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2026
09.08MEK阻害薬関連漿液性網膜症で1本の論文の射程を超えていた3つの記述を一次資料で是正し、有毛細胞白血病バリアントではWHO第5版とICCが並立している事実・予後・完全寛解率95%を復元して、根拠の無かったMEK阻害薬の治療薬指定を外した。
- 疾患MEK阻害薬関連漿液性網膜症Francis 2017の全文と照合し、この論文の射程を超えていた3点を是正した。①「最大90%の患者に生じる」はDiscussion冒頭で引用文献10として述べられた記述で本研究の結果ではないため、その原典(Weber 2016)へ張り替えた。原典を読むと90%はビニメチニブ投与例51例中46例の値で、定期スケジュールで光干渉断層計を撮った集団のものであり、症状を訴えたのは20%(9例)にとどまる。②「蛍光眼底造影では血管異常・充盈欠損・漏出・過蛍光を認めず」は原文が4眼のみの所見であり、認めなかった項目も血管異常・充盈欠損・遮蔽・漏出・染色で過蛍光ではない。限定と項目を復元した。③「眼あたり平均6病巣」は原文にあるが平均ではなく中央値6(平均6.5、範囲1〜21)である。あわせて本研究自身の最も強い所見である脈絡膜厚の不変(基線・貯留時・消退時に有意差なし、CSCの肥厚脈絡膜が無い)を対比表の先頭へ移した。⚠️ 節見出しの「多くは休薬を要さない」は添付文書と食い違うため撤回した——米国のコビメチニブ添付文書は漿液性網膜症を最長4週間の休薬・1段階減量の対象とし4週で改善しなければ永続中止、トラメチニブは休薬して3週で判定と定める。EUのCotellic製品概要も臨床試験の事象の大半が休薬または減量によって消退したと書く。網膜静脈閉塞は米国添付文書がコビメチニブ・トラメチニブとも永続中止とする一方、EUのCotellic製品概要には網膜静脈閉塞の記載が全文で1回も無い。監視の規定も米国が定期的な眼科評価、EUが各受診時の症状評価と症状があれば眼科検査という症状起点で異なるため書き分けた。頻度は薬剤別に表へ分け(ビニメチニブ90%・コビメチニブ+ベムラフェニブ26%・ダブラフェニブ+トラメチニブのRPED 5%)、この開きが眼科評価の組み方に由来することを明記した。機序については、原著自身がアクアポリン1のin vitro研究が逆向きであることと色素上皮の異常が画像で検出されないことを弱点として挙げていることを追記し、確立した機序として書かないよう改めた。frontmatterのcausativeDrugsにダブラフェニブ+トラメチニブを追加した。(出典:Francis 2017・Weber 2016・COTELLIC 添付文書・Cotellic EU SmPC・MEKINIST 添付文書)
- 疾患有毛細胞白血病バリアントfrontmatterのtreatmentDrugsからダブラフェニブ+トラメチニブを外した。日本の電子添文が承認しているのは「BRAF遺伝子変異を有する再発又は難治性の有毛細胞白血病」=古典型であり、本症はBRAF野生型である。2024年の総説もMEK阻害薬の位置づけは今後明確にされるべき課題として保留しており、本症へのMEK阻害薬の臨床データは無い。あわせて分類の記述を一次資料で作り直した——WHO第5版の正式名称は「著明な核小体を伴う脾リンパ腫(SLPN)」ではなく著明な核小体を伴う脾B細胞リンパ腫/白血病(SBLPN)で、この病型はHCL-VだけでなくCD5陰性B細胞前リンパ球性白血病の全例と類似形態のごくまれな脾辺縁帯リンパ腫症例も吸収しており、B-PLLそのものは第5版で削除された。一方、同じ2022年のICCはB-PLLもHCL-Vの名称も維持しているため、2体系の並立を表にした。治療では完全寛解率を90%から95%へ是正した——90%は6か月時点で完全寛解かつ免疫染色で微小残存病変陰性であった18/20例の割合であり、試験の主要評価項目である完全寛解率は95%である。あわせてクラドリビン+リツキシマブが同時併用(リツキシマブは1日目から)であること、6か月時点の微小残存病変陰性が転帰を分けること、増悪後の全生存期間中央値29.7か月、TP53変異例の予後不良を追記した。脾摘については、総説が脾摘・インターフェロン・プリンアナログのいずれにも抵抗性とみなすと書いているため記述を改めた。欠けていた疫学(慢性リンパ系腫瘍の約0.4%、脾腫85%、肝腫大は3分の1未満)・予後(生存期間中央値9年、貧血・70歳超・TP53変異の3因子、高リスク群の5年生存33%対低リスク群100%)・免疫スコア(CD11c/CD25/CD103/CD123で古典型は98%が3〜4点、本症は0〜2点)・TRAP陰性・イブルチニブ第2相の成績を追加した。(出典:WHO-HAEM5 リンパ系腫瘍・ICC 2022・Chihara 2021・Rogers 2021・Troussard 2024・メキニスト電子添文)
- 薬剤dabrafenib + trametinib眼毒性の節で網膜色素上皮剥離の機序を断定していたため、原著自身が挙げている2つの弱点(アクアポリン1調節のin vitro研究はむしろMEK阻害では液が貯まらない方向を示唆すること、障害の座が網膜色素上皮にあるなら多モダリティ画像で異常が検出されるはずなのに検出されないこと)を添え、想定される機序であって確立していないことを明示した。(出典:Francis 2017)
- 疾患中心性漿液性脈絡網膜症MEK阻害薬関連漿液性網膜症との異同の節で、こちらの機序を「網膜色素上皮のバリア・水輸送機能そのものが薬理学的に一時停止する」と断定していたため、原著が挙げる弱点を添えて未確立であることを示し、確実に言えるのは脈絡膜厚が変化しないことのほうであると書き改めた。(出典:Francis 2017)
2026
09.08早発卵巣機能不全(POI)の診療ガイドラインを全文で読み直し、自己免疫性卵巣炎の検査を「自己免疫抗体」という漠然とした書き方から21-水酸化酵素抗体へ具体化して抗卵巣抗体を診断に用いないことを明記し、脆弱X関連早発卵巣機能不全では診断基準が旧版由来であることを書き分けたうえで、飛び先の違っていた本文リンク1本を直した。
- 疾患卵巣炎自己免疫性卵巣炎の節と診断の節が「自己免疫抗体・他の内分泌機能を評価する」という漠然とした書き方で、現行ガイドラインの推奨と噛み合っていなかった。2024年の早発卵巣機能不全ガイドラインを全文で読み直し、①原因不明のPOIには21-水酸化酵素抗体(21OH抗体)のスクリーニングを行う(強い推奨)、②抗卵巣抗体を自己免疫性POIの診断に用いない(同じく強い推奨)、③21OH抗体が陽性なら内分泌科へ紹介して副腎機能を検査し、陰性なら副腎不全の徴候・症状が出ない限り後年の再検の適応は無い(いずれも強い推奨)、④甲状腺は診断時にTSHを測り以後5年ごとまたは症状出現時に繰り返すが、抗TPO抗体のスクリーニングは一般集団での陽性率が高いため自己免疫性の原因検索として定型的には行わない、の4点へ書き改めた。⚠️ 「自己免疫を調べる」を抗卵巣抗体で行う向きは、ガイドラインが名指しで否定している。診断の節では診断基準そのものも現行の形(4か月以上の月経異常とFSH>25 IU/Lの1回の測定、不確実なときのみ4〜6週後に再検、非医原性なら全例に染色体分析とFMR1プレミューテーション検査)へ揃えた。あわせて同一ファイル内で「原発性卵巣機能不全」と「早発卵巣不全」が同じ病態を指して混在していたため、このファイルの多数派である前者へ2箇所を揃えた。出典idは同一DOIに2つのidが併存していた状態を解消して統一し、発行元を著者名からガイドライン作成グループ名へ改めた。(出典:早発卵巣機能不全ガイドライン 2024)
