臨床薬理学

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骨粗鬆症の診断と薬物療法

Osteoporosis

前提:病態
骨ミネラル恒常性に作用する薬エストロゲンおよび抗エストロゲン薬

🧠 全体像:骨粗鬆症は「骨量が減り、微細構造が壊れ、骨質が落ちて、折れやすくなる全身性・進行性の骨格疾患」である。薬物療法の幹は3段で覚える。土台はカルシウムとビタミンD(と運動・)、第一選択はを止める(または)、骨折を重ねた・骨密度が極端に低い「非常に高いリスク」には骨を作る。どの薬にも固有の重い副作用があるので、薬を選ぶときは「効き方」と「何を監視するか」を対で覚える。

定義と治療の目標

骨粗鬆症は、骨量の減少、微細構造の損傷、骨質の劣化によって骨がもろくなり、骨折しやすくなる全身性・進行性の骨格疾患である。治療の目標は骨密度の数字そのものではなく、(椎体・など)を防ぐことにある。

診断のは、で測ったまたはのBMDが若年女性の平均より2.5 SD以上低いこと(T値−2.5以下)である1。T値−1.0〜−2.5の「」は疫学上の記述であって病名ではない1が、骨折リスクの評価とあわせての対象になる。

区分 BMDのT値 対応
正常 −1.0より高い 介入不要
−1.0〜−2.5 の改善、運動、カルシウム・ビタミンD
骨粗鬆症 −2.5以下 骨折リスクを評価して薬物療法
重症(確立した)骨粗鬆症 −2.5以下+ 薬物療法。重ねて骨折していればを考慮

骨折リスクの評価:FRAX

は、年齢・性・体格・骨折歴・親の歴・ステロイド使用・喫煙・飲酒・の原因(とBMD)から、10年以内に、または主要を起こす確率を出すである。主要は臨床的な椎体・・前腕・の骨折を指す2(を挙げる説明もあるが、の定義ではである)。

💡 BMDだけでは骨折を予測しきれない。 同じT値でも、高齢・骨折歴・ステロイド内服があれば骨折リスクははるかに高い。はこれらを掛け合わせて「骨の弱さ」ではなく「折れる確率」で治療を決めるためのである。

診断と治療のアルゴリズム

従来の(2011年版の)アルゴリズムは、・血液検査・X線を出発点に、T値とで3つに振り分け、骨粗鬆症では代謝性骨疾患を鑑別したうえで、原因(加齢性かステロイド性か)と性別で薬を選ぶ。

flowchart TD
  A["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='dual-energy X-ray absorptiometry'>DXA</span>・血液検査・X線"] --> B{"BMDのT値"}
  B -->|"−1.0より高い"| C["正常<br>介入不要"]
  B -->|"−1.0〜−2.5"| D["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='osteopenia'>骨量減少</span><br><span class='jp-term jp-term-diagram' title='Lifestyle'>生活習慣</span>の改善・運動<br>カルシウム・ビタミンD"]
  B -->|"−2.5未満かつ<br><span class='jp-term jp-term-diagram' title='Fracture Risk Assessment Tool'>FRAX</span> 主要骨折20%超<br>または<span class='jp-term jp-term-diagram' title='proximal femur'>大腿骨近位部</span>3%超"| E["骨粗鬆症"]
  E --> F["代謝性骨疾患の鑑別"]
  F --> G["加齢性(原発性)骨粗鬆症"]
  F --> H["ステロイド性骨粗鬆症"]
  G --> I["カルシウム+ビタミンD"]
  I --> J["男性<br><span class='jp-term jp-term-diagram' title='alendronic acid'>アレンドロン酸</span>・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='zoledronate'>ゾレドロン酸</span><br><span class='jp-term jp-term-diagram' title='risedronic acid'>リセドロン酸</span>・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='teriparatide'>テリパラチド</span>"]
  I --> K["女性<br>下の図へ"]
  H --> L["カルシウム+ビタミンD+<br><span class='jp-term jp-term-diagram' title='bisphosphonates'>ビスホスホネート</span>または<span class='jp-term jp-term-diagram' title='teriparatide'>テリパラチド</span>"]

「代謝性骨疾患の鑑別」は、骨粗鬆症に見えて別の治療が要る病気を先に除く段階である。(ビタミンD欠乏)、、、甲状腺機能亢進症、などを血液検査で拾う。をに使うと悪化させうるので、この段階を飛ばさない。

