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  1. 2026 09.05

    細菌性髄膜炎の腰椎穿刺前画像の適応をWHO 2025の6項目へ直し、てんかんの定義と2025年発作分類の欠落を補った。

    • 疾患細菌性髄膜炎腰椎穿刺前に頭部画像を要する条件が「局在神経徴候・新規けいれん・乳頭浮腫・中等度以上の意識障害・重度免疫不全など」と曖昧だった。WHO 2025 の6項目(GCS 10未満/局在神経徴候/脳神経麻痺/乳頭浮腫/成人の新規発症けいれん/高度の免疫不全、いずれも強い推奨)へ置き換え、脳神経麻痺の欠落と意識障害の閾値を補った。バンコマイシンの併用は全例ではなく耐性肺炎球菌の頻度が高い地域での条件付き推奨であることを明示。デキサメタゾンは「抗菌薬投与後では効果が薄れる」ではなく「遅れるほど効果は小さくなるので同時か、できるだけ早く」であり、期間は「最長4日間」。髄膜炎菌流行期はルーチン投与しない・肺炎球菌流行期は投与する、という向きの逆転も追加した。Listeria をカバーする年齢閾値が資料により50歳以上と60歳超で異なることは併記した。前方仙骨髄膜瘤からの直腸硬膜瘻による経路も病態に追加。(出典:WHO 髄膜炎ガイドライン 2025、Rahimizadeh 2020)
    • 疾患てんかんILAE 2014 実用的定義の第2項を「今後10年間の再発確率が60%以上」とだけ書いていたが、原文は「2回の非誘発発作後の一般的な再発リスクと同程度(少なくとも60%)」で、60%という数字の由来が落ちていた。同報告の「解消(resolved)」の定義(年齢依存性症候群で該当年齢を過ぎた、または10年間発作が無く直近5年間は抗発作薬を用いていない)も欠落していたため追加。2025年ILAE発作分類については、全般性発作が欠絶・全般強直間代・その他の3群に整理され陰性ミオクローヌスが新たに発作型として認められたこと、発作型が63から21へ整理されたことを表に反映した。アンジェルマン症候群のてんかん(最大90%、非けいれん性てんかん重積20%、発症1〜3歳)を病因分類に追加。(出典:ILAE 実用的定義 2014、ILAE 発作分類 2025、GeneReviews Angelman 2025)
    • 疾患小頭症定義の不等号が「平均より2SD以上小さい」と書かれていたが、原文は「2SDを超えて下回る」で、区分表も −2SD/−3SD の境界が重なっていた。隙間なく張り直し、−2SD未満が集団の約2%・−3SD未満が約0.1%という統計的な意味を添えた。あわせて「遺伝性の原因は必ず出生時から頭囲が小さい」という読み方を防ぐため、アンジェルマン症候群では頭囲の伸びが遅れて2歳ごろに小頭症になり、頻度は25〜80%、正常頭囲でも本症を除外できないことを追記した。(出典:Hanzlik & Gigante 2017、GeneReviews Angelman 2025)
  2. 2026 09.05

