体付着血小板を<br>貪食・破壊"]
E["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='fostamatinib'>フォスタマチニブ</span>(<span class='jp-term jp-term-diagram' title='prodrugs'>プロドラッグ</span>)"] --> F["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='active metabolite'>活性代謝物</span>R406がSYKの<br><span class='jp-term jp-term-diagram' title='ATP-binding site'>ATP結合部位</span>を阻害"]
F -.->|"<span class='jp-term jp-term-diagram' title='Fc receptor'>Fc受容体</span>シグナルを遮断"| C
F --> G["血小板の貪食・破壊が抑制される"]
G --> H["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='platelet count'>血小板数</span>が上昇する"]
💡 標的は血小板でも骨髄でもなく「マクロファージ側の認識・実行機構」。 TPO受容体作動薬が骨髄の巨核球 megakaryocyte 巨核球(megakaryocyte) megakaryocyte(巨核球) を刺激して産生を底上げするのに対し、フォスタマチニブfostamatinib フォスタマチニブ(fostamatinib)fostamatinib(フォスタマチニブ) は脾臓・肝臓のマクロファージが自己抗体付着血小板を“見つけて食べる”シグナル伝達そのものを止める。産生を増やさなくても、壊される速度を落とせば血小板数 platelet count 血小板数(platelet count) platelet count(血小板数) は上がる、という発想5。
薬物動態
| 項目 | 値・特徴 |
|---|---|
| 剤形 | プロドラッグprodrugs プロドラッグ(prodrugs)prodrugs(プロドラッグ) (経口) |
| 活性代謝物active metabolite活性代謝物(active metabolite)active metabolite(活性代謝物) | R406(SYK阻害の主体) |
| 半減期 | R406で約15時間 |
| 代謝 | 主にCYP3A4CYP3A4(cytochrome P450 3A4)。強いCYP3A4阻害薬・誘導薬inducers 誘導薬(inducers)inducers(誘導薬) との相互作用に注意 |
適応
いずれも成人の免疫性血小板減少症immune thrombocytopenia, ITP 免疫性血小板減少症(immune thrombocytopenia, ITP)immune thrombocytopenia, ITP(免疫性血小板減少症) (ITP)だが、病期の書き方と「前治療」の要件が地域で違う。
| 地域 | 承認された適応 |
|---|---|
| EU | 他の治療に抵抗性の成人の慢性ITP4 |
| 日本 | 持続性及び慢性免疫性血小板減少症immune thrombocytopenia, ITP免疫性血小板減少症(immune thrombocytopenia, ITP)immune thrombocytopenia, ITP(免疫性血小板減少症)。効能・効果に関連する注意で「他の治療にて十分な効果が得られない場合、又は忍容性 tolerability 忍容性(tolerability) tolerability(忍容性) に問題があると考えられる場合」「血小板数platelet count血小板数(platelet count)platelet count(血小板数)・臨床症状clinical manifestation 臨床症状(clinical manifestation)clinical manifestation(臨床症状) からみて出血リスクが高いと考えられる場合」に限る1 |
| 米国 | 前治療への反応が不十分であった成人の慢性ITPにおける血小板減少の治療6 |
⚠️ 米国の適応は「a previous treatment」であって「複数の前治療」ではない。 承認書の文言は前治療1回以上を求めているだけで、TPO受容体作動薬やリツキシマブを試したことを条件にしていない6。臨床試験clinical trial (clinical study) 臨床試験(clinical trial (clinical study))clinical trial (clinical study)(臨床試験) の組入れ例が多剤既治療だったこと(前治療数の中央値3)と、承認された適応の範囲は別のことである。
用法・用量
