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  1. 2026 09.08

    トリフルリジンの胃癌適応の欠落、ムンプス卵巣炎の頻度の分母、エリグルスタットとフェンフルラミンの禁忌の範囲など6ノートを一次資料で是正した。

    • 薬剤trifluridine配合剤ロンサーフの適応から、既治療の転移性胃癌・胃食道接合部腺癌が丸ごと抜けていたので追加した。あわせて大腸癌側の前治療歴からも抗VEGF生物学的製剤が落ちていた点を補い、癌種によって条件の書き方そのものが違う(大腸癌は薬効群の列挙、胃癌は2レジメン以上というライン数)ことを平坦化せずに書いた。用量の上限(1回80mgまで)と食後投与、胚・胎児毒性の警告も追加した。(出典:LONSURF 添付文書)
    • 疾患卵巣炎分母の違う頻度が並んでいたので、CDCの数字で接種歴と時代ごとに層別した表に組み替えた。卵巣炎はワクチン導入前7%・接種済み1%以下、精巣炎は未接種約30%・接種済み約6%である。生殖能を障害しないという否定命題は二次資料1件しか支えておらず、CDCが生殖能に触れているのは男性の不妊についてだけだったため、障害するという証拠は乏しいが否定もできていないという強さへ後退させた。(出典:CDC Pink Book 第15章 ムンプス)
    • 疾患特発性頭蓋内圧亢進症アセタゾラミドの適用範囲を、根拠となったIIHTT試験の組入れ(軽度の視野障害、平均偏差-2〜-7dB)まで戻し、主要評価項目がP=.050・95%信頼区間の下限が0に接することを明記した。減量そのものを比べた無作為化試験(IIH:WT)を追加し、従来アセタゾラミド群の体重減少を減量の効果のように使っていた記述を正した。GLP-1受容体作動薬は16例・有意水準0.1という限定つきで研究段階として追記した。(出典:IIH:WT 2021、エキセナチドRCT 2023)
    • 薬剤eliglustat重篤な心疾患・先天性QT延長症候群・Class IA/III抗不整脈薬の併用を禁忌としていたが、これらは米国・EUとも警告(推奨しない・避ける)であって禁忌ではない。実際の禁忌はCYP2D6の代謝型と阻害薬併用・肝機能障害の組み合わせで定められているので、代謝型ごとの表に置き換えた。あわせて力価と選択性の取り違え(約1000倍はIC50の比=力価に付く数値で、消化器忍容性の改善は選択性の側の話)を正し、EUにある6歳以上の小児適応を追加した。(出典:Cerdelga SmPC)
    • 薬剤fenfluramine弁膜症と肺動脈性肺高血圧症の扱いが3極で分かれることを書き分けた。EUのSmPCは両者を禁忌の項に独立して置くが、日本の電子添文と米国添付文書の禁忌は過敏症とMAO阻害剤の2項目だけで、両者は慎重投与・警告にあたる。あわせてLennox-Gastaut症候群を承認適応として明示し、散瞳による閉塞隅角緑内障の誘発と急な中止によるてんかん重積状態という危険な副作用を追加した。(出典:Fintepla SmPC、フィンテプラ内用液 電子添文)
    • 薬剤fezolinetantホルモン感受性乳癌の既往患者への選択肢という位置づけを限定した。EUのSmPCは、乳癌その他のエストロゲン依存性悪性腫瘍で腫瘍治療を受けている女性には推奨しない(臨床試験に組み入れられていない)とし、治療を終えた既往者は個別の判断としている。出典の無い既に48か国で承認という記述は削り、確認できた米国とEUだけを出典つきで書いた。日本未承認であることはPMDAの承認品目一覧で裏づけた。(出典:Veoza SmPC、PMDA 承認品目一覧)
  2. 2026 09.08

    眼内炎の治療方針の根拠を版の無い参照サイトから原著試験へ差し替え、MEK阻害薬の眼毒性を3ノートに機序つきで書き足した。

    • 疾患眼内炎即時硝子体手術が有益なのは初診時視力が光覚弁のみの群であり、光覚弁以下(無光覚を含む)ではないことを是正した。根拠を版の無い参照サイトからEndophthalmitis Vitrectomy Studyの原著3報へ差し替え、白内障手術後6週以内の術後細菌性眼内炎420例という組入れ条件を明示した。あわせて、丸ごと落ちていた第2の無作為化(セフタジジム+アミカシンの静注上乗せで最終視力に差が無かった)と、前房水だけが陽性の眼が4.2%あるので前房水穿刺を省かないことを追加した。(出典:EVS 1995、EVS 診断手技 1997)
    • 薬剤dabrafenib + trametinib承認適応が3極で違うのに1行に潰されていたので書き分けた。甲状腺癌は米国が未分化癌でEUが分化癌と対象が逆であり、日本には甲状腺癌の適応がなく、代わりに有毛細胞白血病と(トラメチニブ単剤での)低異型度漿液性卵巣癌がある。眼毒性も、網膜色素上皮剥離と網膜静脈閉塞がトラメチニブ側、ぶどう膜炎がダブラフェニブ側と分けて頻度と休薬・中止の基準を添えた。BRAF阻害薬は必ずMEK阻害薬と併用するという断定も、米国がトラメチニブ単剤を承認している事実に合わせて緩めた。(出典:Mekinist SmPC、メキニスト錠 電子添文)
    • 疾患中心性漿液性脈絡網膜症MEK阻害薬関連漿液性網膜症との異同を5観点の対比表で追加した。中心性漿液性脈絡網膜症は肥厚脈絡膜と網膜色素上皮の機能異常が本体で片眼性・単発なのに対し、MEK阻害薬によるものは脈絡膜厚が変わらず網膜色素上皮も保たれ、92%が両眼性・77%が多発性で、検出から中央値32日で自己限定的に消退し薬剤中止を要しない。危険因子表に経口MEK阻害薬が挙がっていることと矛盾しない理由も明記した。(出典:Francis 2017)
  3. 2026 09.08

