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  1. 2026 09.08

    二次的な薬剤情報サイトに依拠していた6ファイルの出典を、EUの製品概要・PMDAの電子添文・審査報告書・厚生労働省の検討会資料といった一次資料へ置き換え、そのうえで支えられていた主張を検算した。ベロトラルスタットの「食後投与」は日本の用法には無く、セベトラルスタットの追加投与間隔と肝障害の扱いは3極で違い、日本のDMSO膀胱内注入はハンナ型に限定された適応だった。あわせて新鮮凍結血漿の出典が平成29年版の使用指針のままだったため現行の平成31年版へ更新し、「融解後3時間」「赤血球液比1/1〜2.5」がいずれも旧版の規定であることを是正した。

    • 薬剤fresh frozen plasma出典にしていた「血液製剤の使用指針」が平成29年3月版で、平成31年3月の一部改正で置き換わっていた。現行版へ差し替えたところ、本文の3つの記述が旧版由来だったことが分かった。①「融解後3時間以内」は旧版の規定で、現行版は添付文書と同じ「融解後は直ちに輸血、直ちに使用できない場合は2〜6℃で保存し融解後24時間以内」に揃えられている。②大量出血時の投与は「10〜15 mL/kgまたは新鮮凍結血漿・赤血球液比1/1〜2.5(推奨2C)」から「速やかに新鮮凍結血漿および血小板濃厚液を投与(推奨1C)、投与単位の比は新鮮凍結血漿:血小板濃厚液:赤血球液=1:1:1が望ましい」へ変わり、早期からのトラネキサム酸(推奨2B)が加わっている。③不適切な使用に「終末期患者への投与」が加わっている(出典:血液製剤の使用指針 平成31年3月、新鮮凍結血漿-LR「日赤」480 添付文書)
    • 薬剤fresh frozen plasma「明示的な禁忌区分はない」とだけ書いて、添付文書の冒頭に置かれた「1. 警告」に触れていなかった。輸血について十分な知識・経験を持つ医師のもとで使用すること、副作用発現時に救急処置をとれる準備をあらかじめしておくことの2点を追記した(出典:新鮮凍結血漿-LR「日赤」480 添付文書)
    • 薬剤berotralstat日経メディカル処方薬事典と企業のプレスリリースを、EUの製品概要・PMDAの電子添文・DailyMedの添付文書へ全面的に置き換えた。日本の承認日(2021年1月22日)は電子添文の主要文献欄で確認できる(出典:Orladeyo 製品概要、オラデオカプセル150mg 電子添文、ORLADEYO 添付文書)
    • 薬剤berotralstat用法を「150mgを1日1回、食後に経口投与」としていたが、日本の電子添文の用法及び用量に食後の指定は無い。食事とともに服用すると書いているのはEUと米国で、日本の電子添文は高脂肪食後にTmax中央値が2時間から5時間へ遅れる一方でCmaxとAUCは変わらないと記すにとどまる。3極の書きぶりの違いとして書き分けた(出典:オラデオカプセル150mg 電子添文、Orladeyo 製品概要)
    • 薬剤berotralstat対象年齢を「米国は2歳以上、日本は12歳以上」の2極でしか書いていなかった。EUは12歳以上かつ体重40kg以上で、それ以外は顆粒剤の別の製品概要に従う。中等度・重度の肝機能障害への対処も3極で分かれ、米国は110mgへ減量、EUは使用回避、日本は減量規定を置かず注意にとどめる。侵襲を伴う処置による発症抑制の有効性・安全性が検討されていないこと、日本ではオラデオ顆粒分包との互換使用が認められていないことも追記した(出典:Orladeyo 製品概要、オラデオカプセル150mg 電子添文、ORLADEYO 添付文書)
    • 薬剤sebetralstat日経メディカル処方薬事典と企業リリースを、EUの製品概要とPMDAの電子添文へ置き換えた。用量は日米の2極ではなく3極で違い、追加投与までの間隔がEUは3時間、日本は2時間である。CYP3A4に関する調整は向きが逆で、米国は強力な阻害薬との併用を避けるのに対しEUは阻害薬では用量調整不要とし、代わりに中等度・強力な誘導薬の併用時は900mgの単回投与を推奨する(出典:Ekterly 製品概要、エクテリー錠300mg 電子添文、EKTERLY 添付文書)
    • 薬剤sebetralstat喉頭発作に用いたときは投与後に直ちに医療機関を受診させるという日本の電子添文の重要な基本的注意が抜けていた。副作用も「頭痛3.2%」だけを載せていたが、これは米国試験の集計枠での値で、EUは頭痛を患者の9.2%とし浮動性めまい・悪心・背部痛・ほてりなどをcommonに挙げ、日本の電子添文は1%以上に頭痛・消化不良・疲労を挙げる。集計の枠ごとに分けて表にした(出典:エクテリー錠300mg 電子添文、Ekterly 製品概要)