開始用量starting dose 開始用量(starting dose)starting dose(開始用量) は100mgを1日2回経口投与 oral 経口投与(oral) oral(経口投与) する。4週間後、目標とする血小板数 platelet count 血小板数(platelet count) platelet count(血小板数) (5万/μL以上)に達していなければ、安全性に問題がない範囲で150mgを1日2回へ増量する。1日300mgを超えない54。
- 減量は300→200→150→100mg/日の順に1段階ずつ行い、100mg/日未満が必要になったら中止する5
- ⭐ 12週間投与しても臨床的に重要な出血を避けるのに十分な血小板数 platelet count 血小板数(platelet count) platelet count(血小板数) に達しなければ中止する。 3地域とも同じ12週の打ち切り規定を置くが、語調は米国・EUが「中止する」、日本の電子添文が「投与中止を考慮すること」である541
- 日本の電子添文は、1日2回投与では8時間を目安に間隔を空けること、血小板数platelet count 血小板数(platelet count)platelet count(血小板数) が250,000/μLを超えたら減量又は休薬 drug holiday (treatment interruption)休薬(drug holiday (treatment interruption)) drug holiday (treatment interruption)(休薬)することを追加で定めている1
実際の用量調整 dose adjustment 用量調整(dose adjustment) dose adjustment(用量調整) は施設のプロトコル・各国の添付文書で確認する。
禁忌・注意
⚠️ 「禁忌なし」は米国の添付文書に限った話である。 米国添付文書の4項は逐語で「なし」だが5、EUと日本は2項目ずつ禁忌を挙げている。
| 地域 | 禁忌 |
|---|---|
| EU | 有効成分active ingredient 有効成分(active ingredient)active ingredient(有効成分) または添加剤に対する過敏症/妊娠4 |
| 日本 | 本剤の成分に対する過敏症の既往歴/妊婦又は妊娠している可能性のある女性1 |
| 米国 | 禁忌の項に「なし」と記載5 |
💡 米国も妊娠を安全と考えているわけではない。 米国添付文書は胚・胎児毒性 embryo-fetal toxicity 胚・胎児毒性(embryo-fetal toxicity) embryo-fetal toxicity(胚・胎児毒性) を警告 warnings 警告(warnings) warnings(警告) (5.5)に置き、投与前の妊娠検査と、治療中および最終投与後1か月間の確実な避妊を求めている5。規制Regulation 規制(Regulation)Regulation(規制) 上の区分(禁忌か警告 warnings 警告(warnings) warnings(警告) か)が違うだけで、臨床的な扱いは3地域とも「妊娠中は使わない」で一致している。
そのほかの注意。
- ⚠️ 高血圧(米国28%・日本21.2%、高血圧クリーゼhypertensive crisis 高血圧クリーゼ(hypertensive crisis)hypertensive crisis(高血圧クリーゼ) は米国1%・日本0.6%)。血圧が安定するまで2週ごとに測定し、安定後は米国添付文書では月1回とする5。対応は血圧の段階で決まるが、⚠️ どの血圧から動き出すかが地域で違う。
- ⚠️ EUと米国の用量調節 dose titration 用量調節(dose titration) dose titration(用量調節) 表は 130/80 台から始まる。 表の最初の行は Stage 1(収縮期130〜139 mmHg または拡張期80〜89 mmHg) で、心血管リスクの高い患者ではこの段階で降圧薬 antihypertensives 降圧薬(antihypertensives) antihypertensives(降圧薬) を開始・増量し、8週間を過ぎても血圧目標に達しなければ本剤を1段階減量すると定めている45。日本の電子添文7.5の表は収縮期140 mmHg以上又は拡張期90 mmHg以上が最初の段で、130/80台の段は無い(文書全体で130 mmHgという数値が出てこない)1。⭐ 「140/90から対応が始まる」と覚えると、EU・米国が求めている前倒しの介入がまるごと落ちる。
