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  1. 2026 09.08

    エドキサバンのP糖蛋白阻害薬併用時の減量規定が国で正反対なのを平坦化していたのを3極比較へ書き分け、二次的な薬剤情報サイトを根拠にしていた日本の出典を電子添文へ差し替えた。デュタステリド・フィナステリドでは添付文書出典の年が掲載更新日で登録されていたのを改訂年へ揃えた。

    • 薬剤edoxaban「ベラパミル・キニジンなどのP糖蛋白阻害薬併用時は30 mgへ減量する」と無限定に書いていたが、この規定が成り立つのは日本だけである。米国添付文書は心房細動について「ENGAGE AF-TIMI 48の臨床経験に基づき、P糖蛋白阻害薬の併用による減量は推奨されない」と明記し、英国の製品概要は「アミオダロン・キニジン・ベラパミルの併用では減量を要しない」と名指しで否定している。3極の比較表に組み直した。あわせて肝機能障害で投与を推奨しない範囲が重度だけでなく中等度(Child-Pugh BおよびC)を含むこと、米国5.5項の対象が機械弁だけでなく中等症から重症の僧帽弁狭窄症を含むこと、日本の効能が4つ(心房細動、静脈血栓塞栓症の治療と再発抑制、慢性血栓塞栓性肺高血圧症、下肢整形外科手術後の静脈血栓塞栓症の発症抑制)で後の2つは米英に無いこと、禁忌が適応別に書き分けられていることを補った。承認レターの射程超えも是正した——2015年1月8日付のレターが承認したのは心房細動のみで、静脈血栓塞栓症は別のレターで扱われると本文に明記されている。二次的な薬剤情報サイトを日本側の出典にしていたのを、PMDAの電子添文へ差し替えた(出典:SAVAYSA 添付文書、Lixiana 製品概要、リクシアナ錠 電子添文、NDA 206316 承認レター)
    • 薬剤dutasteride米国AVODART添付文書の出典を、掲載の更新日から採った2025年ではなく、文書本文に印刷された改訂表示(2023年10月)に合わせて年と識別子を揃えた。同じ資料を引いているフィナステリドと前立腺肥大症のノートでも同時に揃え、コーパス内で割れが生じないようにした。米国PROPECIA添付文書についても同じ取り違えがあり、2022年としていたのを改訂表示の2023年11月へ改めた(出典:AVODART 添付文書、PROPECIA 添付文書)
    • 薬剤finasteride米国PROPECIA添付文書の出典の年が掲載更新日に由来する2022年になっていたが、文書本文の改訂表示は2023年11月であるため、年と識別子を改訂年へ揃えた。同じ資料を引いているデュタステリドのノートでも同時に揃えた(出典:PROPECIA 添付文書)
  2. 2026 09.08

    中枢神経刺激薬とMAO阻害薬の禁忌を、出典を1件も持たないまま断定していたノート群で日欧米の規制文書に照らして書き分け、心筋症を禁忌欄に置くのは欧州のメチルフェニデートだけであることを示した。

