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2026
09.07トラネキサム酸の適応記述を3か国の一次資料で是正し、ビタミンDガイドラインの2025年訂正を反映した。
- トピックB1: Drugs influencing blood coagulation I: Antiplatelet agents. Fibrinolytic drugs. Drugs inhibiting bleedingトラネキサム酸の適応を承認適応と臨床試験に基づく使用に書き分けた。鼻出血を追加(英国SmPCの「重度の鼻出血」・日本の電子添文の「鼻出血」の双方にある)、外傷はどちらの添付文書にも無くCRASH-2に基づく使用である旨を明示、遺伝性血管性浮腫は残したうえで「予防目的に限り、起きている発作を止める目的では用いない」と限定した。日本の電子添文にのみある湿疹・蕁麻疹・薬疹の紅斑腫脹そう痒、扁桃炎咽喉頭炎の咽頭痛、口内炎の口内痛とアフタも補い、国差が双方向に出ることを示した。(出典:英国SmPC 経口剤、トランサミン電子添文、国際/カナダ版HAEガイドライン2026)
- トピックB1: Drugs influencing blood coagulation I: Antiplatelet agents. Fibrinolytic drugs. Drugs inhibiting bleeding抗線溶薬の禁忌が1件も書かれていなかったため、英国SmPC 4.3(経口剤)の6項目を追加した。あわせて⭐まとめの「アルテプラーゼ=急性虚血性脳卒中の第一選択」が同一ファイル内のESO 2023の記述と矛盾していたため、大血管閉塞があり経静脈血栓溶解の適応がある発症4.5時間以内の例ではテネクテプラーゼ0.25 mg/kgを優先する強い推奨へ揃えた。(出典:ESO 2023)
- トピックVitamin D deficiency米国内分泌学会2024年版ビタミンDガイドラインの2025年訂正を出典に追加し、訂正が掛かる4箇所(緒言の「前版を置き換える」への改め、推奨2と推奨4への食事摂取基準の但し書き、用量の節の骨折→転倒)を明示した。本ノートが引く3点(30 ng/mLの目標値の撤回・1〜18歳への経験的補充・ルーチンスクリーニングの非推奨)はいずれも訂正の対象外であることを確認したため医学的記述は変えていない。あわせてスクリーニングに反対する番号つき推奨が成人と妊娠中のみで条件付き推奨(2|⊕◯◯◯)であり、小児の肥満・皮膚色についてはNotesの注記であって格付き推奨ではないことを書き分けた。(出典:Correction to: Vitamin D for the Prevention of Disease)
- トピックNon-osteoporotic bone diseases; extraskeletal effects of vitamin D deficiency同じ2025年訂正の出典claimで、訂正①の描写の主語が入れ替わっていた(ビタミンD欠乏を広く扱っていたのは前版のほう)ため原文どおりに直した。
2026
09.07感染性心内膜炎の予防投与対象と腸球菌治療の記述を、ESC 2023 誌上版とAHA 2021 全文で5ノート横断で是正した。
- トピックCarditis腸球菌性心内膜炎について「アンピシリン+ゲンタマイシンからアンピシリン+セフトリアキソンへ移行しつつある」という記述を撤回した。ESC 2023 推奨表9では高度アミノグリコシド耐性でない株に対しセフトリアキソン6週併用とゲンタマイシン2週併用がともにClass I(Level B)で同格であり、二剤β-ラクタム併用が選択すべき組み合わせとされるのは高度アミノグリコシド耐性株の場合である。E. faecium には無効であることも明記した。(出典:2023 ESC Guidelines for the management of endocarditis)
- トピックCarditisAHA 2021 の予防投与対象4群の内訳(経カテーテル人工弁植込み、人工リング・クリップを用いた弁形成、補助人工心臓、姑息的短絡・導管、完全修復後6か月、遺残欠損、外科的・経カテーテル的な肺動脈弁ないし導管の留置)と、Table 3 が明示する「提案しない」対象(心臓植込み型電気デバイス、中隔欠損閉鎖デバイス、血管グラフト・ステント、脳室心房短絡、下大静脈フィルター、プレジェット)を追加した。あわせてJCS 2026 の脚注Eが中等度リスクから外す2機種を「リードレスペースメーカと皮下植込み型ICD」と特定した(リードレスICDではない)。(出典:AHA 2021 Scientific Statement、JCS 2026)
