内科学

内科学 · L-62

血小板減少症

Thrombocytopenias

前提:病態
凝固系の低下と亢進が併存する病態(TTP・HIT・DIC)
前提:正常
止血と血小板の役割
薬剤
ダナパロイド
疾患
免疫性血小板減少症
検査値
破砕赤血球

🧠 全体像:は <150 G/Lである。最初にを除外し、産生低下・破壊/・分布異常へ分ける。を伴う()は、検査確定を待たず治療する救急疾患である。

原因と出血リスク

機序 主な原因 手掛かり
産生低下 、骨髄異形成、白血病・、化学療法、感染、B12/葉酸欠乏 他系統の血球減少、異常細胞
破壊・ 、薬剤性、/、DIC、敗血症、HIT 溶血、凝固異常、血栓、薬剤歴
分布・希釈 、肝疾患、大量輸血 脾腫、門脈圧亢進

一般に70〜149 G/Lでは無症状が多い。20〜70 G/Lでは外傷・処置時の出血、<20 G/Lではの点状出血、紫斑、粘膜出血が増える。ただし出血リスクは低下速度、、感染、、処置内容にも左右される。

💡 最初に疑うのは病気ではなく採血管である。 依存性では、存在下でのみ働く自己抗体がで血小板を凝集させ、がを血小板として数えないために見かけ上の低値が出る。では止血に問題がなく、出血症状も他の血球異常も伴わない。でを確認し、クエン酸ナトリウムやヘパリン採血管で再検すれば正常値に戻る。この確認をせずに治療を始めない。

flowchart TD
    A["血小板減少を確認"] --> B["再検・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='peripheral smear'>末梢血塗抹</span>"]
    B --> C{"<span class='jp-term jp-term-diagram' title='aggregate'>凝集塊</span>があるか"}
    C -->|"あり"| D["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='citrate tube'>クエン酸管</span>などで再採血し偽性を除外"]
    C -->|"なし"| E{"<span class='jp-term jp-term-diagram' title='schistocyte'>破砕赤血球</span>または溶血があるか"}
    E -->|"あり"| F["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='thrombotic thrombocytopenic purpura'>TTP</span>/<span class='jp-term jp-term-diagram' title='hemolytic uremic syndrome'>HUS</span>/<span class='jp-term jp-term-diagram' title='disseminated intravascular coagulation'>DIC</span>を緊急評価"]
    E -->|"なし"| G["他血球・薬剤・感染・肝脾・骨髄を評価"]

⭐ (HIT)は「血小板が減るのに血栓ができる」である。 ヘパリン–(PF4)複合体に対するIgG抗体が血小板を活性化し、血小板は脾臓で除去されて数が減る一方、活性化血小板がを介して血栓を作り続ける。血栓塞栓症の合併頻度は最大50%に達し、死亡率も最大30%に及ぶ1。

は で評価する。血小板減少の、低下の、血栓症などの、他の原因のの4項目・各0〜2点、合計8点満点で、0〜3点=低確率、4〜5点=中確率、6〜8点=高確率である2。

⚠️ 中確率以上なら、抗体検査の結果を待たずにヘパリンを止める。 やヘパリンコーティングカテーテルを含めて全てのヘパリンを直ちに中止する1。⚠️ ただし「中〜高確率なら治療量」と一括りにしない。 ASH 2018年ガイドラインは中確率と高確率を書き分けており、代わりに始める非ヘパリン系抗凝固薬の強度が違う3。

4Ts ヘパリンの中止 非ヘパリン系抗凝固薬の開始
低確率(0〜3点) (中止+非ヘパリン薬の開始)を行わない(強い推奨、2.3)。HITの検査自体も行わない(強い推奨、2.2) —
中確率(4〜5点)での別適応がない 中止する(強い推奨、2.4a) 高出血リスクなら予防強度、高出血リスクでなければ治療強度(条件付き推奨、2.4b)
中確率での別適応がある 中止する(強い推奨、2.5a) 治療強度(条件付き推奨、2.5b)
高確率(6〜8点) 中止する(強い推奨、2.6) 治療強度(強い推奨、2.6)