- 疾患脆弱X関連早発卵巣機能不全①本文リンク1本の飛び先が誤っていた——「早発卵巣機能不全」というラベルが症状ノートの無月経へ飛んでおり、ラベルと飛び先が別概念だった。卵巣機能不全のノートへ張り替えた。リンク先が実在するため機械チェックでは検出されない型である。②診断の節と図が「4〜6か月の無月経と1か月以上空けた2回の閉経期FSH値」という基準で組まれていたが、これはGeneReviewsが2009年・2018年の文献を引いた記述で、同じノートが引いている2024年のガイドラインは「4か月以上の月経異常とFSH>25 IU/Lの1回の測定、再検は診断が不確実なときのみ4〜6週後」としている。ガイドライン自身が2015/2016年版からの主要な変更点として2回から1回への簡略化を明記しているので、資料間の対立ではなく版の差である旨を書き分け、図は現行の基準へ改めた。FXPOIの定義(40歳未満・高ゴナドトロピン性)自体は両資料で一致する。③推奨の強さと根拠の確実性を1つに潰していたため、この項目が強い推奨でありながら確実性は最上位ではないことを添えた。④FMR1プレミューテーションがPOI全体の孤発例の約3.2%・家族例の約11%を占めるという数字と、1対3,560という米国の有病率が保有率と20%という浸透率からの算出値であることを補った。⑤frontmatterのsymptomsに卵巣機能不全を追加した。出典の発行元を学会名からガイドライン作成グループ名へ改めた。(出典:早発卵巣機能不全ガイドライン 2024・FMR1 Disorders)
2026
09.08早発卵巣不全(POI)ガイドラインの出典idを3ファイルで統一し、有病率3.5%が「非医原性POI」についての値であることを本文へ復元した。あわせてAMHをPOIの一次診断検査に使わないという推奨と、多嚢胞性卵巣症候群の世界有病率10〜13%を一次資料から補った。
- トピックSecondary amenorrhea同一のガイドラインに2つの出典idが併存していたため、著者名を発行元に見立てた `panay-poi-guideline-2024` を `eshre-poi-2024` へ統一し、発行元をCrossrefの団体著者名に揃えた。内容では有病率の母集団を復元した——本文に「有病率は3.5%」とだけ書いていたが、ガイドラインの該当節は「非医原性POIの有病率が古い研究の約1%から近年の報告では3.5%まで」と述べており、医原性を含むPOI全体の値ではない。要旨のほうは母集団を限定せず3.5%と書いているので、同一文書内で書き方が割れていることも本文に明記した。エストロゲンの記述は原文の向きへ直した(「エストラジオール低値は診断基準ではない」から「血清エストラジオール濃度でPOIを診断しないが、低値は高FSHと併せて診断の追加的な裏づけになる」へ)。診断が不確実なときの再検の間隔(4〜6週後)と、AMHをPOIの一次診断検査として用いないという強い推奨を補った。呼称については、比較の対象が不明確だった一文を、ガイドラインが実際に述べていること(この病態の呼称としてPOIを用いる、40〜44歳の卵巣機能停止は「早期閉経」と呼び分ける)へ書き換えた。高プロラクチン血症・プロラクチノーマ・シーハン症候群・下垂体卒中・カベルゴリン・多嚢胞性卵巣症候群・AMHへのリンクを追加した。(出典:ESHRE等 POIガイドライン 2024)
- トピックDisorders of the gonadsPOIガイドラインの出典idを `eshre-poi-2024` へ統一した。POIの節に、再検の間隔(4〜6週後)、AMHが一次診断検査ではないこと、混合経口避妊薬などのホルモン薬を使用中は中止しないと診断を確定できないことがあること、血清エストラジオールは診断基準ではないが低値は高FSHと併せて裏づけになることを補った。多嚢胞性卵巣症候群の改称については、原著の記述が「提案された」より強く、56団体が参加する多段階の国際合意で新名称が決定され、移行期間・教育・疾病分類との整合を含む実装戦略が進行中であるとしているため、その通りに書き改め、改称の理由(「多嚢胞性」が病的な卵巣嚢胞を含意して不正確で、内分泌・代謝面の特徴を覆い隠す)を加えた。ターナー症候群・クラインフェルター症候群・カルマン症候群・プラダー・ウィリ症候群・アンジェルマン症候群・ヌーナン症候群・原発性線毛運動不全症・ゴーシェ病・多嚢胞性卵巣症候群・卵巣機能不全・AMHへのリンクを追加した。(出典:ESHRE等 POIガイドライン 2024・Teede 2026 PMOS改称の国際合意)
- トピックDisorders of female hormonal regulationPOIガイドラインの出典idを `eshre-poi-2024` へ統一した。多嚢胞性卵巣症候群の有病率を「女性の5〜20%」から、このノートが既に引いている2023年国際ガイドラインの値である「ロッテルダム基準を用いた世界の有病率10〜13%」へ是正した。改称に関する記述は無出典だったので、改称を決めたLancetの合意論文を出典として追加し、改称の理由と実装戦略の記述をその抄録の範囲に合わせた。本文2箇所で「高プロラクチン血症」というラベルが先端巨大症・プロラクチノーマのノートへ飛んでいたため、専用の高プロラクチン血症のノートへ張り替えた(プロラクチノーマを指す1箇所は元のままでよい)。冒頭の対比が「LH/FSH高」「LH/FSH低」と読めてPMOSでFSHも高いように取れたため、比であることと各ホルモンの向きを明示した。(出典:ESHRE等 POIガイドライン 2024・2023年 国際PCOSガイドライン・Teede 2026 PMOS改称の国際合意)
2026
09.08ハンチントン病のトミナーセン試験について「高用量群の安全性懸念で中止」という事実誤認を原著の設計へ直し、VMAT2阻害薬3剤の適応・剤形・禁忌が米国と欧州で違うことを書き分けたうえで、欧州に実在しない商品名を1件外した。