- トピックStreptococcus agalactiae, Enterococcus genus腸球菌治療の同じ誤りを是正し、Fernández-Hidalgo 2013 が非無作為化の観察コホートであること(背景の偏りの向きを含む)を明記した。GBSスクリーニングを妊娠35週から36週0日〜37週6日の腟・直腸培養へ是正し、ESC 2023 のバンコマイシン・ダプトマイシンの位置づけを補った。(出典:ACOG Committee Opinion 797)
- トピックChemoprophylaxis: its importance and examples「人工弁または損傷した心臓弁を有する患者で」という旧来の枠を撤回した。AHA 2021 はリウマチ性心疾患・大動脈弁狭窄・二尖弁・僧帽弁逸脱その他の弁膜症へ対象を拡大すべきかを検討したうえで拡大しないと結論している。ただし「欧米では対象外」とは書けない——ESC 2023 は中等度リスク(リウマチ性心疾患・非リウマチ性変性弁膜症・二尖弁を含む先天性弁異常・心臓植込み型電気デバイス・肥大型心筋症)を置き、ルーチンには推奨しないが個別に考慮しうるとしている。あわせて「腟だけ・35週」を旧CDC 2010基準と帰属していた誤りを正した(CDC 2010 自身が腟・直腸の両方を求めており、腟だけは旧基準でも誤り)。(出典:CDC MMWR RR-59(10))
- トピックStreptococcus pneumoniae, oral streptococci and cariogenesis. Anaerobic cocci口腔レンサ球菌心内膜炎のペニシリンアレルギー時のバンコマイシンを、感受性の区画で書き分けた。ペニシリン高感受性株では自己弁4週間・人工弁6週間でアミノグリコシド併用は不要だが、感受性低下・耐性株の人工弁例ではゲンタマイシン2週間を併用する(Class I、Level C)。
2026
09.07神経因性膀胱の評価と治療を EAU 2026・NEUROGED 2025 で是正し、出典が1件も無かった状態を解消した。
- 疾患神経因性膀胱出典が1件も無かったため、EAU 神経泌尿器科ガイドライン2026 と EAN/EFAS/INUS NEUROGED 2025 を根拠に全面的に見直した。尿流動態検査は全例ではなく上部尿路障害の危険度で層別化して決める(橋より上位の病変では第一選択としない)。β3作動薬は神経因性過活動膀胱に抗ムスカリン薬と並ぶ強い推奨である一方、尿流動態で確認された神経因性排尿筋過活動を減らす目的では用いない(強い推奨)。ボツリヌス毒素は排尿筋注入(抗ムスカリン薬無効の神経因性排尿筋過活動、効果約9か月)と外尿道括約筋注入(排尿筋括約筋協調不全、数か月・適応外)を書き分けた。自律神経過反射の境界を「Th6より高位」から原文どおり「Th6以上」へ、定義を収縮期血圧のベースラインから20 mmHg超の上昇へ是正した。(出典:EAU Neuro-Urology 2026、NEUROGED 2025)
- トピックG1-32: Disturbance of micturition and defecation排尿筋漏出時圧40 cmH2O の位置づけを書き分けた。EAU 2026 はこの指標を診断の道具としては役に立たないようにみえるとし、感度が低すぎて上部尿路への危険や二次的な膀胱障害を見積もれないとしている。40 cmH2O超の群が危険であること(McGuire 1981)は否定されない。ボツリヌス毒素の注入部位別の適応も分離した。
- 疾患排尿筋括約筋協調不全「脊髄損傷で最大95%」という頻度の帰属を是正した。EAU の表は脊髄損傷の欄を「神経因性排尿筋過活動と排尿筋括約筋協調不全(最大95%)」とまとめて書いており、協調不全単独の値ではない。あわせて外尿道括約筋切開術の危険(不可逆であること、コンドーム型集尿器を装着できる男性に限られること、定期的な再切開、二次的な膀胱頸部狭小化)を追加した。