💡 なぜ中確率で強度を落とす余地を残すのか。 ガイドライン自身の見積もりでは、中〜高確率の4Tsでを行うと1000101人が正しく治療されて新規・進行性血栓のリスクが55〜70%下がる一方、408人は偽陽性として不要な抗凝固を受け大出血のリスクが上がる3。まだ確定していないHITのために出血させる方向へ倒れないよう、出血リスクの高い中確率例では予防強度から始める余地を残している。

薬剤の選択について、ASHガイドラインは・・ダナパロイド・・()の5つを挙げるが、これは条件付き推奨・確実性は非常に低いにとどまり、特定の薬を第一選択に立ててはいない3。⚠️ ヘパリンを止めて非ヘパリン系抗凝固薬を始めること自体は強い推奨(中等度の確実性)だが、どれを選ぶかの推奨は弱い——この2つを混同しない。重症・出血リスクが高い・緊急処置の可能性がある患者ではの短い(半減期39〜51分1)またはが好まれうるが、中等度〜重度の( B・C)ではを避けるか減量する。とは臨床的に安定し出血リスクが平均的な患者では妥当な選択肢である3。⭐ で始めた中確率例で免疫測定が陽性に出たら、機能的アッセイの結果を待つ間に治療強度へ切り替える1。

⚠️ の位置づけは資料によって書き方が違う。 StatPearlsは「安全かつ有効と考えられ、ASHガイドラインが推奨する薬剤の1つ」と書き、この適応で承認が無いこと・のため30 mL/分未満では禁忌であることを併記している1。一方、ASHガイドライン本文に「safe and effective」に相当する表現は無く、上記5剤は並列に条件付きで示唆されているだけである3。

⚠️ ワルファリンを単独で始めない。 ・Sが先に枯渇して一過性のとなりを起こしうるので、が15万/µL以上へ回復し、非ヘパリン系抗凝固薬と少なくとも5日間治療域で重複させてからでなければ単独治療へ移行しない1。ASHガイドラインもの回復(通常15万/μL以上)前にを開始しないことを強い推奨とし、HIT発症時に既にを服用している患者ではこれを中止して静注ビタミンKを投与するとしている3。

血栓性微小血管症

血栓性血小板減少性紫斑病

は、重度の低下により超が蓄積し、とを生じる。後天性では阻害自己抗体、先天性ではADAMTS13遺伝子異常が原因となる。

は血小板減少、、・・上昇、低下、陰性である。神経症状、発熱、腎障害を伴いうるが、古典的5徴が揃うまで待ってはならない。はと異なり概ね正常である。

診断のは 10%(10 IU/dL)未満で、これが重度欠乏=を定義する。10〜20%はグレーゾーンで臨床判断を要し、20%超ならなど他のを再考する4。測定法によって性能が違い、FRETS-VWF73蛍光基質法は感度94%・特異度99%だが、()は感度69%にとどまる4。

ADAMTS13検体を前に採取するが、臨床的疑いが高ければ結果を待たず、+グルココルチコイド+を開始する。後天性例ではリツキシマブを早期に併用することが多い。はなどを除き避ける。

💡 この3剤は推奨の強さが同じではない。 ISTHの2020年治療ガイドラインは、への副腎皮質ステロイド追加を「強い推奨」とした一方、リツキシマブとの追加は「条件付き推奨」である5。(抗)の根拠は145例のHERCULES試験で、正常化までのが2.69日対2.88日(P=0.01)とわずかに短縮した一方、関連死・・血栓塞栓イベントの複合が12%対49%と74%減り、再発も67%少なかった6。2025年のISTH focused updateも、新しい報告を検討したうえでの推奨は変更しないとしている7。

⭐ 2025年に変わったのはのほうである。 のには、遺伝子組換えADAMTS13をより優先する強い推奨が新設された7。

⚠️ PLASMICなどの予測スコアは合併症のない成人向けに作られている。 小児、妊娠、活動性の悪性腫瘍、敗血症、臓器・組織移植を伴う患者ではが落ちうるので、スコアが低くても臨床的疑いを取り下げない4。