- 疾患ハンチントン病①GENERATION HD1の記述が「高用量群の安全性懸念により中止」となっていたが、原著は120 mgの8週ごと投与・16週ごと投与・プラセボへの1:1:1割付で、⚠️ 実薬2群は用量が同じで投与間隔だけが違い、「高用量群」という群は存在しない。実際に起きたのは独立データモニタリング委員会の評価による2021年3月の投与中止で、第69週の事後解析では8週ごと群のcUHDRSがプラセボより有意に悪化した(−0.54点、調整後P=0.001。総合機能評価は−0.40点で有意差なし)。原著自身の「事後解析なので慎重な解釈を要する」という但し書きも入れた。②「2026年7月にRocheが試験の中止を発表した」も誤解を招く。GENERATION HD2は16か月の投与期間を完遂しており、中止されたのは試験ではなく開発プログラムである。③CAG反復数の表で中間帯(27〜35)を「本人は発症しない」と断定していたのを、原文の「大半は症状を呈さないが、まれに軽微な認知・行動・運動の特徴を伴うことがある」へ戻した。④欧州でどの薬が使えるかが一切書かれていなかったので、デューテトラベナジンは欧州でも承認されているが適応は遅発性ジスキネジアだけでハンチントン病を含まず、テトラベナジンのほうが加盟国承認薬としてハンチントン舞踏病の適応を持つ、という対比を追加した。(出典:Tominersen in Adults with Manifest Huntington's Disease・GeneReviews: Huntington Disease)
- 薬剤deutetrabenazine①副作用表に「急な中止による離脱症状」が挙がっていたが、米国添付文書2.5と欧州製品概要4.2はいずれも「漸減せずに中止できる」と明記しており逆である。削除し、代わりに休薬後の再開規則(1週間未満なら直前の維持量で再開、1週間以上なら漸増をやり直す)を書いた。②「抑うつ・自殺念慮(本剤群2%、プラセボ0%)」と1つにまとめていたが、原文では自殺念慮が2%(プラセボ0%)、抑うつは4%と別々の数値である。③適応・剤形・禁忌がいずれも国で違うことが書かれていなかった。米国はハンチントン病の舞踏運動と遅発性ジスキネジアの2適応で通常錠と徐放錠の2剤形、欧州は遅発性ジスキネジアの1適応で徐放錠のみ。⚠️ 欧州の禁忌にうつ病・自殺念慮は入っておらず(ハンチントン病の適応が無いため)警告として扱われるので、「うつ病だから禁忌」と平坦化しない。④QT延長についても米国が「避けるべき」、欧州が「注意して用いる」と結論の強さが違う。⑤まとめの「VMAT2阻害薬クラス共通」という無出典の一般化を削り、バルベナジンについてだけ添付文書を確認して出典つきで残した。⑥ハンチントン病そのものの悪化(気分・認知・固縮・機能の悪化)という米国添付文書5.2の警告が抜けていたので追加した。(出典:AUSTEDO 添付文書・Austedo 製品概要(Annex I))
- 薬剤valbenazine欧州の商品名として Ingrezza を挙げていたが、欧州医薬品庁の審査品目ページが404を返し、スペインとハンガリーの国内医薬品データベースでも0件だった(対照として Austedo の審査品目ページは200、テトラベナジンはスペインで4件がヒットする)。⚠️ 存在しない商品名を残すと学習者が実在しない製品を探すことになるため、欧州の商品名欄を空にした。
2026
09.08特発性頭蓋内圧亢進症のノートが、頭痛が前景の難治例に髄液シャント術を検討すると書いていた。英国の学会横断コンセンサス指針は逆に頭痛単独への髄液短絡を一般に推奨しておらず、しかもその記述は脚注に付いていた総説にも書かれていなかった。外科的治療の節を「視力を守る目的」と「頭痛だけが問題のとき」に分けて書き直し、経過観察の間隔表と二次性原因の内分泌・症候群の項を同じ指針から補った。脾梗塞のノートでは「多くは無治療のまま7〜14日で自然に軽快する」の射程を直した。原文が7〜14日で消えるとしているのは合併症のない例の腹痛であり、救急部を受診した130例のコホートでは全例が入院し院内死亡は6.92%だった。
- 疾患特発性頭蓋内圧亢進症①外科的治療の節が「視力障害が前景の症例には視神経鞘開窓術、有意な静脈洞狭窄を伴う症例には静脈洞ステント留置、頭痛が前景で視力障害を伴わない難治例には脳室腹腔シャントなどの髄液シャント術」と書き、脚注を2024年の総説に付けていた。総説の全文(PMC11016992)を読み直すと、この割り当ても「有意な静脈洞狭窄を伴う症例に」という限定も本文に無く、総説が実際に書いているのは腰椎腹腔シャントを第一選択の外科的介入とすること、静脈洞ステントを内科的治療抵抗例に対する第一選択の外科的介入として認識されつつあるとすること、視神経鞘開窓術を急速または進行性の視神経腫脹に対して行うことである。さらに英国の学会横断コンセンサス指針(ABN・SBNS・RCOphth・BASHが査読・支持)は「頭痛単独に対する髄液短絡は一般に推奨しない」と明記し、短絡後6か月で68%・2年で79%に頭痛が残り28%が医原性の低圧性頭痛を生じることを根拠に挙げている。頭痛だけを理由に短絡を勧める記述は臨床判断を逆向きに倒すため、節を「視力を守る目的」と「頭痛だけが問題のとき」の2列の表へ組み替え、総説と指針で位置づけが割れている点は割れたまま併記した。②視機能が低下しつつある場合の急性期の管理が外科的であること、緊急手術を計画するあいだの一時しのぎとして腰椎ドレナージを置くこと、劇症型(診断から4週以内の急激な視機能低下)に副腎皮質ステロイドを推奨しないこと、反復腰椎穿刺を管理として推奨しないことを新設した。③まとめとアセタゾラミドの項が同薬を第一選択と書いていたが、指針の書き方は「症状がある患者に処方してよい」であり、2015年のCochraneレビューは推奨も否定もできないと結論し、別の無作為化試験は効果を示せず平均1.5 g/日で48%が副作用のため中止している。頭痛単独への有効性が示されていないことも併記した。④減量について、指針が「典型的IIHにおける唯一の疾患修飾治療」と位置づけ、寛解に要する量は不明であるコホートでは最大15%を要したとしていることを補い、総説由来の「5〜10%で有意な症状改善」だけで覚えないよう注記した。⑤二次性原因の表の内分泌の行が「旧稿から引き継いだ項目」という空欄のままだったので、指針の関連因子表からAddison病・副腎不全・Cushing症候群・副甲状腺機能低下症・甲状腺機能低下症・甲状腺機能亢進症の6項目を入れた。症候群の行(Down症候群・頭蓋骨縫合早期癒合症・Turner症候群)と、薬剤の行(レボチロキシン・タモキシフェン・シクロスポリンA・レボノルゲストレル皮下インプラント・シメチジン・フルオロキノロン系・副腎皮質ステロイドの離脱)、全身疾患の慢性腎臓病・慢性閉塞性肺疾患・オウム病も同じ表から補った。あわせて、同指針が「IIHと多くの疾患・薬剤との因果関係は明確ではない」「既にIIHがある患者について、以前に続発性偽性脳腫瘍と関連が報告された薬剤(経口避妊薬を含む)の使用に明確な禁忌の根拠は無い」と書いていることを明示し、この表が禁忌の一覧ではなく病歴のチェックリストであることを注記した。⑥典型的IIH(女性・妊娠可能年齢・BMI 30超)と非典型的IIHの定義を入れ、後者では追加の血液検査と内頸静脈閉塞を除外する頸部血管の画像評価を検討することを補った。⑦「視野検査を定期的に行う」としか書いていなかった経過観察を、指針の合意した外来間隔の表に置き換えた。⑧頭痛の管理の節を新設した(薬物乱用頭痛の説明、オピオイドを処方しない、頭痛表現型が6通り混在しうること、体重を増やす薬と抑うつを悪化させうる薬を避けること、トピラマートを妊娠中に使用してはならないこと、アセタゾラミドの妊娠中使用に安全な推奨が難しいこと)。(出典:Idiopathic intracranial hypertension: consensus guidelines on management・Navigating the Enigma: A Comprehensive Review of Idiopathic Intracranial Hypertension)