- 薬剤mirabegron神経因性膀胱での位置づけを新設した。EAU 2026 は神経因性過活動膀胱に抗ムスカリン薬またはβ3作動薬を強く推奨する一方、尿流動態で確認された神経因性排尿筋過活動を減らす目的では用いないことも強く推奨している(症状は抗ムスカリン薬と同程度に改善するが尿流動態パラメータは改善しない)。あわせてAUA/SUFU 2024 が特発性過活動膀胱の指針であること、電子添文の禁忌に本剤成分への過敏症の既往歴が抜けていたことを是正した。(出典:ベタニス電子添文)
2026
09.07敗血症ノート群を Surviving Sepsis Campaign 2026 へ更新し、GBS 分娩時予防投与の誤った代替薬を是正した。
- 微生物Streptococcus agalactiae / GBSペニシリンアレルギー時の分娩時予防投与の代替薬が「セフォタキシム/テラバンシン・テジゾリド」と誤っていたのを是正した。ACOG Committee Opinion 797 は、アナフィラキシーの危険が低いか重症度不明なら第一世代セファロスポリン(セファゾリン)、危険が高い場合は分離株がクリンダマイシン感受性と確認できたときに限りクリンダマイシン、非感受性ならバンコマイシン静注(20 mg/kg 8時間ごと、1回最大2 g)が唯一の検証された選択肢としている。スクリーニング時期も妊娠35〜37週から36週0日〜37週6日へ是正した(コーパスで唯一の旧数字だった)。(出典:ACOG Committee Opinion 797)
- トピックSepsis (definition, pathomechanism, microbiological diagnosis)Surviving Sepsis Campaign 2026 へ更新し、抗菌薬開始の推奨を確からしさとショックの有無の2軸で4つに書き分けた。とくに「感染の可能性が低くショックが無い成人では、厳重な監視を続けながら抗菌薬を差し控えることを提案する」(条件付き推奨)が欠けていた。あわせて「疑った全例で抗菌薬までの時間を最小化する」という無出典の一般論を、SSC 2026 の good practice statement(敗血症と敗血症性ショックは医学的緊急事態であり、治療と蘇生は直ちに開始する)へ改めた。SIRS 基準の呼吸数の項目に原典の代替(PaCO2 32 mmHg未満)が落ちていたのを補い、白血球の項目を「幼若顆粒球」から原文どおり「幼若球(桿状核球)」へ是正した。(出典:SSC 2026、Sepsis-3)
- トピックSeptic shock: mechanism and treatment principles抗菌薬開始の表に推奨の強さとエビデンスの確実性が無かったため SSC 2026 から付与し、第4分岐を「保留してよい」という許可の書き方から原文どおり「厳重な監視を続けながら差し控える」へ是正した。あわせて敗血症性ショックの副腎皮質ステロイドについて、「輸液と昇圧薬を十分に行ってもなお安定しない例に限る」という限定が2021年版のものであり、2026年版の推奨文にはその限定が無いことを版差として書き分けた。
- 疾患敗血症抗菌薬開始の第4分岐を同じく「厳重な監視を続けながら差し控える」へ揃え、院内評価まで60分超が見込まれる搬送中の投与(条件付き推奨)と、感染性・非感染性の可能性を速やかに評価するという good practice statement を追加した。
2026
09.07解剖学の申し送り4件のうち3件を一次資料の全文で決着させた。硬膜の感覚神経支配で前頭蓋窩を担うのがV1のテント神経ではなく篩骨神経であること、棘孔が中硬膜動脈以外に中硬膜静脈と棘孔神経を通すこと、閉鎖神経の後枝が短内転筋にも分布することを是正し、内転筋管に閉鎖神経枝を含めるという申し送りの前提は逆に退けた。