    • 薬剤methylphenidate「禁忌:肥大型心筋症などの構造的心疾患」と断定していたが、このノートは出典を1件も持っていなかった。3極の規制文書を読んで書き分けた——欧州の製品概要は禁忌欄に「既存の心血管障害(重度高血圧、心不全、閉塞性動脈疾患、狭心症、血行動態的に有意な先天性心疾患、心筋症、心筋梗塞、致死的不整脈、チャネル病)」を挙げており心筋症が病名で入っている一方、米国の禁忌は2項目のみで心筋症は警告の項の「使用を避ける」、日本は禁忌9項目に心筋症を含まず「心臓に重篤ではないが異常が認められる若しくはその可能性が示唆される患者」として突然死の報告とともに注意の側に置く。用法・用量を日本の電子添文の実数に置き換え、リタリンの効能が現在はナルコレプシーのみであること、英国の指針が第一選択に挙げているのは5歳以上の小児・青年でありその根拠が推奨番号で辿れることも補った(出典:コンサータ錠 電子添文、リタリン錠 電子添文、CONCERTA 製品概要、CONCERTA 添付文書、NICE NG87)
    • 疾患肥大型心筋症中枢神経刺激薬に関する記述が本文に一行も無く、関係フィールドからは禁忌薬として2剤が表示される状態だったため、節を新設して裏づけを与えた。カテコラミン作用が収縮力を上げて僧帽弁前尖の収縮期前方運動を強め、心拍数の増加が拡張期充満時間を縮めて左室腔を小さくするという、動的左室流出路閉塞が増悪する機序を既存の表と接続して書いた。規制上の位置づけは3極で分かれる——欧州はメチルフェニデートについて心筋症を禁忌欄に置くが、リスデキサンフェタミンでは3極とも禁忌欄に病名を置かず警告・重大な副作用の側にある。これらの文書が述べているのは心筋症・構造的心異常であって肥大型に限定していないことも明記した。心筋ミオシン阻害薬の出典が企業のプレスリリースだったのを、承認情報と添付文書へ差し替えた(出典:CONCERTA 製品概要、Elvanse 製品概要、コンサータ錠 電子添文、Drugs@FDA NDA 219083)
    • 薬剤moclobemide交感神経刺激薬との相互作用の節を新設し、可逆的MAO-A阻害薬によるモノアミン分解阻害と、間接型交感神経刺激薬によるモノアミン遊離増加が重なる機序を書いた。あわせて禁忌の範囲が国で分かれることを表にした——英国の製品概要は褐色細胞腫と5-HT再取り込み阻害薬(三環系抗うつ薬を含む)の併用を禁忌欄に置くが、スペインとニュージーランドの製品情報は同じ内容を「理論的な観点からは高血圧反応を起こしうるが、この患者群での経験が無いため慎重に処方する」という注意の側に置いている。従来の本文は英国版と同じ強さで無出典に断定していた。チラミン摂取の具体的な目安と用法も補った(出典:Manerix 製品概要、MANERIX 製品概要、AURORIX データシート)
    • 薬剤selegiline「禁忌:非選択的MAO阻害薬との併用」という記述が日本の電子添文の禁忌欄と食い違っていたため、両国の実際の記載に直した。日本の禁忌欄が名指しするのは「他の選択的MAO-B阻害剤(ラサギリン・サフィナミド)」で、中枢刺激薬(リスデキサンフェタミン・メタンフェタミン・マジンドール)とアトモキセチン、三環系・四環系抗うつ薬、選択的セロトニン再取り込み阻害薬などが併用禁忌に挙がる。欧州の製品概要はこれと別に、MAO阻害薬をクラスで禁忌に置いている。休薬期間を方向別に書き分け(本剤中止後は14日、逆向きは薬剤ごとに2〜3日から14日)、統合失調症またはその既往が禁忌であること、覚醒剤原料指定であることを補った(出典:エフピーOD錠 電子添文、PLURIMEN 製品概要)
    • 薬剤amfetamine derivatives「禁忌:心血管疾患、バセドウ病、緑内障、物質使用症の既往、MAO阻害薬併用」という無出典の列挙を、クラスノートとして書ける範囲へ限定した。日欧双方に承認のあるリスデキサンフェタミンの禁忌欄で確かめられる範囲に絞り、心筋症については欧州・日本とも禁忌欄には無く、欧州は警告の項に独立した見出しを置き、日本は重大な副作用として挙げていることを明記した(出典:Elvanse 製品概要、ビバンセカプセル 電子添文)
  3. 2026 09.08

    ホジキンリンパ腫にMOPPからABVDへ移った理由を二次性白血病と不妊の一次資料で示し、プロカルバジンの用量が単剤とレジメン内で別であることを是正した。乏突起膠腫では出典自身が否定している「非共欠失例に利益は無い」という断定を改めた。