- ⚠️ 160/100 はEU・米国では独立した段ではない。 EUと米国では 140/90 も 160/100 も 同じ Stage 2(収縮期140 mmHg以上 または拡張期90 mmHg以上)の行の中の箇条で、「140/90 mmHg以上が8週間を超えて続けば1段階減量」「160/100 mmHg以上が積極的な降圧 antihypertensive (blood-pressure lowering) 降圧(antihypertensive (blood-pressure lowering)) antihypertensive (blood-pressure lowering)(降圧) 療法にもかかわらず4週間を超えて続けば休薬 drug holiday (treatment interruption) 休薬(drug holiday (treatment interruption)) drug holiday (treatment interruption)(休薬) または中止」と週数で線を引く45。日本の電子添文は160/100を独立した段として立てるが、どちらの段についても「適切な降圧 antihypertensive (blood-pressure lowering) 降圧(antihypertensive (blood-pressure lowering)) antihypertensive (blood-pressure lowering)(降圧) 療法にもかかわらず、血圧をコントロールできない場合は減量又は休薬 drug holiday (treatment interruption) 休薬(drug holiday (treatment interruption)) drug holiday (treatment interruption)(休薬) (160/100以上では休薬 drug holiday (treatment interruption)休薬(drug holiday (treatment interruption)) drug holiday (treatment interruption)(休薬))」とするだけで、期間を数字で示していない1
- ⚠️ 最上段の定義も違う。EUと米国は収縮期180 mmHg超かつ/または拡張期120 mmHg超を高血圧クリーゼ hypertensive crisis 高血圧クリーゼ(hypertensive crisis) hypertensive crisis(高血圧クリーゼ) とする45のに対し、日本の7.5の表は収縮期180 mmHg以上又は拡張期110 mmHg以上とだけ書き、この段に高血圧クリーゼ hypertensive crisis 高血圧クリーゼ(hypertensive crisis) hypertensive crisis(高血圧クリーゼ) という名前を付けていない(同語は11.1の重大な副作用にだけ現れる)1——拡張期の値も不等号(「超」と「以上」)も一致しない
- ⚠️ 下痢(31%)。重度は米国1%・日本1.7%で、グレード3以上なら休薬 drug holiday (treatment interruption) 休薬(drug holiday (treatment interruption)) drug holiday (treatment interruption)(休薬) し、グレード1以下へ改善してから1段階下げて再開する51
- ⚠️ 好中球減少(米国6%・日本5.6%、発熱性好中球減少症febrile neutropenia, FN発熱性好中球減少症(febrile neutropenia, FN)febrile neutropenia, FN(発熱性好中球減少症)は米国1%・日本0.6%)と感染症(日本の電子添文で肺炎1.1%)。米国添付文書とEUの製品概要 Summary of Product Characteristics, SmPC/SPC 製品概要(Summary of Product Characteristics, SmPC/SPC) Summary of Product Characteristics, SmPC/SPC(製品概要) は好中球数を月1回、日本の電子添文は安定するまで2週ごとと、測定間隔が異なる541。休薬drug holiday (treatment interruption) 休薬(drug holiday (treatment interruption))drug holiday (treatment interruption)(休薬) の閾値は3地域とも好中球数1,000/μL(1.0×10⁹/L)未満である541。EUと日本はさらに、1,500/μLを超えるまで回復してから1段階下げて再開すると定める(EUは「72時間後もなお低値が続く場合に休薬 drug holiday (treatment interruption)休薬(drug holiday (treatment interruption)) drug holiday (treatment interruption)(休薬)」と条件を添える)41