    • 薬剤atazanavir日経メディカル処方薬事典を、厚生労働省がアタザナビル硫酸塩に出した最後の使用上の注意改訂指示(令和4年9月13日)へ置き換えた。日本の禁忌欄でボノプラザンは独立した区分ではなく「プロトンポンプ阻害剤」の括弧内に置かれており、「PPIとP-CABが別々に禁忌」と読むと原文とずれる。DailyMedの添付文書に欠けていた発行年(2017)も補った(出典:アタザナビル硫酸塩 使用上の注意改訂指示、REYATAZ 添付文書)
    • 薬剤atazanavir「日本ではPPI・P-CABが併用禁忌」を現在形で3箇所に書いていたが、酸分泌抑制薬側の記載は薬剤ごとに分かれている。ボノプラザン(タケキャブ)の現行の電子添文は今もアタザナビル硫酸塩を禁忌に挙げるのに対し、ラベプラゾール(パリエット)の現行の電子添文にアタザナビルの記載は無く、抗HIV薬はリルピビリンだけである。あわせて、2026年9月時点でPMDAの医療用医薬品情報にアタザナビル硫酸塩の収載品目が無く日本の記述を現行の電子添文では検算できないことを注記した(出典:パリエット錠 添付文書、タケキャブ錠 添付文書)
    • 疾患間質性膀胱炎日経メディカルの記事を、ジムソ膀胱内注入液50%の電子添文と審査報告書へ置き換えた。この置き換えで、日本の承認適応が「間質性膀胱炎(ハンナ型)の諸症状の改善」であってハンナ型に限定されていることが分かり、「間質性膀胱炎に対する初の保険収載薬」という書き方を訂正した。膀胱内視鏡でハンナ病変を確認した確定診断例にのみ投与するという効能に関連する注意、用法(1回50mL・2週間隔で6回・注入後15分以上保持)、投与前の局所麻酔剤注入、膀胱痛30.6%とニンニク様の呼気臭・皮膚臭も追記した(出典:ジムソ膀胱内注入液50% 電子添文、ジムソ膀胱内注入液50% 審査報告書)
    • 疾患間質性膀胱炎「日本では保険適用の薬物治療が存在しなかった」という無出典の記述に、審査報告書の逐語(本邦で唯一保険適用のある膀胱水圧拡張術は侵襲性が高い/間質性膀胱炎に対して本邦で承認された薬剤がない)を根拠として与え、DMSOが米国では1978年・カナダでは1980年に承認済みだったという時間差も補った。本文で名指ししていたアミトリプチリン・シメチジン・ヒドロキシジン・ヘパリン・リドカイン・トリアムシノロン・シクロスポリンA・ボツリヌス毒素へのリンクも張った(出典:ジムソ膀胱内注入液50% 審査報告書)
    • トピックTumors of childhood and their characteristics (neuroblastoma, retinoblastoma, Wilms tumor)日経メディカルのブログ記事を、厚生労働省「神経芽細胞腫マススクリーニング検査のあり方に関する検討会」の資料へ置き換えた。中止の理由として従来は「死亡率減少効果が確認できない」だけを書いていたが、同じ資料は発見例に積極的治療を必要としない例が相当程度含まれること、治療そのものが合併症を生むこと(1976〜1996年の1,453例で手術1,226例中132例・化学療法1,025例中49例に合併症、治療合併症死が手術8例・化学療法10例)も不利益として挙げている(出典:神経芽細胞腫検査事業に関する評価について)
    • トピックTumors of childhood and their characteristics (neuroblastoma, retinoblastoma, Wilms tumor)ウィルムス腫瘍の素因症候群を「WT1異常と関連:WAGR、Denys-Drash、およびBeckwith-Wiedemann症候群」と平坦に並べ、9〜17%という割合をWT1関連症候群のものとしていた。原著はWT1(11p13)関連としてWAGR・Denys-Drash・Frasierを挙げ、Beckwith-Wiedemannは11p15のインプリンティング異常として別に置いている。9〜17%は素因症候群全体の割合である。遺伝子座で表に分け、落ちていたFrasier症候群と、症候性例で診断年齢が早く両側性・異時性が多いこと、3〜4か月ごとの腹部超音波によるサーベイランスを補った(出典:Syndromic Wilms tumor)
  2. 2026 09.08

