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  1. 2026 09.08

    ルラシドンの日本の副作用頻度を電子添文の表で数え直し、不眠・傾眠・悪心などを「5%以上」としていた記述を「1〜5%未満」へ訂正した(5%以上の欄に入っているのはアカシジア8.3%だけ)。ロイコボリンは日本の電子添文4製剤を取得し、同じ「ロイコボリン錠」でも5mg錠と25mg錠が別の効能を持つこと、日本で5-FUの増強を担うのはラセミ体ホリナートではなくレボホリナートであることを書き分け、フルオロウラシル過量投与の緊急解毒薬がウリジントリアセタートである点を補った。

    • 薬剤lurasidone日本の副作用頻度区分を訂正した。電子添文11.2の表で5%以上の欄が埋まっているのは錐体外路症状の行のアカシジア(静坐不能)8.3%だけで、不眠・傾眠・不安・頭痛・浮動性めまい・悪心・嘔吐・便秘・体重増加はいずれも1〜5%未満である。従来これらを「5%以上」と書いていた(出典:ラツーダ錠 電子添文)
    • 薬剤lurasidone起立性低血圧の頻度区分を「1%未満」から電子添文どおりの「頻度不明」へ訂正し、同じ電子添文が8.4の重要な基本的注意で「α交感神経遮断作用に基づく起立性低血圧」と機序つきで注意を促していることを補った。あわせて「添付文書はα遮断と起立性低血圧を因果でつないでいない」という記述を、因果を述べているのは日本の電子添文で米国添付文書は述べていない、という国別の書き分けへ改めた(出典:ラツーダ錠 電子添文)
    • 薬剤lurasidone不眠の頻度を3極で書き分ける表を新設した。EUの製品概要は成人でvery commonだが青年ではcommon、日本は1〜5%未満、米国は成人統合失調症でルラシドン全体10%対プラセボ8%であり「最も多い副作用(発現率5%以上かつプラセボの2倍以上)」の一覧には入らない一方、10〜17歳の双極性うつ病ではその一覧に入る。副作用の関係フィールドにも不眠を追加した(出典:Latuda 製品概要、LATUDA 添付文書)
    • 薬剤leucovorin日本の適応を電子添文で確認して新設した。ロイコボリン注3mgと錠5mgの効能は「葉酸代謝拮抗剤の毒性軽減」の一文で腫瘍名を挙げず、錠25mg・ユーゼル錠25mgの効能は〈ホリナート・テガフール・ウラシル療法〉結腸・直腸癌に対するテガフール・ウラシルの抗腫瘍効果の増強だけである。同じ「ロイコボリン錠」でも5mg錠と25mg錠は互いの適応を持たない(出典:ロイコボリン注3mg 電子添文、ロイコボリン錠5mg 電子添文、ロイコボリン錠25mg 電子添文)
    • 薬剤leucovorin日本で5-フルオロウラシルの抗腫瘍効果増強を担うのはラセミ体のホリナートではなくレボホリナート(アイソボリン)であることを明記し、両者が別の薬剤で力価が2倍違う(活性を持つのはl体だけ)という節を新設した。アイソボリンの効能は胃癌・結腸直腸癌・小腸癌・治癒切除不能な膵癌に及ぶ(出典:アイソボリン点滴静注用 電子添文)
    • 薬剤leucovorin禁忌を国と製品ごとの表に書き分けた。日本のロイコボリン注3mg・錠5mgは「本剤の成分に対し重篤な過敏症の既往」の1項目だけでB12欠乏性巨赤芽球性貧血は禁忌に挙がらず(重要な基本的注意で扱う)、錠25mg・ユーゼルは併用療法としての禁忌6項目(妊婦、S-1投与中および中止後7日以内を含む)、アイソボリンは8項目である(出典:ロイコボリン注3mg 電子添文、ロイコボリン錠25mg 電子添文)
    • 薬剤leucovorinフルオロウラシルまたはカペシタビンの過量投与に対する緊急解毒薬はロイコボリンではなくウリジントリアセタートである点を追記した。米国添付文書は過量投与後(症状の有無を問わない)または投与終了後96時間以内の重篤な毒性に対し成人10gを6時間ごとに20回経口投与すると定める。ロイコボリンはむしろ5-FUの毒性を増強する側である(出典:VISTOGARD 添付文書)
    • 薬剤leucovorin日本の救済の用法を追記した。メトトレキサート・ロイコボリン救援療法は投与終了3時間目から1回15mgを3時間間隔で9回静注し以後6時間間隔で8回、交代療法は投与後24時間目から6時間間隔で2〜6回で、回数は腎機能と全身状態で増減する。米国の経口錠に無いプララトレキサート救済(投与後24時間目から1回25mgを8時間間隔で6回、次回投与まで72時間以上)も日本の錠5mgにある(出典:ロイコボリン注3mg 電子添文、ロイコボリン錠5mg 電子添文)
  2. 2026 09.08

