眼科学

眼科学 · ML-33A

緑内障 II:治療方針・閉塞隅角・続発緑内障

Glaucoma II

前提:病態
コリン作動性・アドレナリン作動性伝達とそのシナプス前調節
薬剤
ドルゾラミド

🧠 全体像:緑内障治療の手段は薬・レーザー・手術の3つで、どれも「を減らすか、出口を広げるか」でを下げる。慢性のでは、患者ごとにを決め、1剤から始めて足りなければ切り替え・追加し、や手術へ進む。閉塞隅角ではの通り道そのものを開ける(切開・)ことが本体で、急性発作は数時間で失明につながる救急である。は、原因の病気の治療と下降を同時に行う。

治療の目標と全体方針

治療の目標

  • を下げて、と障害の進行を防ぐか、最小限に抑える。
  • 初診時のが非常に高いとき、または単剤で不十分なときは、薬を組み合わせる。

緑内障の病態、進行の測り方、治療の目標が「生涯の視機能」であることは緑内障 Iで扱った。

目標眼圧

現行の欧州緑内障学会は、を「生涯にわたって視覚に関連した生活の質を保てる程度に、視野の悪化を防ぐか遅らせると考えられるの上限」と定義し、眼ごとに設定するよう求めている1。

病期 目標の目安
初期 18〜20 mmHg、かつ治療前から20%以上の下降
中期 15〜17 mmHg、かつ30%以上の下降
8〜12 mmHg 程度が必要になりうる

数値は同学会の目安である1。設定では次の因子を考える。

因子 考え方
病期 障害が大きいほど低く
年齢と余命 若く余命が長いほど低く。ただし高齢は速い進行の危険因子でもある
無治療時の 無治療が低い(など)ほど低く
進行速度 速いほど低く。視野を2〜3年追跡して進行速度が分かったら見直す
その他 、、反対眼の状態、家族歴、治療の副作用、患者の希望

💡 は一度決めたら終わりではない。目標に入っていても視野が進行していれば下げ、目標に届かなくても長く安定していれば見直してよい1。

眼圧を下げる3つの手段

手段 内容
保存的治療(薬物治療) 点眼、内服、静注
切開、形成術、
・その他の手術 、シャント、周辺切除、
flowchart TD
    A["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='open-angle glaucoma'>開放隅角緑内障</span>・<br>治療が必要な<span class='jp-term jp-term-diagram' title='ocular hypertension'>高眼圧症</span>"] --> B["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='target intraocular pressure'>目標眼圧</span>を設定"]
    B --> C{"診断時に<br><span class='jp-term jp-term-diagram' title='progressive stage'>進行期</span>の<span class='jp-term jp-term-diagram' title='visual field defect'>視野障害</span>があるか"}
    C -->|"ない"| D["点眼(単剤)または<br><span class='jp-term jp-term-diagram' title='selective laser trabeculoplasty'>選択的レーザー線維柱帯形成術</span> SLT"]
    C -->|"ある"| E["初回から手術も考慮"]
    D --> F{"<span class='jp-term jp-term-diagram' title='target intraocular pressure'>目標眼圧</span>に達し<br>視野・OCTは安定しているか"}
    F -->|"はい"| G["同じ治療で経過観察<br><span class='jp-term jp-term-diagram' title='target intraocular pressure'>目標眼圧</span>を定期的に見直す"]
    F -->|"いいえ"| H["別の単剤への切り替え<br>別系統の追加、SLT"]
    H --> I{"それでも不十分か"}
    I -->|"はい"| J["手術<br>(<span class='jp-term jp-term-diagram' title='trabeculectomy'>線維柱帯切除術</span>など)"]
    I -->|"いいえ"| G