- 疾患脾梗塞①治療の節の冒頭が「多くは無治療のまま7〜14日で自然に軽快する保存的経過をたどる」だったが、出典の原文は「合併症のない脾梗塞による腹痛は7〜14日で介入なしに消退する」であり、主語は腹痛、対象は合併症のない例である。実際、救急部で造影CTにより脾梗塞と確定した130例の多施設コホートでは全例が入院し、ICU入室13.8%・院内死亡6.92%だった。射程を戻したうえで、出典が最初に述べている「治療は基礎にある原因疾患に基づく」という原則を節の頭に置き、鎌状赤血球症での低酸素・アシドーシスの是正、敗血症性塞栓に対する静注抗菌薬と心臓の追加評価、外科的評価を要する3場面(外傷性脾損傷・血管解剖の異常・血行動態の不安定)を補った。②危険な合併症を「膿瘍化・出血・脾破裂」の3つと書いていたが、出典は仮性嚢胞・膿瘍・出血・脾破裂・動脈瘤の5つを挙げている。落ちていた2つを戻した。③予後の節を新設した。同コホートで死亡・重症化の主因は脾梗塞ではなく背景疾患であり、とりわけ感染性心内膜炎を背景とする13例はICU入室9/13・死亡4/13・弁手術5/13と別格に重い。死亡の独立予測因子は発熱・qSOFA陽性・悪性腫瘍の既往だった。④診断の節が「造影CTでなければ楔状の欠損は描出されない」と断定し超音波に触れていなかったので、造影CTが急性期の第一選択であるという原文の書き方に戻し、超音波が急性期には輝度差の確立に1日を要するため写らないことがある一方、合併症の短期の追跡に有用であることを補った。⑤LDHについて、26例の症例集積の71%だけを書いていたが、同じ出典が白血球増多もLDH上昇も脾梗塞に特異的でないと明記している点を補った。130例のコホートで表示上6.9%にとどまるのは測定されたのが11例だけで、そのうち9例が上昇していたためであることも書き分けた。あわせて、腎梗塞で確立している「LDHだけが上がりAST・ALTは伴わない」という乖離を無出典で脾梗塞へ持ち込んでいた記述を外した。⑥自己脾摘を「学童期までに脾実質を線維化・瘢痕化させ機能的無脾症に至る」と書いていたが、出典は多発梗塞が小児期に始まり成人までに完全な自己脾梗塞へ至りうるとしている。解剖学的な到達点と脾機能が失われる時期を書き分けた。⑦原因に膵疾患(膵炎・圧排する膵腫瘤)・遊走脾の茎捻転・外因性エストロゲン・悪性腫瘍が落ちていたので補い、脾腫を来す疾患の一覧と、原因を特定できない特発性が25.4%を占めることを加えた。急性膵炎が鑑別であると同時に原因でもある点も明示した。⑧臨床像に、26例の症例集積の31%が脾の領域に限局する徴候・症状を持たなかったこと、26例中21例で脾梗塞の診断が未知の基礎疾患の診断につながったことを補い、2つのコホートの数値を比較表にした。⑨ワクチンの対象菌3種は脾梗塞のStatPearls章には無く「莢膜を持つ細菌」までしか書かれていないため、3種を名指ししている資料へ脚注を付け替えた。(出典:Splenic Infarcts・Risk assessment and prognostic analysis of patients with splenic infarction in emergency department: a multicenter retrospective study)
2026
09.08ジフテリア菌のトピックで「牛の首」を喉頭・気管への進展の結果と書いていた誤りをCDC Pink Bookで正し、軟口蓋→眼筋・四肢・横隔膜という神経麻痺の時間差を新設した。マクロライドのトピックには、系統の原型でありながら1剤だけ欠落していたエリスロマイシンを追加し、レファムリンの禁忌2項と胎児毒性を米国添付文書から補ったうえで、その添付文書の年を掲載年2024から改訂年2021へ直した。
- トピックCorynebacterium diphtheriae, diphtheroids and the Propionibacterium genus①臨床像の表が「喉頭・気管へ広がるとリンパ節腫脹(牛の首徴候)」と書いており、牛の首を偽膜の下方進展の結果として説明していた。CDC Pink Book 第7章の原文は "Patients with severe disease may develop marked edema of the submandibular areas and the anterior neck along with lymphadenopathy, giving a characteristic bull neck appearance." で、正体は重症例における顎下部・前頸部の軟部組織浮腫とリンパ節腫脹である。行を分けて書き直した。②神経毒性を「後咽頭から始まる脱髄」とだけ書いていたので、同章の "Paralysis of the soft palate is most frequent during the third week of illness. Paralysis of eye muscles, limbs, and the diaphragm can occur after the fifth week." にもとづき、軟口蓋麻痺が第3週、眼筋・四肢・横隔膜が第5週以降という時間差を新設した。⚠️ 横隔膜麻痺はコーパスのどのジフテリア関連ノートにも書かれていなかった。あわせて偽膜が発症2〜3日で形成されること、心筋炎が早期にも数週間後にも起こりうること、致命率5〜10%を補った。③ジフテロイドの導入文が「非病原性のCorynebacterium属菌種を指す総称で、いずれも皮膚・咽頭の正常フローラ」と断定していたが、同じ表がC. ulcerans(ジフテリア毒素を産生しうる)・C. pseudotuberculosis・Rhodococcus equi(常在菌ではない)を含んでおり自己矛盾していた。断定を外し、表に常在菌でない近縁種が並ぶ理由を明示した。④C. amycolatumを「ミコール酸を持たない唯一の種」としていたが、C. kroppenstedtiiの原記載がまさに "a novel corynebacterium that does not contain mycolic acids" である。「唯一」を外した。⑤C. minutissimumの好発部位を「腋窩・恥骨部」としていたのを、紅色陰癬のノートと同じく「趾間が最多、次いで鼠径部・腋窩・乳房下」へ改めた。⑥Rhodococcus equiを「ヒトでは重症肺感染症を起こす」とだけ書いていたので、細胞性免疫が破綻した宿主(とくに進行HIV/AIDS)の日和見病原体であることを明示した。⑦受け皿のある8語に本文リンクを張った(ジフテリア菌・ジフテリア・エリスロマイシン・ジフテロイド・紅色陰癬・Rhodococcus equi・尋常性痤瘡・人工関節感染)。(出典:CDC Pink Book Chapter 7: Diphtheria・Corynebacterium kroppenstedtii sp. nov.)