    志賀毒素産生大腸菌による溶血性尿毒症症候群への補体阻害薬を「エビデンス未確立」から第III相無作為化試験の実数へ改め、血栓性微小血管症の分類が資料間で割れていることを書き分けたうえで、C5阻害薬の中止後の判定基準から落ちていた症状を添付文書の原文へ復元した。

    • 疾患溶血性尿毒症症候群①STEC-HUSへの補体阻害薬について「十分なエビデンスが確立しておらず」という無出典の記述を、小児100例の第III相無作為化プラセボ対照試験の実数へ置き換えた。主要評価項目に有意差はなかった。⚠️ この主要評価項目は「腎代替療法が48時間未満で済んだ=治療成功」の割合であって、48時間以内に透析を要した割合ではない——プラセボ48%に対しエクリズマブ38%と、数値のうえではむしろプラセボのほうが高い(P=0.31)。ITT解析でも腎代替療法を要したのはエクリズマブ群60%・プラセボ群50%で有意差がない(P=0.315)。一方、副次評価項目である1年後の腎後遺症は43.48%対64.44%でエクリズマブ群のほうが有意に少なかった(P=0.04)。⚠️ 急性期の指標だけを見て「効果がない」と読むと著者自身の結論(長期後遺症を減らす可能性)を落とすが、逆に主要評価項目の向きを取り違えて「透析導入を減らした」と読んでもいけない。②補体C3低下について「認めることがある」としていたのを、患者の20%未満にとどまり正常でもaHUSを否定しないと具体化した(鑑別表・本文・まとめの3箇所)。③補体を止めても治らない病型を補体阻害療法へ進む前に外すため、コバラミン代謝異常症の除外(血漿ホモシステイン、とくに18歳未満と遺伝子パネルのMMACHC・DGKE)を診断の節に新設した。④C5阻害薬が直ちに入手できない場面の血漿療法(grade 1B)が丸ごと欠落していたので、長期寛解・腎機能回復は示せていないという限定つきで追加した。⑤髄膜炎菌ワクチンの記述を、4価結合型+B群、肺炎球菌・Hib・インフルエンザも推奨(grade 1A)、接種を先行できなかった症例では治療期間中ずっと予防的抗菌薬を続ける、まで具体化した。⑥直接クームス試験の検体はどの輸血よりも前に採ることを追記した。(出典:Efficacy and Safety of Eculizumab in Pediatric Patients Affected by Shiga Toxin-Related Hemolytic and Uremic Syndrome・aHUSの多職種管理・ブラジル腎臓学会 aHUS合意 2025)
    • 疾患血栓性微小血管症①このノートは志賀毒素産生大腸菌によるHUSを一次性TMAに置いているが、ブラジル腎臓学会2025年合意は一次性をTTPとaHUSに限り、STEC-HUSと肺炎球菌関連HUSを感染関連の二次性に置いている。⚠️ どちらが誤りとは断じず、両方の枠組みを示して「区分の定義を確かめてから読む」と明記した——臨床上の含意(STEC-HUSに補体阻害薬をルーチンに使わない)は両者で変わらない。②分類表に代謝介在性TMA(コバラミンC欠損症など)と凝固介在性TMA(DGKE・THBDなど非補体遺伝子)の2病型が欠けていた。どちらも小児のTMAで補体阻害療法へ流れる前に外すべき病型なので追加した。③共通する初期評価に血漿ホモシステイン(18歳未満で必須)と直接抗グロブリン試験を追加した。④二次性TMAの原因が本文で1本もリンクされていなかったので、HELLP症候群・悪性高血圧・造血幹細胞移植関連TMA・GVHD・抗リン脂質抗体症候群・全身性強皮症腎クリーゼ・播種性血管内凝固をつないだ。(出典:ブラジル腎臓学会 aHUS合意 2025)
    • 薬剤ravulizumab中止後の血栓性微小血管症の合併症を判定する基準のうち、症状側が閉じた列挙に見える書き方になっていた。欧州の製品概要の原文は「精神状態の変化、痙攣、その他の腎外TMA症状(心血管系の異常・心膜炎・消化器症状/下痢を含む)、血栓のいずれか1つ」で、心膜炎と消化器症状/下痢が落ちていた。⚠️ ここは「〜を含む」と書かれた例示であって閉じた列挙ではない。検査値側の「2回目の測定で確認する」という手順も落ちていたので復元した。あわせて米国添付文書の節名を原文の複数形(Limitations of Use)へ直した。(出典:Ultomiris 製品概要(Annex I))
  4. 2026 09.08