    アンジェルマン症候群の睡眠障害の頻度と抗発作薬の位置づけ、前方仙骨髄膜瘤の発症年代、Apert症候群の頻度の帰属を原著に当たって是正した。

    • 疾患アンジェルマン症候群睡眠障害の頻度が70〜80%と書かれていたが、GeneReviews の Table 2 は80〜90%である(本文2箇所)。抗発作薬を「第一選択」と格上げしていた点も是正——原文は「多くの抗発作薬が有効でありうるが、本症に特異的に有効と示されたものは無い」で、よく使われる4剤は使用実態調査、効きにくいとされる6剤は保護者調査に基づく。有病率は原文が「people」であり「出生」ではないこと、GeneReviews(1:12,000〜1:24,000)と MedlinePlus(1/12,000〜20,000)で値が異なることも併記した。色素低下を「欠失型のみ」と断定していたが、同じ出典が本文で「欠失を持たない人にも見られうる」と述べているため書き分けた。非けいれん性てんかん重積(20%)と臨床診断基準(Williams 2006)の項目、特徴的脳波の欠落も補った。(出典:GeneReviews Angelman 2025)
    • 疾患前方仙骨髄膜瘤発症年代を「20歳代から30歳代」としていたが、原文の「the second or third decades of life」は10歳代から20歳代である(本文と出典のclaimの両方を是正)。三日月状仙骨の「症例の50%」は原著に母集団が示されず先行6文献をまとめて引いた記載であることを明示し、pathognomonic を「病理特異的」と訳していたのを「特徴的」に直した。Currarino三徴については「本症は三徴の一つ」と断定していたが、原文は「一部でありうる」であり、三徴の第3要素は仙骨前腫瘤(前方髄膜瘤・奇形腫・腸管性嚢胞を含む)である。穿刺・生検を「禁忌」と書いていた点も、出典の言い方(経直腸・経腟的吸引は感染と再発の危険から有害と示されている)と実務上の扱いを分けて書いた。(出典:Rahimizadeh 2020、Choucha 2024)
    • 疾患Apert症候群比較表のPfeiffer欄が「GeneReviewsは頻度を述べていない」と書きながら約50%・28%を同じセルに並べていた。全文を確認したところ、この2つはまさに同章にある値で、28%は水頭症に外科的介入を要した小児の割合、50%はクローバー葉状頭蓋を伴う人のうちChiari I奇形を持つ割合と、母集団が別である。数値に脚注と母集団を付け、否定は「脳の構造異常の一覧・頻度を挙げていない」という確かめられる範囲に限定した。Apert症候群の脳の構造異常にも頻度(脳梁の異常23%・透明中隔欠損17%・Chiari I奇形17%・後頭蓋窩くも膜嚢胞7%)を付け、水頭症の頻度が章によって6〜13%と2%に割れていることも明記した。(出典:GeneReviews FGFR頭蓋縫合早期癒合症 概説、GeneReviews Apert症候群)
    • 疾患変形性足関節症足関節全置換術と関節固定術を比較したTARVA試験の組入れ基準が「50〜85歳」しか書かれていなかったが、同試験は「どちらの術式にも適する患者」に限って登録している。「差が無い=どちらでもよい」がこの条件付きの結論であることを本文・まとめ・claimに明記した。あわせてSaltzman 2005が題名と方法では639 patients、抄録の結果では639 ankles と単位が揺れており、406関節を用いた別コホートと関節単位では突き合わせられないことを注記。保存療法の節にはこのノートの出典がいずれも保存療法を評価していないことを明記した。(出典:TARVA 2022、Saltzman 2005)
  3. 2026 09.05

    クロザピンの日本のCPMSについて、電子添文に無い血糖測定の間隔と再投与の手続きをCPMS運用手順第9.0版から起こし、疾患ノート側の重複を薬剤ノートへ寄せた。

    • 薬剤clozapineこれまで「電子添文に数値が示されずCPMSの規定に委ねられている」としか書けなかった血糖モニタリングを、CPMS運用手順第9.0版(2026年7月21日改訂)から補った。投与前の値でプロトコールA(空腹時110 mg/dL未満・随時140 mg/dL未満・HbA1c 6.0%未満)/B(110〜125・140〜179・6.0〜6.4%)/C(126以上・180以上・6.5%以上)に分け、測定間隔はAが投与開始4週間後と12週間後(固定日、7日前までが許容範囲)および以降12週間ごと、Bが4週間ごと、Cが血糖2週間ごと・HbA1c 4週間ごとと定められている。一度Cに合致すると数値が回復してもeCPMSの判定はCのままとなる。あわせて再投与検討基準が2項目(本剤と白血球数・好中球数減少の関連がないと考えられること、患者または代諾者の希望と同意)であること、および再投与の手続きがレッド判定後の最低値で2経路に分かれること(白血球2,000/mm³以上かつ好中球1,000/mm³以上なら「申請書」で事務局が記載状況を確認、いずれかを下回れば「検討依頼書」に血液内科医のコメントを付し血液内科医の出席のもとで委員会が審査)を追加した。禁忌2.15の除外規定がアドレナリンにのみ掛かり、ノルアドレナリンには置かれていない点も是正した。(出典:CPMS運用手順 第9.0版、クロザリル錠 電子添文)
    • 疾患統合失調症クロザピンの血液モニタリングの日米2節(約2,600字)が薬剤ノートと重複していたため、疾患ノート側は日米で見る指標と止める高さが違うこと・日本ではCPMS登録が投与の条件で原則18週入院であることの2点に縮め、詳細は薬剤ノートへ寄せた。米国のREMSが2025年2月24日の運用切替と2025年6月13日の正式廃止という2段階で解除されたこと、およびFDAが添付文書どおりのANC監視の継続を求めていることの記述も薬剤ノートへ移した。(出典:FDA drug safety communication)
  4. 2026 09.05