    ガランタミンのレビー小体型認知症を承認適応の欄から外し(EU・日本・米国のいずれも承認しておらず、日本の電子添文はアルツハイマー型と診断された患者にのみ使うよう定めている)、ゲムツズマブオゾガマイシンの適応と用法が3極でまったく一致しないこと(日本は再発・難治例の単剤9mg/m²のみで併用は警告で禁止)を書き分け、hCGの停留精巣について日本の承認適応と米国AUAの否定的推奨が両立することを示した。

    • 薬剤galantamine承認適応からレビー小体型認知症を外した。EU・日本・米国のいずれも軽度〜中等度のアルツハイマー型認知症しか承認しておらず、日本の電子添文は5.1で「アルツハイマー型認知症と診断された患者にのみ使用すること」、5.3で「アルツハイマー型認知症以外の認知症性疾患において、本剤の有効性は確認されていない」と定める。レビー小体型認知症での根拠は50例・24週間の非盲検単群試験1本で、適応外使用である旨を本文に明記した(出典:レミニール 電子添文、Reminyl 製品概要)
    • 薬剤galantamine「禁忌は本剤成分への過敏症のみ」という記述を国ごとに書き分けた。重度肝機能障害(Child-Pugh 9超)とクレアチニンクリアランス9mL/分未満は、EUの製品概要4.3では禁忌だが、日本と米国では回避勧告・非推奨であり禁忌欄には無い。腎機能障害と肝機能障害の双方が著明な患者を禁忌に置くのもEUだけである(出典:Reminyl 製品概要、レミニール 電子添文)
    • 薬剤galantamine開始用量の1日8mgが治療量ではないこと(日本の電子添文7.1は消化器系副作用を抑える目的なので原則4週間を超えて使わないと定める)と、コリンエステラーゼ阻害薬3剤の適応範囲が横並びではないこと(非アルツハイマー型へ広げられるのはドネペジルの日本のレビー小体型とリバスチグミンのEUのパーキンソン病認知症だけ)を追記した(出典:アリセプトD錠 電子添文、Exelon 製品概要)
    • 疾患血管性・レビー小体型・前頭側頭型認知症など非アルツハイマー型認知症レビー小体型認知症の治療でガランタミンをドネペジル・リバスチグミンと同列の選択肢として並べていた記述に、適応外使用であることと根拠が非盲検単群試験1本に留まることを明記した(出典:レミニール 電子添文、Reminyl 製品概要)
    • 薬剤gemtuzumab ozogamicin適応を国ごとに書き分けた。EUはダウノルビシン・シタラビンとの併用療法のみ(15歳以上・未治療de novo・急性前骨髄球性白血病を除く)で単剤の適応を持たず、強力な寛解導入化学療法を受けられる患者にのみ使用すると定める。日本は再発又は難治性のCD33陽性AMLの単剤のみで新規診断への適応は無い。3通りの適応を持つのは米国だけである(出典:Mylotarg 製品概要、マイロターグ 電子添文)
    • 薬剤gemtuzumab ozogamicin「分割投与への変更で再承認された」という経緯が米国の話であることを明示し、日本の承認用法が今も1回9mg/m²を2時間で点滴し14日以上あけて2回であること、警告1.2が他の抗悪性腫瘍剤との併用を禁じていること、対象が他の再寛解導入療法の適応がない5類型に限られることを追記した(出典:マイロターグ 電子添文)
    • 薬剤gemtuzumab ozogamicin予後不良染色体異常の群でALFA-0701の無イベント生存に上乗せ効果が示されていないこと(ハザード比1.11、95% CI 0.63〜1.95)と、核型判明後に継続の是非を評価するという規定、腫瘍崩壊症候群の予防(投与前に白血球数を30,000/µL未満へ抑える白血球除去の考慮、高尿酸血症対策)、QT延長への注意を補った(出典:MYLOTARG 添付文書、Mylotarg 製品概要、マイロターグ 電子添文)
    • 薬剤human chorionic gonadotropin停留精巣を「現行ガイドラインでは推奨されない歴史的な適応」とだけ書いていた記述を改めた。日本では効能又は効果に停留睾丸が挙がり用法・用量も定められている一方、米国AUAは精巣下降を誘導する目的のホルモン療法をStandard・Grade Bで否定している。AUAガイドラインは2014年発表で2025年に妥当性が再確認されており、否定は下降誘導の目的に限られ、精巣固定術前のhCG投与が生検上のfertility indexを改善したという別項は残っている(出典:AUA 停留精巣ガイドライン、ゴナトロピン 電子添文)
    • 薬剤human chorionic gonadotropin禁忌を効能共通と適応限定に分けて書き直した。共通はアンドロゲン依存性悪性腫瘍・性腺刺激ホルモン製剤への過敏症・性早熟症の3項目で、活動性の血栓塞栓性疾患は不妊治療の適応にだけ掛かる。卵巣過剰刺激症候群が副作用ではなく警告欄の項目であることも明記し、低ゴナドトロピン性男子性腺機能低下症での2段階の用法とFSH製剤併用、停留睾丸の用量を追記した(出典:ゴナトロピン 電子添文)
    • 疾患思春期早発症性早熟症がヒト絨毛性ゴナドトロピンの効能共通の禁忌であること(アンドロゲン産生を促進して性的早熟を早め骨端の早期閉鎖を来すため)を末梢性思春期早発症の節に追記した(出典:ゴナトロピン 電子添文)
  3. 2026 09.08

    薬剤3件の規制上の記述と推奨の強さを一次資料で洗い直し、米国で販売中止になっているヒドロキシアンフェタミン点眼、欧州で承認されなかったL-グルタミン、ヒドロキシ尿素の推奨が年齢で2段に分かれることを明記した。

    • 薬剤hydroxyamphetamine米国で承認された2製剤(単剤PAREDRINEと配合剤PAREMYD)がいずれも販売中止であることをFDAの承認薬データベースで確認し、「現在はPAREMYDを用いる」という記述を時点つきで是正した。あわせてコカイン点眼・アプラクロニジン点眼の後は48時間あける必要があること、開放隅角緑内障での眼圧上昇や小児・高齢者での中枢神経系障害の注意を追記した(出典:Drugs@FDA NDA 019261、Drugs@FDA NDA 000004、StatPearls Anisocoria)
    • 薬剤L-glutamine欧州では承認されておらず、米国が承認の根拠にしたのと同じ試験について欧州医薬品庁が「疼痛クリーゼも受診回数も減らす有効性は示されていない」と判断し2019年9月に申請が取り下げられたことを追記した。副作用の分母が第III相試験の230例ではなく2試験を併合した187例であることを是正し、商品名Endariを欧州の商品名欄から外した(出典:EMA Xyndari、ENDARI 添付文書)
    • 薬剤idebenone禁忌が過敏症のみであること、赤褐色の着色尿が代謝物によるもので無害であること、CYP3A4の弱い阻害とP糖蛋白阻害による併用注意、食後投与で生物学的利用能が約5〜7倍になることを追記し、無出典だった米国の審査完了通知の記述に企業発表が根拠である旨と時点を添えた(出典:Raxone SmPC)
    • 疾患鎌状赤血球症ヒドロキシ尿素の推奨を「重症度を問わず強い推奨」と一段に潰していたのを是正し、対象が生後9か月以上の小児・青年であること、月齢42か月を境に強い推奨と中等度の推奨に分かれること、成人は条件つきであること、HbSC・HbSβ⁺サラセミアの推奨が弱い推奨ではなく中等度の推奨であることを明記した。L-グルタミンが欧州で承認されていないことも追記した(出典:NHLBI 2014 専門家パネル報告、EMA Xyndari)
    • 疾患Leber遺伝性視神経症米国の審査完了通知の内容が規制当局の文書ではなく開発企業の発表に基づくものであることと、その時点を明記した。
  4. 2026 09.08