- トピックC15: Macrolides. Pleuromutilins①このトピックを primaryTopic に指定している薬剤6件のうち、エリスロマイシンだけが本文・図・まとめ表のいずれにも登場していなかった。系統の原型(語尾「-thromycin」の由来)でありながら副作用の説明にしか現れず、なぜ今も使うのかが書かれていない状態だったので項を新設した。CDCが呼吸器・皮膚ジフテリアに "Only erythromycin or penicillin is recommended." として同じ系統のアジスロマイシン・クラリスロマイシンを名指ししていないことが、この薬が残っている理由である。②レファムリンの禁忌が本文に一つも書かれていなかった。米国添付文書は4.1(本剤およびpleuromutilin系への過敏症)と4.2(錠剤とQT延長作用をもつCYP3A基質との併用)の2項を挙げ、⚠️ 4.2は錠剤に限られる——同じ添付文書が注射剤はCYP3A4基質の曝露量を変えないと明記している。5.2の胎児毒性(投与前の妊娠確認、投与中と最終投与後2日間の避妊、授乳では同期間の搾乳・廃棄)と8.4(18歳未満は安全性・有効性が確立していない)も補い、作用機序を12.4項の記述(23S rRNA domain V のペプチジル転移酵素中心のA部位・P部位)へ具体化した。③この添付文書の year が 2024 だったが、文書内の改訂表示は 6/2021 である(2024年10月はDailyMedの掲載日)。id に年を含むため id ごと dailymed-lefamulin-label-2021 へ改めた(他ファイルとの共有は無い)。④アジスロマイシンの心血管死をハザード比2.88とだけ書いており比較対象が抜けていた。2.88は抗菌薬非服用との比較で、ペニシリンVとの比較ではレートレシオ0.93と有意差が無い。結論が割れる分かれ目が「何と比べたか」であることを明示した。⑤スピラマイシンに「胎児感染が確定したらピリメタミン+スルファジアジンへ切り替える」を補った——胎盤を通過しないという長所は、感染した胎児を治療できないという意味でもある。⑥消化器症状の「motilin様作用のイメージ」をモチリン受容体作動薬という事実へ改め、新生児の肥厚性幽門狭窄症は1999年MMWRが支える範囲(集積事例の実数と日齢)に限って書き、リスク比の時間窓は薬剤ノートに譲った。(出典:XENLETA (lefamulin) label・CDC Clinical Guidance for Diphtheria・Azithromycin and the risk of cardiovascular death・Use of azithromycin and death from cardiovascular causes)
2026
09.08運動過多性運動障害のトピックで、むずむず脚症候群の治療方針を「2024年AASM指針」と1年ずれた無出典の1行で書いていたのを、2025年のAASM診療ガイドライン本文にもとづき推奨の強さ・鉄補充の閾値・ドパミン作動薬の但し書きまで書き直した。バルベナジンを「遅発性ジスキネジアの薬」とだけ紹介していたので、ハンチントン病の舞踏運動という第2の適応と、ハンチントン病集団に限定された抑うつ・自殺念慮の枠組み警告を補った。マルスタシマブでは、米国添付文書だけを読んで書かれた「6歳以上」「禁忌なし」「枠組み警告なし」を、EUの製品概要と日本の電子添文を取得して3極の書き分けへ改めた——日本は血栓塞栓性事象を冒頭の警告欄に置いており、EU・日本とも過敏症を禁忌に掲げる。
- トピックG3-12: Hyperkinetic movement disorders①むずむず脚症候群の節が「2024年AASM指針ではガバペンチノイド系が優先される」と無出典で書いていた。当のガイドラインは2025年1月のJ Clin Sleep Med 21巻1号137-152頁で、コーパスの他5ファイルはすべて2025年として出典つきで扱っており、このトピックだけが浮いていた。全文(PMC11701286)を取得して推奨文を1件ずつ数え直し、ガバペンチンエナカルビル・ガバペンチン・プレガバリン・静注フェリックカルボキシマルトースの4つが「強い推奨」であること、鉄補充の開始閾値(成人はフェリチン75 ng/mL以下またはトランスフェリン飽和度20%未満で経口または静注、75〜100 ng/mLは静注のみ、小児はフェリチン50 ng/mL未満。一般人口の基準とは別だと原文が明記)、増悪因子の列挙に未治療の閉塞性睡眠時無呼吸が含まれることを書き足した。②⚠️ **ドパミン作動薬4剤(プラミペキソール・ロピニロール・経皮ロチゴチン・レボドパ)の非推奨は「条件付き」であり、4剤すべての推奨文に但し書き(Remarks)が付いている**——「短期使用による症状軽減を高く評価し、長期使用の有害事象、とくにオーグメンテーションを低く評価する患者では用いてよい」。旧稿はこの但し書きを落として禁止に近く読める形だったので、独立の行として補った。③バルベナジンを「成人の遅発性ジスキネジアに適応を持つ」とだけ書いていたが、添付文書(改訂2026年4月)の適応は遅発性ジスキネジアとハンチントン病に伴う舞踏運動の2つで、用量も後者は40mgから2週ごとに20mgずつ80mgへと異なる。さらに**枠組み警告「ハンチントン病患者における抑うつと自殺念慮・自殺行動」がハンチントン病集団に限定された1本として置かれている**のに本文に一言も無かった。舞踏運動の治療でVMAT2阻害薬を挙げる節と、この警告が同じノートに同居していなかったのが最大の穴だったので、適応・用量・枠組み警告の3点を補い、治療の原則とまとめにも反映した。④現象学の表と本文で受け皿のある12語に本文リンクを張った(舞踏運動・ジストニア・ミオクローヌス・チック・振戦・アテトーゼ・ハンチントン病・Sydenham舞踏病・SLE・妊娠性舞踏病・Wilson病・CJD・Parkinson病・Tourette症候群・遅発性ジスキネジア・本態性振戦・むずむず脚症候群・閉塞性睡眠時無呼吸と、テトラベナジン・デューテトラベナジン・バルベナジン・ガバペンチン・プレガバリン・ロチゴチン・レボドパ・オキシコドン)。(出典:Treatment of restless legs syndrome and periodic limb movement disorder: an American Academy of Sleep Medicine clinical practice guideline・INGREZZA (valbenazine) and INGREZZA SPRINKLE capsules, for oral use)