    • 疾患ホジキンリンパ腫MOPP療法への言及が本文に一行も無く、薬剤側から適応薬として参照される裏づけが無かったため、歴史の節を新設した。ABVDが置き換えた理由を数値で示した——二次性白血病は放射線+MOPPの12年推定10.2%に対し放射線+ABVDが0例、無精子症はMOPP群29例中28例(97%)でうち回復は再検21例中3例のみ、有効性はMOPP・ABVD・交替で完全奏効67/82/83%と有意差のない全生存だった。アルキル化薬が造血幹細胞と精祖細胞という増殖能を保つ正常幹細胞に等しく及ぶという機序も書いた。⚠️ アルキル化薬を含むレジメンがHL治療から消えたわけではない——国内ガイドラインのカテゴリー1推奨は「中間PETによる層別化治療(ABVDまたはABVD/増量BEACOPP)もしくはブレンツキシマブ ベドチン併用AVD」であり、中間PET陽性例で増量BEACOPPへ切り替える枝が推奨の中に残っている(出典:Canellos NEJM 1992、Valagussa JCO 1986、Viviani 198590088-4)、造血器腫瘍診療ガイドライン ホジキンリンパ腫)
    • 薬剤procarbazineホジキンリンパ腫の用量として書いていた体重あたりの値は、米国添付文書の単剤投与の用量である。添付文書は用量節の冒頭で「以下は単剤としての用量であり、他の抗癌剤と併用する場合は適切に減量する。たとえばMOPPレジメンでは100 mg/m²を14日間」と明記しているため、場面別の表に組み直した。日本の電子添文を新たに引いて禁忌が国で逆になることを示した——日本の禁忌は重篤な過敏症の既往とアルコール摂取中の2項目で骨髄予備能不良は禁忌ではなく、米国は逆にアルコールが警告で骨髄予備能不良が禁忌である。欠落していた重大な副作用(間質性肺炎2.7%・骨髄抑制・痙攣発作)、二次性の骨髄異形成症候群、無精子症、喫煙による二次性肺癌リスクの増幅も補った。あわせて「PCVの生存利益は1p/19q共欠失例に限られ、非共欠失の腫瘍では示されていない」という断定を是正した——引いている当の統合報告が、1p/19q非共欠失のIDH変異腫瘍でも共欠失例ほど頑健ではないが生存を改善すると述べている(出典:MATULANE 添付文書、塩酸プロカルバジンカプセル 電子添文、EORTC 26951・RTOG 9402 統合最終報告)
    • 疾患乏突起膠腫「PCVの生存利益は1p/19q共欠失を有する集団で顕著であり、非共欠失の腫瘍では同様の利益は示されていない」という断定を是正した。引いている統合最終報告の考察は逐語で「PCV化学放射線療法は1p/19q非共欠失のIDH変異腫瘍でも、共欠失例ほど頑健ではないものの生存を改善する」と述べており、RTOG 9402の非共欠失66例では無増悪生存が有意に延長し(ハザード比0.58)全生存も延長の傾向(ハザード比0.60)を示している。ただしEORTC 26951の非共欠失43例では有意水準に達しておらず、程度差として書き分けた。あわせて、この2試験が旧分類下の「退形成性乏突起膠腫系腫瘍」を対象としており、ここでいう非共欠失のIDH変異腫瘍はWHO 2021分類では乏突起膠腫ではなく星細胞腫・IDH変異型にあたることを明示して、同じノートの診断定義と矛盾しないようにした(出典:EORTC 26951・RTOG 9402 統合最終報告)
  4. 2026 09.08

    リバロキサバンの日本での常用量が3か所とも1段高く書かれていたのを電子添文で是正し、直接第Xa因子阻害薬3剤で抗リン脂質抗体症候群が禁忌ではなく警告の項目であることを9文書で確かめて書き分けた。