閉経後女性の薬の選び方と切り替え

女性では、骨密度の低下の部位・乳がんリスク・T値・骨折歴で入口が分かれ、副作用や効果不十分(BMDが下がり続ける)なら次の薬へ移る。

flowchart TD
  W["閉経後女性の骨粗鬆症<br>カルシウム+ビタミンDは継続"] --> P1["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='lumbar vertebrae'>腰椎</span>のBMD低下が主体<br>+乳がんリスクが高い"]
  W --> P2["標準的な入口"]
  W --> P3["T値−3.0未満<br>+<span class='jp-term jp-term-diagram' title='bone resorption marker'>骨吸収マーカー</span>正常"]
  W --> P4["T値−4.0未満<br>またはT値−3.0未満+骨折あり"]
  P1 --> R["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='raloxifen'>ラロキシフェン</span>"]
  P2 --> BD["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='bisphosphonates'>ビスホスホネート</span><br>または<span class='jp-term jp-term-diagram' title='denosumab'>デノスマブ</span>"]
  P3 --> SR["ストロンチウムラネレート<br>(現在は使用されない)"]
  BD --> X1{"副作用・BMD低下?"}
  X1 -->|"切り替え"| R
  X1 -->|"切り替え(旧)"| SR
  R --> X2{"副作用・BMD低下?"}
  SR --> X3{"副作用・BMD低下?"}
  X1 --> Q["T値−3.0未満<br>かつ骨折あり"]
  X2 --> Q
  X3 --> Q
  X2 -->|"それ以外"| RE["入口に戻って選び直す"]
  X3 -->|"それ以外"| RE
  Q --> T["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='teriparatide'>テリパラチド</span>"]
  P4 --> T
  • かが中央の標準ルートで、ここで副作用が出るか骨密度が下がり続ければ、(旧来はストロンチウムラネレートも)へ横に移る。
  • どのルートでも「T値−3.0未満かつ骨折あり」に至れば、のへ進む。はじめからT値−4.0未満、またはT値−3.0未満で骨折があれば、最初からを選ぶ。
  • 骨折の条件は、このアルゴリズムでは下線付きの不等号で「1を超える骨折」と表されている。下線付きの不等号を「以上」と読めば「骨折1個以上」、字義どおりなら「複数の骨折」であり、どちらの意味かは決められない。
  • 「正常」の枝は、が亢進していない例には以外(当時は骨形成促進と抑制の両作用をもつとされたストロンチウムラネレート)を当てる、という発想と読める。

⚠️ ストロンチウムラネレートは使えない。 欧州では安全性の懸念から2013〜2014年に使用が制限され(2014年1月には一時停止も勧告された)、2017年以降は販売されず、2020年4月に販売元の申請(商業上の理由)で販売承認が取り消された3。アルゴリズム上の枝は歴史的なものとして読む。

アルゴリズムの外側にある治療

項目 内容
追加の 、温泉療法(バルネオセラピー)
骨密度の再検 2〜3年ごと
痛みがあるとき 、強い(例:から開始)

💡 の痛みには鎮痛が必要だが、そのもの(とくにオピオイドやのある薬)が転倒の原因になる。高齢者でから少量で始めるのはこのためである。

現行の考え方との違い

論点 従来(2011年版アルゴリズム) 現行
治療開始の閾値 T値−2.5未満かつ 20%超(3%超)の固定値 欧州は年齢依存の介入閾値(例:50〜54歳7.8%、65〜69歳19%)を用い、固定の3%閾値は米国のから来たもので他国には当てはまらないとする12
を先に使う相手 T値−4.0未満、またはT値−3.0未満+骨折 が評価閾値(介入閾値の1.2倍)を超える「非常に高いリスク」では、で始めてへつなぐ2
が使えないとき 、ストロンチウムラネレート か、追加の選択肢としてと1
ストロンチウムラネレート 選択肢の一つ(後に削除線) 欧州で販売承認取り消し(2020年)3