    統合失調症の治療について、米国精神医学会2020年ガイドラインの推奨の強さ(持効性注射剤・心理社会的治療・モニタリング間隔)を出典付きで補った。

    • 疾患統合失調症持効性注射剤の推奨を「服薬継続の困難が再発に直結する場合」から原文どおりの「本人が希望する場合、またはアドヒアランスが不良もしくは不確実な既往がある場合」へ是正し、これが推奨(1)ではなく提案(2B)であることを明示した。副作用モニタリングの間隔も「定期的に再評価」から具体化し、BMIは開始後6か月は受診ごと・以降3か月ごと、空腹時血糖またはHbA1c・脂質・メタボリックシンドローム判定は新規治療の4か月後・以降年1回、AIMS/DISCUSは高リスクで6か月ごと・それ以外は12か月ごととした。心理社会的治療にも推奨の強さが付いていることを表で追加(家族心理教育・援助付き雇用・認知行動療法・包括型地域生活支援が1B、家族介入2B、認知機能改善療法と社会生活技能訓練2C)し、初回エピソード精神病への統合的専門ケア(1B)を新たに記載した。無出典だった「抗コリン薬はアカシジアには推奨されていない」も、アカシジアの推奨文が減量・変更・ベンゾジアゼピン追加・β遮断薬追加の4つであるという肯定形へ書き換えて裏づけた。(出典:APA Practice Guideline 公式トレーニングスライド)
  5. 2026 09.05

    アスピリン増悪呼吸器疾患の生物学的製剤について、日本の電子添文で鼻茸の適応の有無を3剤とも確認し、オマリズマブに鼻茸の適応が無いことを国別に書き分けた。

    • 疾患アスピリン増悪呼吸器疾患鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎に対する生物学的製剤の日本の承認状況を電子添文で確認して追加した。オマリズマブは効能が気管支喘息・季節性アレルギー性鼻炎・特発性の慢性蕁麻疹の3つのみで鼻茸の適応は無い。メポリズマブは100 mgペン・シリンジのみにあり小児用40 mgシリンジは気管支喘息だけ、テゼペルマブは2026年2月の効能変更で追加された。⚠️ 両剤とも喘息は成人および12歳以上の小児だが鼻茸の適応は成人のみで、いずれも「全身性ステロイド薬、手術等ではコントロールが不十分な患者に用いること」という限定と「24週までに治療反応が得られない場合は漫然と投与を続けない」という定めが置かれている。あわせて生物学的製剤の適応基準をEPOS/EUFOREA 2023年更新へ改め、血中好酸球の閾値が250/µL以上から150/µL以上へ引き下げられたこと、効果判定の時期が16週から6か月へ改められ反応段階が0項目=無反応/1〜3=不良〜中等度/4〜5=良好〜優秀に単純化されたこと、救済治療の指標に手術の必要性の低下が加わったことを記載した。副鼻腔手術と脱感作の間隔が資料で割れて見える点も、AAAAIの3〜4週が前向き観察研究の設計に由来し、White 2020の4〜6週が術者側の事情に由来するという由来の違いとして書き分けた。(出典:ゾレア電子添文、ヌーカラ電子添文、テゼスパイア電子添文、EPOS/EUFOREA update 2023)
    • 薬剤omalizumab適応の表が「重症喘息や鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎など、個別の適応に基づく専門的使用」と国を書かずに並べていたため、日本の効能は季節性アレルギー性鼻炎であって鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎は含まれず、同じ適応が米国の添付文書には存在する(鼻噴霧用ステロイドで効果不十分な18歳以上の成人への上乗せ維持療法)と書き分けた。(出典:ゾレア電子添文、DailyMed XOLAIR)
  6. 2026 09.05