    横断監査が同じバッチの是正を検算し、消しすぎた数値の復元・EU承認状況の更新・出典の帰属ずれを5ノートで直した。

    • 薬剤lecanemab撤去されていたARIA-H 16.5%・症候性ARIA-E 2.8%・症候性ARIA-H 1.4%を復元した。これらは電子添文の「17. 臨床成績」に逐語で存在し、「11.1.2 重大な副作用」の内訳(13.6%・5.2%)とは数え方が違うため、同一文書内で2通りある旨を注記した。EU承認日の脚注も、日付が書かれていない承認Q&AからSmPC 9項へ付け替えた。(出典:レケンビ点滴静注 電子添文、Leqembi EPAR product information)
    • 薬剤donanemab欧州の状況を「承認勧告」から「2025年9月24日に販売承認(適応はApoE ε4ヘテロ接合体・非保因者に限定)」へ更新した。直上の行のレカネマブだけが販売承認に更新され、表の中で承認段階の対比が誤って立っていた。(出典:Kisunla EPAR)
    • 薬剤lanadelumabaPTT延長を「出血傾向ではない」と断定していたのを是正した。電子添文はaPTT延長10例中2例・PT-INR延長4例中1例に出血関連の有害事象があったと記しており、周術期の判断を延長値だけで下さないよう書き改めた。米国添付文書のCONTRAINDICATIONSが "None." であること、めまい・筋痛はプラセボ0%であることも補った。(出典:タクザイロ皮下注 電子添文)
    • 薬剤luspaterceptEUだけが承認している非輸血依存性βサラセミアで髄外造血巣が6.3%(6/96、プラセボ2.0%)と輸血依存性の約2倍であることを追記した。骨髄異形成症候群の血栓塞栓症3.9%はプラセボ群も同率であることも補った。(出典:Reblozyl EPAR product information)
    • トピックCorynebacterium diphtheriae, diphtheroids and the Propionibacterium genusジフテリアの抗菌薬投与期間「14日間」を、CDC臨床ガイダンスではなくCDC Surveillance Manual第1章を出典として復元した(同章は "A treatment course with erythromycin or penicillin is administered over 14 days." と明記)。濃厚接触者への予防投与(エリスロマイシン7〜10日間またはベンザチンペニシリンG単回筋注)も追加した。(出典:CDC Manual for the Surveillance of Vaccine-Preventable Diseases, Chapter 1)
  5. 2026 09.08

    イミキモドの用法が適応ごと・国ごとに違うのを1本に平坦化していたのを解体し、糖尿病性水疱症では出典2件の識別子が別の論文を指していたのを実在文献へ直したうえで、全身性強皮症の指尖潰瘍に対する推奨の順序の読み違いを3ファイルで是正した。

