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Disease Atlas · 耳鼻咽喉科 · 疾患

外耳炎

Otitis externa

別名
外耳道炎Swimmer's ear
臓器系
耳鼻咽喉科
科目
ENT
トピック
耳鼻咽喉科 09:耳介・外耳道の疾患
鑑別疾患
急性中耳炎・慢性中耳炎急性乳様突起炎耳垢栓塞帯状疱疹接触皮膚炎
治療薬
シプロフロキサシンオフロキサシンデキサメタゾン
原因微生物
Pseudomonas aeruginosaStaphylococcus aureusAspergillus niger
症状
圧痛顔面神経麻痺耳痛腫脹掻痒伝音難聴浮腫分泌物疼痛
原因となる疾患
2型糖尿病

🧠 全体像は外耳道皮膚の急性びまん性炎症で、圧痛痛と、鼓膜は保たれているのに耳が痛いという組み合わせが典型である。緑膿菌黄色ブドウ球菌が主因で、治療の柱は局所耳内洗浄()と局所抗微生物薬であり、全身性抗菌薬は原則不要である1。糖尿病・高齢・免疫不全患者の治療抵抗性の強いは、であるを疑うである。

病態と危険因子

外耳道皮膚は作用(の排出、酸性pH、疎水性の膜)で微生物の定着を防いでいる。この防御機構が破綻すると、外耳道皮膚のびまん性炎症である急性(acute otitis externa)が生じる。

黒色〜灰色の分泌物と強い掻痒を伴う例、抗菌薬点耳が先行する例ではAspergillus nigerによる真菌性)を考え、へ切り替える。

💡 は「外耳道の蜂窩織炎」とイメージすると、なぜ圧痛・痛が誘発され、なぜ局所治療が中心になるかが理解しやすい。皮膚表層の限局した感染であり、全身に抗菌薬を回す必要は通常ない。

臨床像と診断

診断は病歴とによる臨床診断で、外耳道皮膚の浮腫・膿性分泌物を確認する。鼓膜は保たれるが、腫脹のために視認できないことがある。中耳炎との鑑別では、圧痛・牽引痛が陽性で鼓膜可動性は評価困難、中耳炎は牽引痛が陰性で鼓膜の発赤・膨隆・可動性低下が主体という違いに着目する。

治療

flowchart TD
  A["急性<span class='jp-term jp-term-diagram' title='otitis externa'>外耳炎</span>を疑う"] --> B["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='aural toilet'>耳内清掃</span>(<span class='jp-term jp-term-diagram' title='debris'>デブリ</span>・分泌物の除去) + 鎮痛 + 患耳を乾燥に保つ"]
  B --> C["局所抗微生物薬 ± 局所ステロイドを7〜10日間"]
  C --> D{"外耳道が高度腫脹し<br>薬液が届きにくい?"}
  D -->|"あり"| E["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='ear wick'>耳内ウィック</span>を留置して薬液を届ける"]
  D -->|"なし"| F["48〜72時間で再評価"]
  F --> G{"改善しない、または高リスク?"}
  G -->|"あり"| H["培養、診断再検討、<span class='jp-term jp-term-diagram' title='necrotizing otitis externa'>壊死性外耳炎</span>を除外"]
  • 単純な急性全身性抗菌薬は原則不要である1への進展、糖尿病・免疫不全などの高リスク患者、感染拡大の徴候がある場合にのみ全身治療を追加する。
  • 局所薬は、抗菌薬単剤、抗菌薬+ステロイド(など)配合など複数の選択肢があり、点耳薬()は非耳毒性で例にも使用しやすい。
  • ⚠️ が疑われる、または留置例では、アミノグリコシド系など耳毒性のある製剤の点耳を避けなど非耳毒性の製剤を選ぶ1
  • 疼痛が強い場合はで鎮痛し、原因となった水泳・・補聴器使用などの誘因を治療後も避けるよう指導する。

壊死性外耳炎(悪性外耳炎)

外耳道の感染が軟骨・骨を越えて・頭蓋底へ進展するで、緑膿菌が代表的な原因菌である。

⚠️ 高齢、糖尿病、免疫不全の患者で、治療に反応しない強い夜間、持続する膿性、外耳道床の(特に)を認めたらを疑う。不良の糖尿病患者は最大の危険群であり、単純なとして局所治療のみで経過を見てはならない2

  • 、炎症性マーカー、コンピュータ断層撮影(CT)とで骨・軟部組織・頭蓋内進展を評価する。
  • 糖尿病管理を含む全身管理下で、緑膿菌を標的とした全身性抗菌薬治療(中心、重症例では抗緑膿菌性βラクタム系を併用)を、改善を確認しながら少なくとも6週間継続する2
  • 難治例へのや、としてのは専門施設で個別に検討する。は標準治療を置き換えるものではない。

鑑別診断

疾患 鑑別点
圧痛・痛が陰性、鼓膜の発赤・膨隆が主体
耳介・外耳道の水疱、強いを伴う
皮膚・・軟骨の感染では比較的保たれる
・湿疹 掻痒優位で感染徴候()に乏しい
外耳道異物・腫瘍 片側性・難治性の症状、での

まとめ

  • 圧痛・痛との組み合わせは急性の典型像である。
  • 治療の中心はと局所抗微生物薬で、全身性抗菌薬は高リスク例・拡大例に限る。
  • が疑われる例ではを避け、糖尿病・高齢者の治療抵抗性の強いを疑う。

出典

  1. 1.Clinical Practice Guideline: Acute Otitis Externa(American Academy of Otolaryngology–Head and Neck Surgery Foundation (AAO-HNSF)・2014)単純な急性外耳炎の初期治療は局所抗微生物薬で全身性抗菌薬は用いない、鼓膜穿孔・チューブ留置例では非耳毒性の局所製剤を選ぶ閲覧 2026-08-02
  2. 2.Necrotizing Otitis Externa(StatPearls (NCBI Bookshelf)・2023)壊死性外耳炎の第一選択治療(フルオロキノロン中心、耐性時は抗緑膿菌性βラクタム±アミノグリコシド併用)と最低6週間程度の長期治療、糖尿病が最大の危険因子であること閲覧 2026-08-02