    慢性非細菌性骨髄炎に2026年のEULAR/ACR分類基準とGKJR推奨を反映し、診断時年齢を発症年齢と取り違えていた記述と骨生検の適応の狭めすぎを是正した。

    • 疾患慢性再発性多発性骨髄炎2026年に公表されたEULAR/ACRの小児慢性非細菌性骨髄炎(CNO)分類基準を追加した。典型的なX線・MRI所見と骨痛を必須の入口基準とし、悪性腫瘍・感染・ビタミンC欠乏・低ホスファターゼ症を除外したうえで、臨床5領域と病理・検査4領域の加点で合計55点以上をCNOと分類する(検証コホートで感度82%・特異度98%)。⚠️ これは分類基準であって診断基準ではなく、同年のGKJR推奨も「診断基準もバイオマーカーも無いためCNOは除外診断のまま」と述べている点を書き分けた。GKJR推奨からは、診断に可能なら全身骨格画像(通常MRI)を含めること、椎体病変には速やかなビスホスホネートおよび/またはTNF阻害薬を用いること、治療中止後を含む長期モニタリングが必要なことを追加。CARRA合意治療計画(2018)の3レジメンとパミドロン酸の用量も補った。あわせて「発症年齢の中央値は10歳」を原文どおりの「診断時年齢の中央値は10歳」へ是正し、症状出現から診断まで平均12か月の遅れがあることを併記した。骨生検の適応も「単巣性または非典型的な部位の病変に限って行う」という排他条件から、原文の「とくに単巣性および/または非典型的な部位、2歳未満の発症、治療下での非典型的な経過の場合に考慮する」へ改めた。(出典:EULAR/ACR Classification Criteria for Pediatric CNO、GKJR recommendations、CARRA consensus treatment plans)
    • 疾患アルコール性ケトアシドーシス「乳酸が4 mmol/Lを超えるならアシドーシスの別の原因を探す」を断定のまま置いていたが、他の急性病態を併発していない本症41例のうち33例(80%)が乳酸4 mmol/L以上・中央値10.7 mmol/L(IQR 7.7〜14.5)だったとする2025年の報告があるため、資料で割れている形へ書き分け、4 mmol/L超を本症の否定に用いないよう注記した。「Wernicke脳症予防のためブドウ糖より先にチアミン」という教えについても、19編を評価した文献レビューが症例報告・症例集積の水準を超える証拠は1編も無いと結論していること、および低血糖患者へのブドウ糖投与を遅らせることは推奨できないとしていることを追加した。尿ケトンについて、全体像とまとめが例外(偽陰性)を通例のように断定していたため、本文の表と同じ「通常は陽性だが陰性でも本症を否定しない/弱陽性にとどまりうる」へ揃えた。(出典:Maeda et al. Am J Emerg Med 2025、Schabelman & Kuo J Emerg Med 2012)
  7. 2026 09.05