    • 薬剤imiquimod①塗布後に洗い流すまでの時間を「おおむね8時間程度」と1本で書いていたが、日本の電子添文は適応別に定めており、尖圭コンジローマが6〜10時間、日光角化症が約8時間である。②⚠️ 日光角化症の投与スケジュールは国で根本的に違う——欧州と日本は週3回を4週間ののち4週間休薬する2クール制、米国は週2回を16週間の1クール制で、日本の方式は米国ではなく欧州と一致する。海外文献の投与スケジュールをそのまま国内に当てはめない。③禁忌から過敏症が落ちていたので復元し、粘膜内使用が日本だけ禁忌で欧州・米国では警告にとどまる、という重み付けの差を書き分けた。④「局所の強い炎症反応は効いている徴候であり、必ずしも中止の理由ではない」と一方向に断定していたが、日本の電子添文は重篤な潰瘍・びらん・紅斑・浮腫・表皮剥離を重大な副作用に挙げ、出現時は洗い流して直ちに相談するよう事前指導を求めている。両面を書き分けた。⑤インフルエンザ様症状・排尿困難・高度外陰腫脹による尿閉といった全身性の副作用が本文に1行も無かったので新設した。⑥「作用は塗布局所にとどまる」としていたが、健康成人・患者とも血清中の未変化体が検出され、外用後に全身のインターフェロンαが上昇すると製品概要が明記している。⑦作用機序の脚注が、当該部分を「作用機序は不明」と書いている米国添付文書に付いていたので欧州の製品概要へ付け替えた。⑧承認適応に表在型基底細胞癌(欧州・米国。日本は未承認である旨を本文に明示)を追加した。(出典:ALDARA 製品概要(Annex I)・ベセルナクリーム5% 電子添文)
    • 疾患糖尿病性水疱①出典2件の識別子が両方とも誤っていた。1件は別の論説を指し、もう1件はそもそも解決しない識別子だった。⚠️ 書誌情報の体裁は整っているので機械チェックをすべて通過する型である。著者名・掲載年を照合して実在する2文献へ差し替えた。②「自然治癒性で特異的治療は無く、水疱蓋は温存する」を管理の骨子として断定していたが、このノート自身が引いている集積研究は足の病変について「まず水疱蓋を切除して基底面を観察し排液する」ことを推奨しており正反対である。同研究は穿刺吸引と水疱蓋の温存を「手の水疱と、足でも合併症のない症例には適当かもしれない」と限定して述べているだけなので、病変の場所で分かれる2つの立場として表に書き分けた。③転帰が「2〜6週で自然治癒」だけだったが、同研究の実測は治癒まで中央値2.5か月(0.5〜23)、35エピソード中17で経口抗菌薬が投与され、未治癒のまま死亡2例・足趾部分切断1例・中足骨列切断1例に至っている。④「35例中20例で低血糖」は分母が違い、正しくは25例・35エピソード中の20エピソードである。⑤「組織学的には表皮下・透明帯レベルでの解離が確認され」と断定していたが、原文は角層下から基底層上の表皮内解離も表皮下解離もありうるとし「特異的な病理所見は見いだされていない」と結論している。⑥診断の節が無かったので、蛍光抗体法は本症を証明する検査ではなく自己免疫性水疱症を外す検査であること、糖尿病性の神経障害足・神経虚血足では生検自体が危険であることを含めて新設した。⑦鑑別に表皮水疱症が落ちていたので6項目の表に整えた。(出典:Incidence of bullosis diabeticorum・Bullosis Diabeticorum: A Rare Presentation)
    • トピックSkin Manifestations in Diabetes Mellitus糖尿病性水疱の管理を「水疱蓋を温存して感染を監視する」と1本で断定していたが、同じ集積研究を引く疾患ノートと正反対の内容だった。⚠️ 推奨は病変の場所で分かれる——手の水疱と合併症のない病変は穿刺吸引・固定にとどめてよいが、足の病変については水疱蓋を切除して基底面を観察・排液し、糖尿病足潰瘍の標準治療に乗せることが推奨されている。治癒までの中央値が2.5か月で、切断・死亡例もあることを添え、「自然治癒するまれな良性の水疱」という像だけで足病変を扱わないよう書き改めた。(出典:Incidence of bullosis diabeticorum)
    • 薬剤iloprost①日本の商品名としてベンテイビスを挙げたまま、本文では販売中止と書いており現況が食い違っていた。厚生労働省の薬価基準収載品目リストで、令和6年3月31日までの経過措置品目として収載されていたことと、令和8年8月13日適用の3ファイルには一切現れないことを確認したため、日本の商品名欄を空にし、歴史的経緯は経過措置の期限つきで本文に残した。⚠️ 「専用ネブライザの供給問題により」という理由は二次媒体にしか無く裏づけられないので落とした。②適応を1本に平坦化しており、閉塞性血栓血管炎(Buerger病)を英国の製品概要に帰属させていたが、英国の適応にBuerger病は無い(スペインの製品概要にある)。国ごとの表に分けた。③全身性強皮症の推奨について「Ca拮抗薬・PDE5阻害薬を尽くしても改善しない重症の指尖潰瘍に静注イロプロストなどのプロスタサイクリン類似薬」としていたが、⚠️ 原文は指尖潰瘍が「PDE5阻害薬および/または静注イロプロスト」で順序が付いておらず、「経口治療が奏効しなかった場合」が掛かるのはレイノー現象のほうである。またクラスとしてのプロスタサイクリン類似薬の推奨があるのは肺動脈性肺高血圧症の領域だけである。④用法・用量も適応別(重症下肢虚血と重症レイノー現象で投与日数・反復間隔が違う)へ解体し、禁忌の限定(NYHA II〜IVの心不全、3か月以内の脳血管イベント、肺高血圧症に起因しない弁膜異常)を復元し、副作用の頻度区分を製品概要の4区分へ直した(顎痛はcommon、悪心・嘔吐・多汗はvery common)。(出典:EULAR全身性強皮症治療推奨 2023年改訂・Iloprost 100 micrograms/ml 製品概要)
    • トピックSystemic Autoimmune Diseases: Systemic Sclerosis, Inflammatory Myopathies, and Mixed Connective Tissue Disease全身性強皮症の指尖潰瘍について「不十分ならPDE5阻害薬を追加、重症の指尖潰瘍には静注イロプロストなどプロスタサイクリン類似薬を用いる」と段階的な順序で書いていたが、⚠️ 推奨の原文は「PDE5阻害薬および/または静注イロプロスト」で、PDE5阻害薬を尽くしてから進むという順序は付いていない。「経口治療が奏効しなかった場合」という限定が掛かるのは重症のレイノー現象のほうである。また名指しされているのはイロプロストであって「プロスタサイクリン類似薬」というクラスではなく、クラスとしての推奨は肺動脈性肺高血圧症の領域にしかない。(出典:EULAR全身性強皮症治療推奨 2023年改訂)
    • 疾患慢性巨大結腸症原因の表で糖尿病性自律神経障害を代表的な原因として無出典で掲げていた。⚠️ 米国糖尿病学会の糖尿病性神経障害に関する見解表明が消化管の自律神経障害として挙げているのは胃不全麻痺・腸症(下痢)・結腸低運動(便秘)の3項目までで、巨大結腸は項目に挙がっていない。糖尿病性消化管障害の現行総説5本と慢性巨大結腸の症例集積3本のいずれにも裏づけが見つからなかったため、教科書的な列挙にとどまり裏づけが弱いことを明記した(記述自体は消していない)。(出典:Diabetic Neuropathy: A Position Statement by the American Diabetes Association)
  6. 2026 09.08

    イミプラミンの夜尿症への効き方を「抗コリン+α1刺激+抗利尿の3方向」と断定していた記述を撤回し、ICCSと日米の添付文書に沿って作用機序が不明であることを明示した。ルラシドンは適応・上限用量・禁忌をEU・日本・米国の3文書から書き分け、米国の承認年を承認書へ張り替えた。