- ⚠️ 肝機能障害liver dysfunction肝機能障害(liver dysfunction)liver dysfunction(肝機能障害)(日本17.3%)。ALTALT(alanine aminotransferase)・ASTAST(aspartate aminotransferase)が基準値上限の3倍以上になった時点から休薬 drug holiday (treatment interruption)休薬(drug holiday (treatment interruption)) drug holiday (treatment interruption)(休薬)・減量の判断が入り、5倍以上が続けば中止する。測定間隔も米国は月1回、日本は安定するまで2週ごと51
- ⚠️ ここも期間の書き方が国で違う。 EUの製品概要 Summary of Product Characteristics, SmPC/SPC 製品概要(Summary of Product Characteristics, SmPC/SPC) Summary of Product Characteristics, SmPC/SPC(製品概要) と米国添付文書はどちらも「AST/ALTが基準値上限の5倍以上が2週間以上持続すれば中止」と週数を示す45が、日本の電子添文は「5倍以上で持続する場合は中止」とするだけで期間を示していない1
- ⚠️ 総ビリルビンtotal bilirubin 総ビリルビン(total bilirubin)total bilirubin(総ビリルビン) が同時に上がっているかで扱いが変わる。 3地域とも、AST又はALTが基準値上限の3倍以上で、かつ総ビリルビン total bilirubin 総ビリルビン(total bilirubin) total bilirubin(総ビリルビン) が基準値上限の2倍超なら、休薬drug holiday (treatment interruption) 休薬(drug holiday (treatment interruption))drug holiday (treatment interruption)(休薬) ではなく中止と定めている451。下に挙げる「間接ビリルビンindirect bilirubin 間接ビリルビン(indirect bilirubin)indirect bilirubin(間接ビリルビン) 単独の上昇なら継続」とは別の条件なので取り違えない
- ⚠️ 血小板数platelet count 血小板数(platelet count)platelet count(血小板数) が上がること自体のリスク。 日本の電子添文は、血小板数platelet count 血小板数(platelet count)platelet count(血小板数) の増加に伴い血栓症・血栓塞栓症のリスクが高まる可能性があるとし、血栓塞栓症の既往や素因(第V因子ライデン変異Factor V Leiden mutation第V因子ライデン変異(Factor V Leiden mutation)Factor V Leiden mutation(第V因子ライデン変異)、アンチトロンビンIIIantithrombin III アンチトロンビンIII(antithrombin III)antithrombin III(アンチトロンビンIII) 欠損症など)をもつ患者は臨床試験 clinical trial (clinical study) 臨床試験(clinical trial (clinical study)) clinical trial (clinical study)(臨床試験) に組み入れられていないと明記している1
- B型肝炎ウイルスキャリアおよび既往感染 past infection 既往感染(past infection) past infection(既往感染) 者(HBs抗原陰性かつHBc抗体またはHBs抗体陽性)では、再燃relapse 再燃(relapse)relapse(再燃) の徴候に注意する1
- 強いCYP3A4阻害薬の併用でR406の曝露量 drug exposure 曝露量(drug exposure) drug exposure(曝露量) が増えるため減量を検討する。逆に強いCYP3A4誘導薬 inducers 誘導薬(inducers) inducers(誘導薬) との併用は推奨されない。本剤側もCYP3A4・BCRP・P糖蛋白の基質(ロスバスタチンrosuvastatinロスバスタチン(rosuvastatin)rosuvastatin(ロスバスタチン)、ジゴキシン、シンバスタチンsimvastatin シンバスタチン(simvastatin)simvastatin(シンバスタチン) など)の血中濃度を上げうる51
- 18歳未満は米国添付文書で推奨されない(非臨床試験 clinical trial (clinical study) 臨床試験(clinical trial (clinical study)) clinical trial (clinical study)(臨床試験) で成長中の骨への影響が認められている)5
副作用
