薬理学

薬理学 · B32

抗がん薬II(DNA標的細胞傷害性薬)

B32: Drugs used in cancer treatment II (cytotoxic agents targeting DNA)

前提:病態
Core60:薬剤性有害反応:骨髄障害Core61:薬剤性有害反応:腎毒性Core62:薬剤性有害反応:聴器毒性Core67:薬剤性有害反応:粘膜障害
応用トピック
自家造血幹細胞移植同種造血幹細胞移植がんの全身療法頭頸部癌の放射線・外科・薬物療法食道癌の放射線・外科・薬物療法子宮頸癌の放射線・外科・薬物治療外陰・腟・卵巣腫瘍の放射線・外科・薬物治療陰茎・精巣・腎腫瘍の放射線・外科・薬物治療前立腺・膀胱腫瘍の放射線治療前立腺癌・膀胱癌の外科治療と薬物療法中枢神経系腫瘍の放射線療法中枢神経系腫瘍の外科治療と薬物療法骨腫瘍の放射線・外科・薬物療法軟部腫瘍の放射線・外科・薬物療法頭頸部癌の集学的治療における治療選択肢肺癌の化学療法・免疫療法・分子標的療法泌尿器科腫瘍における抗腫瘍薬の分類
薬剤
イホスファミドオキサリプラチンカルボプラチンカルムスチンシクロホスファミドシスプラチンダカルバジンダクチノマイシンテモゾロミドトラベクテジンブスルファンブレオマイシンベンダムスチンマイトマイシンCメクロレタミンメスナメチレンブルーメルファランラニムスチンロムスチン
疾患
放射線リコール反応
症状
二次原発悪性腫瘍

🧠 全体像:標的薬は「をどう壊すか」で覚える: ①を架橋する(/)・②をメチル化する・③鎖を切る・④に挟み込む()。

⭐共通して骨髄抑制・・脱毛が出やすい。試験では薬ごとの臓器毒性(シスプラチン=腎/耳、=肺、=膀胱)をセットで覚える。

⚠️ (TLS)は、増殖速度の速いにこれらの薬剤を使う際に注意が必要。 治療に用いるは欠損症で禁忌であり、重篤な溶血を起こしうる1。

DNAを架橋する:アルキル化薬

鎖を架橋する → 複製できない

  • — 系→架橋|適応:リンパ腫/白血病/乳癌/卵巣癌・重症自己免疫疾患
    • ⚠️()・骨髄抑制・不妊・(関連のは平均5年の潜伏期を経てとして発症し、を伴うへ急速に進展する。第5・第7染色体の欠失/を特徴とし、生存期間中央値8か月と予後が悪い2)
    • 💡予防:+輸液(患者対象ので併用群は強制利尿単独群よりのが有意に低かった3)
  • — 系→架橋|適応:・・卵巣癌
    • ⚠️骨髄抑制
  • — →架橋|適応:CML、
    • ⚠️()・痙攣・
  • — 系+の構造→架橋(他の・と部分的にしかなし)|適応:CLL・リツキシマブ抵抗性の低悪性度NHL・/の初回治療(BR療法)
    • ⚠️骨髄抑制・CD4陽性T細胞減少が年単位で遷延(日和見感染対策が必要)

DNAを架橋する:白金製剤

「platin」=白金。の鎖内/ → 複製停止

  • シスプラチン — |適応:・卵巣癌・・肺癌・
    • ⚠️腎毒性・耳毒性・強い・末梢神経障害(静注薬のリスク分類で高度に区分される7項目のひとつ4。米国では2022年、が1か月齢以上・限局性非転移性固形腫瘍の小児患者における耳毒性リスク低減薬として承認された5)
    • ⭐ リスクの急性期予防は4剤併用。 拮抗薬・・NK1受容体拮抗薬(等)・を化学療法前に単回投与する。MASCC/ESMOの2023年改訂がこれを Level of evidence I, Grade of recommendation A で推奨しており、2016年版でのだったが固定の構成薬になった6。SEOMの2021年版は同じ場面を「拮抗薬・NK1受容体拮抗薬・ステロイドの3剤併用」(Level of Evidence I, Grade of Recommendation A)とし、は悪心が問題になるときに追加するものと位置づけており、学会と版で書き方が割れている7
    • 💡腎毒性予防:輸液、必要に応じて。米国の添付文書は投与前の補液を必須とし、クレアチニン・・とを含む電解質を投与前と臨床経過に応じて測定するよう求める8。機序(のhOCT2で取り込まれ頂端側のhMATE1で汲み出されるという入口と出口の話)はCore61:薬剤性:腎毒性が正本

