Internal Medicine

Internal Medicine · S-47

血管炎

Vasculitides

前提:病態
動脈炎・静脈炎(血管炎)
前提:正常
補体系
疾患
ANCA関連血管炎IgA血管炎(ヘノッホ・シェーンライン紫斑病)クリオグロブリン血症リウマチ性多発筋痛症巨細胞性動脈炎(側頭動脈炎)結節性多発動脈炎血管炎(大血管炎・中血管炎・小血管炎)顕微鏡的多発血管炎好酸球性多発血管炎性肉芽腫症高安動脈炎肺動脈瘤膜性増殖性糸球体腎炎
症状
外陰部潰瘍触知可能紫斑多発性単神経炎
検査値
クリオグロブリン
画像所見
肺胞出血

🧠 全体像:血管炎は血管壁の炎症により狭窄・閉塞、虚血、動脈瘤、出血を来すである。罹患血管径と臓器パターンで候補を絞り、感染・薬剤・悪性腫瘍など二次性原因を除外し、可能なら治療前に生検または血管画像で確証を得る。

血管径による整理

主な血管径 代表疾患 典型的手掛かり
大型 脈拍・血圧左右差、、大動脈病変
中型 臓器梗塞、
小型・ANCA関連 GPA、MPA、EGPA 糸球体腎炎、肺、ENT/好酸球性病変
小型・免疫複合体 IgA血管炎、 、補体低下、Ig沈着
可変血管 口腔・、眼炎、静脈血栓・動脈瘤

ANCA関連血管炎

疾患 臨床パターン ANCA・病理
副鼻腔炎・中耳炎・鼻破壊、/空洞・肺胞出血、RPGN /c-ANCAが多い。壊死性
RPGN、肺胞出血、 /p-ANCAが多い。腫を欠く血管炎
成人発症喘息、好酸球増多、病変、、神経障害、心病変 は一部のみ。好酸球性炎症・

ANCA陰性でもAAVを否定できず、陽性でも、薬剤、IBDなどで偽陽性となる。PR3/MPO測定と臨床像を合わせる。

flowchart TD
    A["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='pulmonary-renal syndrome'>腎肺症候群</span>/紫斑/<span class='jp-term jp-term-diagram' title='mononeuritis multiplex'>多発単神経炎</span>"] --> B["尿沈渣・クレアチニン・CBC・炎症・胸部画像"]
    B --> C["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='proteinase 3-ANCA'>PR3-ANCA</span>/<span class='jp-term jp-term-diagram' title='myeloperoxidase ANCA'>MPO-ANCA</span>+感染除外"]
    C --> D{"臓器・生命を脅かす"}
    D -->|"はい"| E["迅速に生検検体を確保し寛解導入"]
    D -->|"いいえ"| F["病型・リスクに応じた<span class='jp-term jp-term-diagram' title='induction therapy'>導入療法</span>"]
    E --> G["リツキシマブまたは<span class='jp-term jp-term-diagram' title='cyclophosphamide'>シクロホスファミド</span>+グルココルチコイド"]
    F --> H["リツキシマブ/メトトレキサート等を個別化"]
    G --> I["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='maintenance of remission'>寛解維持</span>+感染予防"]

重症GPA/MPAではリツキシマブまたはとグルココルチコイドで導入する。avacopanをステロイド低減目的に使う場合がある。は全重症例のルーチンではなく、の高度腎障害や低酸素を伴う肺胞出血、病重複などで利益・リスクを個別検討する。EGPAは予後因子と臓器に応じ、グルココルチコイド、、リツキシマブ、などを選ぶ。

免疫複合体小血管炎

IgA血管炎

下肢・臀部優位の非血小板減少性、腹痛、関節痛、腎炎が四徴で、皮膚または腎にIgA優位沈着を認める。多くは支持療法で改善する。グルココルチコイドは重い腹痛・状に用いることがあるが、腎炎予防目的のルーチン投与ではない。重症腎炎はIgA腎症に準じて管理する。

クリオグロブリン血症性血管炎

混合型はHCV、自己免疫疾患、B細胞性腫瘍と関連し、紫斑、関節痛、末梢神経障害、、低C4を来す。採血・搬送を保温してを測定し、原因治療を軸に、重症例ではリツキシマブ±グルココルチコイド、選択例でを行う。

皮膚限局性では薬剤・感染を除き、用検体とともに生検する。原因除去、安静・挙上、症状に応じなどを用いる。

中型・大型血管炎

結節性多発動脈炎

PANは中型動脈の壊死性炎症で、皮膚、筋痛、腹痛・、精巣痛を来す。糸球体腎炎と肺は通常伴わない。または生検で診断し、HBV関連なら抗ウイルス性治療と短期免疫抑制±、非HBV例は重症度に応じグルココルチコイド±を用いる。

巨細胞性動脈炎

50歳以上の新規頭痛、、視覚症状、を手掛かりとする。超音波またはで確定するが、視力障害リスクがあれば検査結果を待たずを開始する。は一過性視力消失であり、失明の症状である。は再発予防・ステロイド低減に有用で、大動脈病変も画像追跡する。

高安動脈炎

大動脈と主要分枝ので、若年女性に多い。四肢、脈拍減弱、上肢血圧差、性高血圧、大動脈弁逆流を来す。MRA/CTA/PETなどで壁炎症・狭窄・動脈瘤を評価し、グルココルチコイド+を用いる。は可能なら炎症を鎮静化してから行う。

その他

  • :反復性、ぶどう膜炎、皮膚病変、。臓器別になどを用い、や中枢神経病変は重症である。
  • :主に5歳未満の発熱、両側非、口唇・口腔変化、発疹、四肢末端変化、頸部リンパ節腫大。冠動脈瘤を防ぐためIVIG+アスピリンを速やかに投与し、高リスク例ではグルココルチコイド追加を検討する。

まとめ

  • 血管径、臓器パターン、ANCA/免疫沈着、血管画像・生検を統合して分類する。
  • GPAは主にPR3/c-ANCA、MPAは主にMPO/p-ANCAで、元資料のGPA=P-ANCAという記載は逆である。
  • 視力を脅かすGCA、は診断確定を待ち過ぎない。