- 薬剤marstacimab①適応・禁忌・警告の3節が米国添付文書だけを根拠に書かれ、地域を書かずに断定していた。EUの製品概要(スペインAEMPS CIMA経由で全文取得)と日本の電子添文(2026年8月改訂・第2版)を取り直したところ、3極が一致していなかった——**米国は6歳以上・体重下限なし・インヒビターの有無を問わず・重症度の限定なし。EUは12歳以上かつ体重35kg以上で、インヒビター非保有例だけは重症例(第VIII/IX因子活性1%未満)に限る。日本は12歳以上かつ体重25kg以上で重症度の限定なし。** 6〜11歳に使えるのは米国だけであり、EUの製品概要は1歳未満への使用を安全性の懸念から禁じてもいる。地域別の表を新設し、旧稿の断定を書き分けへ改めた。②⚠️ **「添付文書上、明確な禁忌事項の記載はない」「枠組み警告の記載は無い」は米国だけの話だった。** EUの4.3と日本の2はいずれも本剤の成分への過敏症を禁忌に掲げ、**日本の電子添文は冒頭に「1. 警告」欄を持ち、その筆頭が血栓塞栓性事象である**(血友病治療に十分な知識・経験を持つ医師のもと、緊急時に対応できる医療機関で開始することも求めている)。まとめの「明確な禁忌もなく」も同時に直した。③避妊期間も割れていた——米国は最終投与後2か月、EU・日本はいずれも1か月である。日本の電子添文はラットでAUC比17倍の用量で骨格奇形・骨格変異・着床後胚損失の増加が認められたことを根拠として示している。④⚠️ **突破出血を本剤の追加投与で治療してはならない**というEUの明記と、日本の電子添文が示すバイパス止血製剤の上限(活性型第VII因子製剤は初回90µg/kg・以後2時間を超えない間隔で60〜90µg/kg、活性型プロトロンビン複合体製剤は24時間以内100単位/kg)、**大手術では少なくとも7日前に休薬する**というEUの周術期指示を新設した。旧稿は増量の話しかしておらず、出血時と手術時の扱いが空白だった。⑤EUの副作用表には米国の2%以上の一覧に無い**高血圧**が「よくある」として載っており、逆にEUの表には発熱・関節痛・下痢が無い。日本の一覧には浮動性めまい・腹痛・好中球減少症・疲労などが並ぶ。3極で載る症状が一致しないことを明示した。⑥血栓塞栓症のリスクが上がる背景(組織因子の発現が増える急性重篤病態、周術期、遺伝性血栓素因、長期臥床・肥満・喫煙)と、日本が組織因子過剰発現状態で播種性血管内凝固症候群のリスクも挙げていることを補った。(出典:Ficha técnica HYMPAVZI 150 mg solución inyectable en pluma precargada・ヒムペブジ皮下注150mgペン 電子添文・HYMPAVZI (marstacimab-hncq) injection)
2026
09.08ジフテリアの「牛の首」を偽膜の下方進展の結果と説明していた1ファイルをCDC Pink Bookで正し、コーパスのどこにも書かれていなかった横隔膜(呼吸筋)麻痺を、軟口蓋は第3週・眼筋/四肢/横隔膜は第5週以降という時間差つきで疾患ノートと微生物ノートの両方に入れた。ジフテロイドの「ミコール酸を欠く唯一の種」も原記載で覆した。レファムリンでは米国添付文書とEUの製品概要を取り直し、MRSAが承認適応に入らないこと、投与期間が剤形で違うこと、禁忌が剤形と国で書き分けられていることを反映した——このノートは出典が0件だったので、確かめた2文書を新設した。
- 微生物Corynebacterium diphtheriae①病態の表が「咽頭から喉頭・気管へ広がると頸部リンパ節腫脹と軟部組織浮腫による牛の首徴候を呈し」と書き、牛の首を偽膜の下方進展の結果として説明していた。CDC Pink Book 第7章の原文は「Patients with severe disease may develop marked edema of the submandibular areas and the anterior neck along with lymphadenopathy, giving a characteristic 'bull neck' appearance.」で、正体は重症例における顎下部・前頸部の著明な軟部組織浮腫にリンパ節腫脹が加わった外観であり、下方進展とは結びついていない。⚠️ 同じ主張をコーパス全体で数えると、正しく書けていたのは疾患ノート・頸部リンパ節腫脹・咽頭痛の3ファイルで、この1ファイルだけが浮いていた。偽膜の進展と牛の首を別の文に分け、要約行(起こす疾患の表・まとめ)にも同じ是正を入れて同一ファイル内に旧記述を残さないようにした。②神経麻痺を「軟口蓋→眼筋→四肢」で閉じており、臨床的に最も危険な横隔膜麻痺が1件も無かった。同章の「Paralysis of the soft palate is most frequent during the third week of illness. Paralysis of eye muscles, limbs, and the diaphragm can occur after the fifth week.」にもとづき、第3週の軟口蓋麻痺と第5週以降の眼筋・四肢・横隔膜麻痺という時間差を、本文の表・病型の表・mermaid図・まとめの4箇所すべてに入れた(mermaidのノードラベルにはWikilinkを書いていない)。③心筋炎の時期を「発症後1〜2週間」とだけ書いていたので、CDCが「経過の早期にも数週間後にも起こりうる」としている点を併記した(旧記述は消していない)。④抗菌薬14日間・濃厚接触者への予防投与・アミノグリコシド非適応が無出典だったので、CDCサーベイランスマニュアル第1章(「A treatment course with erythromycin or penicillin is administered over 14 days.」)と臨床ガイダンス(「Only erythromycin or penicillin is recommended.」)を出典として付け、感染部位・症状の有無・毒素産生性を問わないこと、複数地域で高率のペニシリン耐性が報告されていること、皮膚ジフテリアでは抗毒素が通常不要であることを補った。⑤frontmatterの sources が0件だったので、上記3文書を新設した。(出典:CDC Pink Book Chapter 7: Diphtheria・CDC Manual for the Surveillance of Vaccine-Preventable Diseases Chapter 1: Diphtheria・CDC Clinical Guidance for Diphtheria)