    化学療法誘発性悪心嘔吐(CINV)について、薬理学の3トピックが「高度催吐性リスクの標準的予防は5-HT3拮抗薬・NK1拮抗薬・デキサメタゾンの3剤併用」と書いていたのを、MASCC/ESMOの2023年改訂(オランザピンを加えた4剤併用をエビデンスレベルI・推奨グレードAで推奨)に沿って是正した。あわせて、催吐性リスクの区分を剤形の別なく「4区分」と平坦化していた記述を、静注薬4区分・経口薬2区分の書き分けへ改めた。

    • トピックB24: Antiemetic drugs. Prokinetic agents高度催吐性リスクのCINV予防を3剤併用から4剤併用へ改めた。MASCC/ESMOの2023年改訂は、アントラサイクリン・シクロホスファミド併用(AC)以外の高度催吐性化学療法でも女性のAC療法でも、急性期に5-HT3受容体拮抗薬・デキサメタゾン・NK1受容体拮抗薬・オランザピンの4剤を投与前に単回投与することをエビデンスレベルI・推奨グレードAで推奨しており、2016年版で任意だったオランザピンが固定の構成薬になったと明記している。遅発期は非ACではデキサメタゾンとオランザピン、ACではオランザピンを2〜4日目に投与することが提案されている(レベルII・グレードB)。全体像・アプレピタントとデキサメタゾンとオランザピンの各項・高頻度ポイント・まとめ表の5か所すべてを同時に直した(出典:MASCC/ESMO 2023 高度催吐性リスクの制吐)
    • トピックB24: Antiemetic drugs. Prokinetic agents催吐性リスクの区分を剤形で書き分けた。従来は「高度90%超・中等度30〜90%・軽度10〜30%・最小10%未満の4区分」とだけ書いていたが、MASCC/ESMOの2023年改訂は静注薬の4区分を維持する一方、経口薬をASCOの2017年改訂に合わせて2区分(中等度〜高度=30%超、最小〜軽度=30%未満)へ改めている。経口薬が連日長期投与で急性期・遅発期の枠組みが成り立たないことが理由で、同じ薬でも経路で区分名が変わる(シクロホスファミド・テモゾロミド)という注意も加えた。区分の%が「予防投与をしなかった場合に嘔吐する割合」であって悪心を含まないこと、経口薬は治療1コース全体で評価すること、分類が成人にのみ適用されることも補った(出典:MASCC/ESMO 2023 催吐性リスク分類)
    • トピックB24: Antiemetic drugs. Prokinetic agentsオランザピン上乗せRCTの記述を、主要評価項目と副次評価項目に分けて書き直した。従来は「120時間の完全奏効率が64%対41%」だけを載せていたが、この試験の主要評価項目は悪心の予防(悪心が無かった割合は全期間37%対22%、P=0.002)で、完全奏効率は副次評価項目である。催吐性リスクの分類が嘔吐だけで組まれ悪心を含まないことと合わせて、オランザピンが4剤目に入った意味を書き足した。あわせてオランザピンの用量について、10 mgが最もよく検討されており5 mgがそれと同等かは比較試験が無く未確定であること(レベルII・グレードB)を補った(出典:Navari 2016、MASCC/ESMO 2023 高度催吐性リスクの制吐)
    • トピックCore66: Drug-induced adverse reaction: constipation, diarrhea, vomiting嘔吐の節のCINV予防を3剤併用から4剤併用へ是正し、催吐性リスクの区分を静注4区分・経口2区分の表へ書き分けた。b24と同じ内容で、ガイドライン間で推奨が割れていること(SEOMの2021年版は3剤を標準としオランザピンは悪心が問題になるときに追加、MASCC/ESMOの2023年改訂は4剤を固定)も明記した(出典:MASCC/ESMO 2023 高度催吐性リスクの制吐、MASCC/ESMO 2023 催吐性リスク分類、SEOM 2021)
    • トピックB32: Drugs used in cancer treatment II (cytotoxic agents targeting DNA)シスプラチンの項の制吐予防を3剤併用から4剤併用へ是正した。あわせてシスプラチンが静注薬の高度催吐性リスク7項目のひとつであることを明示し、カルボプラチンについてMASCC/ESMOが表に星印を付けて「催吐性は中等度の上端にあると思われる」と注記していることを補った(出典:MASCC/ESMO 2023 高度催吐性リスクの制吐、MASCC/ESMO 2023 催吐性リスク分類)
    • トピックB24: Antiemetic drugs. Prokinetic agentsSEOMガイドラインの出典の claim を全文で検算して書き直した。従来の claim は催吐性リスクを剤形の別なく4区分としていたが、原文は表1(非経口薬)が4区分、表2(経口薬)が2区分である。3剤併用の推奨(レベルI・グレードA)という帰属自体は原文どおりで誤りではなく、オランザピンの追加を悪心が問題になるときに考慮するものと位置づける点がMASCC/ESMOの2023年改訂と異なる。同じ claim を本出典を共有する3ファイルに揃えた(出典:SEOM 2021)
  3. 2026 09.08