- トピックHead — Cranial cavity & meninges硬膜の感覚神経支配を是正した。旧稿はV1のテント神経が小脳テントと前頭蓋窩の硬膜を担うとしていたが、前頭蓋窩を支配するのはV1の前・後篩骨神経で、テント神経は海綿静脈洞内で分かれて後方へ回り、後方の大脳鎌・小脳テント・頭頂後頭部の円蓋硬膜と横静脈洞・直静脈洞・矢状静脈洞の壁を支配する。V2の中硬膜神経は中頭蓋窩前部に加えて前頭蓋窩の後部と蝶形骨小翼も担い、V3の棘孔神経は卵円孔を出たのち棘孔から再進入する。後頭蓋窩はC2-C3後枝ではなくC1〜C3由来の枝と交感神経線維が大後頭孔・舌下神経管・頸静脈孔から進入する形に改め、迷走神経の反回枝が小脳鎌と横静脈洞下壁へ達すること、舌下神経の枝の記載があることを添えた。棘孔の通過物を中硬膜動静脈と棘孔神経に改め、テント切痕の記述に脳ヘルニアのノートへのリンクを張った。(出典:Anatomical and developmental insights into the dura mater、The posterior cranial fossa's dura mater innervation、Anatomy, Head and Neck: Foramen Spinosum)
- トピックHead — Skull (cranium)棘孔の通過物を中硬膜動脈のみとしていたのを、中硬膜動脈・中硬膜静脈・下顎神経の反回髄膜枝(棘孔神経)の3つに改めた。棘孔神経が棘孔から頭蓋腔へ戻り中硬膜動脈に沿って中頭蓋窩の硬膜を支配することを加えた。顎関節の靭帯は蝶下顎靭帯・茎突下顎靭帯を補助靭帯と記すだけだったので、蝶下顎靭帯が開口約10度以降の下顎頭の過度な滑走を抑えること、茎突下顎靭帯が下顎の過度な前突を制限すること、円板靭帯が関節円板を下顎頭に固定することを追記し、開口時は回転が滑走に先行することを明記した。外側靭帯が制限する運動方向の詳細は一次資料で確認できず据え置いた。(出典:Anatomy, Head and Neck: Foramen Spinosum、Anatomy, Head and Neck, Temporomandibular Joint)
- トピックLower limb — Thigh閉鎖神経の枝分けを是正した。旧稿は前枝が内転筋群の浅層、後枝が大内転筋の内転筋部としていたが、前枝は長内転筋・短内転筋・薄筋を支配し(恥骨筋を支配することはまれ)、後枝は走行の全長で大内転筋と短内転筋へ複数の枝を出す。短内転筋は前枝と後枝の両方から枝を受けうる。恥骨筋の追加支配の頻度を屍体100肢の実測値(大腿神経は全例、閉鎖神経10%、副閉鎖神経2%、三重支配なし)で補った。内転筋管については、閉鎖神経の枝を管の内容に加えるという申し送りを退けた。閉鎖神経前枝は広筋内転筋膜より浅い縫工筋下腔の縫工筋下神経叢に属し、内転筋管そのものの内容として挙げられるのは大腿動脈・大腿静脈・伏在神経である。あわせて内転筋管の境界の表を新設した。(出典:Ultrasound-Guided Obturator Nerve Block、Anatomy, Abdomen and Pelvis: Adductor Canal)
2026
09.07日本先天代謝異常学会の推奨度A〜Eの定義表を2019年版から回収し、保留されていたL-カルニチンの位置づけを確定した。
- 疾患CPT2欠損症L-カルニチンの推奨度Dが「弱く推奨」なのか「行わないよう勧められる」なのか確定できず保留になっていた点を決着させた。2025年版は疾患別PDFに分割されており定義表を含まない(取得した26章のいずれにも「反対意見」「行ってはいけないこと」が0件)が、同学会2019年版(第2版)巻頭「ガイドライン改訂にあたって―基本的な考え方―」の表3が推奨度を、A=I〜IIIのエビデンスに基づく推奨で行うべきもの、B=生化学的・病態的に妥当性があり症例で効果があると報告されており行うべきもの、C=症例で効果があると報告されており考慮すべきもの、D=生化学的・病態学的に妥当性はあるが反対意見もあるもの、E=科学的根拠や症例報告などに基づいて行ってはいけないこと、と定義していた。したがって推奨度Dは行わないよう勧める区分ではなく、行ってはいけないのはEである。この定義表を治療の節の冒頭に置き、frontmatterのtreatmentDrugsにL-カルニチンを追加した。あわせて本文が標的治療の第一と述べながらtreatmentDrugsから漏れていたトリヘプタノインと、本文が閾値を論じながらlabValuesから漏れていた血中カルニチン分画を追加した。ガイドラインからは、ピボキシル基をもつ抗菌薬を原則使用しないこと(推奨度E)、sick dayは38℃超の発熱・嘔吐・下痢で原則入院とし哺乳可能でも帰さないこと、sick day時のCK・LDと長鎖アシルカルニチンのレベルが相関せず正常値でも過小評価しないこと、ベザフィブラートに付された記号が保険適用外を意味することを補った。(出典:新生児マススクリーニング対象疾患等診療ガイドライン2019、同2025 CPT2欠損症)