    • 薬剤imipramine夜尿症への作用を「抗コリン作用による排尿筋弛緩・NET阻害による膀胱頸部/尿道のα1刺激・腎尿細管での抗利尿」という3つの確立した末梢作用として全体像・機序図・まとめに書いていたが、一次資料はどれもこの図式を支えていない。国際小児禁制学会の標準化文書は作用機序を不明とし、ノルアドレナリン作動性・セロトニン作動性・抗コリン作用が膀胱・尿産生・覚醒機構に及ぼす複合作用の可能性を挙げるにとどめる。米国添付文書は「夜尿症を抑える作用は抗うつ効果とは別のものと考えられる」と述べるだけで、日本の電子添文の18.1作用機序はセロトニンとノルアドレナリンの取り込み阻害しか書いていない。腎尿細管でのα作動性再吸収という機序を述べた記述はいずれの資料にも無いため撤回した。あわせて、まとめが「SERT・NET阻害に加え抗コリン作用・α1刺激という末梢作用」と書いて同じファイルの💡(イミプラミン自身はα1遮断薬であり、そう覚えないと起立性低血圧が説明できない)および薬効群の表(ムスカリン・α1・H1受容体の遮断)と正面から矛盾していたため、α1は遮断であると統一した。用法・用量は電子添文が10mg錠と25mg錠で別々に定めているのを平坦化していたので製剤別の表に戻し、落ちていた「まれに300mgまで増量することもある」を復元した。適応の「6歳以上」はNICEではなく米国添付文書の記載であるため帰属を移し、日本の電子添文が9.7小児等で4歳以上への投与を望ましいとしていることを併記した。NICEの引用も原文に合わせ、禁忌の条件は「心疾患の家族歴・既往」ではなく早期の心臓死の家族歴または心疾患を示す所見であること、3か月ごとの再評価は反復コースを受けている小児に対する医学的再評価であることに直した。ICCSの三次選択という位置づけ・30〜50%の奏効・25〜50mgを就寝1時間前・1か月後の効果判定・3か月ごとの2週間休薬・長時間心電図によるQT延長症候群の除外を追記し、重大な副作用のSIADHと国内試験の副作用頻度も追加した。出典は二次サイトのKEGG MEDICUSからPMDAの電子添文本体へ差し替えた。(出典:トフラニール電子添文・TOFRANIL 添付文書・ICCS 2020・NICE CG111 第15章)
    • 疾患夜尿症イミプラミンについて同じNICEの誤読が本文の表・⚠️・まとめの3箇所と出典のclaimに広がっていたため、同時に是正した。禁忌の条件は早期の心臓死の家族歴または心疾患を示す所見であること、位置づけは「アラーム・デスモプレシン無効例の二次選択」ではなく他の全治療に反応せず夜尿症の管理に精通した医療者の評価を受けた例で検討する推奨であること、3か月ごとの再評価は反復コースを受けている小児への医学的再評価であることに直した。(出典:NICE CG111 第15章)
    • 薬剤lurasidone「米国では2010年に統合失調症治療薬として承認され」を2025年の添付文書で受けていたが、その添付文書に承認年の記載は無い。2010年10月28日付のNDA 200603承認書へ張り替え、承認日を明示した。あわせて適応・用量・禁忌を米国添付文書だけで書いていたのをEU・日本・米国の3文書で書き分けた。EUのSmPCの効能は成人および13歳以上の青年の統合失調症だけで双極性うつ病を含まず、用量は37〜148mg(青年は上限74mg)。日本の電子添文は統合失調症(40mg、上限80mg)と双極性障害におけるうつ症状の改善(20〜60mg、上限60mg)で、米国の上限160mgの半分である。EUの数字が噛み合わないのは力価をルラシドン(遊離塩基)で表示するためだが、日本の上限はそれでは説明できない実質的な差である。禁忌は「強いCYP3A4阻害薬・誘導薬との併用」しか書いていなかったが、日本の電子添文はこれに加えて昏睡状態・中枢神経抑制剤の強い影響下・アドレナリン投与中(アナフィラキシーの救急治療と歯科領域の浸潤麻酔/伝達麻酔での使用を除く)・過敏症の既往を禁忌としており、6項目を復元した。アドレナリンが禁忌である理由が本剤のα受容体遮断作用であることも追記した——H1・M1親和性の低さは有名だがα受容体は遮断する。食事の影響については「効くのは脂肪含量ではなく総カロリー」と書いていたが、米国添付文書は350kcalから1000kcalへ食事量を増やしても曝露量は変わらず脂肪含量にも依存しないと明記しており、350kcalは下限であって用量反応ではない。EUと日本はカロリー量を規定していない。副作用の高頻度欄に頻度10%以上の不眠が抜けていたため補い、EUのvery common(アカシジア・悪心・不眠)とcommon(傾眠・パーキンソニズムなど)の区分を反映した。ボックス警告の①に付いていた「非薬物的介入が無効な重症例に限り低用量・短期間で検討する」は添付文書に無い記述なので、承認されていない旨の原文に戻した。空だったindicationDiseasesに統合失調症と双極性障害のうつ症状を追加した。(出典:NDA 200603 承認書・Latuda EU SmPC・ラツーダ電子添文・LATUDA 添付文書)
    • 疾患統合失調症第二世代抗精神病薬の表とtreatmentDrugsにルラシドンが入っていなかったため追加し、H1・M1親和性が低く体重増加が小さい代わりにアカシジア・EPSと不眠が目立つという薬剤間の差を1行で添えた。(出典:Latuda EU SmPC)
  7. 2026 09.08