    有毛細胞白血病の一次治療を「クラドリビン単剤が第一選択」と書いていた2ファイルを、FILO 2024の推奨(全身状態良好な未治療例にはクラドリビン+リツキシマブの同時併用が一次治療のゴールドスタンダード、単剤は併用不適格例と75歳以上で好まれる)に沿って集団別に書き分けた。あわせて病理トピックが有毛細胞白血病を「CLLの亜型」としていた分類の誤りを、WHO分類第5版の全文で確かめて是正した。

    • 薬剤cladribine有毛細胞白血病の適応を「第一選択、単剤・短期投与」と書いていたのを、集団別の書き分けへ改めた。フランス語圏専門家(FILO)の2024年推奨は全身状態良好な未治療例にクラドリビン+リツキシマブの同時併用を推奨して一次治療のゴールドスタンダードと述べており、単剤は併用に耐えられない患者の選択肢として残る。一方、有毛細胞白血病コンソーシアムの2025年専門家合意は75歳以上ではクラドリビン単剤が引き続き好まれるとしている(出典:FILO 2024推奨、高齢者の専門家合意 2025)
    • 薬剤cladribine有毛細胞白血病での用法を一次資料に合わせて具体化した。FILO 2024は静注(0.1 mg/kg/日を7日間持続点滴)よりも皮下注(0.1〜0.14 mg/kg/日を5日間)を推奨し、リツキシマブはクラドリビン開始日から375 mg/m²を週1回8回投与する。6か月後に開始する逐次投与より同時併用のほうが優れるというのが根拠で、超高齢者では皮下注を2〜3日間に短縮してもよい(出典:FILO 2024推奨)
    • 薬剤cladribine腎機能と感染に関する注意を追加した。プリンアナログとその代謝物は主に腎排泄されるため、FILO 2024は有毛細胞白血病の治療でクレアチニンクリアランス50 mL/min以下のクラドリビン投与を禁忌としている(ペントスタチンは60 mL/min未満)。また治療を受けた全例にST合剤とバラシクロビル/アシクロビルの予防投与を推奨し、プリンアナログを使う場合は皮膚有害事象を避けるため予防の開始を2週間遅らせ、最低6か月かつCD4陽性T細胞数が200/µLを超えるまで続けるとしている。「排泄は腎排泄が一部を占める」という記述も原文に合わせて改めた(出典:FILO 2024推奨)
    • トピックCLL, hairy cell leukemia有毛細胞白血病を「CLLの亜型とされる」と書いていた全体像と定義を是正した。WHO分類第5版の全文を確認すると、有毛細胞白血病は脾辺縁帯リンパ腫・脾原発赤脾髄びまん性小型B細胞リンパ腫・著明な核小体を伴う脾B細胞リンパ腫/白血病とともに脾B細胞リンパ腫・白血病ファミリーに置かれ、CLL/SLLが属する前腫瘍性・腫瘍性の小リンパ球増殖のファミリーとは別枠である。旧称の有毛細胞白血病バリアントが同じ第5版でSBLPNへ改称された経緯も1行で補い、既存ノートへリンクした(出典:WHO分類第5版 リンパ系腫瘍)
    • トピックCLL, hairy cell leukemia予後の記述を、クラドリビン単剤の長期成績と現行の一次治療に分けて書き直した。単剤1コースの成績(評価可能207例の95%が完全奏効、初回奏効期間中央値98か月、37%が再発したが再投与で奏効)はそのまま残し、現在の一次治療は全身状態良好例ではクラドリビン+リツキシマブの同時併用であること、75歳以上では単剤が引き続き好まれることを併記した(出典:クラドリビン長期追跡 2003、FILO 2024推奨、高齢者の専門家合意 2025)
  4. 2026 09.08