米国の二重盲検 double-blind 二重盲検(double-blind) double-blind(二重盲検) 2試験(本剤102例)で5%以上に生じた事象5。
| 頻度 | 内容 |
|---|---|
| 10%以上 | 下痢31%、高血圧28%、悪心19%、めまい11%、ALT上昇11%、呼吸器感染11% |
| 5〜10% | AST上昇9%、発疹9%、腹痛6%、疲労6%、胸痛6%、好中球減少6% |
| 重篤(各1%) | 発熱性好中球減少症febrile neutropenia, FN発熱性好中球減少症(febrile neutropenia, FN)febrile neutropenia, FN(発熱性好中球減少症)、下痢、肺炎、高血圧クリーゼhypertensive crisis高血圧クリーゼ(hypertensive crisis)hypertensive crisis(高血圧クリーゼ) |
💡 UGT1A1阻害による非抱合(間接)ビリルビン上昇は、肝障害と区別する。 日本の電子添文は、本剤がUGT1A1を阻害するため総ビリルビン total bilirubin 総ビリルビン(total bilirubin) total bilirubin(総ビリルビン) と非抱合(間接)ビリルビンが上昇しうると「臨床検査結果に及ぼす影響」の項に置いている1。米国添付文書はさらに踏み込んで、他の肝機能検査値の異常を伴わない間接ビリルビン indirect bilirubin 間接ビリルビン(indirect bilirubin) indirect bilirubin(間接ビリルビン) 単独の上昇なら頻回のモニタリングをしながら投与を継続すると用量調節 dose titration 用量調節(dose titration) dose titration(用量調節) 表に明記している5。
まとめ
- フォスタマチニブfostamatinib フォスタマチニブ(fostamatinib)fostamatinib(フォスタマチニブ) は脾チロシンキナーゼ spleen tyrosine kinase (SYK) 脾チロシンキナーゼ(spleen tyrosine kinase (SYK)) spleen tyrosine kinase (SYK)(脾チロシンキナーゼ) (SYK)阻害薬で、活性代謝物active metabolite 活性代謝物(active metabolite)active metabolite(活性代謝物) R406がマクロファージのFc受容体 Fc receptor Fc受容体(Fc receptor) Fc receptor(Fc受容体) シグナルを遮断し、自己抗体付着血小板の貪食・破壊を抑える。
- TPO受容体作動薬(産生を増やす)・リツキシマブ(産生源を減らす)とは作用点 target 作用点(target) target(作用点) が異なり、血小板破壊platelet destruction 血小板破壊(platelet destruction)platelet destruction(血小板破壊) の実行段階を止めるという第三のアプローチをとる。ASH 2026 は、TPO受容体作動薬とリツキシマブが適さないか本人が選ばない場合の選択肢としてSYK阻害薬を提案している(条件付き推奨・確実性は非常に低い)。2019年版では推奨の対象外だった。
- 適応は成人ITPだが病期の書き方が地域で違う。米国・EUは慢性、日本は持続性及び慢性。米国の適応要件は前治療1回以上で、複数回の前治療や特定の薬剤の失敗を条件にしていない。
- 開始100mgを1日2回、4週後に必要なら150mgを1日2回へ増量(1日300mgを超えない)。12週間で十分な血小板数 platelet count 血小板数(platelet count) platelet count(血小板数) に達しなければ中止するという打ち切り規定が3地域とも置かれている。
- ⚠️ 「禁忌なし」は米国の書き方にすぎない。 EUと日本は過敏症と妊娠を禁忌に挙げる。米国も胚・胎児毒性 embryo-fetal toxicity 胚・胎児毒性(embryo-fetal toxicity) embryo-fetal toxicity(胚・胎児毒性) を警告 warnings 警告(warnings) warnings(警告) に置き、避妊を求めている。