⚠️⚠️ シスプラチンのは、米国内で2つの様式が併存していて中身が違う。 どちらも現行の添付文書である。

旧様式(Hikma 等)9 PLR様式(WG Critical Care 等)8
の柱 腎毒性・骨髄抑制・・・・ 腎毒性・末梢神経障害・・骨髄抑制の4本立て
の中(「小児でより強く出ることがあり、および/または高音域の、ときに難聴として現れ、できない」) から外れ、5.6 の・使用上の注意へ(「毒性は特に小児で重篤になりうる。聴力検査との監視を考慮する」)
との取り違え 明記あり(「との混同、または1日量と1サイクル総量を区別しない処方慣行による意図しないを避けなければならない」) 記載なし(carboplatin の語が全文0件)
100 mg/m² の扱い 「3〜4週ごとに100 mg/m²/サイクルを超える用量はまれにしか用いられない」=の警戒線 進行卵巣癌の用量(1サイクルあたり75〜100 mg/m² を3〜4週ごと)

⚠️ 「シスプラチンのにはが入っている/入っていない」はどちらも単独では誤りになる。 どの文書を見ているかとセットで覚える。 ⚠️ 取り違え防止の注意が新しい様式から消えたことを「もう気をつけなくてよい」と読まない。 様式が変わって記載場所が動いただけで、 シスプラチンとの用量の書き方がそもそも違うという事実は変わらない。

  • — 架橋|適応:卵巣癌・肺癌など
    • 💡シスプラチンより腎/耳毒性は少ないが骨髄抑制が強い(進行卵巣癌のでは、シスプラチン群で腎毒性67.5%・耳毒性45%・神経毒性22.5%を認めた一方、群では耳毒性・神経毒性は認めず腎毒性も2.5%にとどまったが骨髄抑制は群でより強かった10)
    • ⚠️ は中等度だが、MASCC/ESMOは表で星印を付けて「中等度の上端にあると思われる(emetic potential appears to be at the high end of the moderate category)」と注記している。シスプラチンと同じ「高度」ではないが、中等度のなかでは重い側だと読む4
    • ⭐ 処方の書き方そのものが違う。 の米国添付文書はからの経験的な用量計算ではなく、腎機能で補正する Calvert 式 を推奨する——逐語で Total Dose (mg) = (target AUC) x (GFR + 25)、直後に Note: With the Calvert formula, the total dose of carboplatin is calculated in mg, not mg/mm2 と注記される。ここで は血中濃度–、GFR はである。既治療患者の単剤での目標は 4〜6 mg/mL·min11。💡 シスプラチンは mg/m²、は mg 総量——桁の感覚が違うので、片方の数字をもう片方に当てはめるとになりうる。旧様式のシスプラチン添付文書がわざわざ取り違えをに書いているのはこのためである9
  • — 架橋|適応:大腸癌など(FOLFOX)
    • ⚠️で悪化する末梢神経障害が特徴(CAPOX療法を受けた大腸癌患者の後ろ向き検討では85%が誘発性の急性神経障害のため減量を要し、冬季は夏季より減量を要した患者の割合が有意に高かった12)

⚠️ のは「高音域から始まって、戻らない」。 ここだけは押さえる。 詳細はCore62:薬剤性:が正本だが、要点は3つ。

  • シスプラチンの難聴は高音域(会話音域より上)から始まるの感音難聴で、とともに悪化する。 ⚠️ 患者が「聞こえにくい」と訴える頃には会話音域まで下りてきているので、症状を待たない。
  • ⚠️ をシスプラチンと同列に扱わない。 小児がん経験者の監視指針は、シスプラチンは投与を受けた全員を監視対象とする一方、 は骨髄破壊的用量または診断時1歳未満の投与に限っている。
  • の適応は小児の限局性・非転移性固形腫瘍に限られ、6時間を超えるシスプラチンの後では有効性が確立していない5。