    担当が直したノートとリンクでつながる先を親が確かめ、卵胞径・骨肉腫のロイコボリン救済・有毛細胞白血病の分類・夜尿症の治療開始年齢の4点で、同じ誤りが残っていた別ノートを同時に是正した。

    • 疾患多嚢胞性卵巣症候群多嚢胞性卵巣形態の旧ロッテルダム基準の卵胞径を「2〜8 mm」から「2〜9 mm」へ是正し、旧基準から変わったのは卵胞径ではなく個数の閾値である点を明示した。2023年国際ガイドラインの報告項目は逐語で Total number of 2-9 mm follicles per ovary である。(出典:https://doi.org/10.1210/clinem/dgad463 )
    • 疾患骨肉腫・ユーイング肉腫骨肉腫のMAP療法の節に、高用量メトトレキサートにロイコボリン救済を必ず併用すること、救済の遅れや腎障害による排泄遷延が致死的な粘膜障害・骨髄抑制を招くことを追記した。米国の注射剤添付文書は適応の筆頭に骨肉腫の高用量メトトレキサート療法後の救済を挙げている。(出典:https://dailymed.nlm.nih.gov/dailymed/drugInfo.cfm?setid=9d0e5356-ff39-4a8e-944c-e808a21ef4b2 )
    • 薬剤leucovorin承認適応として骨肉腫を indicationDiseases に追加した。相手ノートにロイコボリン救済の記述を先に置き、逆参照「適応薬」の裏づけを作ってから追加している。(出典:https://dailymed.nlm.nih.gov/dailymed/drugInfo.cfm?setid=9d0e5356-ff39-4a8e-944c-e808a21ef4b2 )
    • 疾患慢性リンパ性白血病鑑別の節で有毛細胞白血病を「CLLの一亜型」としていた記述を是正した。WHO分類第5版はCLL/SLLを前腫瘍性・腫瘍性の小リンパ球増殖ファミリーに、有毛細胞白血病を脾B細胞リンパ腫・白血病ファミリーに置いており、両者は別系統である。(出典:https://doi.org/10.1038/s41375-022-01620-2 )
    • トピックEnuresis. Polyuria and polydipsia夜尿症の積極的治療の開始年齢を「おおむね6歳頃から」から「6歳から」へ是正した。国際小児禁制学会の標準化文書は Active therapy is recommended from the age of 6 years と定めている。(出典:https://doi.org/10.1016/j.jpurol.2019.12.020 )
  5. 2026 09.08

    リスデキサンフェタミンの米国添付文書の出典が後発品のラベルを指していたのを先発品へ差し替え、心筋症とMAO阻害薬の扱いが規制文書のどの欄にあるかを3極で書き分けた。ルスパテルセプトは米国の休薬閾値が適応ごとに分かれているのを一律12 g/dLに平坦化していたのを是正した。

    • 薬剤lisdexamfetamine米国添付文書として登録していた出典が、題名・発行元に先発品VYVANSE(Takeda)と書きながら、実際には後発品メーカーのラベルを指していたため、先発品のラベル(2026年4月改訂)へ差し替えた。あわせて心筋症の扱いを3極で書き分けた——欧州・日本・米国のいずれも禁忌欄では心筋症という病名を使わず、欧州は警告の項に独立した「心筋症」の見出しを置いて「重篤な構造的心異常・心筋症・重篤な調律異常がある小児・青年および成人には刺激薬を一般に使用すべきでない」とし、米国は警告で「構造的心異常・心筋症・重篤な不整脈・冠動脈疾患のある患者では使用を避ける」と名指しし、日本は禁忌を「重篤な心血管障害」という重症度による書き方にして心筋症を重大な副作用に挙げる。従来は米国側を「突然死が報告されている」とだけ書いており「使用を避ける」という指示の強さが落ちていた。禁忌欄に病名が無いことを根拠に関係フィールドへ肥大型心筋症を残していたが、規制上の禁忌を表すフィールドである以上3極いずれの禁忌欄にも無い項目は置けないため外し、代わりに警告側にあることを本文で説明した。MAO阻害薬の禁忌が欧州では薬剤名でなくクラスで規定されていること、可逆的MAO-A阻害薬であるモクロベミド側の製品情報も交感神経刺激薬の作用増強・遷延を記載していることも補った(出典:VYVANSE 添付文書、Elvanse 製品概要、ビバンセカプセル 電子添文、AURORIX データシート)
    • 薬剤luspatercept米国添付文書の休薬閾値を「骨髄異形成症候群は一律12 g/dL」と書いていたが、添付文書は骨髄異形成症候群を2つの表に分けており、赤血球造血刺激因子製剤の未使用例は投与前ヘモグロビン12 g/dL以上で休薬、同製剤に不応・不耐の例は11.5 g/dL以上で休薬と閾値が違う(βサラセミアは11.5 g/dL)。3本に書き分け、再開はいずれも11 g/dL以下であることを明示した。欧州の製品概要は適応で分けず「3週間以上輸血なしでヘモグロビン12 g/dL以上なら11 g/dL以下まで延期」という単一の規定であることも追記した。減量の下限が米国と欧州で違うこと、非輸血依存性βサラセミアの増量基準、髄外造血巣が96週を超える長期投与の後にも生じうることも補った(出典:REBLOZYL 添付文書、Reblozyl 欧州製品情報)
  6. 2026 09.08