    • 薬剤rivaroxaban日本での用量が3か所とも1段高く書かれていた。電子添文の実数は心房細動が1日1回15 mg(腎障害では10 mg)、静脈血栓塞栓症の維持期が1日1回15 mgで、いずれも欧米の20 mgとは異なる。用量比較表を新設した。適応の誤りも是正した——整形外科領域の適応は欧州では「待機的な股関節または膝関節全置換術」であって骨折手術一般ではなく、日本にはこの適応自体が無い。末梢動脈疾患の適応は日本では「下肢血行再建術施行後」に限られ、急性冠症候群後の適応も無い。日本にしかない併用禁忌(リトナビル含有製剤・ダルナビル・コビシスタット含有製剤・アゾール系抗真菌薬の経口/注射剤など)が丸ごと欠落していたのを補い、欧州が同じ薬剤群を「推奨しない」どまりにしていることと対比した。肝機能の禁忌がChild-Pugh BおよびCの肝硬変を含むこと、妊娠・授乳が欧州と日本で禁忌であることも追記した(出典:Xarelto 10mg 製品概要、Xarelto 2.5mg 製品概要、イグザレルト錠10mg/15mg 電子添文、イグザレルト錠2.5mg 電子添文、XARELTO 添付文書)
    • 薬剤apixaban禁忌・適応・腎機能の記述が米国添付文書だけの形になっていたため、3極で書き分けた。機械弁はどの国でも禁忌ではなく欧州4.4項・米国5.4項の「推奨しない」であること、肝障害について欧州と日本が禁忌にしているのは凝血異常と臨床的に重要な出血リスクを伴う肝疾患であってChild-Pughでは切っていないこと、日本には適応別の腎機能の禁忌(心房細動でクレアチニンクリアランス15未満、静脈血栓塞栓症の治療で30未満)があることを補った。股関節・膝関節全置換術後の静脈血栓塞栓症予防が欧州・米国にあり日本には無いという適応の差も追記した。腎排泄の割合が総クリアランスの約27%であるところを、代謝物として回収される割合の25%と取り違えていたのも是正した(出典:Eliquis 2.5mg 製品概要、エリキュース錠 電子添文、ELIQUIS 添付文書)
    • 薬剤edoxaban抗リン脂質抗体症候群を規制上の禁忌を表す関係フィールドに置いていたが、欧州の製品概要4.3項・日本の電子添文の禁忌欄・米国添付文書4項のいずれにも記載が無く、欧州4.4項・米国5.6項の警告、日本は「その他の注意」でTRAPS試験を紹介するのみであることを3剤・3極の9文書で確かめて外した。フィールドから消しただけにならないよう、本文には禁忌ではなく警告の項目であることと、対象範囲が欧州(血栓症既往の抗リン脂質抗体症候群全般)と米国(トリプルポジティブ)で違うことを残した。アピキサバン・リバロキサバンでも同じ判断を同時に適用し、コーパス内で割れが生じないようにした(出典:Lixiana 製品概要、リクシアナ錠 電子添文、SAVAYSA 添付文書)
  5. 2026 09.08

    アフィカムテンの根拠が企業のプレスリリースだったのを承認情報と添付文書へ差し替えて用量調整の分岐を復元し、アンデキサネット アルファについて「承認が撤回された」と書いていたのをFDAの原文に合わせて是正した。