溶血性尿毒症症候群

産生大腸菌による(Shiga toxin-associated :STEC-)は、血性下痢後にMAHA、血小板減少、を来す。便検体でを検索し、輸液、電解質・、必要時の・透析を行う。抗菌薬やは状況により毒素放出・合併症を悪化させうるため、専門的判断なく使用しない。通常、をルーチンには行わない。では病態を考え、を検討する。

免疫性血小板減少症

は、血小板自己抗体とT細胞異常による・産生障害で、孤立性血小板減少を呈するである。脾腫はで、別疾患を考える。抗体検査は感度・特異度が不十分で、日常診断の決め手にしない。

治療開始の閾値は血小板 30,000/µL(30 G/L)である。 米国血液学会(ASH)2019年ガイドラインは、新規診断の成人でが30 G/L以上かつ無症状〜軽微なならステロイドを行わず経過観察とする(推奨1b。強い推奨だがエビデンスの確実性は非常に低い)、30 G/L未満なら経過観察より副腎皮質ステロイドを提案する(推奨1a。条件付き推奨・確実性は非常に低い)としている8。⚠️ この2つは推奨の強さが違う。 「30 G/Lで一律に線を引く条件付きの目安」と読むと、30 G/L以上への漫然としたステロイド投与を許す方向へ倒れる。⭐ この閾値そのものは2026年版でも更新されていない9。診断そのものは他原因の除外であり、その手順は国際コンセンサス報告に沿う10。

状況 対応
成人、≥30 G/L、無症状〜軽微な 多くは経過観察(強い推奨)。年齢、併存症、抗凝固薬、処置予定を加味8
初回治療が必要 副腎皮質ステロイド(±)が背骨。⭐ ASH 2026 はこれにリツキシマブまたは刺激薬を併せることを提案する(推奨1。条件付き推奨・確実性は低)9。迅速な上昇が必要なら
初回治療後もなお追加治療を要する 刺激薬を推奨(推奨2a。強い推奨・確実性は中)、またはリツキシマブを提案(条件付き・確実性は低)9
上の2つが適さないか本人が選ばない ・・SYK阻害薬()のいずれかを提案(条件付き・確実性は非常に低い)9
重篤・ +高用量ステロイド+、必要に応じと10

⚠️ 第二選択の序列は2026年に書き換わった。 ASH 2019年ガイドラインは、3か月以上続き・無効の成人について、とのいずれか(推奨7)、リツキシマブをより(推奨8)、をリツキシマブより(推奨9)と、2剤ずつを突き合わせる形で条件付きに提案していた8。この推奨7〜9と、初回治療にステロイド単独をリツキシマブ併用より提案していた推奨5は、いずれも2026年版で撤回され、推奨1・2a・2bに置き換えられた9。

💡 何が変わったかを一段細かく見る。 2019年版の枠は「ステロイド単独で始め、効かなければ第二選択の3つを比べる」だった。2026年版は①初回から併用を提案し、②第二選択で刺激薬だけを強い推奨へ格上げした(リツキシマブは提案のまま)9。

⭐ 2026年版は「」という薬効群で推奨を書いている。 この群には受容体作動薬(アバトロンボパグ・・ヘトロンボパグ・)のほか遺伝子組換えヒトが含まれ、パネルは解析上これらを互換として扱った9。⚠️ 「受容体作動薬」と読み替えると、遺伝子組換えヒトが範囲から落ちる。

⚠️ は2026年版の推奨2a・2bの選択肢には挙がっていないが、これは適応が消えたという意味ではなく、good practice statement の章で扱われるようになったということである(→脾臓外科)。💡 good practice statement は弱い推奨ではない。 本版はこれを、系統的レビューに基づかないが強い推奨として解釈しうる記述だと定義している9。

⚠️ H. pylori除菌をASH 2019年版の推奨として引かない。 と小児でのは、2019年版がTable 2に「今回取り上げなかった2011年版の推奨」として再掲したもので、同表の前文は根拠を再検討しておらず、パネルで議論も更新もしていないと明記している8。