- 高血圧・下痢・好中球減少・肝機能障害liver dysfunction 肝機能障害(liver dysfunction)liver dysfunction(肝機能障害) が高頻度で、いずれも血圧・血算・肝機能の定期測定と段階的な減量規定に結びついている(測定間隔は米国・EUが月1回、日本が安定するまで2週ごと)。休薬drug holiday (treatment interruption)休薬(drug holiday (treatment interruption))drug holiday (treatment interruption)(休薬)・中止の閾値は好中球数1,000/μL未満、AST/ALTが基準値上限の5倍以上の持続、あるいは3倍以上かつ総ビリルビン total bilirubin 総ビリルビン(total bilirubin) total bilirubin(総ビリルビン) 2倍超。⚠️ 数値そのものはおおむね揃うが、線引きは3地域で完全には一致しない——高血圧クリーゼ hypertensive crisis 高血圧クリーゼ(hypertensive crisis) hypertensive crisis(高血圧クリーゼ) の拡張期はEU・米国が120 mmHg「超」・日本が110 mmHg「以上」、高血圧と肝障害で中止に至る期間(8週・4週・2週)はEUと米国だけが数字で示している。
- ⚠️ 血圧への介入が始まる高さが違う。 EU・米国の用量調節 dose titration 用量調節(dose titration) dose titration(用量調節) 表は Stage 1(収縮期130〜139 mmHg または拡張期80〜89 mmHg)から始まり、心血管リスクの高い患者ではこの段階で降圧薬 antihypertensives 降圧薬(antihypertensives) antihypertensives(降圧薬) を開始し、8週間で目標に達しなければ本剤を減量する。日本の表は140/90 mmHg以上が最初の段で、130/80台の段を置いていない。「140/90から」と一律に覚えない。
- 日本での正式な一般的名称はホスタマチニブナトリウム水和 hydration 水和(hydration) hydration(水和) 物で、本サイトの表記「フォスタマチニブfostamatinibフォスタマチニブ(fostamatinib)fostamatinib(フォスタマチニブ)」とは頭字が違う。国内資料を探すときは両方で引く。
- 併用の安全性は確立していない。EUの製品概要 Summary of Product Characteristics, SmPC/SPC 製品概要(Summary of Product Characteristics, SmPC/SPC) Summary of Product Characteristics, SmPC/SPC(製品概要) はJAK阻害薬・TPO受容体作動薬・リツキシマブとの併用が検討されていないと明記する。
出典
- 1.タバリス錠100mg/タバリス錠150mg 電子添文(医薬品医療機器総合機構(キッセイ薬品工業)・2026)冒頭の作成又は改訂年月が2026年5月改訂(第5版)である電子添文で、一般的名称が「ホスタマチニブナトリウム水和物錠」・有効成分の一般的名称が「ホスタマチニブナトリウム水和物(Fostamatinib Sodium Hydrate)(JAN)」であり用法・用量も「ホスタマチニブとして初回投与量100mg」と書かれていること(本サイトの表記「フォスタマチニブ」とは頭字が異なる)、効能・効果が「持続性及び慢性免疫性血小板減少症」であること、禁忌が成分への過敏症の既往と妊婦又は妊娠している可能性のある女性の2項目のみで疾患名は挙がっていないこと、7.5の用量調節表の高血圧が収縮期140mmHg以上又は拡張期90mmHg以上・収縮期160mmHg以上又は拡張期100mmHg以上・収縮期180mmHg以上又は拡張期110mmHg以上の3段階で、EU・米国の表にあるStage 1(収縮期130〜139mmHg又は拡張期80〜89mmHg)に相当する段が無いこと(2026-09-13に本文を再取得し、文書全体で「130mmHg」が0件であることを確認した)、いずれの段も「適切な降圧療法にもかかわらず血圧をコントロールできない場合」とするだけで期間を数字で示していないこと、最上段に高血圧クリーゼという名称を与えておらず(同語は11.1.2の重大な副作用にのみ現れる)その拡張期がEU・米国の「120mmHg超」と一致しないこと、好中球数1,000/μL未満で休薬し1,500/μL超まで回復したら1段階下げて再開すること、AST又はALTが基準値上限の3倍以上かつ総ビリルビンが基準値上限の2倍超なら中止すること、8項が血小板数・血圧・好中球数・肝機能検査をいずれも安定するまで2週ごとに実施すると定めていること、血小板数が250,000/μLを超えたら減量又は休薬すること、血小板数の増加に伴い血栓症・血栓塞栓症のリスクが高まる可能性があり血栓塞栓症の既往や素因のある患者は臨床試験に組み入れられていないこと、B型肝炎ウイルスキャリア・既往感染者では再燃の徴候に注意すること、重大な副作用として重度の下痢1.7%・高血圧21.2%・高血圧クリーゼ0.6%・好中球減少5.6%・発熱性好中球減少症0.6%・肺炎1.1%・肝機能障害17.3%が挙げられていることを確認した。閲覧 2026-09-08