    米国血液学会が2026年8月にITPガイドラインを改訂し、2019年版の推奨5〜9(初回治療にステロイド単独、および脾摘・トロンボポエチン受容体作動薬・リツキシマブの序列)が撤回されたため、この序列を引いていた薬剤1件とトピック3件を新版へ揃えた。あわせて、H. pylori除菌を2019年版の推奨として引いていた誤帰属と、推奨の強さを一段に潰していた記述を是正した。

    • 薬剤eltrombopag「持続性・慢性ITPの第二選択としてトロンボポエチン受容体作動薬をリツキシマブ・脾摘より優先する」という2019年版の序列(推奨7〜9)が撤回されたため、初回治療後になお追加治療を要する成人へトロンボポエチン受容体作動薬を推奨(強い推奨・エビデンスの確実性は中)、リツキシマブを提案(条件付き推奨・確実性は低)とする2026年版の推奨2aへ書き換えた。エルトロンボパグとロミプロスチムの優劣を述べていた2019年版の推奨6も撤回されており、2026年版は承認されている薬剤であればいずれを標準開始用量で用いてもよいとするだけである旨を追記した。あわせて適応の節が国を書かずに断定していたのを米国添付文書の記述と明示し、効能の限定(骨髄異形成症候群には適応が無いこと、インターフェロンを用いない直接作用型抗ウイルス薬との併用では有効性・安全性が確立していないこと)と適応年齢(ITPは1歳以上、重症再生不良性貧血の一次治療は2歳以上)を補った(出典:ASH 2026 ITP guidelines、ASH 2019 ITP guidelines、PROMACTA 添付文書)
    • トピックThrombocytopenias第二選択の序列を2026年版の推奨1・2a・2bへ差し替え、初回治療がステロイド単独からステロイドとリツキシマブまたはトロンボポエチン受容体作動薬の併用の提案へ変わったことを表と本文へ反映した。治療開始の閾値3万/μLは2026年版でも更新されていない一方、3万/μL以上で経過観察とするのは強い推奨、3万/μL未満でステロイドを選ぶのは条件付き推奨であるという強さの違いを明記した。H. pylori陽性成人への除菌療法を2019年版の推奨として引いていたが、これは2019年版がTable 2に再掲した2011年版の推奨であり、同表の前文が根拠を再検討していないと明記していることを確認して帰属を是正した(出典:ASH 2026 ITP guidelines、ASH 2019 ITP guidelines)
    • トピックSurgery of the spleen and retroperitoneum脾摘の適応欄が2019年版の序列を根拠に「脾摘の位置づけは後退している」と書いていたが、2026年版で撤回されたのはその序列(推奨7〜9)のほうであり、脾摘は推奨の枠から良質診療の記述の枠へ移って引き続き適切な選択肢とされている。複数の薬物療法に不応・不耐、長期の薬物治療を避けたい、重度の血小板減少に緊急の治療を要し薬物療法への反応が不十分、という3つの状況を明示する節を新設した。あわせて術前説明に敗血症だけでなく血栓症のリスクを含めること、術後は少なくとも年1回追跡すること、脾摘後に血小板数が正常化しても母体の抗血小板抗体の経胎盤移行は防げないことを追記した(出典:ASH 2026 ITP guidelines、ASH 2019 ITP guidelines)
    • トピックInvestigation of a thrombocytopenic patient引いていたのは撤回対象ではない推奨1a・1bだったので閾値そのものは据え置いたが、両者を「確実性の低いエビデンスに基づく条件付きの目安」と一段に潰していたのを是正し、3万/μL以上での経過観察が強い推奨、3万/μL未満でのステロイドが条件付き推奨、確実性はどちらも非常に低いことを明記した。治療する場合の選択が2026年版でステロイド単独からステロイドとリツキシマブまたはトロンボポエチン受容体作動薬の併用の提案へ変わったこと、診断が不確実なら2週以下の短期ステロイドで反応を見てよいこと、ステロイドは6週以下に留めるのが望ましいことを追記した。2019年版が緊急時の管理・妊娠・2017年以降の治療を扱わないと明記していることも添えた(出典:ASH 2026 ITP guidelines、ASH 2019 ITP guidelines)
  5. 2026 09.08

    コリンエステラーゼ阻害薬3剤が徐脈性不整脈・消化性潰瘍を「禁忌」として掲げていたが、日米いずれの規制文書でも警告・注意であることを確認して是正。あわせてITPの脾摘の位置づけと、廃止された厚労省「血液製剤の使用指針」への参照を直した。