腎毒性の側も同じで、入口(hOCT2)と出口(hMATE1)の釣り合いで尿細管に溜まるという機序は Core61:薬剤性:腎毒性にまとめてある。

DNAをメチル化する:メチル化型アルキル化薬

DNA鎖を切る:フリーラジカルによるDNA鎖切断

  • — 生成→鎖切断|G2/|適応:・など
    • ⚠️が最も重い毒性。米国の添付文書のは逐語で「最も多い現れ方はで、ときにへ進行する。高齢者と400単位(units)を超えて投与された患者で頻度が高いが、若年者や低用量で治療された患者でもは観察されている」と述べる13
      • ⚠️ の用量は mg ではなく「単位(units)」で書かれる。 の閾値は400単位超である13。⚠️ これとは別に、南インドの患者41例の前向き検討は240 mgを超える群でリスクが有意に高かったと報告している(3.8、95%CI 1.2〜12.2)14。単位と mg は別の物差しなので、換算して1つの数字にまとめない——それぞれの出典の単位のまま覚える
      • ⚠️ 「閾値を超えなければ安全」ではない。 添付文書自身が、低用量・若年でもが起こりうると明記している13
    • ⚠️ にはもう1本ある——逐語で「低血圧・・発熱・悪寒・喘鳴からなる重篤な反応が、で治療されたリンパ腫患者のおよそ1%に報告されている」13。⚠️ この1%はリンパ腫患者を分母にした値で、全適応の頻度ではない
    • ⚠️
    • 💡骨髄抑制が比較的少ないのが特徴

DNAに挟み込む:インターカレーション

  • — への→/合成阻害|適応:Wilms腫瘍・・・
    • ⚠️骨髄抑制・・

💡 を起こすの主役は(など)だが、これらはでもあるためB33:抗がん薬IIIで扱う。 ここでは「に挟まって複製・転写を物理的に邪魔する」というだけを押さえ、心毒性の詳細はそちらで見る。

⭐ 高頻度ポイント:=→、=/、=。シスプラチン=腎毒性・耳毒性(高音域から・不可逆)・強い嘔吐。⚠️は米国内で2様式に割れており、旧様式だけがと取り違えを含む、=骨髄抑制・用量はでmg総量、=性末梢神経障害。=・MGMTが鍵。=(の閾値は400単位超)・リンパ腫患者の約1%に反応・骨髄抑制少なめ。=。

📋 まとめ表

薬剤 系統 機序 適応・注意
① 架橋 リンパ腫/白血病/自己免疫・⚠️→
① 架橋 ・・骨髄抑制
① 架橋 /・⚠️/痙攣/VOD
シスプラチン ② 精巣/卵巣/膀胱/肺癌・⚠️腎毒性/耳毒性(不可逆・高音域から)/嘔吐・⚠️米国のは2様式で中身が違う
② 架橋 卵巣/肺癌・⚠️骨髄抑制・用量は(目標×(+25)、mg総量)
② 架橋 大腸癌()・⚠️性末梢神経障害
③メチル化薬 メチル化 Hodgkin/黒色腫・⚠️骨髄抑制/嘔吐
③メチル化薬 O6-のメチル化 ・MGMTの状態が鍵
④ →鎖切断 Hodgkin/・⚠️(総400単位超で高頻度・低用量でも起こる)・⚠️リンパ腫患者の約1%に反応・骨髄抑制少
⑤ →/合成阻害 Wilms//Ewing・