- 2.American Society of Hematology 2026 Guidelines for Immune Thrombocytopenia (ITP)—Initial and Second-Line Therapy in Adults with Primary ITP(American Society of Hematology・2026)全57頁の本文PDFを取得して確認した。推奨2aが「副腎皮質ステロイド(±IVIG)による初回治療の後になお追加治療を要する成人の原発性ITPに血小板産生刺激薬(thrombopoietic agent)を推奨する(強い推奨・エビデンスの確実性は中)、またはリツキシマブを提案する(条件付き推奨・確実性は低)」、推奨2bが「そのうち血小板産生刺激薬・リツキシマブが適さないか本人が選ばない患者にBTK阻害薬・ミコフェノール酸モフェチル・SYK阻害薬を提案する(条件付き推奨・確実性は非常に低い)」であること。推奨2bのRemarksが、対象集団における現在の根拠は間接的すぎてこの3者を確定的に順位付けできないとし、副作用プロファイル・費用・入手可能性・共有意思決定で選ぶとしていること、またアザチオプリンは利益と害の釣り合いが劣るのでこの3者と同等ではないが低コスト・世界的な入手可能性・妊娠中の安全性から有用な場面があるとしていること。パネルが多群比較でアバトロンボパグ・エルトロンボパグ・ヘトロンボパグ・ロミプロスチム・遺伝子組換えヒトトロンボポエチンを互換として扱っていること。Table 1で2019年版の推奨5・6・7・8・9が撤回され本版の推奨1・2に置き換えられたこと。脾摘はGood Practice Statementsの章で扱われ、①至適用量・至適期間で複数の薬物療法に不応または不耐、②長期の薬物治療を避けたい、③重度の血小板減少に緊急の治療を要し薬物療法への反応が不十分、の3つはその章の背景の段に置かれた記述であって、good practice statement 本体は「可能なら診断後少なくとも1年は延期する」と「術前2週以上前の適切な予防接種・抗菌薬予防と生涯にわたる敗血症および血栓症のリスクの説明・発熱時の教育・術後は少なくとも年1回の追跡」の2本であること。本文中で「fostamatinib」が現れるのは参考文献4件の題名だけであること。⚠️ 出版社サイトは今回も403で、読んだのはInternet Archiveに保存された出版社のFirst Edition版PDF(組版前の採択原稿、Tracking no ADV-2026-021269R1)であり、誌上版との異同は確認していない閲覧 2026-09-17
- 3.American Society of Hematology 2019 guidelines for immune thrombocytopenia(American Society of Hematology・2019)3か月以上続くITPで副腎皮質ステロイド依存または無効の成人について、リツキシマブを脾摘より、TPO受容体作動薬をリツキシマブより優先する推奨(いずれも条件付き推奨・エビデンスの確実性は非常に低い)を全文で確認した。あわせて、本版の推奨が扱う第二選択治療が脾摘・TPO受容体作動薬・リツキシマブの3つに限られ、フォスタマチニブが推奨の対象外であること、今後の研究課題の節で「主に三次治療の場面で検討されてきた薬剤であり第二選択薬としての位置づけは確立していない」と述べられていることを確認した。⚠️ これらの第二選択の推奨は2026年版で撤回・置換されている。閲覧 2026-09-08
- 4.TAVLESSE 100 mg film-coated tablets, TAVLESSE 150 mg film-coated tablets — Summary of Product Characteristics (Annex I)(European Medicines Agency・2024)EUの製品概要(初回承認2020年1月9日。本文10項の「改訂年月」欄は空欄なのでEPARページの製品情報の最終更新2024年12月2日をyearの根拠にした)で、適応が「他の治療に抵抗性の成人の慢性ITP」であること、4.3の禁忌が有効成分・添加剤への過敏症と妊娠の2項目のみで、疾患名は1つも挙がっていないこと(したがってcontraindicatedDiseasesに入れる相手がいない)、4.2の用量調節表(Table 2)の高血圧の行が3段で、第1段がStage 1(収縮期130〜139mmHg又は拡張期80〜89mmHg。心血管リスクの高い患者で降圧薬を開始・増量し、8週間後に血圧目標に達していなければ本剤を1段階減量する)、第2段がStage 2(収縮期140mmHg以上又は拡張期90mmHg以上。