眼科学

眼科学 · ML-55

眼瞼腫瘍

Tumors of the eyelid

前提:正常
頭部:眼窩と眼感覚器:眼
症状
眼瞼黄色腫

🧠 全体像:眼瞼の腫瘍の大半は良性だが、悪性を見逃すと眼瞼・眼球・眼窩を失い、命にかかわる。見分ける幹は3つである。①眼瞼の構造が壊れているか(睫毛が抜ける、瞼縁が厚く不整になる、治らない潰瘍)、②速く大きくなるか・色が変わるか、③治らない「」「片眼の眼瞼炎」ではないか。悪性の頻度は > 扁平上皮癌 > > 悪性黒色腫(ほかにまれな)で、どれも生検で組織を確かめ、を顕微鏡で確認しながら取り切るのが治療の基本である。

眼瞼腫瘍の全体像

眼瞼の腫瘍には良性と悪性がある。

区分 主な腫瘍
良性 母斑、嚢胞(など)、角化症()、黄色板症、、
悪性 、扁平上皮癌、、悪性黒色腫(まれに)

生検された眼瞼の病変の大部分は良性で、悪性は一部にとどまる。悪性の中では表皮由来のと扁平上皮癌が多く、欧米ではが最多、扁平上皮癌が2番目である1。ただし頻度には地域差があり、インドではが眼瞼悪性腫瘍の53%を占めて最も多い1。

好発部位

眼瞼の腫瘍ができやすい場所は、多い順に次のとおりである。

flowchart TD
    A["1位:下眼瞼"] --> B["2位:内眼角"]
    B --> C["3位:上眼瞼"]
    C --> D["4位:<span class='jp-term jp-term-diagram' title='lateral canthus'>外眼角</span>"]

では約50%が下眼瞼、30%が内眼角、15%が上眼瞼、5%がにある1。

💡 下眼瞼が多いのは、日光(紫外線)を最もよく浴びるからである。紫外線のは、・扁平上皮癌・悪性黒色腫の最大の危険因子である1。例外はで、瞼板の中のが多い上眼瞼に多い(上眼瞼が下眼瞼の2〜3倍)2。

悪性を疑う所見

⭐ 次の所見があれば、良性に見えても悪性を疑う。

所見 なぜ悪性を疑うか
手術や外傷の既往がないのに睫毛や眉毛が抜ける 腫瘍が毛包を壊している
治らない片眼だけの眼瞼炎 が瞼縁やへ平らに広がると眼瞼炎に見える
瞼縁が厚くなる、瞼縁の形が不整になる 腫瘍が瞼縁の正常な構造を置き換えている
眼瞼や瞼縁の結節 ・の典型的な形
に似ているが、切開しても膿が出ない ではなく腫瘍の可能性。組織を病理検査に出す
治らない皮膚の傷(潰瘍) ・扁平上皮癌の潰瘍
急速に大きくなる 悪性を示す

では「いつからあるか、どのくらいの速さで大きくなったか、色が変わったか」を必ず聞く。出血・かゆみ・潰瘍・痂皮、以前の、免疫抑制、放射線治療歴、日光曝露も手がかりになる1。

⚠️ 臨床像がはっきりしないときは、生検して病理組織検査を行う。病理組織検査が確定診断の基準で、の前に必要である1。

診察の手順

  • やで病変を観察し、縦・横の大きさを mm で測って写真に残す。
  • 病変の縁を触り、深部に固定されていないかを確かめる。
  • 下眼瞼をし、上眼瞼は二重にして、瞼とに病変が広がっていないかを見る。は瞼や涙丘にも生じるので、この手順が欠かせない1。
  • 耳前・耳後・・下のリンパ節を触る。
  • 視力・眼球運動・瞳孔・を確かめる(眼窩への進展の手がかり)。
  • ひとつがあれば別の場所にもありうるので、で全身の皮膚を診てもらう1。
flowchart TD
    A["眼瞼の腫瘤・びらん・<br>治らない炎症"] --> B{"悪性を疑う所見はあるか<br>(睫毛脱落・瞼縁の破壊・潰瘍<br>急速な増大・色の変化)"}
    B -->|"ない"| C["良性として経過をみる<br>気になれば切除して病理へ"]
    B -->|"ある"| D["生検<br>(<span class='jp-term jp-term-diagram' title='incisional biopsy'>切開生検</span>・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='excisional biopsy'>切除生検</span>)"]
    C --> E{"大きくなる・色が変わる・<br>縁が不整になったか"}
    E -->|"はい"| D
    D --> F["病理組織検査で確定"]
    F --> G["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='resection margin'>切除縁</span>を顕微鏡で確かめる切除<br>(<span class='jp-term jp-term-diagram' title='Mohs micrographic surgery'>Mohs手術</span>・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='frozen section'>凍結切片</span>)"]
    G --> H["眼瞼の再建"]