    • 薬剤donepezil徐脈性不整脈・消化性潰瘍を禁忌欄から外し、慎重投与として書き分けた。日本の電子添文の禁忌は「本剤の成分又はピペリジン誘導体に対する過敏症の既往歴」の1項目のみ、米国添付文書も4項が同一の1項目のみで、いずれも徐脈性不整脈・消化性潰瘍を禁忌としていない。(出典:アリセプト錠・細粒 電子添文 2026年5月改訂第5版)
    • 薬剤rivastigmine徐脈性不整脈を禁忌欄から外し、慎重投与として書き分けた。日本の電子添文の禁忌はカルバメート系誘導体を含む過敏症の1項目のみ。あわせて米国添付文書だけが「貼付剤でアレルギー性接触皮膚炎を示唆する適用部位反応の既往」を禁忌に挙げるという国差を追記した。(出典:イクセロンパッチ 電子添文 2024年10月改訂第4版)
    • 疾患免疫性血小板減少症ASH 2026年版で脾摘が推奨2a・2bの選択肢から外れたことを「適応が消えた」と読ませない形に改めた。同版は脾摘をgood practice statementとして別に扱い、複数の薬物療法に不応・不耐、長期治療の回避希望、薬物療法に反応不十分な重度血小板減少への緊急治療、の3状況では引き続き適切な選択肢としている。あわせて撤回された2019年版の推奨の内訳を、推奨6(TPO受容体作動薬2剤の同等性)と推奨7〜9(脾摘・リツキシマブ・TPO受容体作動薬の序列)に正した。(出典:ASH ITP Summary of Changes 2026)
    • 薬剤fostamatinib撤回されたASH 2019年版の推奨の内訳を正した。推奨6はエルトロンボパグとロミプロスチムのどちらでもよいという同等性の推奨で、脾摘の序列は推奨7〜9である。(出典:ASH ITP Summary of Changes 2026)
    • 薬剤cryoprecipitate投与量の確認先として挙げていた厚生労働省「血液製剤の使用指針」が、2026年3月24日付け医薬発0324第2号により「輸血療法の実施に関する指針」「血液製剤保管管理マニュアル」とともに廃止され、日本輸血・細胞治療学会「輸血療法実践ガイド」へ統合されたことを追記した。(出典:医薬発0324第2号)
  6. 2026 09.08

    夜尿症の治療の節を国際小児禁制学会の標準化文書と日本夜尿症学会のガイドラインで組み直して第一選択の選び方と3段の階段を明示し、イミプラミンの承認適応・禁忌・年齢下限がEU・日本・米国で揃わないことを3極の規制文書で確かめて書き分けた。

    • 疾患夜尿症治療の節を、英国の指針とコクランレビューだけで組まれていた形から、国際小児禁制学会の標準化文書(2020年版が現行であることを確認)と日本夜尿症学会の診療ガイドライン2021で組み直した。第一選択が夜尿アラームとデスモプレシンの2つであること、どちらから始めるかを排尿日誌の所見で決める方法と家族の希望で決める方法の2通りがあること、先に選んだほうが無効ならもう一方へ切り替え単独でどちらも無効なら併用すること、抗コリン薬が第二選択でイミプラミンが専門医の扱う第三選択であることを、段階の表と診療の流れ図に反映した。アラームは6週間で進歩が無ければ中止し進歩があれば14夜連続の乾燥まで続けること、デスモプレシンは無効なら1〜2週間で見切りをつけること、抗コリン薬は開始前に便秘と残尿を除外し残尿があれば禁忌であること、日本では抗コリン薬に夜尿症の保険適用が無い一方で三環系抗うつ薬にはあることを補った。イミプラミンについては用量・投与時刻・効果判定・休薬・中止方法を原文の数値で入れ、心毒性のスクリーニングが資料ごとに違うこと、抗コリン薬との併用の可否が英国の指針と日本のガイドライン・標準化文書で正反対であることを書き分けた(出典:国際小児禁制学会 夜尿症の管理と治療、NICE 臨床ガイドライン111、夜尿症診療ガイドライン2021)
    • 薬剤imipramine承認適応の記述を、日本と米国の2文書で組まれていた形からEU・日本・米国の3極の表へ改めた。うつ病がこの3極すべてで承認適応として残っていることを確かめ、疾患側の関係フィールドにも反映した。夜尿症の年齢下限がEUで5歳超・日本で4歳以上が望ましい・米国で6歳以上と揃わないこと、昼間の失禁まで効能に明記しているのが日本だけであること、不安発作と慢性疼痛の適応があるのがEUだけであることを補った。禁忌も国ごとに数も中身も揃わないため表にし、EUが緑内障を隅角の限定なしで挙げ前立腺肥大や消化管および尿路生殖器の狭窄・ポルフィリン症・肝疾患・妊娠・授乳を加える一方、QT延長症候群を禁忌に明記しているのは日本だけであることを示した。あわせて「アミトリプチリンとクロミプラミンには泌尿器の適応が明記されない」という誤りを是正した——日本の電子添文ではアミトリプチリンが夜尿症を、クロミプラミンが遺尿症を効能又は効果に持つ。EUの小児用量表と日本夜尿症学会が示す用法も追記した(出典:スペイン医薬品庁 Tofranil 製品概要、トフラニール錠 電子添文、米国 TOFRANIL 添付文書、トリプタノール錠 電子添文、アナフラニール錠 電子添文)
    • 疾患気分障害(うつ病・双極性障害)三環系抗うつ薬の代表薬にイミプラミンが挙がっておらず、薬剤側から「適応薬」として参照される裏づけが無かったので、系統の原型として代表薬に加え、うつ病がEU・日本・米国のいずれでも承認適応として残っている(ただし現在の第一選択ではない)ことを3極の規制文書で示した(出典:スペイン医薬品庁 Tofranil 製品概要、トフラニール錠 電子添文、米国 TOFRANIL 添付文書)
  7. 2026 09.08