    • 薬剤aficamten適応と承認日の根拠が企業のプレスリリースだったため、承認情報(NDA 219083、2025年12月19日承認)と米国添付文書へ差し替えた。用量調整の記述も是正した——添付文書はLVEFとValsalva負荷時の左室流出路圧較差の2軸で5通りに分岐させており、増量には「LVEF 55%以上」だけでなく「圧較差30 mmHg以上」という残存閉塞の証拠が要る。⚠️ LVEFが50〜54%のときは減量ではなく用量維持であり、減量が始まるのは50%未満である。5 mg服用中にLVEFが40〜49%へ下がった場合は減量できないため7日以上の休薬になること、休薬からの再開は7日以上あけてLVEFが55%以上に戻ってから開始用量5 mgで漸増をやり直すこと、維持量確立後の評価間隔も補った。禁忌の射程も是正した——禁忌欄が名指しするのはリファンピシンだけで「強力CYP3A誘導薬」というクラスではなく、他の中等度から強力なCYP3A誘導薬は減量管理の対象である。リファンピシンだけが別扱いなのは、CYP3Aに加えCYP2C19の強力な誘導薬かつCYP2C9の中等度誘導薬でもあり、本剤の主代謝がCYP2C9だからである。試験でのLVEF 50%未満への低下について、添付文書が「投与中断を要さず臨床的心不全とは関連しなかった」と記していることも明示した(出典:Drugs@FDA NDA 219083、MYQORZO 添付文書)
    • トピックAnticoagulant therapy: Indications and implementationアンデキサネット アルファについて「米国では2025年12月に承認が撤回され販売も終了した」と書いていたが、FDAの安全性情報の原文は「同社は商業上の理由により生物学的製剤承認申請を自主的に撤回する要請を提出した」であって、FDAが承認を取り消したとは記していない。2025年12月18日にFDAがリスクがベネフィットを上回るとの安全性情報を出し、同社が2025年12月22日をもって米国での商業販売を終了した、という事実関係に直し、撤回が申請の段階であることを明示した(出典:FDA Update on the Safety of Andexxa)
    • 疾患脳静脈洞血栓症米国心臓協会の科学的声明を引いて「直接経口抗凝固薬は妊娠中も授乳中も禁忌」と書いていたが、規制上の禁忌という区分は薬剤ごとに違う。リバロキサバンの欧州製品概要は禁忌欄に妊娠と授乳を挙げるが、アピキサバンの禁忌欄には無く、妊娠については「予防的な措置として使用を避けることが望ましい」、授乳については乳汁移行が否定できないため授乳の中止か投与の中止かを有益性で判断するとしている。実務上の結論(妊娠中は低分子量ヘパリン、授乳中も直接経口抗凝固薬は避ける)は変えず、添付文書の禁忌欄を根拠に語るときにクラスでまとめないという注意として書き足した(出典:Xarelto 10mg 製品概要、Eliquis 2.5mg 製品概要)
  6. 2026 09.07

    二分膝蓋骨の好発部位の記載を、より新しい一次資料に基づき修正した。

    • 疾患膝蓋骨骨折二分膝蓋骨の好発部位を「膝蓋骨上極」から「上外側(Saupe分類Type 3、70%)」へ修正。既存の出典(Gwinner 2016)の記述をそのまま踏襲していたが、新設した二分膝蓋骨ノートの執筆でStatPearls(2023)・系統的レビュー(J Child Orthop 2024)を確認した結果、上外側が最多という記載が現行の一次資料と一致することを確認した。
  7. 2026 09.07

    MCT8欠損症の鑑別診断表がTHRA関連疾患を『遊離T3/T4比が正常』と誤って書いていたので是正し、同じ誤りが出典再利用で新設の遊離T3・遊離T4ノートにも入っていたため両方を直した。錐体杆体ジストロフィーのノートも、牛眼様黄斑症の頻度に関する記述が原著では別疾患(錐体ジストロフィー)についての記述だったのを是正した。

    • 疾患MCT8欠損症鑑別診断表と本文の断定文が、GJC2関連Pelizaeus-Merzbacher様疾患・MECP2重複症候群・PLP1遺伝子によるPelizaeus-Merzbacher病・THRA遺伝子による非甲状腺腫性先天性甲状腺機能低下症の4疾患をまとめて『遊離T3/T4比が正常な点で区別できる』としていたが、GeneReviews原文(NBK26373の鑑別診断表)を確認するとTHRA関連疾患は『↑ free T3/T4 ratio』としてMCT8欠損症との重複所見(overlapping feature)に明記されている。区別点は比の正常化ではなく、レボチロキシン治療への反応性・正常なMRI所見・より軽症な知的障害の程度である。前者3疾患(比が正常)と後者1疾患(比は上昇するが他の所見で区別)を書き分けた。
    • 疾患錐体杆体ジストロフィー『眼底所見は古典的には牛眼様黄斑症がみられるが、より頻繁には網膜色素上皮の両側性・対称性の萎縮が病期進行に伴い認められる』という記述を出典(Gill BJO 2019、PMC6709772)で再確認したところ、この一文はCOD(錐体ジストロフィー)についての記述であり、本ノートの主題であるCORD(錐体杆体ジストロフィー)についての記述ではなかった。CORDについて原著が述べているのは『ABCA4関連例が牛眼様黄斑症様の外観を呈しうる』という別の記述であるため、本文・まとめ・出典claimの3箇所を、COD/CORDの取り違えを解消する形に書き直した。
  8. 2026 09.07