出典

  1. 1.Medications and glucose-6-phosphate dehydrogenase deficiency: an evidence-based review(Drug Safety・2010)G6PD欠損症患者での医薬品使用に関するエビデンスに基づく系統的レビューが、使用回避の「確実な根拠がある」薬剤をダプソン・メチレンブルー(methylthioninium chloride)・ニトロフラントイン・フェナゾピリジン・プリマキン・ラスブリカーゼ・トルイジンブルーの7剤に限定し、それ以外の医薬品については通常治療用量での使用を妨げる根拠を認めなかったと結論していることを確認した(抗菌性サルファ剤はこの7剤の一覧に含まれていない)。閲覧 2026-08-27
  2. 3.Comparison of mesna with forced diuresis to prevent cyclophosphamide induced haemorrhagic cystitis in marrow transplantation: a prospective randomised study(British Journal of Cancer・1984)骨髄移植患者61例を対象としたランダム化比較試験で、高用量シクロホスファミドによる出血性膀胱炎の予防としてメスナ併用群は強制利尿単独群と比較し肉眼的血尿の発生率が有意に低かった(カイ二乗検定でP<0.05)ことを確認した。閲覧 2026-08-27
  3. 4.Emetic risk classification and evaluation of the emetogenicity of antineoplastic agents—updated MASCC/ESMO consensus recommendation(Multinational Association of Supportive Care in Cancer / European Society for Medical Oncology・2023)全文(PMC10739277)を取得して確認した。表3の静注薬の高度催吐性リスクは、アントラサイクリンとシクロホスファミドの併用・カルムスチン・クロルメチン・シスプラチン・シクロホスファミド1500 mg/m²以上・ダカルバジン・ストレプトゾシンの7項目で、カルボプラチン・オキサリプラチン・イリノテカン・イホスファミドは中等度である。静注薬の4区分(高度=ほぼ全例、90%超/中等度=30〜90%/軽度=10〜30%/最小=10%未満)は本改訂でも維持され、経口抗腫瘍薬はASCOの2017年改訂に合わせて2区分(中等度〜高度=30%超/最小〜軽度=30%未満)へ改められた。経口テモゾロミドは中等度〜高度に、経口カペシタビンは最小〜軽度に置かれている。閲覧 2026-09-08
  4. 5.PEDMARK (sodium thiosulfate injection) — Prescribing Information(U.S. Food and Drug Administration (DailyMed)・2025)⚠️ この添付文書には承認日の記載が無く、Highlights の Initial U.S. Approval は成分の初回承認年1992である。印字された改訂表示は逐語「Revised: 6/2025」。適応は、1か月齢以上・限局性非転移性固形腫瘍の小児患者における、シスプラチンに伴う耳毒性リスク低減を適応としてFDA承認されたこと(小児の限局性固形腫瘍という限定された適応であること)を確認した。閲覧 2026-08-27
  5. 6.2023 updated MASCC/ESMO consensus recommendations: prevention of nausea and vomiting following high-emetic-risk antineoplastic agents(Multinational Association of Supportive Care in Cancer / European Society for Medical Oncology・2023)全文(PMC10739516)を取得して確認した。推奨表(Table 2)では、アントラサイクリン・シクロホスファミド併用(AC)以外の高度催吐性化学療法でも、女性のAC療法でも、急性期の予防として5-HT3受容体拮抗薬・デキサメタゾン・NK1受容体拮抗薬(アプレピタント、ホスアプレピタント、ネツピタント、ホスネツピタント、ロラピタント)・オランザピンの4剤を化学療法前に単回投与することが推奨されている(Level of evidence I, Grade of recommendation A)。2016年版ではオランザピンの3剤への上乗せは任意(optional)だったが、大規模試験の結果を受けて4剤レジメンの固定要素になったと本文が明記している。遅発期は非ACではデキサメタゾンとオランザピンを2〜4日目に、ACではオランザピンを2〜4日目に投与することが提案されている(Level of evidence II, Grade of recommendation B)。閲覧 2026-09-08