良性の眼瞼腫瘍

良性腫瘍の多くは見た目の問題だけで、治療は「気になれば切除」である。ただし、大きくなる・色が変わる・縁が不整になるときは、悪性との鑑別のために切除して病理へ出す。

腫瘍 見え方 本態 治療と注意
下眼瞼を中心に、皮膚色〜黄色の小さな隆起が多数並ぶ の導管の細胞の増殖 切除・・レーザー
楕円形で平たく、淡い褐色〜黒色まで色はさまざま。表面が貼り付いたように見える 表皮の細胞の増殖と 大きくなる、見た目、悪性との鑑別が難しいときに切除
黄色板症 上下の眼瞼の内側に、左右ほぼ対称の黄色の扁平な板状の病変 脂質を取り込んだマクロファージ() 見た目の問題で切除。再発しやすい
隆起した滑らかな丸い嚢胞。単発のことも多発のこともある 表皮の袋の中に角質がたまる 切除するなら嚢胞の袋(被膜)ごと取る
母斑 瞼縁や眼瞼の皮膚の、色の付いた(ときに色の薄い)隆起 の増殖 大きくなる・色が濃くなる・縁が不整になれば切除

汗管腫

眼周囲に多く、若い女性に多い。皮膚色〜黄色がかった小さな隆起が、下眼瞼に沿って数多く散らばる。の導管の細胞が増えたものである。人口の約1%に見られ、女性に多く、思春期に現れて年齢とともに数が増える3。治療は切除・・レーザーで、見た目の改善が目的である。

脂漏性角化症

楕円形で平たく、色は淡い褐色から黒に近いものまでさまざまである()。大きさは2.5 cm ほどまでで、かゆみを伴うことがある。下眼瞼の睫毛のすぐ下に、黒褐色の丸く盛り上がった腫瘤としてできることもある。50歳を過ぎると増え、表面は脂ぎって皮膚に貼り付いたように見える3。

大きくなる場合、見た目が気になる場合、黒色腫などとの鑑別が難しい場合に切除する。

💡 黒いは悪性黒色腫に似ることがある。迷うものは切除して病理で確かめる。多数のが急に出てくる場合(Leser-Trélat 徴候)は、消化管の腺癌の手がかりになる3。

黄色板症

上眼瞼と下眼瞼の内眼角寄りに、左右ほぼ対称に、黄色い扁平な板状の病変ができる。中身は脂質を取り込んだマクロファージである。ゆっくり大きくなり、切除しても再発しやすい。治療は見た目が気になる場合の切除である。

⚠️ 従来の整理では「多くの患者の血清コレステロールは正常で、との関連はまれ」とされる。一方で、黄色板症の患者の約3分の1にがあるとする報告もある3。どちらの立場でもは同じで、黄色板症を見たら血清脂質を調べる()。

表皮封入嚢胞

隆起した滑らかな嚢胞で、ゆっくり大きくなる。単発のことも多発のこともある。上下の眼瞼縁に、表面がつやのある丸い嚢胞として見える。中央に小さな孔があることがある3()。

⭐ 切除するときは、嚢胞を包む袋(被膜)を残さず取る。袋が残ると再発する。

母斑

眼瞼や瞼縁の皮膚にさまざまな形で生じる。生まれたときには目立たず、思春期に色が濃くなる。瞼縁の母斑は睫毛の向きを乱すことがある。瞼縁に、表面が少し盛り上がった淡い色の母斑ができることもある()。