    感染性心内膜炎のJCS 2026未反映4項目と、歯科予防投与を欧米の枠だけで閉じていた2ノートを是正した。

    • 疾患感染性心内膜炎JCS 2026ガイドラインからこれまで未反映だった4項目を追記した——右心系IE(全IEの5〜10%、日本では三尖弁優位、薬物療法が約9割で有効、Table 50の手術適応8行)、頭蓋内出血合併例の手術時期(血腫増大がなければ神経学的安定を確認のうえ2週間以内、増大例は4週間以上の抗菌薬治療後)、TAVI後の人工弁心内膜炎(本改訂で経カテーテル弁置換術が高リスク群に格上げ)、人工血管・ステントグラフト感染。(出典:JCS 2026 Guideline on the Management of Infective Endocarditis)
    • 疾患感染性心内膜炎予防投与の推奨を「高リスク群と中等度リスク群の双方に推奨」とだけ書いていたため、CQ1が高リスク群は強い推奨(確実性B)、中等度リスク群は弱い推奨(確実性D)と段差を付けていることを明記した。(出典:JCS 2026 Guideline on the Management of Infective Endocarditis)
    • 疾患根尖性歯周炎感染性心内膜炎の抗菌薬予防投与を欧米の「最高リスク群×歯肉操作を伴う歯科処置」の枠だけで説明していたため、日本では中等度リスク群も対象になること(ただし推奨は弱い)を書き足した。あわせてJCS 2026 Table 38が感染根管治療をClass I、感染を伴わない抜髄をClass IIIと置き分けており「根管治療だから予防投与は不要」と一括りにすると必要な予防を落とすこと、Table 39の感染根管治療後の菌血症発生率が42%であることを追記した。(出典:JCS 2026 Guideline on the Management of Infective Endocarditis)
    • トピックChemoprophylaxis: its importance and examples心内膜炎の歯科予防投与を欧米での適応縮小の話だけで閉じていたため、日本では高リスク群と中等度リスク群の双方が対象であること、両群で推奨の強さと確実性が異なること、対象処置が歯科以外にもClass IIa・IIbとして広がることを追記した。(出典:JCS 2026 Guideline on the Management of Infective Endocarditis)
  9. 2026 09.07