    脾のB細胞リンパ腫・白血病について、WHO分類第5版で新設された病型の日本語名がコーパスで3通りに割れていたのを原文の逐語で1つに揃え、あわせて有毛細胞白血病の一次治療と脾辺縁帯リンパ腫の治療の推奨を現行の一次資料で確かめて更新した。

    • 疾患有毛細胞白血病有毛細胞白血病バリアントの新しい病型名を「著明な核小体を伴う脾原発B細胞リンパ腫・白血病」から、WHO分類第5版の原文どおりの「著明な核小体を伴う脾B細胞リンパ腫/白血病(SBLPN)」へ是正した。この改称が置き換えたのはCD5陰性のB前リンパ球性白血病であってB前リンパ球性白血病全体ではないこと、国際コンセンサス分類は旧病名を維持していることを補った。治療では、一次治療をプリンアナログ単剤からクラドリビン+リツキシマブの同時併用へ改め、治療開始基準の数値(ヘモグロビン・血小板・好中球の閾値)と支持療法の予防投与を追記した。ただし75歳以上ではクラドリビン単剤が引き続き好まれることも併記した。モキセツモマブ パスドトクスの「2023年に販売中止」という断定を、出典どおり「大半の国で入手できない」という記述へ改めた(出典:WHO分類第5版 リンパ系腫瘍、国際コンセンサス分類2022、FILO 有毛細胞白血病診療推奨2024、高齢者の有毛細胞白血病に関する専門家合意2025)
    • 疾患脾辺縁帯リンパ腫NOTCH2変異・KLF2変異を「脾辺縁帯リンパ腫にほぼ特異的」としていた記述を是正した。根拠にしていた論文自身が、KLF2について他の報告とは対照的に検出されなかったと断り、NOTCH2については他のB細胞リンパ腫でも低頻度に報告されると書いている。さらにその対照群には節性辺縁帯リンパ腫が含まれておらず、日本血液学会のガイドラインは両変異を節性辺縁帯リンパ腫にも関連する異常として挙げている。治療では、症候性でC型肝炎ウイルス陰性の例についてリツキシマブ単剤と脾臓摘出を同格に並べていたのを改め、ガイドラインの推奨どおりリツキシマブ単剤を先に置き、脾臓摘出はリツキシマブ無効で脾腫による症状がある場合に考慮する位置づけとした。WHO分類第5版が、著明な核小体を持つ細胞が主体のごくまれな脾辺縁帯リンパ腫を新病型へ吸収したことも追記した(出典:NOTCH2・KLF2変異の臨床的意義、造血器腫瘍診療ガイドライン 第3.1版 辺縁帯リンパ腫、WHO分類第5版 リンパ系腫瘍)
    • トピックNodularis lymphoid infiltratio – spleen脾のB細胞リンパ腫・白血病4病型の名称を、総説独自の略記だった「著明な核小体を伴う脾リンパ腫(SLPN)」からWHO分類第5版の原文どおりの「著明な核小体を伴う脾B細胞リンパ腫/白血病(SBLPN)」へ是正し、各病型に疾患ノートへのリンクを張った。骨髄の増殖パターンによる4病型の対比と、脾臓摘出標本が無いと区別が常にはできないという分類自身の注意を追記した(出典:WHO分類第5版 リンパ系腫瘍)
    • トピックCLL (MGG) – BLOOD SMEARB前リンパ球性白血病の振り分け先を英語のまま置いていたのを、日本語名と略語を添えた「著明な核小体を伴う脾B細胞リンパ腫/白血病(SBLPN)」に改めた。あわせて、この新病型が吸収したのはCD5陰性の症例であること、実体としては有毛細胞白血病バリアントが主体で腫瘍細胞がCD25・アネキシンA1・TRAP・CD123陰性であること、国際コンセンサス分類は旧病名を維持しているため「B前リンパ球性白血病という病名は消えた」と書けるのはWHO分類第5版の体系に限った話であることを補った(出典:WHO分類第5版 リンパ系腫瘍、国際コンセンサス分類2022)
  8. 2026 09.08

    婦人科・病態生理のトピック3件で、多嚢胞性卵巣症候群(PMOS)の日本語表記を疾患ノート側へ統一し、多嚢胞性卵巣形態の超音波・AMH基準と早発卵巣不全のホルモン療法の推奨を現行ガイドラインの全文で確かめて補った。