    先天性筋性斜頸を2024年版の理学療法ガイドラインへ更新し、胸鎖乳突筋腫瘤による紹介の境界が7か月から6か月へ前倒しされたことを反映した。

    • 疾患先天性筋性斜頸米国理学療法士協会小児理学療法アカデミーの臨床実践指針が2024年版に改訂されていたため、2018年版のままだった記述を更新した。医師への紹介基準のうち胸鎖乳突筋腫瘤を理由とする境界が7か月以上から6か月以上へ前倒しされ、年齢を問わず形状・位置が変化ないし増大する腫瘤も加わった。さらに生後6か月以上の遅発性斜頸の既往・急性斜頸の既往・頸部他動可動域の評価中の顔色変化・胃食道逆流症が紹介条件に追加された。初回選択の介入の第1要素は「他動可動域が制限されている場合の頸部他動関節可動域訓練」と限定されたうえでエビデンスの質I・推奨強度Strongへ格上げされ、頭蓋顔面の非対称の評価にArgenta分類尺度のような定量的方法を用いる指定がAction Statementの文言に入った。直接介入の終了後3〜12か月・歩行開始時・非対称に気づいたときの完全な再評価を経て卒業とする条項は2018年版からあるもので、2024年版では発動条件に「保護者または主治医が非対称な姿勢に気づいたとき」が加わった。相談開始の目安(4〜6週/6か月)の期間は変わらないが、対象が「先天性筋性斜頸または姿勢の非対称のある児」へ広がり相談先が主治医からプライマリケア提供者へ改められている。(出典:2024 Evidence-Based CPG)
    • 疾患先天性側弯症「進行の判定はCobb角の年10度以上の悪化をもって行う」としていたが、原著は期間を限定せずに「Cobb角の10度以上の悪化を有意な悪化とみなす」と書き、手術を検討する閾値として別に「年10度を超える進行」を挙げていたため、2つの閾値に分けて書き直した(判定基準が緩む方向の食い違いだった)。経過観察の間隔も「出典では確認できていない」としていたのは誤りで、原著の記載どおり出生から5歳までは6〜9か月ごと、5〜10歳は年1回、思春期から骨成熟終了までは6か月ごととした。あわせて成長温存手術(VEPTR・成長ロッド・磁気駆動成長ロッド)と半椎切除の現在の位置づけ、全例へのMRI、脊髄係留は側弯矯正より先に解除すること、腎超音波は症状の有無にかかわらず必要であることを2025年の総説から追加した。(出典:Congenital Scoliosis: A Comprehensive Review, J Clin Med 2025)
  8. 2026 09.05

    根尖性歯周炎に欧州歯内療法学会のS3レベル診療ガイドライン(2023)を反映し、ビタミンD欠乏の区分を米国内分泌学会2011年版の原文どおりへ是正した。

    • 疾患根尖性歯周炎欧州歯内療法学会のS3レベル臨床実践ガイドライン(2023)を追加した。修復可能な歯の症候性歯髄炎・根尖性歯周炎の緊急対応には、抜歯や全身抗菌薬の処方ではなく生活歯髄療法または根管治療を行うことが強く推奨されている。全身抗菌薬は歯内療法の補助に限られ、適応は易感染性患者の急性根尖膿瘍、全身症状(限局した波動性腫脹・38℃超・倦怠感・リンパ節腫脹・開口障害)を伴う急性根尖膿瘍、進行性感染の3つ(残る2つは外傷の管理)である。画像診断の推奨(根尖部X線のルーチン使用が強い推奨、CBCTは診断に疑いが残る場合の追加でOpen)と、経過観察の期間および治癒判定の条件(非外科・外科とも少なくとも1年後、その後必要に応じて4年まで)も追加した。(出典:ESE S3-level clinical practice guideline)
    • トピックNon-osteoporotic bone diseases; extraskeletal effects of vitamin D deficiency米国内分泌学会2011年版の充足の定義を「30 ng/mL以上」から原文どおりの「30〜100 ng/mL」へ改め、区分としては30ちょうどを含む一方で治療目標を述べる節は「30 ng/mL超」と書いており節によって揺れることを明示した。区間の隙間の注記も、従来の「20ちょうどが属さない」に加えて「不足の上端29と充足の下端30の間も属さない」を補った。2024年版の2件の訂正(2025年)を確認し、本ノートの「前版を置き換える」「食事摂取基準を超える補充を提案しない」という記述がいずれも訂正後の本文と一致することを裏づけた。(出典:Endocrine Society Clinical Practice Guideline 2011、Correction to: Vitamin D for the Prevention of Disease)
  9. 2026 09.05