⚠️ 母斑が大きくなる、色が濃くなる、縁が不整になるときは、黒色腫との鑑別のために切除する。

悪性の眼瞼腫瘍

4つの主な悪性腫瘍の比較

項目 扁平上皮癌 悪性黒色腫
頻度 最多 2番目(欧米) 3番目前後(アジアでは多い) まれ
好発部位 下眼瞼・内眼角 下眼瞼・内眼角 上眼瞼 下眼瞼が多い
発育 ゆっくり より速い 速い 速い
典型的な見え方 真珠様の結節、中央の潰瘍、瞼縁の変形、睫毛脱落 炎症を伴う潰瘍、痂皮、周囲の組織を壊す ・に似る黄色の結節 不整な黒色の病変
転移 きわめてまれ 転移する 早くから転移(所属リンパ節・耳下腺) 早くから肝・肺・骨へ
治療 切除 できるだけ早く切除 できるだけ早く切除 できるだけ早く切除

基底細胞癌

眼周囲の悪性腫瘍で最も多い()。発育は遅く、転移はきわめてまれである。ただし局所では周囲の組織を少しずつ壊しながら広がる。

病型 特徴
真珠のような光沢のある結節。中央がくぼんで潰瘍になり、表面に細い血管が見える
斑状強皮症型() 結節を作らず、眼瞼の中へしみ込むように広がる。境界が分かりにくく、眼瞼を眼球から引き離す(させる)

⚠️ 結節を作らず眼瞼の中で広がるのは、斑状強皮症型のほうである。のほうが結節を作らないと読める旧来の説明もあるが、これは逆で、結節を作らないのは斑状強皮症型である。境界が見えないため、見た目より広く広がっていることが多い。

の所見の典型例は次のとおりである。

  • 下眼瞼の瞼縁に、睫毛が抜けた赤みのある結節があり、中央に出血しやすい小さな潰瘍がある。
  • 下眼瞼の皮膚に、つやのある小さな結節が数個集まった盛り上がりがある。
  • 進行例では、内眼角から下眼瞼にかけて組織が大きく壊れ、出血と痂皮を伴う潰瘍になる。

睫毛の脱落や瞼縁の不整が起こりやすい。治療は切除である1。

  • 眼瞼のの第一の治療は、Mohs か、3〜4 mm のをとったである1。
  • 眼周囲のの再発率は、Mohs 手術 2.9%、でを確かめる切除 1.9%、広範切除 5.9% と報告されている1。
  • 眼窩へ深く浸潤した例は、かつてはが行われた。現在は、術前に(の阻害薬)を使って、を避ける試みがある1。

💡 は転移しないので、治療の目標は「再発させずに取り切ること」と「眼瞼の形と働きを残すこと」の両立である。眼瞼は取れる皮膚のが少ないので、を顕微鏡で確かめながら必要最小限を取る方法が向いている。

(Gorlin 症候群)では、生涯にわたってが多発する危険がある1。紫外線による DNA 損傷を修復できないも、若いうちからが多発する遺伝性の病気である。皮膚のの全体像はで扱う。

扁平上皮癌

より速く大きくなり、しばしば炎症を伴い、周囲の組織を強く壊す。転移するので、診断したらできるだけ早く切除する()。

  • の皮膚に、痂皮と滲出液を伴う潰瘍があり、その下の組織が腫れて盛り上がる。
  • 下眼瞼から頬にかけて、赤く盛り上がった縁取りのある潰瘍(中央がくぼみ、痂皮がつく)ができる。

欧米では眼瞼悪性腫瘍の5%未満で、の約40分の1の頻度である1。であるから生じることがあり、臓器移植後の免疫抑制、ヒトパピローマウイルス、HIV 感染、も危険因子になる1。

治療はを顕微鏡で確かめる切除(多くは Mohs 手術)である。⚠️ 神経に沿って眼窩へ広がる()ことがあり、その場合はやも検討する1。(急に大きくなり自然に縮むことがある、中央にをもつドーム状の腫瘍)は扁平上皮癌と臨床的に区別できないので、生検で確かめる1()。

脂腺癌

瞼板のやのZeis 腺から生じる、浸潤性の悪性腫瘍で、早くから転移する()。眼瞼縁の黄色で痛みのない腫瘤として現れる1。上眼瞼に、表面が赤く盛り上がった腫瘤が瞼を押し下げるように見えることもある。