    ラナデルマブとロイコボリンで二次的な薬剤情報サイト・プレスリリース由来の記述を一次資料へ置き換え、平坦化されていた国別・剤形別・適応別の書き分けを復元した。

    • 薬剤lanadelumab日本の用法・禁忌・副作用の根拠が二次的な薬剤情報サイト(日経メディカル処方薬事典・日刊薬業)だったため、PMDA電子添文(2026年7月改訂・第6版)・EU SmPC・米国添付文書(2026年8月改訂)へ置き換えた。あわせて、①対象年齢を「米国2歳以上/日本12歳以上」から「EU・米国とも2歳以上/日本12歳以上」へ是正、②12歳未満の用量の決め方がEUは体重・米国は年齢で異なることを表で書き分け、③4週間隔へ移す条件が日本は「継続的に発作が観察されず症状が安定」・米国は「6か月を超えて良好にコントロール」と違うことを明示、④「頻度10%以上の副作用は…注射部位反応52%・上気道感染29%・頭痛21%・皮疹7%・めまい6%・下痢5%・筋痛5%」という記述を是正した——米国添付文書の表の採用基準は用量群ごとの10%であり、掲げた数値は本剤全体(84例)の欄で、上気道感染と頭痛はプラセボ群のほうが高い。プラセボ列を併記した表に置き換えた。⑤日本の効能に関連する注意「侵襲を伴う処置による急性発作の発症抑制に対する有効性及び安全性は検討されていない」、EU SmPCのC1インヒビター正常型HAEでの中止規定、aPTT延長が抗凝固作用ではなくaPTT測定系への干渉であること(INRに群間差なし)を追加した。(出典:タクザイロ電子添文・TAKHZYRO EU SmPC・TAKHZYRO US label)
    • 薬剤leucovorin2026年の脳葉酸輸送欠損症に対する米国承認の唯一の根拠が希少疾患専門メディア(FDAプレスリリースの二次情報)だったため、FDAの経口錠添付文書(2026年3月改訂)へ張り替えた。原文と照合した結果、旧記述の「経口投与27例全例で髄液5-MTHF濃度の上昇」は誤りで、治療前後の両方で測定できたのは7例のみ(7例全例が上昇、5例が正常化)だった。承認された適応名も脳葉酸欠乏症ではなく脳葉酸輸送欠損症である。あわせて、①経口錠と注射剤で承認適応が別立てであること(5-FU併用増強・骨肉腫の高用量メトトレキサート救済・葉酸欠乏性巨赤芽球性貧血は注射剤の適応)、②禁忌が適応別に書き分けられていること(葉酸拮抗薬毒性では重度の過敏反応の既往、脳葉酸輸送欠損症ではあらゆる過敏反応の既往)、③体重別の用量と1回25mg以下・75mg超は不可という上限、④その上限が経口生物学的利用率(25mgで97%・50mgで75%・100mgで37%)に由来すること、⑤MTHFS欠損症には推奨されないこと、⑥経口救済で6時間ごとに25mgを超える量が必要なら注射剤へ切り替えること、⑦ST合剤との併用回避が添付文書にも明記されていること、⑧5-FU併用時の消化管毒性と混合禁止を追加した。(出典:WELLCOVORIN 添付文書・Leucovorin Calcium for Injection 添付文書)
    • 疾患大腸癌フルオロピリミジン基盤レジメンでロイコボリンを併用する理由(FdUMPとチミジル酸合成酵素の三者複合体の安定化)と、米国での承認適応が進行大腸癌の緩和的治療における5-FU併用であることを追記した。あわせて、併用時は5-FUを減量すること、消化管毒性の症状が程度を問わず完全に消失するまで併用を開始・継続してはならないこと、同じ点滴内で混合すると沈殿を生じることを添付文書から追加した。(出典:Leucovorin Calcium for Injection 添付文書)
    • 疾患巨赤芽球性貧血葉酸欠乏の治療節に、経口の葉酸療法が行えない場合にロイコボリン注射剤が承認適応を持つことと、それでもB12欠乏による巨赤芽球性貧血は同添付文書上の禁忌であること(血液学的寛解が得られても神経症状が進行しうる)を追記した。(出典:Leucovorin Calcium for Injection 添付文書)
  8. 2026 09.08