    • トピックStein-Leventhal syndrome (PMOS)2026年の国際コンセンサスで改称されたのは英語名であることを明記し、日本語名を疾患ノートと同じ「多嚢胞性卵巣症候群」に戻したうえで略語をPMOSに揃えた。診断項目の「多卵胞性卵巣形態」を正式名称の多嚢胞性卵巣形態(PCOM)に直し、2023年国際ガイドラインの全文から、抗ミュラー管ホルモンと超音波は過剰診断を避けるため両方を行わず一方だけを用いること、抗ミュラー管ホルモンを単独の診断検査にしないことを追記した。旧基準として挙げていた卵胞径「2〜8 mm」を、同ガイドラインが報告項目として数える2〜9 mmに合わせて是正した(出典:2023年国際エビデンスガイドライン)
    • トピックVirilism and hirsutism原因の表の病名を疾患ノートと同じ「多嚢胞性卵巣症候群」に統一し、疾患ノートへのリンクを本文に張った。有病率の4〜11%と約10%が別々の出典の値であることが分かるよう脚注を文ごとに付け直し、稀な原因の列挙から落ちていた慢性の皮膚刺激を補った(出典:Approach to the Patient: Hirsutism)
    • トピックDisorders of female hormonal regulation早発卵巣不全の節に、エストロゲン欠乏症状の有無にかかわらず通常の閉経年齢までホルモン療法を行うことが強く推奨される(ただしエビデンスの確実性は非常に低い)こと、ホルモン療法は避妊にならないことを追記した。略語POIに premature と primary の2つの英語名が同居しており、2024年のガイドラインが研究・臨床では premature を用いるよう推奨していることを明記し、本文と出典欄で割れていた日本語表記を早発卵巣不全に揃えた(出典:ESHRE 早発卵巣不全ガイドライン2024)
  9. 2026 09.08

    ルラシドンの日本の副作用頻度を電子添文の表で数え直し、不眠・傾眠・悪心などを「5%以上」としていた記述を「1〜5%未満」へ訂正した(5%以上の欄に入っているのはアカシジア8.3%だけ)。ロイコボリンは日本の電子添文4製剤を取得し、同じ「ロイコボリン錠」でも5mg錠と25mg錠が別の効能を持つこと、日本で5-FUの増強を担うのはラセミ体ホリナートではなくレボホリナートであることを書き分け、フルオロウラシル過量投与の緊急解毒薬がウリジントリアセタートである点を補った。

    • 薬剤lurasidone日本の副作用頻度区分を訂正した。電子添文11.2の表で5%以上の欄が埋まっているのは錐体外路症状の行のアカシジア(静坐不能)8.3%だけで、不眠・傾眠・不安・頭痛・浮動性めまい・悪心・嘔吐・便秘・体重増加はいずれも1〜5%未満である。従来これらを「5%以上」と書いていた(出典:ラツーダ錠 電子添文)
    • 薬剤lurasidone起立性低血圧の頻度区分を「1%未満」から電子添文どおりの「頻度不明」へ訂正し、同じ電子添文が8.4の重要な基本的注意で「α交感神経遮断作用に基づく起立性低血圧」と機序つきで注意を促していることを補った。あわせて「添付文書はα遮断と起立性低血圧を因果でつないでいない」という記述を、因果を述べているのは日本の電子添文で米国添付文書は述べていない、という国別の書き分けへ改めた(出典:ラツーダ錠 電子添文)
    • 薬剤lurasidone不眠の頻度を3極で書き分ける表を新設した。EUの製品概要は成人でvery commonだが青年ではcommon、日本は1〜5%未満、米国は成人統合失調症でルラシドン全体10%対プラセボ8%であり「最も多い副作用(発現率5%以上かつプラセボの2倍以上)」の一覧には入らない一方、10〜17歳の双極性うつ病ではその一覧に入る。副作用の関係フィールドにも不眠を追加した(出典:Latuda 製品概要、LATUDA 添付文書)
    • 薬剤leucovorin日本の適応を電子添文で確認して新設した。ロイコボリン注3mgと錠5mgの効能は「葉酸代謝拮抗剤の毒性軽減」の一文で腫瘍名を挙げず、錠25mg・ユーゼル錠25mgの効能は〈ホリナート・テガフール・ウラシル療法〉結腸・直腸癌に対するテガフール・ウラシルの抗腫瘍効果の増強だけである。同じ「ロイコボリン錠」でも5mg錠と25mg錠は互いの適応を持たない(出典:ロイコボリン注3mg 電子添文、ロイコボリン錠5mg 電子添文、ロイコボリン錠25mg 電子添文)
    • 薬剤leucovorin日本で5-フルオロウラシルの抗腫瘍効果増強を担うのはラセミ体のホリナートではなくレボホリナート(アイソボリン)であることを明記し、両者が別の薬剤で力価が2倍違う(活性を持つのはl体だけ)という節を新設した。アイソボリンの効能は胃癌・結腸直腸癌・小腸癌・治癒切除不能な膵癌に及ぶ(出典:アイソボリン点滴静注用 電子添文)
    • 薬剤leucovorin禁忌を国と製品ごとの表に書き分けた。日本のロイコボリン注3mg・錠5mgは「本剤の成分に対し重篤な過敏症の既往」の1項目だけでB12欠乏性巨赤芽球性貧血は禁忌に挙がらず(重要な基本的注意で扱う)、錠25mg・ユーゼルは併用療法としての禁忌6項目(妊婦、S-1投与中および中止後7日以内を含む)、アイソボリンは8項目である(出典:ロイコボリン注3mg 電子添文、ロイコボリン錠25mg 電子添文)
    • 薬剤leucovorinフルオロウラシルまたはカペシタビンの過量投与に対する緊急解毒薬はロイコボリンではなくウリジントリアセタートである点を追記した。米国添付文書は過量投与後(症状の有無を問わない)または投与終了後96時間以内の重篤な毒性に対し成人10gを6時間ごとに20回経口投与すると定める。ロイコボリンはむしろ5-FUの毒性を増強する側である(出典:VISTOGARD 添付文書)
    • 薬剤leucovorin日本の救済の用法を追記した。メトトレキサート・ロイコボリン救援療法は投与終了3時間目から1回15mgを3時間間隔で9回静注し以後6時間間隔で8回、交代療法は投与後24時間目から6時間間隔で2〜6回で、回数は腎機能と全身状態で増減する。米国の経口錠に無いプララトレキサート救済(投与後24時間目から1回25mgを8時間間隔で6回、次回投与まで72時間以上)も日本の錠5mgにある(出典:ロイコボリン注3mg 電子添文、ロイコボリン錠5mg 電子添文)
  10. 2026 09.08