    静注用メクロレタミンに現行の添付文書が残っていないことを米欧の登録簿で確かめてMOPPの構成薬を初めて展開し、慢性巨大結腸症で糖尿病性自律神経障害を原因として挙げていた記述を一次資料の射程まで狭めた。

    • 薬剤mechlorethamine静注用製剤について、米国・フランス・スペインのいずれにも現在流通している製剤の添付文書が無いことを確かめた——米国は1949年承認の申請で2004年2月の表示改訂が最後、販売状況は中止であり、欧州側でクロルメチンとして登録されているのは外用ゲルだけである。上表の静注の適応が「いま入手できる製剤の承認適応」ではなく販売中止製剤の最後の表示に残る記述であることを本文に明示し、規制上の適応を表す関係フィールドには入れない判断の根拠を示した。商品名欄に米国の商品名2つが入っていたのを、欧州の登録簿で実在を確かめたうえで削除した。MOPP療法の構成(メクロレタミン・ビンクリスチン・プロカルバジン・プレドニゾン)をコーパスで初めて展開し、日本では未承認であることを国内ガイドラインで示した。あわせて「現在はABVDなど毒性の低いレジメンに置き換わっている」に付いていた脚注を是正した——その出典はABVDに一度も言及しておらず、述べているのはシクロホスファミドのようなより安定なアルキル化薬への置換である(出典:MUSTARGEN 添付文書(2004年)、Drugs@FDA NDA 006695、フランス公的医薬品データベース、スペイン CIMA、造血器腫瘍診療ガイドライン ホジキンリンパ腫)
    • 疾患慢性巨大結腸症後天性巨大結腸の原因として糖尿病性自律神経障害を他の原因と同じ強さで挙げていたが、現行の一次資料で裏づけられるのは便秘までで、巨大結腸そのものは極めてまれであることを確かめて射程を狭めた。実測として、米国消化器病学会の胃不全麻痺ガイドライン2022の全文に巨大結腸の語は一度も現れず、慢性特発性便秘のガイドライン2023での1回はプルカロプリドの禁忌としての中毒性巨大結腸である。一方で肯定側の裏づけも特定した——1975年の総説が糖尿病性内臓神経障害の臨床型として糖尿病性巨大結腸を嚥下障害・胃不全麻痺・下痢・胆嚢拡大と並べて挙げ、1983年の症例報告が「文献上よく記録された症例は他に2例だけ」と述べている。記述を消すのではなく、便秘と巨大結腸を同じ強さで語らないという形に組み直し、全体像・原因表・まとめの3か所に反映した(出典:ACG 胃不全麻痺ガイドライン 2022、AGA-ACG 慢性特発性便秘の薬物治療 2023、Med Klin 1975、Radiologe 1983)
  7. 2026 09.08

    エドキサバンのP糖蛋白阻害薬併用時の減量規定が国で正反対なのを平坦化していたのを3極比較へ書き分け、二次的な薬剤情報サイトを根拠にしていた日本の出典を電子添文へ差し替えた。デュタステリド・フィナステリドでは添付文書出典の年が掲載更新日で登録されていたのを改訂年へ揃えた。