⚠️ 最大の落とし穴は、良性の病気に化けることである。はや慢性のに似る。を切開すると本来は膿や粥状の内容物が出るが、切開しても膿が出ないときは、必ず病理組織検査に出す。

項目
年齢 どの年齢にも 高齢者に多い
経過 多くは・切開で治る 同じ場所に繰り返す、治らない
切開したとき 膿・脂肪性の内容物が出る 膿が出ない、硬い組織
周囲 瞼縁の構造は保たれる 睫毛脱落、瞼縁の肥厚、片眼の

を最初にや眼瞼炎と誤って診断する例は多く(15.9〜20%、眼瞼炎14.4〜25%)、診断の遅れが予後を悪くしてきた。かつて死亡率は50%に達したが、最近の報告では4〜11%に下がっている1。60歳を超える人のなや片眼のでは、を疑う1。の扱いは眼瞼と睫毛の位置異常・・眼瞼の炎症を参照。

💡 が「眼瞼炎」に見えるのは、腫瘍細胞が表皮やの中を平らに広がる()からである1。塊を作らずにへ広がるので、見た目より範囲が広い。への広がりが疑われるときは、の複数の場所から生検する()2。

項目 内容
治療の第一選択 Mohs 手術、または全周の辺縁と深部のを顕微鏡で評価する切除1
が陽性のとき を繰り返す、またはのを追加しうる1
広範な眼窩浸潤 、または放射線治療
リンパ節 治療しないと所属リンパ節と耳下腺へ転移しうる2。を検討する
遺伝 Muir-Torre 症候群(Lynch 症候群の亜型。と大腸癌などの)との関連があり、遺伝学的検査を考える2

従来の5〜6 mm のによる広範切除では、5年死亡率18%、5年以内の再発30〜37%と報告されており、を全周で確かめる方法が勧められる2。

悪性黒色腫

眼瞼の浸潤性の悪性腫瘍で、早くから肝・肺・骨へ転移する。診断したらできるだけ早く切除する(悪性黒色腫)。上眼瞼の瞼縁に黒色の盛り上がった病変があり、上眼瞼をすると瞼の側にも黒い色素が広がっていることがある。

眼瞼の黒色腫は頭頸部の黒色腫の約2%にあたり、病型ではが最も多い1。治療は十分なをとった切除で、の幅は腫瘍の厚さ(Breslow の厚さ)で決める。が病期の判定に役立つ1。

⭐ は ABCDE で黒色腫を疑う。

文字 意味 黒色腫を疑う所見
A 非対称 形が左右(上下)対称でない
B 境界 縁がぎざぎざで不整
C 色 1つの病変に複数の色が混じる
D 直径 6 mm 以上、または色が濃い
E 変化 大きさ・形・色・盛り上がりの変化、出血・かゆみ・痂皮などの新しい症状

💡 5つのうち最も大切なのは E の「変化」である。小さくても「最近変わった」色素病変は黒色腫を疑う。皮膚の黒色腫の詳細はの病型・臨床徴候・予後因子で扱う。の黒色腫は、ぶどう膜の黒色腫は成人ので扱う。

メルケル細胞癌

まれだが悪性度の高いで、上眼瞼と眉毛部に生じる()。頭頸部のの最大20%が眼瞼にでき、高齢の白人に多く、若い患者はHIV 感染や臓器移植後などの免疫抑制下にあることが多い1。約80%がと関連する1。

項目 内容1
治療 5 mm のでの広範切除。放射線に感受性が高いのでを考える。を考える
転移例 化学療法、(、など)
予後 死亡率33〜46%。眼瞼のの10〜30%が遠隔転移する

治療の考え方:取り切ることと眼瞼を残すこと

Mohs 顕微鏡下手術

腫瘍を薄く切り取り、そのの全周と底面をその場でにして顕微鏡で調べる。腫瘍が残っている部分だけを追加で切り取り、腫瘍がなくなるまで繰り返す。

flowchart TD
    A["見える腫瘍を薄く切除"] --> B["切除した組織の<br>全周の辺縁と底面を<br>その場で<span class='jp-term jp-term-diagram' title='frozen section'>凍結切片</span>にする"]
    B --> C{"<span class='jp-term jp-term-diagram' title='resection margin'>切除縁</span>に腫瘍は残っているか"}
    C -->|"残っている"| D["残っている場所だけを<br>追加で切除"]
    D --> B
    C -->|"残っていない"| E["欠損を再建する<br>(眼形成外科)"]