    心房粗動のI群抗不整脈薬の位置づけを国内ガイドラインで整理し、非定型大腿骨骨折に診断基準と固定法・デノスマブ中止の反跳を、成人T細胞白血病リンパ腫に日本と国外の治療方針の違いを補った。

    • 疾患心房粗動フレカイニド・プロパフェノン・ジソピラミドといったI群抗不整脈薬を「1:1房室伝導へ悪化させる落とし穴」としてのみ扱っていたが、JCS/JHRS 2020ガイドラインは器質的心疾患がなく血行動態も安定している例での停止・再発予防を推奨クラスIIaに置いている。適応(IIa)と行うべきでない条件(クラスIII:血行動態不安定・中等症以上の心機能低下・Brugada症候群・徐脈頻脈症候群)を書き分けた。1:1房室伝導への悪化には、抗コリン作用をもつI群薬(ジソピラミド・シベンゾリン)が房室伝導を促進する経路と、Ic群薬が粗動周期を延ばす経路の2つがあることも追記した。あわせてヴェルナカラントは典型的心房粗動を洞調律へ戻す効果が示されておらず、むしろ心房細動投与例の一部が心房粗動へ移行するため治療薬の一覧から外した。カルディオバージョン後の抗凝固4週間(心房スタンニング)とレートコントロールの推奨クラス・同期下カルディオバージョンのエネルギー量も補った。(出典:JCS/JHRS 2020 不整脈薬物治療ガイドライン、Brinavess EPAR product information)
    • 薬剤vernakalant出典を1件も持たないノートだったため、EUの製品概要から「典型的心房粗動を洞調律へ戻す効果は示されていない」「心房細動へ投与した患者の一部が投与後2時間以内に心房粗動へ移行する(頻度 common)」「まれに1:1房室伝導を伴う心房粗動が市販後に報告されている」を裏づけた。あわせて救急部門の後ろ向き比較899例(洞調律復帰率76.7%対フレカイニド69.5%対アミオダロン67.3%、洞調律までの時間中央値0.25時間対2.58時間対8時間)と、米国ではFDAの安全性上の懸念により未承認であることを追記した。(出典:Brinavess EPAR product information、BMC Emerg Med 2026)
    • 疾患非定型大腿骨骨折ASBMR 2013改訂症例定義(主要所見5項目のうち4項目以上、副所見4項目、除外規定)を追加し、副所見の欠如が否定の根拠にならないことを明示した。完全骨折の固定を「通常の大腿骨骨幹部骨折と同様」としていた記述を、大腿骨全長にわたる長い髄内釘が標準である(77研究733骨折の系統的レビューで再手術率は髄内釘12.9%対プレート31.3%)へ是正し、ビスホスホネートが阻害するのは一次癒合であるという機序を添えた。デノスマブは中止するだけで反跳性骨吸収から多発椎体骨折を招くため次の薬を決めてから止めること、ISCDのスクリーニング推奨、不全骨折の3段階の対応(有症状かつ機能障害なら予防的髄内釘。癒合率は最大97%に対し非手術では47%が完全骨折へ進行)、アジア人での高い発生率(10万人年あたり18.7例対白人7.6例)と日本整形外科学会2023年全国調査(745例・803骨折)、骨吸収抑制薬中止後およそ1年で発生率が基線へ戻ることを追記した。(出典:AFOS 2025 consensus)
    • 疾患成人T細胞白血病リンパ腫治療方針が日本と国外で異なる点を書き分けた。日本血液学会の診療ガイドライン(2023年版)は、非侵襲性ATLL(予後良好な慢性型・くすぶり型)に有効な治療が確立していないことを理由に侵襲性への進行まで無治療で経過観察するのが国内のコンセンサスであるとし、国際コンセンサスが挙げるインターフェロンα+ジドブジンは日本では未承認である。あわせて70歳未満の未治療侵襲性ATLLに対するVCAP-AMP-VECP、モガムリズマブ上乗せの効果が完全奏効率にとどまり全生存率・無増悪生存率では示されていないこと、侵襲性ATLLの中枢神経系予防、再発・難治例に日本で保険適用のある4剤(モガムリズマブ・バレメトスタット・レナリドミド・ツシジノスタット)の奏効率と生存期間、病型別の頻度と4年全生存率を追加した。「HTLV-1血清学という単一の検査で明確に切り分けられる」という記述は、高浸淫地域ではキャリアが多いため必要に応じてゲノム解析を要するという国際コンセンサスの記述に合わせて後退させた。(出典:JSH practical guidelines 2023 (ATL)、国際コンセンサス 2019)
  10. 2026 09.05