2026
09.07脳静脈血栓症のAHA科学的声明について、これまで著者最終稿しか読めていなかったのをInternet Archive経由で誌上版を取得し、著者最終稿では文が途中で切れていた3箇所を是正した。感染性心内膜炎では、日本循環器学会2026年ガイドラインが基礎心疾患の分類とは別に置いている「植込み後6か月間だけの予防投与」が3ノートすべてから抜けていたので補った。
- 疾患脳静脈洞血栓症2024年AHA/ASA脳静脈血栓症科学的声明の誌上版(Stroke. 2024;55:e77-e90)をInternet Archive経由で取得し、著者最終稿に基づいていた記述を誌上版へ差し替えた。CT/CTVを代替とする条件に「検査前確率が低い場合」が加わること、DOACの根拠が「非盲検の後ろ向き研究と前向き無作為化研究」であること、造影MRVが「血流の遅い状態と低形成静脈洞(flow gap)の区別に優れる」ことは、いずれも著者最終稿では欠けていた。あわせて再発率の読み違い(原文は年1%未満〜2%であって「年1〜2%未満」ではない)を是正し、再発リスクの高い集団に静脈血栓塞栓症の既往・誘因を同定できなかった発症・男性を補い、硬膜動静脈瘻2.4%という数字に「6か月後に系統的な撮像を行った前向き研究では0件」という但し書きを付けた。欠落していたSECRET試験と再開通の系統的レビューも追加した。(出典:https://doi.org/10.1161/STR.0000000000000456 )
- 薬剤heparin同じ科学的声明を引く箇所で、初期治療の一文が著者最終稿のまま「非経口ヘパリンで開始し経口のビタミンK拮抗薬へ移行する」で止まっていた。誌上版はここに続けて投与期間を述べており、原因によって3〜12か月、血栓性素因があるか静脈血栓塞栓症を繰り返している場合は無期限とする。この後半節を補い、出典のclaimも誌上版の逐語へ差し替えた。(出典:https://doi.org/10.1161/STR.0000000000000456 )
- 疾患感染性心内膜炎日本循環器学会2026年ガイドラインのTable 37脚注Eについて、出典のclaimが除外される2機種を「リードレスペースメーカとリードレスICD」と書いていたのを、本文2.1.4・2.2.2の記述どおり「リードレスペースメーカと皮下植込み型ICD」へ是正した。あわせて、基礎心疾患のリスク分類とは別枠で置かれている時限的な予防投与——経カテーテル心房中隔欠損閉鎖術後6か月間、左心耳閉鎖デバイス植込み後6か月間、いずれも6か月を超える定期的な予防投与は推奨しない——を追加した。低リスクに置かれた単独の二次孔型心房中隔欠損に同じ表が「一般人口より感染性心内膜炎のリスクが高いという報告がある」と但し書きを付けていること、二尖弁と僧帽弁逸脱が中等度リスクにとどまるのは有意な弁機能障害を伴う場合であること、M-TEERを根拠不十分として低リスクに分類していないことも補った。(出典:https://doi.org/10.1253/circj.CJ-25-0987 )
- トピックCarditis同ガイドラインの時限的な予防投与(心房中隔欠損閉鎖術後・左心耳閉鎖デバイス後の各6か月間)と、低リスクに置かれた二次孔型心房中隔欠損への但し書きが抜けていたので補った。Class III(No benefit)は「予防投与に利益が無い」であって「感染性心内膜炎を起こさない」ではない、という読み方も明示した。(出典:https://doi.org/10.1253/circj.CJ-25-0987 )
- トピックChemoprophylaxis: its importance and examples予防投与を主題にしながら、リスク群の表だけを写していたため時限的な適応が読者から見えなくなっていた。経カテーテル心房中隔欠損閉鎖術後6か月間と左心耳閉鎖デバイス植込み後6か月間の予防投与、および6か月を超える定期的な予防投与を推奨しないことを補った。(出典:https://doi.org/10.1253/circj.CJ-25-0987 )
2026
09.07ミノサイクリンを3か国の規制文書とAAD 2024年痤瘡指針の全文で見直し、禁忌の国差と条件付き推奨の理由を是正した。