基礎治療:カルシウム・ビタミンDと生活習慣

カルシウムとビタミンDは、どの骨粗鬆症薬でも併用する基礎治療である。のの多くはカルシウム・ビタミンDの併用下で行われており、欠乏したままを使うとを起こしうる。

項目 従来の目安 現行の欧州の目安
カルシウム クエン酸カルシウムで1日1,000〜1,500 mg 摂取量として1日800〜1,200 mgを食事(乳製品)から。食事で800 mg/日に届かなければ補充1
ビタミンD 1日2,000〜3,000 IU。代替として1日1,000 IU(最大2,000 IU)、すなわち30,000 IU製剤を月1錠(最大2錠) 骨折リスクの高い閉経後女性に1日800 IU1
運動・日光 屋外で日光を浴びながら毎日30分以上 個人の能力に合わせた定期的な荷重運動1

💡 クエン酸カルシウムが挙がる理由。 は溶けるのに胃酸が要るので、食後に飲む必要があり、内服中や高齢のでは吸収が落ちる。クエン酸塩は酸に頼らず吸収される。

⚠️ ビタミンDは脂溶性で蓄積する。月1回の大量投与や高用量の長期使用では、・を伴うに注意する。

骨折を防ぐ生活上の対策

骨折の多くは転倒で起こるので、骨を強くすることと転ばないことは同じ重みをもつ。

  • 不動を避け、定期的に運動する。
  • や障害物のない環境を整え、杖などの補助具を使う。
  • 転倒を増やす薬を避ける(下表)。
  • 骨に悪影響のある薬を避ける(下表)。
避けたい理由 薬
転倒を増やす(鎮静・) 鎮静薬、のある抗うつ薬、(、、)、アルコール
転倒を増やす() ()
骨そのものに悪影響 グルココルチコイド、グリタゾン系()、(過剰補充)、

💡 骨への悪影響の機序:グルココルチコイドは骨芽細胞を抑え(医原性)、グリタゾン系はγを介して幹細胞を骨芽細胞でなくへ向かわせ、甲状腺ホルモン過剰はを上げてを優位にし、はカルシウム吸収を落とすと考えられている。は補充が過剰になったとき(が抑制されるほど)が問題である。の薬の詳細は鎮静薬のノート、転倒そのものは転倒を参照。

ビタミンD誘導体

ビタミンD誘導体は、に使うものと、増殖抑制・分化促進作用を使うものに分かれる。

用途 薬 ポイント
(天然型、脂溶性) 肝で25位、腎で1α位が水酸化されて活性型になる
カルシドール、(水酸化された型) 腎機能の落ちた高齢者で優先される
増殖抑制・分化促進 乾癬の外用薬
増殖抑制・分化促進 ドキセルカルシフェロール、パリカルシトール の
増殖抑制・分化促進 セオカルシトール 腫瘍の治療で段階とされた

💡 なぜ高齢者で水酸化型か。 腎機能が落ちると腎のが働かず、天然型のを入れても活性型に変わりにくい。カルシドール(1α位がすでに水酸化され、肝で25位が付けばよい)や(完成品)なら腎を迂回できる。

⚠️ 水酸化型は効きが強い分、治療域が狭い。・(・につながる)が主な問題で、(可能なら尿カルシウム)を頻回に監視し、は慎重にする1。

骨粗鬆症治療薬の比較

⭐ 5つの薬群の要点を1つの表にまとめる。カルシウムとビタミンDは全群に共通の基礎治療である。

エストラジオール
作用 破骨細胞を抑える(抑制) 製剤。で骨を作る(骨形成促進) RANKLに対する抗体。破骨細胞の分化を止める 刺激でを抑える 。骨ではエストロゲン作動、乳腺・子宮では拮抗
予防的な歯科受診 必要 不要 必要 不要 不要
経口(カルシウムと一緒に飲まない)、静注 皮下注 皮下注 経口 経口
適応 骨折予防の第一選択:女性の、男性の骨粗鬆症、(骨に及ぶ悪性腫瘍) 骨折リスクが高いとき:女性の、男性の骨粗鬆症、全身性グルココルチコイド療法による骨粗鬆症 骨折リスクが高いとき:女性の、男性の骨粗鬆症、ホルモン除去療法やグルココルチコイド療法に伴う骨粗鬆症 骨折予防の第一選択ではない:として、早期のの骨折予防、他剤が禁忌・不耐のとき 骨折予防の第一選択ではない:女性の、乳がんリスクが高いとき
週1回・月1回・年1回 毎日(のデータから最長18か月とされた) 6か月ごと 毎日 毎日
より重い副作用 、、 、乳がん、子宮体がん

エストラジオールは、子宮を摘出していない女性では子宮内膜を守るためと併用する。

各群の要点

(、、、)