    環軸椎回旋位固定の3徴の向きを原著の症例・画像所見に合わせて是正し、フィゾスチグミンを避ける線引きを薬剤名からQRS延長へ、Apert症候群に機序と気道・眼合併症の管理を補った。

    • 疾患環軸椎回旋位固定3徴の3番目「病変と反対側へ正中を越えて頭部を回せない」を、「固定された回旋と反対の向き(=前方転位した環椎外側塊のある側)へ回せない」へ是正した。原著(Global Spine Journal 2014)は3徴の記述と、姿勢の記述・提示症例・経口正面像の所見・徒手整復の手順とで「病変側」の取り方が逆になっており、後者4つが一致する向きを採った。あわせて経口正面像の左右(前方転位=回旋と反対側/後方転位=回旋と同側)を復元し、画像診断に単一のゴールドスタンダードを置かない現在の記述(同じ2026年総説の抄録はCTをゴールドスタンダードと呼んでおり、抄録と本文で扱いが割れていることも明示した)と、整復可能性を組み込んだPUTH分類、手術適応と後方固定を追加した。(出典:Global Spine J 2014、JBJS Open Access 2026)
    • 疾患抗コリン薬中毒フィゾスチグミンを「三環系抗うつ薬中毒が疑われる時点で避ける」としていたまとめを、161文献・2,299例の叙述的レビューの結論に合わせ「心電図でQRSが延長している例では避け、冠動脈疾患の既往やQRSを延長させる薬物の過量摂取では慎重に用いる」へ改めた。致死的な徐脈性不整脈は投与前からQRSが延長していた三環系抗うつ薬中毒例とプロプラノロール併用の1例に限られていたこと、なぜQRSが鍵になるのか(ナトリウムチャネル遮断に抗ムスカリン由来の頻脈の喪失が重なる)、0.5 mgずつ緩徐に投与し最初の1時間で合計2 mgまでという投与法、有害事象の内訳を追加した。⚠️ 著者ら自身がこの推奨は4例の症例報告に基づくと本文で断っており(この一文は抄録には無い)、その但し書きも併記した。(出典:J Med Toxicol 2019)
    • 薬剤activated charcoal, kaolin出典を1件も持たないノートだったため、AACT/EAPCCTの見解表明で用法の記述を裏づけた。活性炭に吸着される毒物を中毒量摂取して1時間以内の症例で考慮しうる一方、臨床転帰の改善を示すエビデンスは無く、気道が保たれているか確保されていなければ禁忌であること、ボランティア試験での吸収抑制が投与30分後で平均47.3%・60分後40.07%・120分後16.5%と落ちることを追記し、代表的な適応として抗コリン薬中毒を名指しした。(出典:Position paper: Single-dose activated charcoal)
    • 疾患Apert症候群GeneReviewsで確認し、FGFR2の機能獲得(病的バリアントがリガンドの解離を減らしシグナルを増強する)という機序、塩基配列解析で拾えない大きな欠失とエクソン9内・近傍への3件のde novo Alu挿入、気道閉塞の管理(睡眠時無呼吸へのCPAP/BiPAPの長期使用は中顔面への圧が中顔面後退を悪化させるため可能な限り避ける)、眼球突出に続発する露出性角膜症・角膜瘢痕8%と眼潤滑剤による保護を追記した。(出典:GeneReviews: Apert Syndrome)