- 薬剤minocycline米国皮膚科学会2024年の痤瘡ガイドラインの全文を取得し、ミノサイクリンを条件付き推奨にとどめた理由を原文どおり、回転性めまい・自己免疫性肝炎・皮膚の色素沈着・薬剤誘発性ループス・過敏症症候群というまれな有害事象への懸念へ是正した。従来の記述は皮膚の色素沈着を落とし、原文の過敏症症候群をDRESS症候群に置き換え、修飾語をまれではなく重篤としていた。あわせて「ドキシサイクリンと有効性が同等」という記述を削除した——同指針は両剤を直接比較した根拠が不十分だと明記している。(出典:AAD 痤瘡ガイドライン2024)
- 薬剤minocycline禁忌を国別に書き分けた。妊娠・授乳と小児が禁忌欄に載るのは欧州のSmPCだけで、日本の電子添文と米国の添付文書はいずれも禁忌をテトラサイクリン系への過敏症1項目に限っている。小児の線引きも英国は12歳未満、スペイン・日本・米国は8歳未満と割れる。痤瘡の適応も同様で、英国のSmPCだけが痤瘡を適応に挙げ、スペインのMinocinと日本のミノマイシンの効能・効果には無く、米国は重症痤瘡への補助療法という書き方である。(出典:Minocin MR 英国SmPC、ミノマイシン電子添文)
- 薬剤minocycline日本の電子添文が重大な副作用に挙げる結節性多発動脈炎・顕微鏡的多発血管炎(結節性多発動脈炎は6か月以上の長期投与例に多い)が本文に1行も無かったため追記し、英国SmPCの痤瘡での投与期間規定(最短6週・最長6か月、6か月を超えるなら3か月ごとに肝炎・全身性エリテマトーデス・異常な色素沈着を監視)も補った。あわせて、脂溶性の高さが前庭障害・色素沈着・薬剤誘発性ループスの3つすべてを生むという同一ファイル内の記述が、薬剤誘発性ループスを未解明の免疫学的機序とする図と矛盾していたため書き分けた。
- 薬剤midodrine効能・効果の文言を欧州3か国・日本・米国の5文書で引き直した。いずれも自律神経系の機能障害による重症の起立性低血圧、症候性起立性低血圧、本態性低血圧・起立性低血圧という症候での記載で、パーキンソン病は5文書すべてに0回、糖尿病を指す語が現れるのは欧州の禁忌欄と米国の警告だけである。適応疾患の欄をどう埋めるかは症候で効能が定められた薬すべてに掛かる方針決定のため変更せず、ボルトの規約側の文言と本ノートが採っている読み方を並べて未決であることを明示した。
2026
09.07シカゴ分類v4.0の原文を誌上版と著者最終稿の両方で照合し、過収縮性食道の下位群とDCI 450の読み方を確定した。
- 疾患過収縮性食道遠位収縮積分値(DCI)450 mmHg·s·cmを「以上」と読むか「超」と読むかが未決とされていた点を決着させた。シカゴ分類v4.0は4箇所のうち3箇所を450以上、遠位食道痙攣の節の散文だけを450超と書いているが、同じ節が不確定診断をDCI 450未満と定義し、収縮の区分も弱い収縮が100以上450未満・正常収縮が450〜8,000であるため、DCIちょうど450はすべて450以上の側に属する。コーパス5ファイルの表記は是正不要と確認した。あわせて3つの下位群のうち第3群の記述を原文どおり、過収縮性の嚥下に嚥下後の下部食道括約筋の強い後収縮を伴う型へ直した。(出典:Chicago Classification v4.0)
2026
09.07GeneReviewsのライブページを取り直し、Ellis-van Creveld症候群の鑑別表が何を並べているかを明示し、神経セロイドリポフスチン症へCLN2病の国際ガイドラインと酵素補充療法の5年成績を反映した。
- 疾患Ellis-van Creveld症候群鑑別の節が「取りこぼし」に見えていた非対称を解消した。GeneReviewsが表で並べる5疾患は表題自体が「鑑別上関心のある骨系統の線毛病」と範囲を限定しており、2007年の総説が挙げる出生後の主要な鑑別(Jeune・McKusick-Kaufman・Weyers)とは切り口が違う。両者の切り口の違いを本文に明記したうえで、GeneReviewsの表にあって本ノートに無かった頭蓋外胚葉異形成症とMainzer-Saldino症候群の行を追加し、線毛病の枠内での遺伝子レベルの比較は線毛病ノートへ誘導する形にした。あわせて原因遺伝子が群の内部で広く重なる(WDR35は本症・短肋骨胸郭異形成症・頭蓋外胚葉異形成症の三者に共通)ため遺伝子名では鑑別しきれないことを追記した。(出典:GeneReviews Ellis-van Creveld Syndrome、Baujat 2007)