- 疾患ジフテリア①神経毒性を「軟口蓋麻痺→四肢の弛緩性麻痺・眼筋麻痺・複視」で閉じており、横隔膜麻痺が本文・mermaid図・まとめのいずれにも無かった。CDC Pink Book 第7章の原文(「Paralysis of eye muscles, limbs, and the diaphragm can occur after the fifth week.」)にもとづき、第3週の軟口蓋麻痺と第5週以降の眼筋・四肢・横隔膜麻痺を3箇所に入れ、「急性期を乗り切っても呼吸筋麻痺の監視期間が残る」という注意を新設した。旧稿の「2〜3週間で神経毒性」は原文の時期と食い違うので置き換えた。②牛の首の記述そのものは正しかったので向きは変えず、CDC Pink Book を出典として付けたうえで「重症例の顎下部から前頸部にかけての著明な軟部組織浮腫にリンパ節腫脹が加わる」という原文の言い方へ揃え、致命率5〜10%を補った。③抗菌薬14日間・濃厚接触者への予防投与が無出典だったので出典を付け、CDCの予防投与が「エリスロマイシン7日または10日間」と書かれている点(旧稿は「7〜10日間」)へ改め、皮膚ジフテリアでは抗毒素が通常不要であること、複数地域で高率のペニシリン耐性が報告されていることを補った。④frontmatterの treatmentDrugs にペニシリンGしか入っておらず、本文が同格で挙げているエリスロマイシンが欠けていた。受け皿ノートが実在し、そちらの本文もジフテリアを節を割いて扱っている(逆参照の裏づけあり)ことを確認して追加し、本文側にもリンクを張った。⑤sources が0件だったので上記3文書を新設した。(出典:CDC Pink Book Chapter 7: Diphtheria・CDC Manual for the Surveillance of Vaccine-Preventable Diseases Chapter 1: Diphtheria・CDC Clinical Guidance for Diphtheria)
- 微生物Diphteroids①菌種の表が「*C. amycolatum* はミコール酸を欠く唯一の種」と断定していた。*C. kroppenstedtii* の原記載の題名そのものが「Corynebacterium kroppenstedtii sp. nov., a novel corynebacterium that does not contain mycolic acids」であり(Crossref でDOIを解決し、International Journal of Systematic Bacteriology 48巻1449-1454頁・1998年を照合した)、「唯一」は成り立たない。断定を外し、*C. kroppenstedtii* の行を表に新設して肉芽腫性乳腺炎との関連まで書き、まとめにも同じ是正を入れた。⚠️ この誤りは同じ主題のトピックノートでも同時に是正されており、出典idを共有させてある。②sources が0件だったので上記の原記載を新設した。⚠️ このノートで一次資料に当たったのはこの1件だけなので、下限2件に届かせるための出典の水増しはしていない。③受け皿が実在するのにリンクが無かった6語に本文リンクを張った(感染性心内膜炎・敗血症・尿路感染症・尿路結石・ジフテリア・紅色陰癬・肉芽腫性乳腺炎)。あわせて house style に従い「紅色陰癬 erythrasma」の英語併記を外した(対訳表に登録済みの語であることを確認した)。(出典:Corynebacterium kroppenstedtii sp. nov., a novel corynebacterium that does not contain mycolic acids)
- 薬剤lefamulin①全体像・比較表・適応・まとめの4箇所が「1剤で定型・非定型病原体とMRSAまで同時にカバーできる」と書いていた。米国添付文書1.1項の適応菌種は *Staphylococcus aureus*(**メチシリン感受性株**)で、MRSAは12.4項の「*in vitro* では感受性ブレイクポイント以下のMICを示すが、臨床効果は適切な対照試験で確立されていない」区分にのみ挙がる。⚠️ 試験管内の活性と承認された適応は別物なので、4箇所すべてを書き直した。あわせて適応菌種の一覧から落ちていた *Haemophilus influenzae* を本文と targetMicrobes に加え、腸内細菌科細菌と緑膿菌に活性が無いことを補った。②⚠️ **適応の書かれ方が国で根本的に違う。** EUの製品概要は錠剤・点滴剤とも「成人の市中肺炎で、初期治療に通常推奨される抗菌薬を用いることが不適切と考えられる場合、またはそれらが無効であった場合」という温存目的の限定つきで、原因菌の列挙が無い。米国だけを根拠に何かを消すのではなく、2極を並べた表にした。日本の電子添文は2026-09-08 時点で取得できておらず、国内で未承認だと断定できる材料も無いので、そのことを本文に明記して断定を避けた。③用法が「経口600 mg 1日2回、静注150 mg 1日2回、5〜7日間」と剤形をまたいで平坦化されていた。米国のTable 1 は静注5〜7日・経口5日、EUは静注7日・経口5日(切り替え時は合計7日)で、期間は剤形で違う。点滴時間(60分)も落ちていたので補い、投与間隔と取り違えないよう注記した。米国だけにある重度肝障害での減量規定と、EUが腎障害・肝障害とも用量調節不要としている点も表にした。④「禁忌・注意」の節に禁忌が1つも無かった。米国は4.1過敏症と4.2「**錠剤に限り** QT延長作用をもつ感受性CYP3A4基質との併用」の2項のみで、同項が「Concomitant use of XENLETA Injection with CYP3A4 substrates does not affect the exposure of CYP3A4 substrates.」と明記している。EUの4.3ははるかに広く、QT延長そのもの・未補正の低カリウム血症・臨床的に問題となる徐脈や不安定な心不全・症候性心室性不整脈の既往・感受性CYP2C8基質との併用まで禁忌に置き、しかも「強いCYP3A阻害薬との併用」は**錠剤の4.3にだけ**あって点滴剤の4.3には無い。剤形と国で書き分けられた構造をそのまま表にした。⚠️ 米国で警告(5.1)にとどまるQT延長が、EUでは禁忌である。⑤「妊娠中は避ける」を禁忌のように箇条書きしていたが、両文書とも禁忌ではない(米国は5.2の胎児毒性の警告、EUは4.6の「推奨しない」)。推奨の強さを戻し、避妊の指示(米国は最終投与後2日間、EUは経口避妊薬使用者に追加の物理的避妊法)を補った。⑥副作用を「高頻度=悪心・下痢」とまとめていたが、米国添付文書は2試験を分けて示しており、下痢12%は経口のみの試験2の値で、静注±経口の試験1では投与部位反応7%が最上位で下痢は2%以上の一覧に入らない。剤形別に分け、EUの集計値と分母が違うことを明記した。⑦sources が0件だったので、上記2文書を新設した。米国添付文書の id は同じ資料を引く既存ファイルに合わせ、改訂表示(Revised 6/2021)に基づく dailymed-lefamulin-label-2021 を使い回した。(出典:XENLETA (lefamulin acetate) injection, solution; XENLETA (lefamulin) tablet, film coated・Xenleta EPAR Product Information)