140/90mmHg以上が8週間を超えて続けば1段階減量、160/100mmHg以上が積極的な降圧療法にもかかわらず4週間を超えて続けば休薬又は中止)、第3段が高血圧クリーゼ(収縮期180mmHg超かつ/又は拡張期120mmHg超)であること、すなわち160/100は独立した段ではなくStage 2の中の箇条であること、好中球数が1.0×10⁹/L未満へ低下し72時間後もなお低値なら休薬し1.5×10⁹/L超へ回復してから1段階下げて再開すること、AST又はALTが基準値上限の3倍以上かつ総ビリルビンが基準値上限の2倍超なら中止すること、他の肝機能検査異常を伴わない非抱合(間接)ビリルビン単独の上昇なら頻回の監視のもと継続すること、4.6が妊娠中は禁忌で妊娠が判明したら中止・授乳は治療中および最終投与後1か月間中止とすること、4.5がJAK阻害薬・TPO受容体作動薬・リツキシマブなど免疫調節薬との併用は検討されていないと明記していること、第III相2試験の組入れ例150例の前治療が副腎皮質ステロイド94%・免疫グロブリン53%・TPO受容体作動薬48%で前治療数の中央値が3(範囲1〜14)・35%が脾摘後であったこと、主要評価項目である安定した血小板反応(14〜24週の6回の来院のうち4回以上で5万/μL以上)が統合解析で本剤17%対プラセボ2%であったことを確認した。閲覧 2026-09-08
- 5.TAVALISSE (fostamatinib disodium hexahydrate) tablets, for oral use — Prescribing Information(U.S. National Library of Medicine, DailyMed(Rigel Pharmaceuticals)・2020)文書内の改訂表示が2020年11月である米国添付文書で、活性代謝物R406がB細胞受容体・Fc活性化受容体のシグナル伝達を阻害し抗体依存性の血小板破壊を減らすという機序、開始用量100mgを1日2回・4週後に必要なら150mgを1日2回へ増量する用法、300→200→150→100mg/日という減量順序と100mg/日未満が必要なら中止する規定、12週間投与しても臨床的に重要な出血を避けるのに十分な血小板数に達しなければ中止するという2.5項、4項の禁忌が「なし」と記載されていること、血圧を安定するまで2週ごと・その後は月1回、肝機能検査と好中球数を月1回測定する規定、R406の終末相半減期が約15時間であること、二重盲検2試験(本剤102例)の頻度が下痢31%・高血圧28%・悪心19%・浮動性めまい11%・ALT上昇11%・呼吸器感染11%・AST上昇9%・発疹9%・好中球減少6%であること、同じ試験で救援療法を要した患者が本剤30%・プラセボ45%、出血の発現が本剤29%・プラセボ37%であったことを確認した。2026-09-13に同じsetidをopenFDAのAPI(api.fda.gov/drug/label.json)で引き直し、製品名TAVALISSE・企業名Rigel Pharmaceuticals, Inc.であること、4項の禁忌が現在も「None.」であること、血圧を安定するまで2週ごと・その後月1回/好中球数を月1回とする規定、好中球数が1.0×10⁹/L未満へ低下した場合に休薬・減量・中止とすること、用量調節表(Table 2)の高血圧の行が3段で、第1段がStage 1(収縮期130〜139mmHg又は拡張期80〜89mmHg。心血管リスクの高い患者で降圧薬を開始・増量し、8週間後に血圧目標に達していなければ本剤を1段階減量する)、第2段がStage 2(収縮期140mmHg以上又は拡張期90mmHg以上。140/90mmHg以上が8週間超で1段階減量、160/100mmHg以上が積極的な降圧療法にもかかわらず4週間超で休薬又は中止)、第3段が高血圧クリーゼ(収縮期180mmHg超かつ/又は拡張期120mmHg超)であること、すなわち160/100は独立した段ではなくStage 2の中の箇条であること、肝毒性でAST/ALTが基準値上限の5倍以上のまま2週間以上持続すれば中止とすることを確認した。⚠️ このAPI応答のSPLはversion 11・effective_time 20251105で、本文に印刷された改訂表示(Revised)の文字列は応答に含まれない。DailyMedのサイトは同日に名前解決できず、yearが依拠している「2020年11月」の改訂表示を今回は再確認できていない。閲覧 2026-09-08
- 6.NDA 209299 Approval Letter — TAVALISSE (fostamatinib disodium hexahydrate) tablets(U.S. Food and Drug Administration, Center for Drug Evaluation and Research・2018)2018年4月17日を発効日とする承認書で、TAVALISSEが「前治療への反応が不十分であった成人の慢性免疫性血小板減少症(ITP)における血小板減少の治療」を適応として承認されたことを確認した。原文は前治療を1回(a previous treatment)と書いており、複数回の前治療を要件としていない。閲覧 2026-09-08