まとめ

  • 再検とで、、芽球を確認する。
  • は古典的5徴やADAMTS13結果を待たず治療する。
  • の治療はだけでなく、出血、背景、処置予定を含めて決める。目安の閾値は30 G/L(2026年版でも更新されていない)で、30 G/L以上で無症状ならステロイドを行わない側が強い推奨である。
  • ⭐ の治療の枠は2026年に書き換わった。 ASH 2026 は初回治療にステロイド(±)+リツキシマブまたは刺激薬(受容体作動薬と遺伝子組換えヒトを互換として扱う薬効群)を提案(条件付き・確実性は低)し、なお追加治療を要する例には刺激薬を推奨(強い推奨・確実性は中)、リツキシマブを提案(条件付き・確実性は低)とする。2019年版の推奨5(初回治療のステロイド単独)と推奨6〜9(を含む第二選択の序列)は撤回された9。
  • HITは4Tsでを評価し、中確率以上なら検査を待たずヘパリンを全て中止して非ヘパリン系抗凝固薬へ切り替える。ただし高確率では治療強度が強い推奨、中確率では高出血リスクなら予防強度という条件付き推奨で、強度の扱いが違う。薬剤は5剤(・・ダナパロイド・・)が条件付きで並列に示唆されており、特定の1剤が第一選択ではない。