💡 眼瞼では「余分に取る」ことの代償が大きい(・・角膜障害)。Mohs 手術は、腫瘍を取り残さないことと健常な組織をできるだけ残すことを両立させる方法で、・扁平上皮癌・で第一の選択肢になる1。

切除後の欠損は、Mohs 手術を行ったか眼形成外科医が再建する1。再建が不十分だと、瞼が閉じない()・・角膜の乾燥と障害が起こる(眼瞼と睫毛の位置異常・・眼瞼の炎症)。

腫瘍が眼窩へ広がったとき

眼窩へ広く浸潤した腫瘍では、眼球を含む眼窩の軟部組織をすべて取るが必要になることがある。ではの術前投与でを避ける試みがあり、では放射線治療も選択肢になる1。眼窩の腫瘍はで扱う。

再発予防と経過観察

  • 、紫外線を遮るサングラス、つばの広い帽子で紫外線を避ける1。
  • 1つがあれば別のも生じやすいので、全身の皮膚を定期的に診る1。
  • は、治療後3年間は半年ごと、その後は年1回の経過観察が勧められている1。

まとめ

  • 眼瞼の腫瘍は良性(母斑・嚢胞・・黄色板症・・)が大半。悪性は > 扁平上皮癌 > > 悪性黒色腫、まれに。
  • 好発部位は下眼瞼 > 内眼角 > 上眼瞼 > (紫外線が当たる順)。だけは上眼瞼に多い。
  • 悪性を疑う所見:睫毛・眉毛の脱落、治らない片眼の眼瞼炎、瞼縁の肥厚・不整、結節、切開しても膿の出ない「」、治らない皮膚の傷、急速な増大。経過・増大の速さ・色の変化を聞く。迷えば生検と病理組織検査。
  • 良性:(若い女性の下眼瞼の多数の小隆起、導管)、(黒いものは黒色腫と鑑別)、黄色板症(、再発しやすい、脂質を調べる)、(被膜ごと取る)、母斑(思春期に色が濃くなる、変化すれば切除)。
  • :最多、ゆっくり、転移はきわめてまれ。と、結節を作らず眼瞼にしみ込む斑状強皮症型。Mohs 手術か3〜4 mm の。
  • 扁平上皮癌:より速く、炎症を伴って組織を壊し、転移する。できるだけ早く切除。に注意。
  • ⚠️ :・Zeis 腺由来、上眼瞼、早く転移。慢性・に化ける。切開して膿が出なければ病理へ。には。Muir-Torre 症候群。
  • 悪性黒色腫:早く肝・肺・骨へ転移。ABCDE で疑う(非対称・・多色・6 mm 以上・変化)。できるだけ早く切除。
  • :上眼瞼・眉毛部、高齢者・免疫抑制、。広範切除+放射線、転移例は。
  • 治療の原則は、を顕微鏡で確かめて取り切り(Mohs 手術・)、眼瞼の形と働きを再建すること。