流れの骨組みは欧州緑内障学会の整理による。多くのは点眼かで始め、診断時にすでにのがある場合は初回手術も考慮する1。

⭐ SLTを第一選択にする根拠:LiGHT 試験

は、かつては点眼が効かないときの次の手段と考えられていた。LiGHT 試験は、未治療の・718例を初回SLTと初回点眼に割り付けた2。

結果(3年) SLT群 点眼群
健康関連の生活の質(EQ-5D) 差なし 差なし
点眼なしでを保てた割合 74.2% —
下降のための緑内障手術 0例 11例
SLTが優れる確率97% —

著者らは、SLTをとの第一選択として提示すべきとした2。6年の追跡でもSLT群の約7割が点眼なしで目標内にとどまり、進行はSLT群で少なかった(19.6%対26.8%)1。

⚠️ 参加者の大半はか初期の緑内障だったため、進行した緑内障にそのまま当てはまるとは限らない1。レーザーの手技と適応・禁忌は小児と成人の緑内障手術で扱う。

薬物治療

薬物治療の原則

治療は1剤から始める。薬を選ぶときは次を考える。

観点 内容
有効性 どれだけが下がるか
安全性 全身・局所の禁忌と副作用
と生活の質 充血・しみるなどで続けられるか
遵守と費用 1日の点眼回数、
患者の協力 正しく点眼し続けられるか

現行の欧州緑内障学会では、単剤が無効・不耐なら追加より別の単剤への切り替えを優先し、効いているが目標に届かないときに別系統を加える1。各薬の作用機序・濃度・下降率・禁忌・副作用、系統の選び方の詳細は眼科の薬理:点眼薬にまとめてあり、ここでは治療を組み立てるときに使う数字(効き始め・点眼回数・で効果が消えるまでの期間)を整理する。

抗緑内障薬の5系統:臨床で使う数字

系統 作用 薬と濃度 点眼回数 効果のピーク で効果が消えるまで
β遮断薬 を抑える 非選択的:レボブノロール0.5%、0.25%・0.5%/:0.25%・0.5% 1日2回(との配合剤なら1日1回) 点眼2時間後 2〜5週
を増やす 、、など 1日1回(ウノプロストンのみ1日2回) 点眼8〜12時間後。最大の下降は開始3〜5週後 4〜6週
の(II型とIV型)を阻害してを抑える 点眼:1%、2%/内服:250 mg錠を1日1〜4錠(250〜1,000 mg) 1日2回、1日3回 — 点眼1週、内服3日
α2作動薬 分泌を抑える 0.2%(ハンガリーでは配合剤のみ:0.2%+0.5%、0.2%+1%) 1日2回 点眼2〜4時間後 1〜3週
の線維を収縮させて流出を増やす 1〜4% 1日1〜4回 点眼1時間後から効き、6〜7時間続く 3日

💡 「で効果が消えるまで」の期間は、薬を切り替えるときや、無治療のを測り直すときに、前の薬の影響が残っていないかを判断する目安になる。は効果が出るのも消えるのも遅いので、切り替えの効果判定は数週待ってから行う。

系統ごとの副作用と禁忌の要点

系統 全身 局所 禁忌の要点
β遮断薬 徐脈、、うつ まれ:、 喘息・COPD・・房室ブロック・心不全。小児では早産児・新生児で禁忌
まれ:呼吸困難、喘息の悪化 、、かゆみ、睫毛の伸長、皮膚との色素沈着増加、、ヘルペス角膜炎の、前部ぶどう膜炎 2種類を併用しない1
(点眼) — かゆみ、灼熱感、、かすみ、、、 細胞の少ない眼(の危険)
(内服・静注) 、、嘔吐・下痢、腎結石、、代謝性アシドーシス、電解質異常。に典型的な反応:アナフィラキシー、、、骨髄抑制、その他の — アレルギー、重い腎・肝障害、低Na・低K血症
α2作動薬 口渇、疲労、傾眠、低血圧 眼瞼挙上、眼周囲の皮膚炎、、 MAO阻害薬の内服、小児(現行では2歳未満は、7歳未満または20 kg未満は1)
腸管の痙攣、 、偽、の痛み、、の痙攣、の増強 性・後方の機序の閉塞隅角、術後炎症・ぶどう膜炎、、の危険が高い眼