    レカネマブの欧州の承認を「条件付き承認」から適応限定つきの通常承認へ是正し、リスデキサンフェタミンの適応・用法・禁忌を日本・欧州・米国で書き分けた

    • 薬剤lecanemab欧州の位置づけを「2025年の条件付き承認」から「2025年4月15日の通常の販売承認+ApoE ε4非保因者・ヘテロ接合体への適応限定+管理下アクセスプログラム」へ是正した。あわせて欧州の禁忌(十分に管理されていない出血性素因、抗凝固療法継続中の患者への投与開始)が日本・米国より広いこと、MRIを3回目投与前に行うのが日本では「望ましい」で欧州では必須であること、日本が原則として投与開始前のAPOE遺伝子検査の実施を考慮すること(2026年8月改訂・第5版)を追記した(出典:EMA Leqembi 承認Q&A、EMA Leqembi 製品情報、レケンビ点滴静注 電子添文)
    • 薬剤lisdexamfetamine適応表が米国の「6歳以上の小児・成人」と日本の「小児期のAD/HD」を国の別を書かずに並べていたのを3極の表に分けた。日本の「他剤が効果不十分な場合にのみ」は効能・効果ではなく2019年の承認条件第3項であり、現行の電子添文が掲げる承認条件は2項目であることを明記した。無出典だった用法・用量に日米の開始用量30mg・上限70mg・腎機能別上限を入れ、日本9項目・欧州9項目・米国2項目の禁忌の違いと、重大な副作用(ショック・アナフィラキシー、Stevens-Johnson症候群、心筋症、依存性)を追記した(出典:ビバンセカプセル 電子添文、ビバンセカプセル 審議結果報告書・審査報告書、ELVANSE ficha técnica、VYVANSE Prescribing Information)
    • 薬剤donanemab抗アミロイドβ抗体の比較表でレカネマブの欧州を「条件付き承認」としていた記述を、適応を限定した通常の販売承認へ是正した(出典:EMA Leqembi 承認Q&A)
  9. 2026 09.08

    メクロレタミンとルスパテルセプトで、剤形別・国別に分かれている適応と禁忌を平坦化していた記述を一次資料で書き分け、二次的な薬剤情報サイトの出典をFDA・EMA・PMDAの一次文書へ置き換えた。

    • 薬剤mechlorethamine静注用製剤の枠組み警告・血管外漏出処置・用量を単独で支えていた二次的な薬剤情報サイト(RxList、2013年)の出典を、FDAのMUSTARGEN添付文書PDFへ差し替えた。あわせて静注用の禁忌(既知の感染症の存在、過去のアナフィラキシー)と広い緩和的適応(ホジキン病III・IV期、慢性骨髄性白血病、慢性リンパ性白血病、真性多血症、気管支原性癌、体腔液貯留への腔内投与)が本文から欠落していたため、外用ゲルの適応と剤形別に書き分けた。静注用MUSTARGENは米国では販売中止であることをDrugs@FDAで確認し、「唯一のFDA承認製剤」という記述を「現在流通しているのは外用ゲルのみ」に是正した。EUの外用ゲル(Ledaga)は適応に病期・前治療歴の限定が無く、禁忌にも「重度の」という限定が付かないことを併記した。外用ゲルの眼・粘膜曝露による失明のリスク、可燃性、皮膚反応時の休薬・再開手順、二次曝露の回避を追記した。(出典:MUSTARGEN 添付文書・VALCHLOR 添付文書・Ledaga SmPC)
    • 薬剤mechlorethamine非黒色腫皮膚癌について、出典のclaimが「対照群6%よりVALCHLOR群2%で低かった」と比較優位のように書かれていたが、第III相試験の対照は無治療ではなく同じメクロレタミンのAquaphor基剤軟膏である。ゲルが皮膚癌を減らすとは読めないこと、皮膚癌は未治療部位を含めどこにでも生じうること、EUの添付文書はメクロレタミン自体の寄与は確立していないとしていることを本文に明記した。(出典:VALCHLOR 添付文書 5.4項・Ledaga SmPC 4.4項)
    • 薬剤luspatercept無出典だった3点を現行の添付文書で検算した。妊娠は「投与しない」で終わらせず、EUでは禁忌・日本では投与しないことが望ましい・米国は禁忌の項が「None」で胚胎児毒性の警告に留まる、と地域差を書き分けた。血圧は「定期モニタリング」ではなく毎回の投与前に測定すること(高血圧11.4%、Grade 3〜4は2〜9.6%)へ具体化した。髄外造血巣の「急速な進行」は現行の添付文書にその表現が無いため、輸血依存性βサラセミアで3.2%・脊髄圧迫症状1.9%、重篤な合併症で投与中止、EUでは増大制御を要する患者が禁忌、という記載どおりに置き換えた。(出典:REBLOZYL 添付文書・Reblozyl SmPC・レブロジル 電子添文)
    • 薬剤luspatercept適応を地域別に書き分けた。日本の電子添文の効能は骨髄異形成症候群に伴う貧血のみでサラセミアの適応が無く、EUは輸血依存性・非輸血依存性いずれのβサラセミアを含む一方、米国は輸血非依存性βサラセミアに適応が無いと明記している。増量の上限がβサラセミア1.25 mg/kg・骨髄異形成症候群1.75 mg/kg(1.33 mg/kgの中間段は骨髄異形成症候群のみ)である点と、休薬の閾値が米国の骨髄異形成症候群では12 g/dL、日本では11.5 g/dLである点も追加した。出典の年を添付文書の改訂年(2026年2月)に合わせ、id も改めた。(出典:REBLOZYL 添付文書・Reblozyl SmPC・レブロジル 電子添文)
  10. 2026 09.08

    巨大食道のノートにシャーガス病消化管型の姉妹病態である巨大結腸との対応と機序を書き足し、末期アカラシアの治療をACGガイドラインで読み直して「シグモイド食道ではPOEMの周術期合併症が2倍」「癌リスクは上がるがルーチンの内視鏡サーベイランスは推奨されない」を補い、シャーガス性と特発性を同一視しないための限界(比較研究に重度巨大食道の症例が1例も含まれない)を明記した。あわせてパーキンソン病の便秘が慢性巨大結腸症に至りうることをドイツ神経学会ガイドラインで裏づけて両ノートに書き足した。