  • は腸管からの吸収が1%前後と極端に低く、カルシウムなどの2価とを作ってさらに吸収されなくなる。そのため起床時の空腹時に水だけで飲み、30分以上は横にならず飲食もしない。「カルシウムと一緒に飲まない」はこの意味である。
  • 横にならないのは、が食道にとどまって食道炎・潰瘍を起こすのを防ぐためである。アミノでまれに食道炎が起こる1。
  • 骨に長く残るので、週1回・月1回(経口)や年1回(静注)のができる。静注では初回に発熱・筋肉痛などのが出やすい。
  • 経口で5年・静注で3年を目安に治療を見直す1。ただし中止した群では新規臨床骨折が20〜40%多く、リスクがおよそ2倍になったとの報告があり、は骨折リスクを再評価して決める1。

()

  • 60 mgを6か月ごとに皮下注する1。に頼らないので腎機能が落ちていても使えるが、を起こしやすく、開始前にカルシウム・ビタミンDを補っておく。
  • ⚠️ やめ方に注意する。 中止するとが以上に跳ね上がり、骨密度は12〜18か月で元に戻り、が多発するリバウンドが起こる。中止するときはへつなぐ1。

()

  • は持続的に高いと骨を溶かすが、1日1回のでは骨芽細胞を優位に刺激して骨を作る。1日1回皮下注する。
  • 投与期間は18〜24か月で研究されており、による治療は18〜24か月に限られる。やめると効果は薄れていく(非の抑制は中止後30か月まで続いたとの報告はある)ので、終了後はへつなぐ1。推奨用量は1日20 µgの皮下注である1。
  • はに長期間・超大量を投与した試験で増えたもので、には当てはまらないと考えられている1。「18か月まで」という上限は、この動物データへの慎重さから置かれた当時の制限である。

エストラジオール・

  • エストロゲンは骨密度によらず椎体・非椎体(を含む)骨折を約30%減らす1が、長期のは乳がん・脳卒中・などのリスクを伴うため、骨粗鬆症だけを理由には第一選択にしない。詳細はを参照。
  • はを30〜50%減らすが、非の有意な減少は示されていない。乳腺ではエストロゲンに拮抗し、浸潤性乳がんを約60%減らした1。このため「の骨密度低下が主体で乳がんリスクが高い女性」に向く。重い副作用はを中心とするで、と下肢のも多い1。

副作用と監視の要点

副作用 起こす薬 予防・監視
、 開始前に歯科受診、治療中もと定期的な歯科受診。骨粗鬆症の用量では10万人・年あたり1例程度と非常にまれ1
(長期)、 大腿部・の痛みを問う。長期投与で見直し
・食道炎 経口 服用法の徹底。嚥下障害・では静注剤へ
、 事前のカルシウム・ビタミンD補充、
、水酸化型ビタミンD
エストラジオール、 血栓症の既往・で避ける
乳がん・子宮体がん エストラジオール 子宮がある女性では併用、乳房検診

💡 歯科受診が「必要」なのはを起こす2つだけ。 ももを強く止めるので、などで顎骨に傷ができると治りにくい。治療を始める前になどの侵襲的な歯科処置を済ませておくのが予防の中心である。

表にない骨形成促進薬

表の5群のほかに、現在は(PTHrP類似体)と、抗体のがある。は骨形成促進と抑制の両方の作用をもつが、心筋梗塞・脳卒中の増加が懸念されており、心血管リスクを確認して使う。いずれも「非常に高いリスク」でを先に使う考え方2の中で位置づけられる。

ステロイド性骨粗鬆症

グルココルチコイドは早期に破骨細胞を活性化し、続いて骨芽細胞の増殖を抑え、骨芽細胞・骨細胞のアポトーシスを増やす。骨量の減少は開始後3〜6か月で最も速い4。2.5 mg/日以上で椎体・とも骨折が増え、30 mg/日以上や5 g/年以上ではさらに増える4。このためアルゴリズムでは、ステロイド性ではカルシウム・ビタミンDに最初から骨粗鬆症薬(または)を加える。