副作用の欄はそれぞれの薬の一般的な整理で、禁忌の欄は欧州緑内障学会の薬剤表と小児の項の記載による1。

⚠️ は主に閉塞隅角で使う薬だが、の収縮でが前に出てをかえって強めることがある。どの閉塞隅角に使ってよいかは次の「」で整理する。

併用療法:どの組み合わせが上乗せになるか

最初の薬 \ 追加する薬 α2作動薬 β遮断薬 (点眼)
α2作動薬 — + + + +
β遮断薬 + — + + +
(点眼) + + — + +
+ + + — ±
+ + + ± —

表は欧州緑内障学会の第3版(2008年)の整理で、+は効果あり、±は効果が不確かなことを示す。

💡 との組み合わせだけが「±」なのは、がぶつかるためと説明される。はを収縮させて筋線維の間のすき間を狭めるので、が広げようとするを狭める方向に働く。現行の第6版も、は他のほとんどの薬と効果があるとしつつ、2種類のの併用はしないとしている1。

配合剤の利点

配合剤は2つのを1本の点眼にまとめたもので、2剤を別々に点眼するのに比べて次の利点がある。

  • 点眼回数が減り、遵守がよくなり、費用も下がる。
  • にさらされる量が減る。
  • 局所と全身の副作用が少ない。

現行の欧州緑内障学会も、配合剤は2剤を別々に点眼するより好ましいとする一方、第一選択としては勧めず(非常に高いや進行例は例外)、まず単剤から始める原則を維持している1。

レーザー治療と手術の位置づけ

方法 使うレーザー・手技 主な対象
レーザー切開 Nd:YAG レーザー、 による閉塞隅角
、周波数倍増 Nd:YAG レーザー(SLT) 、
、周波数倍増 Nd:YAG レーザー ほかの治療が効かない難治緑内障
周辺切除 手術 主に閉塞隅角
: 手術 保存的治療が効かなかった患者の標準手術
(シャント) 手術 の流出能を高める。が効きにくい・効かなかった眼

それぞれの手技・適応・合併症は小児と成人の緑内障手術で扱う。

閉塞隅角の治療

閉塞隅角の3段階と機序

閉塞隅角は、周辺がに180度以上接している状態で、で診断する1。

段階 定義
原発閉塞隅角疑い 180度以上の接触。正常、なし、なし
原発閉塞隅角 180度以上の接触に、かが加わる。なし
180度以上の接触に、が加わる
機序(前から後ろへ) 例
瞳孔 (最大75%で最多)
膨化、の
より後方 の誤流(悪性緑内障)、腫瘍、ガス・、滲出

分類と機序の整理は欧州緑内障学会による1。前の2つ(瞳孔・)と後ろの2つ(・後方)では治療が逆になる。に効くは、後方の機序ではかえって閉塞を悪化させる1。

慢性の閉塞隅角の治療

段階 治療
原発閉塞隅角疑い 経過観察かレーザー周辺切開。が強い、家族歴がある、が必要な病気がある、を使う、症状を訴えにくい、片眼しかない、救急の眼科に通えない地域に住むなど、危険因子が加わる人に勧める
原発閉塞隅角 レーザー周辺切開か、高リスク例では
症候性があれば速やかに。がなくても、とくに50歳以上ではを考える。レーザー周辺切開は手技の危険が小さいが効果も劣り、点眼の継続が必要になりやすい。薬物治療はと同様にがふつう第一選択で、は副作用のため長期には続けにくい

治療の選び方は欧州緑内障学会による1。根拠の中心はEAGLE 試験で、50歳以上の、30 mmHg以上の原発閉塞隅角またはでは、初回の透明がレーザー周辺切開より3年後の生活の質とで優れた1。