    アスピリン増悪呼吸器疾患に脱感作の実施手順とロイコトリエン修飾薬の安全性を追加し、生物学的製剤の適応表を欧州・日本・米国の3極で揃えた。

    • 疾患アスピリン増悪呼吸器疾患⚠️ ロイコトリエン修飾薬を「経過の早期から用いるべき」とだけ書き、3剤いずれの禁忌・重大な副作用にも触れていなかったため安全性の節を新設した。モンテルカストの枠組み警告は「喘息では使うな」ではなくアレルギー性鼻炎で代替に反応しない患者に限る指示であること、ザフィルルカストは肝硬変を含む肝機能障害が禁忌であること、ジロートンは活動性肝疾患・トランスアミナーゼ3×ULN以上が禁忌でALT測定の時期が定められていることを添付文書から補った。脱感作は手順が本文に1行も無かったため、公表プロトコルが開始用量・増量間隔・投与経路で分かれることを表にした。生物学的製剤の適応表は米国・日本の2列だったのを欧州を加えた3極に拡張し、EUでは4剤とも鼻茸の適応が成人のみで鼻噴霧用ステロイドとの併用が適応文面に書き込まれていること、24週で効果を判定する規定が薬ごとではなく国ごとに入れ替わることを明示した。(出典:EMA製品情報、White 2020)
    • 疾患鼻茸まとめが「日本で鼻茸の適応をもつのはデュピルマブ」と閉じた列挙になっており、同じコーパスの別ノートと正面から矛盾していた。電子添文を確認してメポリズマブ・テゼペルマブを加えた3剤に是正し、3剤共通の縛り(全身性ステロイド薬・手術で効果不十分、鼻茸の適応は成人のみ)を明示した。あわせて有病割合の分母を「喘息患者全体の7〜8%」から原文どおり「喘息および慢性鼻副鼻腔炎の患者全体」へ是正した。(出典:White 2020)
    • 薬剤benralizumab「生物学的製剤どうしの直接比較試験も存在しない」という時制の落ちた断定を、2020年時点の記述であると明示したうえで、2025年に鼻茸でデュピルマブとオマリズマブを比較した試験が出ていること(ベンラリズマブは含まない比較であること)を添えた。
    • 薬剤montelukast枠組み警告の記述が「他に治療選択肢がある病態では慎重に」という要約にとどまり、用途ごとに求めることが違う点が落ちていた。添付文書の逐語に合わせ、アレルギー性鼻炎は代替に反応しない・忍容できない患者に限る一方、喘息と運動誘発性気管支収縮では処方前の利益・危険の比較を求めるにとどまり使用を禁じてはいないと書き分けた。出典が0件だったため添付文書と処方動向の研究の2件を登録した。(出典:DailyMed SINGULAIR、Shanmugam 2026, JAMA Netw Open)
  10. 2026 09.07

    エムポックスの皮疹の同期性をクレード別に書き分け、成人発症Still病とアナキンラに生物学的製剤の安全性と欧州の用法を追加した。

    • 疾患エムポックス⚠️「病変が同じ発育段階に揃う(同期性)」という水痘との鑑別則を、クレードを区別せずに書いていた。総説を確認したところ、単形性は歴史的にクレードIの特徴であり、クレードIIの皮疹は典型的に多形性で、2022年の16か国528例でも古典的な水疱→膿疱の進行を示さないことが多かった。同期性を肯定側の手がかりとして残したうえで、同期していないことは否定材料にならないこと、決め手は病変検体のPCRであることを明示した。ワクチンは接種間隔(2回目は28日以上あける、7日間隔は免疫応答が低い)、有効率が実地では1回35〜89%・2回66〜90%と幅で示されること、アトピー性皮膚炎が禁忌ではないことを添付文書から補った。(出典:FEMS Microbiol Rev 2025、EMA Imvanex)
    • 微生物Mpox virus病変の同期性を比較する表の行が、列見出し「2022年流行株(クレードIIb)」に対して「天然痘と同様に同期する傾向」と逆向きになっていた。多形性が多いこと、単形性はクレードIの特徴であることへ差し替えた。(出典:FEMS Microbiol Rev 2025)
    • 疾患成人発症Still病⚠️ 生物学的製剤の重篤な副作用に触れずに適応だけを書いていたため節を新設した。トシリズマブはIL-6が急性期反応を誘引するため感染症の発見が遅れること・腸管穿孔0.2%とその機序、カナキヌマブとアナキンラは好中球数の測定時期、アナキンラは開始1か月目の非感染性肝炎を補い、これらの頻度が本症だけの成績ではないことを明示した。あわせて、治療中の発熱と発疹を原病の再燃と決めないよう、アナキンラ自身が主として小児Still病患者でDRESSを市販後報告している点を鑑別に加えた。(出典:EMA Kineret)
    • 薬剤anakinra注射部位反応の時間経過が逆に書かれていた(旧記述は「投与継続とともに1〜2週間で軽快する」)。欧州の製品情報は「通常は治療開始2週以内に現れ、4〜6週で消失する」と述べており、発現時期を消退時期として書いていたため是正した。あわせて禁忌に好中球絶対数1.5×10⁹/L未満での投与開始が抜けていたのを補い、重篤な活動性感染症については、関節リウマチと違いクリオピリン関連周期熱症候群・家族性地中海熱では中止すると再燃するため監視下で継続しうるという適応別の書き分けを保った。(出典:EMA Kineret)