現行の2022年版は、換算2.5 mg/日以上を3か月を超えて使う成人を対象に、全員にカルシウム・ビタミンDの最適化との改善を勧め、リスク区分で治療を決める4。

リスク区分(40歳以上) 条件 初期治療
非常に高い の既往、T値−3.5以下、ステロイド補正で主要骨折30%以上か4.5%以上、30 mg/日以上を30日を超えて、5 g/年以上のいずれか ・PTHrP製剤をより優先(条件付き)
高い T値−2.5以下(−3.5より高い)、またはで主要骨折20〜30%か3〜4.5% 経口を強く推奨。、、・PTHrP製剤も選択肢
中等度 で主要骨折10〜20%か1〜3%、またはT値−1.0〜−2.4 骨粗鬆症治療を推奨(経口・、、・PTHrP製剤)
低い 上のいずれにも当たらない カルシウム・ビタミンDとの改善のみ

出典:4

💡 はステロイドの用量を「使っているか否か」でしか入力しないので、7.5 mg/日を超えるときは主要骨折の確率を1.15倍、の確率を1.2倍に補正する4。薬の選択は順位づけではなく、併存症と患者の希望で決めるとされる4。ステロイドの減量・離脱そのものは医原性で扱う。

まとめ

  • 骨粗鬆症は・微細構造の破綻・骨質の劣化で骨折しやすくなる全身性・進行性の疾患で、のT値−2.5以下で診断し、10年の・主要の確率を出すで治療を決める。
  • 従来のアルゴリズムは、T値−1.0〜−2.5ならとカルシウム・ビタミンD、T値−2.5未満かつ 20%超(3%超)なら代謝性骨疾患を鑑別して薬物療法とし、ステロイド性では最初からかを加える。
  • 閉経後女性はかが標準で、乳がんリスクが高く優位なら、T値−4.0未満やT値−3.0未満+骨折なら。ストロンチウムラネレートは欧州で販売承認が取り消された。
  • 基礎治療はカルシウム(従来1,000〜1,500 mg、欧州の現行では摂取800〜1,200 mg)とビタミンD(従来2,000〜3,000 IU、欧州の現行では800 IU)、運動と。転倒を増やす薬(・鎮静薬・・アルコール)と骨に悪い薬(ステロイド・グリタゾン・過剰な・)を避ける。
  • 腎機能の落ちた高齢者には水酸化型ビタミンD(カルシドール・)を使い、を監視する。
  • 副作用の対応:は・・、はと中止後の、は(動物データ。18〜24か月で終了しへ)、エストラジオールは・乳がん・子宮体がん、は。を起こす2剤では開始前に歯科受診。
  • 現行の欧州の考え方は年齢依存の閾値と「非常に高いリスク」での先行、ステロイド性は2022年版のリスク区分(2.5 mg/日以上・3か月超が対象)で治療する。