出典

  1. 1.Malignant Eyelid Lesions(StatPearls Publishing (NCBI Bookshelf)・2026)章本文(2026年6月8日更新版、NCBI FTPの書籍アーカイブのXML)で、眼瞼の悪性腫瘍の最大の危険因子が累積した紫外線曝露であること、欧米で基底細胞癌が最多で扁平上皮癌が2番目(眼瞼悪性腫瘍の5%未満、基底細胞癌の約40分の1)であること、インドでは脂腺癌が53%で最多であること、基底細胞癌の約50%が下眼瞼・30%が内眼角・15%が上眼瞼・5%が外眼角にあること、基底細胞癌の治療がMohs顕微鏡下手術か3〜4 mmの切除縁での切除で、眼窩浸潤例では眼窩内容除去術の代わりにビスモデギブの術前投与が試みられていること、眼周囲基底細胞癌の再発率がMohs手術2.9%・凍結切片で切除縁を確かめる切除1.9%・広範切除5.9%であること、扁平上皮癌は基底細胞癌より進行が速く眼窩への神経周囲浸潤がありうること、脂腺癌は眼瞼縁の黄色で無痛性の腫瘤として現れ霰粒腫・麦粒腫に似ること、上眼瞼の二重翻転が必要なこと、60歳を超える例の非典型的な霰粒腫や片眼の慢性眼瞼炎を疑うこと、Mohs手術または全周の辺縁と深部の切除縁評価が第一の治療で、切除縁陽性には凍結融解凍結療法かマイトマイシン局所投与を追加しうること、パジェット様進展で表皮と結膜上皮へ平らに広がること、誤診(霰粒腫15.9〜20%、眼瞼炎14.4〜25%)が予後不良の原因で死亡率が以前は50%に達したが最近は4〜11%であること、眼瞼の悪性黒色腫は頭頸部の黒色腫の約2%で悪性黒子型が最多であること、メルケル細胞癌は頭頸部例の最大20%が眼瞼に生じ上眼瞼と眉毛部の神経内分泌腫瘍で、5 mmの切除縁での広範切除と術後放射線療法、転移例には免疫チェックポイント阻害薬(アベルマブなど)が用いられ、死亡率が33〜46%・眼瞼例の10〜30%が遠隔転移すること、若年発症のメルケル細胞癌はHIV感染や臓器移植による免疫抑制下に多く約80%がメルケル細胞ポリオーマウイルスと関連すること、扁平上皮癌の危険因子にヒ素・ヒトパピローマウイルス・HIV感染があり角化棘細胞腫と扁平上皮癌を区別する決定的な所見がないこと、黒色腫の切除縁は Breslow の厚さで決めセンチネルリンパ節生検が予後情報を与えること、耳前・耳後・顎下・オトガイ下のリンパ節を触診し病変を写真に記録すること、単一の皮膚悪性腫瘍の患者は別の皮膚癌の危険が高いので全身の皮膚の診察へ紹介すること、日焼け止め・紫外線を遮るサングラス・つばの広い帽子による紫外線防御を指導すること、脂腺癌の治療後は3年間6か月ごと、その後は年1回の経過観察が勧められることも確認した閲覧 2026-09-29
  2. 2.Sebaceous Carcinoma(StatPearls (NCBI Bookshelf)・2024)章本文(2024年11月24日更新版、NCBI FTPの書籍アーカイブのXML)で、脂腺癌の約75%が眼周囲に生じ上眼瞼が下眼瞼の2〜3倍多いこと、霰粒腫・眼瞼炎・母斑と誤診されやすいこと、Muir-Torre症候群(Lynch症候群の亜型)と関連すること、組織学的にパジェット様進展を示し結膜のマッピング生検で病変の広がりを確かめること、治療しないと所属リンパ節と耳下腺へ転移しうること、全周の辺縁と深部の切除縁評価(Mohs手術を含む)が標準で、5〜6 mmの切除縁の広範切除では5年死亡率18%・5年以内の再発30〜37%と報告されていることを確認した閲覧 2026-09-29
  3. 3.Benign Eyelid Lesions(StatPearls Publishing (NCBI Bookshelf)・2023)章本文(2023年5月29日更新版、NCBI FTPの書籍アーカイブのXML)で、良性の眼瞼腫瘍として扁平上皮乳頭腫・表皮封入嚢胞・後天性メラノサイト母斑・脂漏性角化症・黄色腫などが挙げられること、脂漏性角化症は50歳以降に増え表面が貼り付いたような脂ぎった病変であること、多発する脂漏性角化症の急な出現(Leser-Trélat徴候)が消化管の腺癌と関連すること、表皮封入嚢胞は中央に小孔のある隆起した平滑な病変であること、汗管腫は人口の約1%に見られ女性に多く思春期に現れ加齢とともに増えること、黄色板症は中年以降に多く通常は両側の内眼角寄りの上下に生じ、患者の約3分の1に高脂血症があること、治療が外科的切除・炭酸ガスレーザー・トリクロロ酢酸の外用であることを確認した閲覧 2026-09-29