💡 は年齢とともに厚くなり、を後ろから押してを強める。をに置き換えるとが深くなり、と、癒着していないが解消する。を下げる点眼だけで済ませず、レーザーか手術でとの接触を解くことが治療の本体である1。

⭐ 急性閉塞隅角発作の初期治療

急性閉塞隅角は救急である。すぐに治療すればなく治りうるが、遅れると短時間で重い視力障害に至り、自然には解除されないことが多い1。症状と徴候(激しい眼痛、と、悪心・嘔吐、縦長にして動かない瞳孔、触診で硬い眼球)は緑内障 I、赤目の鑑別は赤目の鑑別で扱う。

⚠️ 治療は順番に試すのではなく、診断したらすぐに並行して始める。 まず焦点を絞った病歴と診察で、誘因となった薬(点眼・全身薬)を確かめ、続発性・性・後方の機序を除外する1。

flowchart TD
    A["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='acute angle-closure attack'>急性閉塞隅角発作</span>と診断"] --> B["病歴と診察<br>誘因薬の確認・薬剤アレルギーの確認<br><span class='jp-term jp-term-diagram' title='lens'>水晶体</span>性・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='lens'>水晶体</span>後方の機序を除外"]
    B --> C["ただちに並行して開始"]
    C --> D["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='aqueous humor production'>房水産生</span>を抑える点眼"]
    C --> E["ステロイドの頻回点眼<br>(例:1日6回)"]
    C --> F["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='intraocular pressure'>眼圧</span>40 mmHg以上なら<br><span class='jp-term jp-term-diagram' title='acetazolamide'>アセタゾラミド</span><br>(嘔吐時・急ぐときは静注10 mg/kg)"]
    D --> G{"<span class='jp-term jp-term-diagram' title='intraocular pressure'>眼圧</span>は十分に下がったか"}
    E --> G
    F --> G
    G -->|"下がらない"| H["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='mannitol'>マンニトール</span>静注を考慮<br>(心・腎疾患を評価し、繰り返さない)"]
    G -->|"下がった"| I["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='pupillary block'>瞳孔ブロック</span>なら<span class='jp-term jp-term-diagram' title='pilocarpine'>ピロカルピン</span>2%<br>(<span class='jp-term jp-term-diagram' title='presentation'>来院時</span>40 mmHg以上なら下がるまで待つ)<br><span class='jp-term jp-term-diagram' title='lens'>水晶体</span>性・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='lens'>水晶体</span>後方の機序には使わず<span class='jp-term jp-term-diagram' title='cycloplegic agent'>調節麻痺薬</span>"]
    H --> I
    I --> J["角膜が澄んだら<br>レーザー周辺<span class='jp-term jp-term-diagram' title='iris'>虹彩</span>切開"]
    J --> K["有<span class='jp-term jp-term-diagram' title='lens'>水晶体</span>の<span class='jp-term jp-term-diagram' title='fellow eye'>僚眼</span>にも<br>退院前にレーザー周辺<span class='jp-term jp-term-diagram' title='iris'>虹彩</span>切開"]
薬・処置 使い方と注意
抑制薬の点眼(、など) 診断後ただちに。は作用が遅いので急性期には役立ちにくい1
ステロイドの頻回点眼 炎症を抑える。例として1日6回1
40 mmHg以上で直ちに。嘔吐しているとき・速い効果が必要なときは静注10 mg/kg。アレルギー・重い腎疾患では避ける。低K血症・代謝性アシドーシス・呼吸困難に注意1
で不十分なとき、0.5〜1.5 g/kg を15〜20%液で3〜5 mL/分で静注。を脱水させる。循環血液量が増えるので心・腎疾患を評価し、繰り返し投与しない1
2% が疑われるとき。が著しく高いとが虚血に陥って効かないことがあるので、40 mmHg以上なら下がってから使う。大量使用は腹部の痙攣痛・発汗を起こすので避ける。性・後方の機序ではを前に出すので禁忌で、代わりに(、、)を使う1
レーザー周辺切開 角膜が十分に澄みしだい。有のにも、できれば発作眼の治療時・退院前に行う1