    • 薬剤edoxaban「ベラパミル・キニジンなどのP糖蛋白阻害薬併用時は30 mgへ減量する」と無限定に書いていたが、この規定が成り立つのは日本だけである。米国添付文書は心房細動について「ENGAGE AF-TIMI 48の臨床経験に基づき、P糖蛋白阻害薬の併用による減量は推奨されない」と明記し、英国の製品概要は「アミオダロン・キニジン・ベラパミルの併用では減量を要しない」と名指しで否定している。3極の比較表に組み直した。あわせて肝機能障害で投与を推奨しない範囲が重度だけでなく中等度(Child-Pugh BおよびC)を含むこと、米国5.5項の対象が機械弁だけでなく中等症から重症の僧帽弁狭窄症を含むこと、日本の効能が4つ(心房細動、静脈血栓塞栓症の治療と再発抑制、慢性血栓塞栓性肺高血圧症、下肢整形外科手術後の静脈血栓塞栓症の発症抑制)で後の2つは米英に無いこと、禁忌が適応別に書き分けられていることを補った。承認レターの射程超えも是正した——2015年1月8日付のレターが承認したのは心房細動のみで、静脈血栓塞栓症は別のレターで扱われると本文に明記されている。二次的な薬剤情報サイトを日本側の出典にしていたのを、PMDAの電子添文へ差し替えた(出典:SAVAYSA 添付文書、Lixiana 製品概要、リクシアナ錠 電子添文、NDA 206316 承認レター)
    • 薬剤dutasteride米国AVODART添付文書の出典を、掲載の更新日から採った2025年ではなく、文書本文に印刷された改訂表示(2023年10月)に合わせて年と識別子を揃えた。同じ資料を引いているフィナステリドと前立腺肥大症のノートでも同時に揃え、コーパス内で割れが生じないようにした。米国PROPECIA添付文書についても同じ取り違えがあり、2022年としていたのを改訂表示の2023年11月へ改めた(出典:AVODART 添付文書、PROPECIA 添付文書)
    • 薬剤finasteride米国PROPECIA添付文書の出典の年が掲載更新日に由来する2022年になっていたが、文書本文の改訂表示は2023年11月であるため、年と識別子を改訂年へ揃えた。同じ資料を引いているデュタステリドのノートでも同時に揃えた(出典:PROPECIA 添付文書)
  8. 2026 09.08

    中枢神経刺激薬とMAO阻害薬の禁忌を、出典を1件も持たないまま断定していたノート群で日欧米の規制文書に照らして書き分け、心筋症を禁忌欄に置くのは欧州のメチルフェニデートだけであることを示した。

    • 薬剤methylphenidate「禁忌:肥大型心筋症などの構造的心疾患」と断定していたが、このノートは出典を1件も持っていなかった。3極の規制文書を読んで書き分けた——欧州の製品概要は禁忌欄に「既存の心血管障害(重度高血圧、心不全、閉塞性動脈疾患、狭心症、血行動態的に有意な先天性心疾患、心筋症、心筋梗塞、致死的不整脈、チャネル病)」を挙げており心筋症が病名で入っている一方、米国の禁忌は2項目のみで心筋症は警告の項の「使用を避ける」、日本は禁忌9項目に心筋症を含まず「心臓に重篤ではないが異常が認められる若しくはその可能性が示唆される患者」として突然死の報告とともに注意の側に置く。用法・用量を日本の電子添文の実数に置き換え、リタリンの効能が現在はナルコレプシーのみであること、英国の指針が第一選択に挙げているのは5歳以上の小児・青年でありその根拠が推奨番号で辿れることも補った(出典:コンサータ錠 電子添文、リタリン錠 電子添文、CONCERTA 製品概要、CONCERTA 添付文書、NICE NG87)
    • 疾患肥大型心筋症中枢神経刺激薬に関する記述が本文に一行も無く、関係フィールドからは禁忌薬として2剤が表示される状態だったため、節を新設して裏づけを与えた。カテコラミン作用が収縮力を上げて僧帽弁前尖の収縮期前方運動を強め、心拍数の増加が拡張期充満時間を縮めて左室腔を小さくするという、動的左室流出路閉塞が増悪する機序を既存の表と接続して書いた。規制上の位置づけは3極で分かれる——欧州はメチルフェニデートについて心筋症を禁忌欄に置くが、リスデキサンフェタミンでは3極とも禁忌欄に病名を置かず警告・重大な副作用の側にある。これらの文書が述べているのは心筋症・構造的心異常であって肥大型に限定していないことも明記した。心筋ミオシン阻害薬の出典が企業のプレスリリースだったのを、承認情報と添付文書へ差し替えた(出典:CONCERTA 製品概要、Elvanse 製品概要、コンサータ錠 電子添文、Drugs@FDA NDA 219083)
    • 薬剤moclobemide交感神経刺激薬との相互作用の節を新設し、可逆的MAO-A阻害薬によるモノアミン分解阻害と、間接型交感神経刺激薬によるモノアミン遊離増加が重なる機序を書いた。あわせて禁忌の範囲が国で分かれることを表にした——英国の製品概要は褐色細胞腫と5-HT再取り込み阻害薬(三環系抗うつ薬を含む)の併用を禁忌欄に置くが、スペインとニュージーランドの製品情報は同じ内容を「理論的な観点からは高血圧反応を起こしうるが、この患者群での経験が無いため慎重に処方する」という注意の側に置いている。従来の本文は英国版と同じ強さで無出典に断定していた。チラミン摂取の具体的な目安と用法も補った(出典:Manerix 製品概要、MANERIX 製品概要、AURORIX データシート)
    • 薬剤selegiline「禁忌:非選択的MAO阻害薬との併用」という記述が日本の電子添文の禁忌欄と食い違っていたため、両国の実際の記載に直した。日本の禁忌欄が名指しするのは「他の選択的MAO-B阻害剤(ラサギリン・サフィナミド)」で、中枢刺激薬(リスデキサンフェタミン・メタンフェタミン・マジンドール)とアトモキセチン、三環系・四環系抗うつ薬、選択的セロトニン再取り込み阻害薬などが併用禁忌に挙がる。欧州の製品概要はこれと別に、MAO阻害薬をクラスで禁忌に置いている。休薬期間を方向別に書き分け(本剤中止後は14日、逆向きは薬剤ごとに2〜3日から14日)、統合失調症またはその既往が禁忌であること、覚醒剤原料指定であることを補った(出典:エフピーOD錠 電子添文、PLURIMEN 製品概要)
    • 薬剤amfetamine derivatives「禁忌:心血管疾患、バセドウ病、緑内障、物質使用症の既往、MAO阻害薬併用」という無出典の列挙を、クラスノートとして書ける範囲へ限定した。日欧双方に承認のあるリスデキサンフェタミンの禁忌欄で確かめられる範囲に絞り、心筋症については欧州・日本とも禁忌欄には無く、欧州は警告の項に独立した見出しを置き、日本は重大な副作用として挙げていることを明記した(出典:Elvanse 製品概要、ビバンセカプセル 電子添文)
  9. 2026 09.08