  6. 7.SEOM clinical guideline emesis (2021)(Clinical and Translational Oncology(Spanish Society for Medical Oncology)・2022)全文(PMC8986698)を取得して確認した。催吐性リスクの区分は投与経路で分かれており、非経口薬は表1で4区分(高度=90%超/中等度=30〜90%/軽度=10〜30%/最小=10%未満)、経口薬は表2で2区分(中等度〜高度=30%以上/最小〜軽度=30%未満)である。高度催吐性リスクの予防について本ガイドラインは「HEC prophylaxis consists in administering a three-drug regimen including 5HT3-RAs, NK1-RAs and steroids」(Level of Evidence I, Grade of Recommendation A)とし、オランザピンの追加は悪心が問題になるときに考慮するもの(同じくLevel of Evidence I, Grade of Recommendation A)と位置づけている。一方で薬剤別の節では、オランザピンを加えた4剤レジメンが高度催吐性・中等度催吐性化学療法のCINV予防に有効である(Level of evidence I, Grade of Recommendation A)とも述べている。閲覧 2026-08-27
  7. 8.CISPLATIN injection, powder, lyophilized, for solution(U.S. Food and Drug Administration(DailyMed/WG Critical Care, LLC)・2026)PLR様式(Highlightsをもつ現行様式)のシスプラチン添付文書。Highlights末尾に印字された改訂表示は Revised: 6/2026。枠組み警告の表題は逐語で "WARNING: NEPHROTOXICITY, PERIPHERAL NEUROPATHY, NAUSEA AND VOMITING and MYELOSUPPRESSION" の4本立てで、⚠️ **聴器毒性は枠組み警告に入っておらず**、5 WARNINGS AND PRECAUTIONS の "Ototoxicity: Cumulative toxicity may be severe particularly in pediatric patients; consider audiometric and vestibular function monitoring (5.6, 8.4)" に置かれている。⚠️ **旧様式の添付文書にある「カルボプラチンとの取り違えによる過量投与に注意」という記載がこの文書には無い**——大文字小文字を変えて数えても carboplatin は**全文0件**である(陽性対照:同じ本文で cisplatin 174件・nephrotox 18件・ototox 17件)。100 mg/m² という数字自体は残っているが、過量投与の注意としてではなく 2.3(進行卵巣癌は1サイクルあたり75〜100 mg/m² を3〜4週ごと)という適応別の用量として置かれている。10 OVERDOSAGE は腎不全・肝不全・難聴・眼毒性・骨髄抑制・悪心嘔吐・神経炎と死亡を挙げ、支持療法と補液を求め、⚠️ **蛋白結合率が高いため血液透析は無効**と明記する。5.1 は腎毒性について、典型的には投与後2週目に始まること、投与前・投与中・投与後の十分な補液、クレアチニン・BUN・クレアチニンクリアランス・マグネシウムを含む電解質の測定、必要に応じたマグネシウム補充と減量・代替治療の検討を求める。5.2 が末梢神経障害(反復投与で重症化)、5.5 が過敏反応(アナフィラキシーと死亡)、5.7 が眼毒性(視神経炎・乳頭浮腫・皮質盲)、5.8 が二次性急性白血病である。閲覧 2026-09-23
  8. 9.CISPLATIN injection(U.S. Food and Drug Administration(DailyMed/Hikma Pharmaceuticals USA Inc.)・2025)旧様式(Highlightsをもたない)のシスプラチン添付文書。⚠️ 文書本体に印字された改訂表示が無いため、year はSPLの effective time(2025年11月19日)から採った。枠組み警告は逐語で "Cumulative renal toxicity associated with cisplatin is severe. Other major dose-related toxicities are myelosuppression, nausea, and vomiting. **Ototoxicity, which may be more pronounced in children, and is manifested by tinnitus, and/or loss of high frequency hearing and occasionally deafness, is significant.**" と、聴器毒性を枠組み警告の中に置く。さらに逐語で "Exercise caution to prevent inadvertent cisplatin overdose. Doses greater than 100 mg/m2/cycle once every 3 to 4 weeks are rarely used. **Care must be taken to avoid inadvertent cisplatin overdose due to confusion with carboplatin or prescribing practices that fail to differentiate daily doses from total dose per cycle.**" と、カルボプラチンとの取り違え・1日量と1サイクル総量の混同による過量投与への注意を含む。アナフィラキシー様反応(顔面浮腫・気管支収縮・頻脈・低血圧が投与数分以内に起こりうる)にも触れる。⚠️ 米国市場にはこの旧様式とPLR様式の2種類が併存しており、枠組み警告の中身が違う。閲覧 2026-09-23