2026
09.08レファムリンの禁忌を米国添付文書だけで「2つ」と断定していた薬理トピックを、EUの製品概要と突き合わせて国ごとに書き分けた。マルスタシマブの適応年齢を地域差込みで直した波及として、コンシズマブの比較表が国を書かずに「6歳以上」と載せていた行も米国の値であることを明示した。
- トピックC15: Macrolides. Pleuromutilinsレファムリンの禁忌を「禁忌は2つ——過敏症と、錠剤とQT延長作用をもつCYP3A基質との併用。QT延長そのものは禁忌ではなく警告の側にある」と国を書かずに断定していた。これは米国添付文書だけの姿で、EUの製品概要(Annex I)4.3項は錠剤・点滴剤とも、過敏症2項に加えてCYP3Aの中等度/強い誘導薬との併用・QT延長作用をもつCYP3A基質との併用・Class IA/III抗不整脈薬などQT延長薬との併用・既知のQT延長そのもの・未補正の低カリウム血症・臨床的に問題となる徐脈/不安定な心不全/症候性心室性不整脈の既往を禁忌に挙げる(強いCYP3A阻害薬との併用と感受性CYP2C8基質との併用は錠剤の4.3にのみあり点滴剤の4.3には無い)。米国とEUを並べて書き分け、EUでは適応そのものが原因菌を列挙せず「初期治療に通常推奨される抗菌薬を用いることが不適切と考えられる場合、またはそれらが無効であった場合」の市中肺炎に限定されていることも補った。(出典:Xenleta EPAR Product Information)
- 薬剤concizumabコンシズマブとマルスタシマブの比較表が「適応年齢(現行)」として国を書かずに「12歳以上/6歳以上」と載せていた。表の本文自身がFDA承認の順序を主題にしているとおりこれは米国の値であり、マルスタシマブはEU・日本では12歳以上(EUは体重35kg以上、日本は25kg以上)である。行の見出しを米国と明示し、地域差の詳細をマルスタシマブのノートへ送った。
2026
09.082026年8月に出たASHの免疫性血小板減少症ガイドラインを反映し、フォスタマチニブ(SYK阻害薬)が第二選択の選択肢として推奨に入ったこと・2019年版の序列が撤回されたことを書き換えた。あわせて「禁忌なし」が米国の書き方にすぎないこと、12週での打ち切り規定を追記し、グリセオフルビンの小児用量を添付文書の承認用量と実地の用量に書き分けて重症皮膚反応・肝障害の警告を補った。
- 薬剤fostamatinib12週間で十分な血小板数に達しなければ中止するという打ち切り規定と、血小板数25万/μL超での減量・休薬、血小板増加に伴う血栓塞栓症リスク、B型肝炎再燃への注意を追加した(出典:TAVALISSE 添付文書、タバリス錠 電子添文)
- 薬剤fostamatinib位置づけを2026年8月のASHガイドラインへ更新した。2019年版の第二選択の序列(脾摘・TPO受容体作動薬・リツキシマブ)は撤回され、TPO受容体作動薬・リツキシマブが適さない場合にBTK阻害薬・ミコフェノール酸モフェチルと並んでSYK阻害薬を提案する推奨2bへ置き換わっている(条件付き推奨・エビデンスの確実性は非常に低い)(出典:ASH 2026 ITPガイドライン)
- 薬剤fostamatinib適応を「複数の前治療に反応不十分」から米国承認書どおりの「前治療(1回以上)への反応が不十分」へ訂正し、「作用点が違うので併用の余地がある」という記述を、EU製品概要が併用は検討されていないと明記している旨へ差し替えた(出典:NDA 209299 承認書)
- 疾患免疫性血小板減少症成人の初回治療と第二選択の節を2026年8月のASHガイドラインへ更新した。初回治療にリツキシマブまたはトロンボポエチン受容体作動薬をステロイドへ併せることが提案され、第二選択はトロンボポエチン受容体作動薬を推奨(確実性は中)・リツキシマブを提案(確実性は低)・どちらも適さない場合にBTK阻害薬/ミコフェノール酸モフェチル/SYK阻害薬を提案(確実性は非常に低い)という構成に置き換わった(出典:ASH 2026 ITPガイドライン)
- 疾患免疫性血小板減少症フォスタマチニブのFDA承認適応の書き方を承認書どおり「前治療1回以上への反応不十分」に直し、H. pylori 除菌の推奨がASH 2011年版の再掲であって2019年版が根拠を再検討していない旨を明記した(出典:ASH 2019 ITPガイドライン)
- 薬剤griseofulvin小児用量を、米国添付文書の承認用量(ウルトラマイクロサイズ約7.3 mg/kg/日)と総説が挙げる実地の用量(10〜15 mg/kg/日、マイクロサイズ懸濁液20〜25 mg/kg/日)に書き分け、治療期間4〜6週と6〜8週の食い違いが資料の性質の違いであることを示した(出典:Ultramicrosize Griseofulvin 添付文書、小児表在性真菌感染の総説)
- 薬剤griseofulvin禁忌を「重度肝不全・晩発性皮膚ポルフィリン症」から添付文書どおりの「妊娠・ポルフィリン症・肝細胞性肝不全・過敏症」へ訂正し、警告に置かれているStevens-Johnson症候群/中毒性表皮壊死融解症と肝障害を副作用に追加した(出典:Ultramicrosize Griseofulvin 添付文書)
- 薬剤griseofulvinペニシリン交差過敏の記述に、同じ添付文書の「既知のペニシリン過敏の患者が問題なく治療されている」という但し書きを補い、爪白癬にはグリセオフルビンを用いないという「白癬治療の落とし穴」の項目を適応に追記した(出典:AAFP 白癬の診断と管理)
- 薬剤griseofulvin小児頭部白癬コホートの症例数を489例から原著どおりの456例へ訂正し、指標を「完全治癒率」から「臨床的完全奏効」へ改めた(出典:Pediatric Tinea Capitis コホート)