薬とレーザーで解除できないときの選択肢は次のとおりである1。

選択肢 位置づけ
レーザー周辺形成術 浮腫のある角膜でも届きやすい。で切開ができない、薬で1〜2時間以内にが下がらないときに。成功しても角膜が澄んだら切開が必要
その場でを下げ、角膜を澄ませて切開を可能にする。が極端に浅いので熟練者が行う。効果は短い
周辺切除、 薬と切開が効かない、で切開ができないとき
発作の解除後、眼が落ち着いたら早期に考える(が続く、切開後も接触が残る例)。最後の手段として発作の解除にも使える

💡 並行して始める理由:とでを下げると、虚血に陥っていたがに反応するようになり、が引いてレーザーが通るようになる。各段階が次の段階の前提なので、1つずつ効果を待っている時間はない。薬理は眼科の薬理:点眼薬も参照。

発作のあとに残る所見

のまだらな萎縮とねじれ、、反応しないか鈍い瞳孔、緑内障斑(の灰白色の斑点)、、癒着がなくてもの障害による流出低下、細胞の減少、弱い、蒼白で平坦な乳頭(に似る)または緑内障性のリム喪失1。

発作を誘発する薬と散瞳

⚠️ 管支拡張薬(、)、SSRI、、、違法な興奮薬など、副交感神経遮断・交感神経刺激作用のある薬は、の浅い眼で発作を誘発しうる。やは、滲出で隔膜を後ろから押すという別の機序で閉塞隅角を起こす1。

診断のためのは一般の人ではおおむね安全で、せずに網膜の病気を見逃す危険のほうがはるかに大きい。ただしした人には、眼痛などが出たらすぐ受診するよう説明する。後にでさせて「戻す」ことはしない(瞳孔が中等度で固定され、かえって危険になる)1。

続発緑内障の治療

では、原因の病気の治療と下降を同時に進める。機序の分類(の目詰まり・障害、の上昇、引っぱられる・押される閉塞)は緑内障 Iで扱った。

続発開放隅角緑内障

病型 手がかり 治療の要点
() の白い物質、が高く変動が大きい、進行がPOAGの約3倍速い POAGに準じる。も薬も有効だが効果は薄れる。片眼性でも反対眼を定期的に調べる
色素緑内障() の若い男性、の放射状の透光、の縦長の色素沈着、濃く色素沈着した POAGに準じる。後はが跳ね上がりやすいので低出力で予防薬を使う
起因 成熟・過熟からの物質の漏出、外傷で散った片 ステロイド頻回点眼と、(片)の摘出
眼内出血(前房出血、) 赤血球や変性した赤血球がを詰まらせる 。鎌状赤血球症ではと薬を避ける。下がらなければ・。隅角のを必ず除外
ぶどう膜炎続発 炎症細胞・沈着物・癒着がを障害。や・では、軽い炎症のわりにが 炎症とを同時に治療。ウイルス性なら抗ウイルス薬。β遮断薬とが従来の第一選択で、炎症が落ち着いていればも使える。急性期のは避ける
点眼・・長期の全身投与の2〜6週後に多い 可能ならステロイドを中止するか弱いものに替える。、、難治例は手術
外傷・() 何年も経ってからが上がることがある と、必要なら手術。があればが正常でも生涯年1回診察する
の上昇 拡張・うっ血した上強膜静脈。では() 原因の治療、、手術