出典

  1. 1.Heparin-Induced Thrombocytopenia(StatPearls (NCBI Bookshelf)・2023)NCBIのライブページ(Last Update 2023-05-16)の全文で次を確認した。HITでは最大50%に血栓塞栓症を合併し、死亡率は最大30%に達する。治療は4Tsが4点以上になった時点で開始し、まずヘパリンフラッシュ・ヘパリンコーティングカテーテル・透析液中のヘパリンを含む全てのヘパリンを中止する。ASH 2018年ガイドラインに沿って大多数の患者では治療強度で代替抗凝固薬を開始するが、治療量抗凝固の別適応がなく高出血リスクの中確率例に限っては予防用量で開始してよく、その場合に免疫測定が陽性になれば機能的アッセイの結果を待つ間に治療強度へ切り替える。選択肢はアルガトロバン・ビバリルジン・ダナパロイド・フォンダパリヌクス・DOAC。アルガトロバンは半減期39〜51分と短い。フォンダパリヌクスについて本書は「この適応ではFDA承認がないが安全かつ有効と考えられ、ASHガイドラインが推奨する薬剤の1つ」と記し、腎排泄のためクレアチニンクリアランス30 mL/分未満では禁忌とする。⚠️ この「安全かつ有効」という評価は本書の記述であって、ASHガイドライン本文には対応する表現が無い。ワルファリンは血小板数が15万/μL以上へ回復し非ヘパリン系抗凝固薬と少なくとも5日間治療域で重複させるまで単独治療へ移行しない(皮膚壊死のリスク)。急性期の血小板輸血は禁忌閲覧 2026-08-25
  2. 2.Evaluation of pretest clinical score (4 T's) for the diagnosis of heparin-induced thrombocytopenia in two clinical settings(Journal of Thrombosis and Haemostasis・2006)4Tsスコアは血小板減少の程度、血小板低下の時期、血栓症など後遺症の有無、他に血小板減少を来す原因の有無の4項目(各0〜2点、合計8点満点)からなり、0〜3点を低確率、4〜5点を中確率、6〜8点を高確率と判定する閲覧 2026-08-25
  3. 3.American Society of Hematology 2018 guidelines for management of venous thromboembolism: heparin-induced thrombocytopenia(American Society of Hematology・2018)PMC6258919の全文で推奨の番号・文言・強さを確認した。推奨2.2・2.3は低確率4Tsの患者にHIT検査を行わないこと・経験的治療(ヘパリン中止と非ヘパリン抗凝固薬の開始)を行わないことをいずれも強い推奨(中等度の確実性)とする。推奨2.4.aは中確率で治療量抗凝固の別適応がない患者へのヘパリン中止を強い推奨とし、2.4.bは「高出血リスクなら予防強度、高出血リスクでなければ治療強度」で非ヘパリン抗凝固薬を開始することを条件付き推奨(中等度の確実性)で示唆する。推奨2.5.a/2.5.bは中確率で治療量抗凝固の別適応がある患者について、中止を強い推奨・治療強度での開始を条件付き推奨とする。推奨2.6は高確率でヘパリン中止と治療強度の非ヘパリン抗凝固薬の開始を強い推奨とする。推奨3.1はヘパリン中止と非ヘパリン抗凝固薬の開始を強い推奨(中等度の確実性)とする一方、薬剤の選択は原文「the ASH guideline panel suggests argatroban, bivalirudin, danaparoid, fondaparinux, or a direct oral anticoagulant (DOAC)」として条件付き推奨・非常に低い確実性にとどまり、5剤のいずれかを第一選択に立ててはいない。但し書きは、重症・出血リスク増大・緊急処置の可能性がある患者では作用時間の短いアルガトロバンまたはビバリルジンが好まれうること、Child-Pugh B・Cではアルガトロバンを避けるか減量すること、フォンダパリヌクスとDOACは臨床的に安定し出血リスクが平均的な患者では妥当な選択肢であることを述べる。推奨3.5はビタミンK拮抗薬を血小板数回復(通常15万/μL以上)前に開始しないことを強い推奨とし、既にVKA投与中なら中止して静注ビタミンKを併用するとしている。⚠️ 全文に「safe and effective」という表現は0件で、フォンダパリヌクスを安全かつ有効な薬として推奨する文言は無い。表4に基づく見積もりでは、中〜高確率の4Tsで経験的治療を行うと1000人中101人が正しく治療され新規・進行性血栓のリスクが55〜70%下がる一方、408人が偽陽性として不要な治療を受け大出血のリスクが上がるとされる閲覧 2026-09-06
  4. 4.ISTH guidelines for the diagnosis of thrombotic thrombocytopenic purpura(International Society on Thrombosis and Haemostasis・2020)ADAMTS13活性10 IU/dL(10%)未満を重度欠乏の診断カットオフとし、10〜20%はグレーゾーンとして臨床判断を要する。FRETS-VWF73蛍光基質法は感度94%・特異度99%、免疫測定法(ELISA)は感度69%にとどまる。活性20%超ではHUSなど他のTMAを再考し、検体は血漿交換・血液製剤投与の開始前に採取する。PLASMICスコアなどは合併症のない成人向けに設計されており、小児や妊娠・活動性悪性腫瘍・敗血症・移植の合併例では信頼性が低い可能性がある閲覧 2026-08-25