    • 疾患巨大食道①過去バッチの指摘どおり、本文で「巨大結腸」を1回も扱っていなかった。シャーガス病の消化管型では同じ機序(筋間神経叢への炎症性障害と神経細胞の脱落)が標的臓器で分かれ、食道なら巨大食道・結腸なら巨大結腸として現れること、慢性期に消化管型を発症するのは約10%で巨大食道・巨大結腸のいずれかまたは両方であること、診断が対(バリウム食道造影/バリウム注腸)になっていることを節として書き足し、慢性巨大結腸症へのリンクとfrontmatterの関連疾患を張った。②機序が結論だけで書かれていたため、ヒトの食道標本で寄生虫kDNAが巨大食道例の100%・巨大食道の無い感染者の60%で検出され、筋間神経叢領域の細胞傷害性細胞の数が神経細胞数と逆相関するという一次資料の所見を補った。③治療の節が単一のコホート研究だけで組まれていたのでACGのアカラシアガイドラインを全文で読み直した。末期アカラシアでは空気圧拡張術・外科的筋層切開術・POEMのいずれもが効果に劣りうること、シグモイド食道では内視鏡的筋層切開術の周術期合併症のリスクが2倍になると報告されていること、食道切除術は他の治療が奏効しなかった手術可能例に強く推奨されるが術後肺炎10%を伴い死亡率2%は高度に専門化した施設で慎重に選ばれた患者の値であること、その前段としてHeller筋層切開術の再検討が提案されていることを追加し、推奨の強さとエビデンスの質を潰さずに書いた。④「POEMも選択肢だが長期成績のデータが限られる」という無出典の一文を、シャーガス性と特発性を直接比較した研究の実測へ差し替えた。1年後の臨床的成功はシャーガス性90%対特発性93.5%で差がないが、⚠️ この比較には重度(シグモイド状)巨大食道にあたるRezendeグレードIVの症例が両群とも1例も含まれておらず、外挿できないことを明記した。ACGガイドラインの全文にChagasの語が1回も現れないことも書いた。⑤癌リスクの1行しかなかった箇所に、扁平上皮癌の発生率がおよそ300患者年あたり1件である一方でACGがルーチンの内視鏡サーベイランスを行わないことを提案していること(癌1件の発見に400件超の内視鏡を要し、診断後の生存も不良)を補った。⑥POEMが胃食道逆流症の頻度を高め、びらん性食道炎・Barrett食道のスクリーニングと生涯にわたる酸分泌抑制が必要になりうることを追加した。(出典:ACG Clinical Guidelines: Diagnosis and Management of Achalasia・POEM: a comparative study between Chagasic and idiopathic achalasia・Cardiac and Digestive Forms of Chagas Disease・Comparative study of the presence of Trypanosoma cruzi kDNA, inflammation and denervation in chagasic patients with and without megaesophagus)
    • 疾患パーキンソン病非運動症状の節で便秘が箇条書きの1語だけだったので、ドイツ神経学会のパーキンソン病ガイドラインを全文で読み直して節を新設した。便秘がパーキンソン病でもっとも頻度の高い自律神経症状であること、その成立が神経原性の要因と非神経原性の要因(可動性の低下・腹筋の緊張低下・繊維の乏しい食事・水分摂取の不足)の双方で決まり、これらがそろって消化管通過時間を延ばしてときに巨大結腸に至ること、抗コリン薬を含む抗パーキンソン病薬に加えオピオイド・三環系抗うつ薬・カルシウム含有制酸薬・降圧薬・鎮痙薬・交感神経刺激薬・利尿薬も便秘を悪化させうること、排便時に肛門括約筋が弛緩しない・不随意に収縮するanismusがまれに出口型便秘を起こすこと(下剤を増やしても改善しない便秘で疑う)を書き足した。⚠️ 「便秘は神経原性」と一語で片付けると、介入できる非神経原性の要因が視界から落ちる。合併症の表に便秘と慢性巨大結腸症の行を加え、frontmatterの合併症に慢性巨大結腸症を追加した。(出典:Diagnosis and treatment of autonomic failure, pain and sleep disturbances in Parkinson's disease: guideline of the German Society of Neurology)
    • 疾患慢性巨大結腸症原因の表のParkinson病の行が「腸管神経系にもレビー小体病理が及び、便秘・巨大結腸を来しうる」という無出典の1行で、通過時間を延ばす要因を神経原性だけに帰していた。ドイツ神経学会のパーキンソン病ガイドラインを引き、可動性の低下・腹筋の緊張低下・繊維の乏しい食事・水分摂取の不足という非神経原性の要因も並んで挙げられており、これらがそろって「ときに巨大結腸」に至るとされていることを添えた。(出典:Diagnosis and treatment of autonomic failure, pain and sleep disturbances in Parkinson's disease: guideline of the German Society of Neurology)
    • 疾患糖尿病性自律神経障害まとめが「無痛性心筋虚血のリスクが約2倍に上昇し」と書いており、同じノートの本文が「これは有病率どうしを比べた関連の指標であって、心血管自律神経障害が虚血そのものを増やすという因果の推定ではない」と明記した但し書きを落としていた。まとめを関連の表現へ改め、但し書きを添えた。あわせて細小血管合併症(網膜症・腎症・末梢神経障害)と消化管症状(便秘・下痢)の本文リンクを張り、frontmatterの症状に便秘・下痢を追加した。