- 疾患Ellis-van Creveld症候群原因遺伝子の内訳から、3番目に多いGLI1(4%)が落ちていたのを補い、WDR35(2%)とSMO(1%未満)も加えてGeneReviews Table 1の全遺伝子を反映した。あわせて機序の説明が無かった点を補い、これらの遺伝子がすべて一次線毛のHedgehogシグナルに収束すること、PRKACAとPRKACBだけが常染色体顕性なのはPKAがHedgehogのブレーキであり病的バリアントがブレーキを強める機能獲得型と考えられているためであることを追記した。⚠️ 出典はSMOを転写因子と記しているが、SMOは7回膜貫通型受容体であって転写因子ではない(転写因子はGLI)。誤りと判断して本文には持ち込まず、出典欄に記録した。
- 疾患Ellis-van Creveld症候群呼吸障害の位置づけを2出典で書き分けた。2007年の総説は「予後は生後数か月の呼吸障害と心疾患で決まる」とする一方、GeneReviewsは狭い胸郭が肺低形成や拘束性換気障害につながりうるとしたうえで「呼吸不全が高度になることはまれ」と明記している。両者は矛盾せず、起きたときに予後を決めることと、起きること自体がまれであることは別だと本文に書き分けた。この点が、呼吸不全が指標所見である短肋骨胸郭異形成症(Jeune)との最大の違いである。
- 疾患神経セロイドリポフスチン症CLN2病の脳室内酵素補充療法について、推奨の強さが病型で分かれることを追記した。21名の国際専門家によるDelphi合意の国際ガイドラインは、古典型CLN2病ではセルリポナーゼ アルファの長期投与の開始を recommended とする一方、非古典型のTPP1欠損症では診断確定・親と医療者の合意・禁忌が無いことを条件に suggested としている(いずれもエビデンスレベルC、合意率84%)。あわせて同ガイドラインが、疾患修飾治療は当該疾患とデバイスの扱いに習熟したチームが行い、脳室内デバイスは経験豊富な小児脳神経外科医が全身麻酔下で留置し訓練を受けた者だけが穿刺すべきとしている点を追記した。(出典:CLN2病ガイドライン 2021)
- 疾患神経セロイドリポフスチン症酵素補充療法の成績と安全性を、48週の第I/II相試験だけに依っていた状態から5年超の延長試験まで更新した。累積解析では23例が平均272.1週にわたり投与を受け、CLN2臨床評価尺度の運動・言語ドメイン合計の回復しない2点低下に至るハザード比は0.14(95%信頼区間0.06〜0.33)だった。⚠️ 安全性の見え方が観察期間で大きく変わる点を明示した——48週の報告ではデバイス感染2例だったが、5年超では9例がデバイス関連感染を来し6例の9件がデバイス交換に至り、21例(88%)が重篤な有害事象を経験している。いずれの試験にも同時対照群が無く比較対象は未治療の過去対照であることも併記した。(出典:Schulz 2024 延長試験)
- 疾患神経セロイドリポフスチン症ラモトリギンの扱いが割れている件を、GeneReviews内部の自家撞着だけでなく3資料の見取り図として書き直した。CLN2病の国際ガイドラインがてんかんの節で避けるべき薬として名指しするのはカルバマゼピンとフェニトインの2剤だけでラモトリギンは含まれないが、同ガイドラインがラモトリギンを挙げているのは非てんかん性ミオクローヌスやジストニアなど運動症状に対する薬物治療の列挙のほうであり、抗発作薬の選択の列挙ではない。射程の違いを踏まえると3資料は正面から対立しないが、抗発作薬として積極的に選ぶ根拠はどの資料にも無いため、慎重側に立つ従来の判断は維持した。
- 疾患神経セロイドリポフスチン症てんかん管理の節に抜けていた項目を補った。バルプロ酸の長期使用がまれに病期後半のジストニア悪化・高体温・高CK血症に関与したと報告されていること、トピラマートの言語障害が疾患そのものの症状と紛らわしいため慎重に用いるべきこと、ケトン食が複数の発作型と薬剤抵抗性発作に有効である一方で便秘・腎結石・成長障害を監視すべきこと、10〜12剤に及びうる多剤併用を減らすべきこと、発作が致死的になりうるため家庭と学校の緊急時計画(口腔粘膜または経鼻のミダゾラム・ジアゼパム・ロラゼパム)を用意すべきことを追記した。あわせて運動症状には痛みを先に治療するか除外するという順序も追記した。