  5. 5.ISTH guidelines for treatment of thrombotic thrombocytopenic purpura(International Society on Thrombosis and Haemostasis・2020)免疫性TTPの初発および再発急性期に対し、治療的血漿交換への副腎皮質ステロイド追加を強い推奨、リツキシマブとカプラシズマブの追加を条件付き推奨とした(全11推奨、エビデンスの確実性は非常に低い〜中等度)閲覧 2026-08-25
  6. 6.Caplacizumab Treatment for Acquired Thrombotic Thrombocytopenic Purpura(New England Journal of Medicine・2019)TTP患者145例の二重盲検HERCULES試験で、カプラシズマブ群は血小板数正常化までの期間中央値が2.69日対2.88日と短く(P=0.01)、TTP関連死・TTP再燃・血栓塞栓イベントの複合アウトカムが12%対49%(74%減)、試験期間中のTTP再発が67%少なかった閲覧 2026-08-25
  7. 7.2025 focused update of the 2020 ISTH guidelines for management of thrombotic thrombocytopenic purpura(International Society on Thrombosis and Haemostasis / Journal of Thrombosis and Haemostasis・2025)寛解期の先天性TTPに対し遺伝子組換えADAMTS13を新鮮凍結血漿より優先する強い推奨を新設した(中等度の確実性)。免疫性TTPについては、カプラシズマブ追加の有効性・生存利益・費用に関する新しい報告を検討したうえで、2020年版の推奨を変更しないと結論した閲覧 2026-08-25
  8. 8.American Society of Hematology 2019 guidelines for immune thrombocytopenia(American Society of Hematology・2019)PMC6963252の全文で推奨の番号・文言・強さを確認した。推奨1aは新規診断の成人ITPで血小板3万/μL未満かつ無症状〜軽微な粘膜皮膚出血なら経過観察より副腎皮質ステロイドを提案し(条件付き推奨・エビデンスの確実性は非常に低い)、推奨1bは3万/μL以上の同じ患者群についてステロイドを行わず経過観察とすることを推奨する(強い推奨・確実性は非常に低い)。推奨7〜9は3か月以上続きステロイド依存・無効の成人について、脾摘とTPO受容体作動薬のいずれか・リツキシマブを脾摘より・TPO受容体作動薬をリツキシマブより、をそれぞれ提案していた(いずれも条件付き推奨・確実性は非常に低い)。⚠️ 推奨5〜9は2026年版で撤回・置換されている。⚠️ H. pylori陽性成人への除菌療法(grade 1B)と小児での非ルーチン検査(grade 1B)は2019年版の推奨ではなく、Table 2に再掲された2011年版の推奨で、同表の前文は根拠を再検討しておらず本パネルで議論も更新もしていないと明記している閲覧 2026-09-08
  9. 9.American Society of Hematology 2026 Guidelines for Immune Thrombocytopenia (ITP)—Initial and Second-Line Therapy in Adults with Primary ITP(American Society of Hematology・2026)全57頁の本文PDFを取得して確認した。推奨1は、初回治療を要する成人の原発性ITPにリツキシマブ+副腎皮質ステロイド(±IVIG)または血小板産生刺激薬(thrombopoietic agent)+副腎皮質ステロイド(±IVIG)を、ミコフェノール酸モフェチル+ステロイドやステロイド単独より提案する(条件付き推奨・エビデンスの確実性は低。推奨は抗CD20抗体のうちリツキシマブとそのバイオシミラーに限られる)。推奨2aは、初回治療の後になお追加治療を要する成人に血小板産生刺激薬を推奨し(強い推奨・確実性は中)、またはリツキシマブを提案する(条件付き推奨・確実性は低)。推奨2bは、そのいずれも適さないか本人が選ばない患者にBTK阻害薬・ミコフェノール酸モフェチル・SYK阻害薬を提案する(条件付き推奨・確実性は非常に低い)。パネルは多群比較でアバトロンボパグ・エルトロンボパグ・ヘトロンボパグ・ロミプロスチム・遺伝子組換えヒトトロンボポエチンを互換として扱っている。Table 1は2019年版の推奨5〜9を撤回して本版の推奨1・2で置き換えたとする一方、推奨1a・1bには「治療開始の閾値は更新されていない」、推奨3・4には「プレドニゾンの期間(種類の選択)は更新されていない」と記し、いずれにも「ただし一次治療の選択は本版の推奨1で更新された」という注記を付ける。本版の推奨は3つで、脾摘は推奨2a・2bの選択肢に挙がらずGood Practice Statementsの章で扱われる。本版はgood practice statementを、系統的レビューに基づかないが強い推奨として解釈しうるものと定義している。⚠️ 出版社サイトは今回も403で、読んだのはInternet Archiveに保存された出版社のFirst Edition版PDF(組版前の採択原稿、Tracking no ADV-2026-021269R1)であり、誌上版との異同は確認していない閲覧 2026-09-17
  10. 10.Updated international consensus report on the investigation and management of primary immune thrombocytopenia(Blood Advances(国際コンセンサス)・2019)原発性ITPは他の原因を除外して診断する除外診断であり、重大出血ではIVIG・副腎皮質ステロイド・血小板輸血を組み合わせ、妊娠ではステロイドまたはIVIGを中心に管理する閲覧 2026-08-25