  9. 10.A comparison of the toxicity and efficacy of cisplatin and carboplatin in advanced ovarian cancer. The Swons Gynaecological Cancer Group(Acta Oncologica・1989)進行卵巣癌患者88例を対象としたランダム化比較試験(シスプラチン単剤とカルボプラチン単剤の直接比較)で、シスプラチン群は腎毒性67.5%・耳毒性45%・WHO Grade1神経毒性22.5%を認めた一方、カルボプラチン群では耳毒性・神経毒性は観察されず腎毒性も2.5%にとどまったが、骨髄抑制・貧血はカルボプラチン群でより高頻度であったこと(悪心嘔吐エピソード中央値もシスプラチン群16回に対しカルボプラチン群2回であったこと)を確認した。閲覧 2026-08-27
  10. 11.CARBOPLATIN injection, solution(U.S. Food and Drug Administration(DailyMed/Natco Pharma USA LLC)・2026)カルボプラチン注射剤の米国添付文書(Natco Pharma USA LLC。印字された改訂表示は Revised: 07/2026)を取得して確認した。用法の節が体表面積に基づく経験的な用量計算ではなく、腎機能で補正する計算式を推奨しており、逐語の見出しは "CALVERT FORMULA FOR CARBOPLATIN DOSING"、式は "Total Dose (mg) = (target AUC) x (GFR + 25)"、直後に逐語で "Note: With the Calvert formula, the total dose of carboplatin is calculated in mg, not mg/mm2" と注記する。既治療患者での単剤の目標AUCは "4 mg/mL/min to 6 mg/mL/min" が最も適切な用量域とされる。⚠️ すなわちカルボプラチンの用量は mg/m² ではなく mg 総量で書かれる点がシスプラチンと根本的に違う。閲覧 2026-09-23
  11. 12.Incidence of cold-induced peripheral neuropathy and dose modification of adjuvant oxaliplatin-based chemotherapy for patients with colorectal cancer(Oncology・2014)大腸癌の術後補助化学療法としてCAPOX(カペシタビン+オキサリプラチン)を受けた108例の後ろ向き検討で、92例(85%)が冷刺激で誘発される急性神経障害のためオキサリプラチンの減量を要し、冬季(平均気温0.1〜1.8℃)は夏季(平均気温15.1〜16.3℃)と比較し2サイクル目までに減量を要した患者の割合が有意に高かった(55%対13%、オッズ比2.5、P=0.022)ことを確認した。閲覧 2026-08-27
  12. 13.BLEOMYCIN- bleomycin sulfate powder, for solution(U.S. Food and Drug Administration(DailyMed/Meitheal Pharmaceuticals Inc.)・2026)旧様式のブレオマイシン添付文書。⚠️ 文書本体に印字された改訂表示が無いため、year はSPLの effective time(2026年4月17日)から採った。枠組み警告は逐語で "Pulmonary fibrosis is the most severe toxicity associated with bleomycin. The most frequent presentation is pneumonitis occasionally progressing to pulmonary fibrosis. Its occurrence is higher in elderly patients and in those receiving **greater than 400 units total dose**, but pulmonary toxicity has been observed in young patients and those treated with low doses." である。⚠️ 米国の用量は mg ではなく **units**(単位)で書かれており、枠組み警告の閾値は「総投与量400単位超」である。⚠️ 同じ枠組み警告は逐語で "A severe idiosyncratic reaction consisting of hypotension, mental confusion, fever, chills, and wheezing has been reported in **approximately 1% of lymphoma patients** treated with bleomycin." と、リンパ腫患者に限った約1%の特異体質反応も挙げている。閲覧 2026-09-23
  13. 14.Frequency and risk factors of bleomycin-induced pulmonary toxicity in South Indian patients with germ-cell tumors(Journal of Cancer Research and Therapeutics・2021)南インドの胚細胞腫瘍患者41例を対象とした前向き検討で、ブレオマイシン誘発性肺毒性は27%(11例)に発生し、累積投与量240mg以上が発生リスクの有意な上昇と関連していた(相対危険度3.8、95%信頼区間1.2〜12.2、P=0.02)ことを確認した。閲覧 2026-08-27