出典

  1. 1.European guidance for the diagnosis and management of osteoporosis in postmenopausal women(International Osteoporosis Foundation / European Society for Clinical and Economic Aspects of Osteoporosis and Osteoarthritis(Kanis et al., Osteoporosis International)・2019)PMC7026233の全文で次を確認した。骨粗鬆症の操作的定義は大腿骨頸部または脊椎のDXAによるBMDが若年女性平均より2.5 SD以上低いこと(T値−2.5以下)で、骨量減少は疾患区分ではなく疫学的記述のためのものとすること。カルシウム摂取は1日800〜1200 mgで食事から摂るのが望ましく、食事からの摂取が800 mg/日未満ならカルシウム補充が適切であり、骨折リスクの高い閉経後女性には1日800 IUのコレカルシフェロールを勧めること、荷重運動と転倒歴の聴取を勧めること。経口ビスホスホネートが大多数で初期治療となり、不耐・禁忌なら静注ビスホスホネートかデノスマブ、追加の選択肢としてラロキシフェンと閉経期ホルモン療法を挙げ、テリパラチドは骨折リスクが高い患者に優先的に勧めること。ビスホスホネートは3〜5年で見直し、中止群では新規臨床骨折が20〜40%多く椎体骨折リスクはおよそ2倍だったこと、デノスマブ(60 mgを6か月ごと皮下注)の中止で椎体骨折がリバウンドし、中止時にビスホスホネートを考慮すること。テリパラチドは1日20 µgの皮下注で18〜24か月の投与で研究され、骨形成促進薬の治療は18〜24か月に限られ、非椎体骨折への効果は中止後30か月まで続いたとされ、ラットの長期超大量投与で骨肉腫が増えたが臨床用量には当てはまらないとされること。骨粗鬆症患者のビスホスホネートによる顎骨壊死は10万人・年あたり1例程度と非常にまれで、アミノビスホスホネートで食道炎がまれにあり非定型大腿骨転子下骨折と関連しうること。アルファカルシドール・カルシトリオールの問題は高カルシウム血症と高カルシウム尿症で、血清・尿カルシウムの頻回な監視が必要なこと。多くの著者がビスホスホネートを静注3年・経口5年で見直すよう勧めていること、エストロゲンが骨密度によらず椎体・非椎体(大腿骨近位部を含む)骨折を約30%減らすこと、ラロキシフェンが椎体骨折を30〜50%減らし非椎体骨折の有意な減少はなく、浸潤性乳がんを約60%減らし、重い有害事象は深部静脈血栓症で、ほてりと下肢のこむら返りが多いこと。固定のFRAX閾値(大腿骨近位部3%)は米国の費用対効果に基づき他国には当てはまらないこと。閲覧 2026-09-26
  2. 2.Algorithm for the management of patients at low, high and very high risk of osteoporotic fractures(International Osteoporosis Foundation / European Society for Clinical and Economic Aspects of Osteoporosis and Osteoarthritis(Kanis et al., Osteoporosis International)・2020)PMC7018677の全文で、FRAXの主要骨粗鬆症性骨折が臨床的椎体・大腿骨近位部・前腕・上腕骨の骨折であること、年齢依存の介入閾値(欧州5か国の加重平均で50〜54歳7.8%、65〜69歳19%など)と上位評価閾値(介入閾値の1.2倍)を置き、上位評価閾値を超える確率を「非常に高いリスク」と定義すること、高リスクでは骨吸収抑制薬から、非常に高いリスクでは骨形成促進薬で開始して骨吸収抑制薬へつなぐことが適切でありうるとすること、ステロイド高用量(7.5 mg/日超)ではFRAX確率を約15%上方修正することを確認した。閲覧 2026-09-26
  3. 3.Protelos: EPAR — withdrawn medicine(European Medicines Agency・2020)EMAの製品ページで、2020年4月14日に欧州委員会がストロンチウムラネレート(Protelos)の販売承認を、販売元Servierが商業上の理由で販売を恒久的に中止すると通知したことを受けて取り消したこと、EUでは2017年以降販売されていなかったこと、それ以前の2013年4月に使用制限の勧告、2014年1月にPRACの使用停止勧告、2014年2月にさらなる制限つきで存続とする勧告が出ていたことを確認した(製品ページには制限の具体的な安全性上の理由は書かれていない)。閲覧 2026-09-26
  4. 4.2022 American College of Rheumatology Guideline for the Prevention and Treatment of Glucocorticoid-Induced Osteoporosis(American College of Rheumatology・2023)eScholarship掲載の本文PDFで次を確認した。対象はプレドニゾン換算2.5 mg/日以上を3か月を超えて使う患者で、年齢相応のカルシウム・ビタミンDの最適化と生活習慣の改善(禁煙、飲酒を1日2単位以下、荷重・抵抗運動)を全員に条件付きで推奨すること。表1のリスク区分(40歳以上)で、非常に高いリスクは骨粗鬆症性骨折の既往、T値−3.5以下、ステロイド補正FRAXの主要骨折30%以上または大腿骨近位部4.5%以上、30 mg/日以上を30日を超えて、または累積5 g/年以上のいずれか、高リスクはT値−2.5以下−3.5超またはFRAX主要骨折20〜30%・大腿骨近位部3〜4.5%とし、7.5 mg/日を超えるときは主要骨折確率を1.15倍、大腿骨近位部を1.2倍に補正すること。序論で、2.5 mg/日以上で椎体・大腿骨近位部の骨折が増え、30 mg/日以上や累積5 g/年以上でさらに増えること、骨量減少は開始後3〜6か月で最も速く、早期の破骨細胞活性化に続き骨芽細胞の増殖低下と骨芽細胞・骨細胞のアポトーシス増加が起こることを述べる。中等度以上のリスクには骨粗鬆症治療を強く推奨し、高・非常に高いリスクで経口ビスホスホネートを無治療より強く推奨し、非常に高いリスクではPTH・PTHrP製剤を骨吸収抑制薬より条件付きで推奨すること、薬の選択は順位づけではなく併存症と患者の希望によるとすること。閲覧 2026-09-26