    ホジキンリンパ腫にMOPPからABVDへ移った理由を二次性白血病と不妊の一次資料で示し、プロカルバジンの用量が単剤とレジメン内で別であることを是正した。乏突起膠腫では出典自身が否定している「非共欠失例に利益は無い」という断定を改めた。

    • 疾患ホジキンリンパ腫MOPP療法への言及が本文に一行も無く、薬剤側から適応薬として参照される裏づけが無かったため、歴史の節を新設した。ABVDが置き換えた理由を数値で示した——二次性白血病は放射線+MOPPの12年推定10.2%に対し放射線+ABVDが0例、無精子症はMOPP群29例中28例(97%)でうち回復は再検21例中3例のみ、有効性はMOPP・ABVD・交替で完全奏効67/82/83%と有意差のない全生存だった。アルキル化薬が造血幹細胞と精祖細胞という増殖能を保つ正常幹細胞に等しく及ぶという機序も書いた。⚠️ アルキル化薬を含むレジメンがHL治療から消えたわけではない——国内ガイドラインのカテゴリー1推奨は「中間PETによる層別化治療(ABVDまたはABVD/増量BEACOPP)もしくはブレンツキシマブ ベドチン併用AVD」であり、中間PET陽性例で増量BEACOPPへ切り替える枝が推奨の中に残っている(出典:Canellos NEJM 1992、Valagussa JCO 1986、Viviani 198590088-4)、造血器腫瘍診療ガイドライン ホジキンリンパ腫)
    • 薬剤procarbazineホジキンリンパ腫の用量として書いていた体重あたりの値は、米国添付文書の単剤投与の用量である。添付文書は用量節の冒頭で「以下は単剤としての用量であり、他の抗癌剤と併用する場合は適切に減量する。たとえばMOPPレジメンでは100 mg/m²を14日間」と明記しているため、場面別の表に組み直した。日本の電子添文を新たに引いて禁忌が国で逆になることを示した——日本の禁忌は重篤な過敏症の既往とアルコール摂取中の2項目で骨髄予備能不良は禁忌ではなく、米国は逆にアルコールが警告で骨髄予備能不良が禁忌である。欠落していた重大な副作用(間質性肺炎2.7%・骨髄抑制・痙攣発作)、二次性の骨髄異形成症候群、無精子症、喫煙による二次性肺癌リスクの増幅も補った。あわせて「PCVの生存利益は1p/19q共欠失例に限られ、非共欠失の腫瘍では示されていない」という断定を是正した——引いている当の統合報告が、1p/19q非共欠失のIDH変異腫瘍でも共欠失例ほど頑健ではないが生存を改善すると述べている(出典:MATULANE 添付文書、塩酸プロカルバジンカプセル 電子添文、EORTC 26951・RTOG 9402 統合最終報告)
    • 疾患乏突起膠腫「PCVの生存利益は1p/19q共欠失を有する集団で顕著であり、非共欠失の腫瘍では同様の利益は示されていない」という断定を是正した。引いている統合最終報告の考察は逐語で「PCV化学放射線療法は1p/19q非共欠失のIDH変異腫瘍でも、共欠失例ほど頑健ではないものの生存を改善する」と述べており、RTOG 9402の非共欠失66例では無増悪生存が有意に延長し(ハザード比0.58)全生存も延長の傾向(ハザード比0.60)を示している。ただしEORTC 26951の非共欠失43例では有意水準に達しておらず、程度差として書き分けた。あわせて、この2試験が旧分類下の「退形成性乏突起膠腫系腫瘍」を対象としており、ここでいう非共欠失のIDH変異腫瘍はWHO 2021分類では乏突起膠腫ではなく星細胞腫・IDH変異型にあたることを明示して、同じノートの診断定義と矛盾しないようにした(出典:EORTC 26951・RTOG 9402 統合最終報告)
  10. 2026 09.08