表の内容は欧州緑内障学会の病型別の記載による1。ぶどう膜炎の側からの見方はぶどう膜炎の分類と前部ぶどう膜炎も参照。

続発閉塞隅角緑内障

病型 機序 治療の要点
続発性の ぶどう膜炎の全周のによる膨隆、膨化・偏位した、、 だけでは不十分。炎症があればステロイド点眼、Nd:YAG レーザー周辺切開、周辺切除、・、。が原因なら中止
() (、など)で隅角にができ、はじめはのまま流出を妨げ、やがて収縮して癒着性に閉じる 原因にはと網膜光凝固(または)。にはステロイド点眼・・、手術は主にシャント(が落ち着いていれば併用のも)、。は禁忌
、上皮・線維の侵入 内皮や侵入した組織の膜が隅角を覆う 、シャント。の成績は限られる
の誤流(悪性緑内障) やの後に、が側へたまってが前に押し出される。小さい眼(眼軸21 mm未満)、強い、が危険因子 (、)、抑制薬、薬。開通したレーザー周辺切開を確保する。は禁忌

治療の要点は欧州緑内障学会による1。の治療は障害との治療で扱う。

まとめ

  • 治療の目標は、を下げて視野と乳頭の障害の進行を防ぐこと。が非常に高いか単剤で不十分なら薬を組み合わせる。
  • は眼ごとに、病期・年齢と余命・無治療・進行速度で決め、視野の経過で見直す(初期18〜20 mmHgかつ20%以上、中期15〜17 mmHgかつ30%以上、8〜12 mmHg程度)。
  • 手段は保存的治療(点眼・内服・静注)、レーザー、などの手術。⭐ LiGHT 試験以後、SLTは点眼と並ぶ第一選択である。
  • 薬物治療は1剤から。有効性・安全性・と生活の質・遵守と費用・患者の協力で選び、無効なら切り替え、不十分なら別系統を追加する。
  • 5系統の数字:β遮断薬(ピーク2時間、1日2回、2〜5週)、(ピーク8〜12時間、3〜5週、1日1回、4〜6週)、(1日2回・1日3回、内服250〜1,000 mg/日、は点眼1週・内服3日)、α2作動薬(ピーク2〜4時間、1日2回、1〜3週)、(1時間で効き6〜7時間、1日1〜4回、3日)。
  • 併用はほぼすべての組み合わせでがあるが、との組み合わせは不確か。2種類のは併用しない。配合剤は遵守・費用・・副作用の点で有利だが第一選択ではない。
  • 閉塞隅角はとの接触を解くことが本体(レーザー周辺切開、)。瞳孔・の機序と・後方の機序ではの扱いが逆になる。
  • ⭐ :抑制薬の点眼・ステロイド頻回点眼・(40 mmHg以上で)を並行して直ちに開始し、不十分なら、ならが下がってから2%、角膜が澄んだらレーザー周辺切開を発作眼と有のに。
  • は原因とを同時に治療する。はステロイドの中止・変更、はと網膜光凝固で、は禁忌。