    化学療法誘発性悪心嘔吐(CINV)について、薬理学の3トピックが「高度催吐性リスクの標準的予防は5-HT3拮抗薬・NK1拮抗薬・デキサメタゾンの3剤併用」と書いていたのを、MASCC/ESMOの2023年改訂(オランザピンを加えた4剤併用をエビデンスレベルI・推奨グレードAで推奨)に沿って是正した。あわせて、催吐性リスクの区分を剤形の別なく「4区分」と平坦化していた記述を、静注薬4区分・経口薬2区分の書き分けへ改めた。

    • トピックB24: Antiemetic drugs. Prokinetic agents高度催吐性リスクのCINV予防を3剤併用から4剤併用へ改めた。MASCC/ESMOの2023年改訂は、アントラサイクリン・シクロホスファミド併用(AC)以外の高度催吐性化学療法でも女性のAC療法でも、急性期に5-HT3受容体拮抗薬・デキサメタゾン・NK1受容体拮抗薬・オランザピンの4剤を投与前に単回投与することをエビデンスレベルI・推奨グレードAで推奨しており、2016年版で任意だったオランザピンが固定の構成薬になったと明記している。遅発期は非ACではデキサメタゾンとオランザピン、ACではオランザピンを2〜4日目に投与することが提案されている(レベルII・グレードB)。全体像・アプレピタントとデキサメタゾンとオランザピンの各項・高頻度ポイント・まとめ表の5か所すべてを同時に直した(出典:MASCC/ESMO 2023 高度催吐性リスクの制吐)
    • トピックB24: Antiemetic drugs. Prokinetic agents催吐性リスクの区分を剤形で書き分けた。従来は「高度90%超・中等度30〜90%・軽度10〜30%・最小10%未満の4区分」とだけ書いていたが、MASCC/ESMOの2023年改訂は静注薬の4区分を維持する一方、経口薬をASCOの2017年改訂に合わせて2区分(中等度〜高度=30%超、最小〜軽度=30%未満)へ改めている。経口薬が連日長期投与で急性期・遅発期の枠組みが成り立たないことが理由で、同じ薬でも経路で区分名が変わる(シクロホスファミド・テモゾロミド)という注意も加えた。区分の%が「予防投与をしなかった場合に嘔吐する割合」であって悪心を含まないこと、経口薬は治療1コース全体で評価すること、分類が成人にのみ適用されることも補った(出典:MASCC/ESMO 2023 催吐性リスク分類)
    • トピックB24: Antiemetic drugs. Prokinetic agentsオランザピン上乗せRCTの記述を、主要評価項目と副次評価項目に分けて書き直した。従来は「120時間の完全奏効率が64%対41%」だけを載せていたが、この試験の主要評価項目は悪心の予防(悪心が無かった割合は全期間37%対22%、P=0.002)で、完全奏効率は副次評価項目である。催吐性リスクの分類が嘔吐だけで組まれ悪心を含まないことと合わせて、オランザピンが4剤目に入った意味を書き足した。あわせてオランザピンの用量について、10 mgが最もよく検討されており5 mgがそれと同等かは比較試験が無く未確定であること(レベルII・グレードB)を補った(出典:Navari 2016、MASCC/ESMO 2023 高度催吐性リスクの制吐)
    • トピックCore66: Drug-induced adverse reaction: constipation, diarrhea, vomiting嘔吐の節のCINV予防を3剤併用から4剤併用へ是正し、催吐性リスクの区分を静注4区分・経口2区分の表へ書き分けた。b24と同じ内容で、ガイドライン間で推奨が割れていること(SEOMの2021年版は3剤を標準としオランザピンは悪心が問題になるときに追加、MASCC/ESMOの2023年改訂は4剤を固定)も明記した(出典:MASCC/ESMO 2023 高度催吐性リスクの制吐、MASCC/ESMO 2023 催吐性リスク分類、SEOM 2021)
    • トピックB32: Drugs used in cancer treatment II (cytotoxic agents targeting DNA)シスプラチンの項の制吐予防を3剤併用から4剤併用へ是正した。あわせてシスプラチンが静注薬の高度催吐性リスク7項目のひとつであることを明示し、カルボプラチンについてMASCC/ESMOが表に星印を付けて「催吐性は中等度の上端にあると思われる」と注記していることを補った(出典:MASCC/ESMO 2023 高度催吐性リスクの制吐、MASCC/ESMO 2023 催吐性リスク分類)
    • トピックB24: Antiemetic drugs. Prokinetic agentsSEOMガイドラインの出典の claim を全文で検算して書き直した。従来の claim は催吐性リスクを剤形の別なく4区分としていたが、原文は表1(非経口薬)が4区分、表2(経口薬)が2区分である。3剤併用の推奨(レベルI・グレードA)という帰属自体は原文どおりで誤りではなく、オランザピンの追加を悪心が問題になるときに考慮するものと位置づける点がMASCC/ESMOの2023年改訂と異なる。同じ claim を本出典を共有する3ファイルに揃えた(出典:SEOM 2021)