    リバロキサバンの日本での常用量が3か所とも1段高く書かれていたのを電子添文で是正し、直接第Xa因子阻害薬3剤で抗リン脂質抗体症候群が禁忌ではなく警告の項目であることを9文書で確かめて書き分けた。

    • 薬剤rivaroxaban日本での用量が3か所とも1段高く書かれていた。電子添文の実数は心房細動が1日1回15 mg(腎障害では10 mg)、静脈血栓塞栓症の維持期が1日1回15 mgで、いずれも欧米の20 mgとは異なる。用量比較表を新設した。適応の誤りも是正した——整形外科領域の適応は欧州では「待機的な股関節または膝関節全置換術」であって骨折手術一般ではなく、日本にはこの適応自体が無い。末梢動脈疾患の適応は日本では「下肢血行再建術施行後」に限られ、急性冠症候群後の適応も無い。日本にしかない併用禁忌(リトナビル含有製剤・ダルナビル・コビシスタット含有製剤・アゾール系抗真菌薬の経口/注射剤など)が丸ごと欠落していたのを補い、欧州が同じ薬剤群を「推奨しない」どまりにしていることと対比した。肝機能の禁忌がChild-Pugh BおよびCの肝硬変を含むこと、妊娠・授乳が欧州と日本で禁忌であることも追記した(出典:Xarelto 10mg 製品概要、Xarelto 2.5mg 製品概要、イグザレルト錠10mg/15mg 電子添文、イグザレルト錠2.5mg 電子添文、XARELTO 添付文書)
    • 薬剤apixaban禁忌・適応・腎機能の記述が米国添付文書だけの形になっていたため、3極で書き分けた。機械弁はどの国でも禁忌ではなく欧州4.4項・米国5.4項の「推奨しない」であること、肝障害について欧州と日本が禁忌にしているのは凝血異常と臨床的に重要な出血リスクを伴う肝疾患であってChild-Pughでは切っていないこと、日本には適応別の腎機能の禁忌(心房細動でクレアチニンクリアランス15未満、静脈血栓塞栓症の治療で30未満)があることを補った。股関節・膝関節全置換術後の静脈血栓塞栓症予防が欧州・米国にあり日本には無いという適応の差も追記した。腎排泄の割合が総クリアランスの約27%であるところを、代謝物として回収される割合の25%と取り違えていたのも是正した(出典:Eliquis 2.5mg 製品概要、エリキュース錠 電子添文、ELIQUIS 添付文書)
    • 薬剤edoxaban抗リン脂質抗体症候群を規制上の禁忌を表す関係フィールドに置いていたが、欧州の製品概要4.3項・日本の電子添文の禁忌欄・米国添付文書4項のいずれにも記載が無く、欧州4.4項・米国5.6項の警告、日本は「その他の注意」でTRAPS試験を紹介するのみであることを3剤・3極の9文書で確かめて外した。フィールドから消しただけにならないよう、本文には禁忌ではなく警告の項目であることと、対象範囲が欧州(血栓症既往の抗リン脂質抗体症候群全般)と米国(トリプルポジティブ)で違うことを残した。アピキサバン・リバロキサバンでも同じ判断を同時に適用し、コーパス内で割れが生じないようにした(出典:Lixiana 製品概要、リクシアナ錠 電子添文、SAVAYSA 添付文書)