出典

  1. 1.Terminology and Guidelines for Glaucoma, 6th Edition(European Glaucoma Society・2025)EGSが配布する全文PDF(Br J Ophthalmol 2025年9月8日オンライン公開)で確認した。目標眼圧は生涯の生活の質を保てる程度に視野悪化を遅らせる眼圧の上限で、初期は18〜20 mmHgかつ20%以上、中期は15〜17 mmHgかつ30%以上の下降、進行例は8〜12 mmHgが必要になりうること、病期・年齢と余命・無治療眼圧・進行速度で決め、2〜3年の追跡で進行速度が分かれば見直すこと。開放隅角緑内障の多くは点眼かレーザー線維柱帯形成術で始め、進行した視野障害では初回手術も考慮すること。治療は単剤で始め(非常に高い眼圧と重症例を除く)、無効なら別の単剤へ切り替え、目標に届かなければ別系統を加え、配合剤は2剤の別々の点眼より好ましいが第一選択には勧めないこと、2種類のプロスタグランジン関連薬を併用しないこと、α2作動薬は2歳未満で絶対禁忌・7歳未満または20 kg未満で相対禁忌であること。閉塞隅角をPACS・PAC・PACGの3段階に分け、機序を瞳孔・毛様体・水晶体・水晶体後方の4つに分け、瞳孔ブロックが最大75%を占め後方機序には縮瞳薬が悪化要因になること、PACSは追加の危険因子がある場合にレーザー周辺虹彩切開を勧め、PACはレーザー周辺虹彩切開か高リスク例で水晶体摘出、EAGLE試験では50歳以上で眼圧30 mmHg以上のPACまたはPACGに対し水晶体摘出がレーザー周辺虹彩切開より生活の質と眼圧で優れたこと、症候性白内障があれば速やかに白内障手術を行うこと。急性閉塞隅角では誘因薬を含む病歴で続発・水晶体性・水晶体後方の機序を除外し、房水産生抑制薬中心の点眼とステロイド頻回点眼(例:1日6回)を直ちに行い、眼圧40 mmHg以上ならアセタゾラミド(嘔吐時・急ぐときは静注10 mg/kg。サルファ剤アレルギー・重い腎疾患では避ける)を直ちに、不十分ならマンニトール0.5〜1.5 g/kg(15〜20%液を3〜5 mL/分)を心・腎疾患を評価したうえで考慮し繰り返さないこと、プロスタグランジン関連薬は作用が遅く急性期には有用性が低いこと、瞳孔ブロックならピロカルピン2%を使うが眼圧40 mmHg以上では下がるまで待ち、大量使用を避け、水晶体・水晶体後方の機序では禁忌で調節麻痺薬を使うこと、角膜が澄み次第レーザー周辺虹彩切開を行い有水晶体の僚眼にも退院前に行うこと、不応例では虹彩形成術・前房穿刺・周辺虹彩切除・毛様体光凝固を考え、発作の解除後は早期の水晶体摘出を考慮すること、発作後の所見(虹彩萎縮・後癒着・反応の乏しい瞳孔・緑内障斑・周辺虹彩前癒着・内皮細胞減少・弱いチン小帯)。閉塞隅角を誘発しうる全身薬(吸入気管支拡張薬・SSRI・三環系抗うつ薬、トピラマートとサルファ剤は毛様体脈絡膜滲出による)と、散瞳は一般に安全で散瞳後にピロカルピンで縮瞳させないこと。続発緑内障ごとの治療(落屑・色素性・水晶体起因・出血・ぶどう膜炎・ステロイド・血管新生・虹彩角膜内皮症候群・上皮線維侵入・房水の誤流・外傷・上強膜静脈圧上昇・続発瞳孔ブロック)。PACGの薬物治療はPOAGと同様でプロスタグランジン関連薬がふつう第一選択。薬剤表の禁忌(β遮断薬:喘息・COPD・60/分未満の洞徐脈・房室ブロック・心不全、炭酸脱水酵素阻害薬点眼:角膜内皮細胞数の少ない眼、ピロカルピン:術後炎症・ぶどう膜炎・血管新生緑内障・網膜剥離の危険)と、小児の項のβ遮断薬の早産児・新生児での禁忌。プロスタグランジン関連薬は他のほとんどの薬と上乗せ効果があること。閲覧 2026-09-29
  2. 2.Selective laser trabeculoplasty versus eye drops for first-line treatment of ocular hypertension and glaucoma (LiGHT): a multicentre randomised controlled trial(The Lancet(Gazzard G, et al.)・2019)Europe PMCの抄録(PMID 30862377)で、未治療の開放隅角緑内障・高眼圧症718例を初回SLTと点眼に割り付け、3年時の健康関連QOL(EQ-5D)に差がなかったこと、SLT群の74.2%が点眼なしで目標眼圧を保ったこと、緑内障手術はSLT群0例・点眼群11例であったこと、SLTが費用対効果で優れる確率が97%で、著者らが開放隅角緑内障と高眼圧症の第一選択としてSLTを提示すべきと結論したことを確認した閲覧 2026-09-29