循環器学

循環器学 · A-04

拡張型心筋症

Dilated cardiomyopathy

前提:病態
心筋炎・心筋症心筋肥大
前提:正常
心臓のポンプ機能と心拍出量心筋
疾患
拡張型心筋症拘束型心筋症左室拡張機能障害心筋症頻脈誘発性心筋症
検査値
左室駆出率

🧠 全体像:は「収縮力低下→容量を増やして代償→と拡張→さらに収縮力低下」という悪循環を示す心筋疾患である。

心筋症の分類

心筋症は心筋固有の機能障害によってが低下し、進行性の心不全を来すである。(DCM)は、冠動脈疾患(CAD)、弁膜症、高血圧、などの異常負荷だけでは説明できない左室(LV)の拡大と収縮機能低下として診断する。

2023年の心筋症ガイドラインは、DCMを「と、全体性またはのが、異常負荷条件または冠動脈疾患だけでは説明できないもの」と定義しており、は定義の要件のままである1。

⚠️ 「拡大していない低収縮」をどこへ置くかは、資料によって扱いが違う。 2023年のLancetのセミナーは、従来定義が過度に制限的だとして拡大を伴わない左室低収縮がDCMの初発像でありうると述べている2。これに対しガイドラインは、以前のステートメントが用いた「」という語を非拡張型左室心筋症(NDLVC)に置き換え、DCMに含めるのではなくDCMと並ぶ別の表現型として置いた1。💡 どちらも「この患者群をDCMの枠の外に捨てない」という点では一致しており、しているのは受け皿の名前と所属である。 試験や論文を読むときは、その文献がどちらの枠組みで「DCM」と言っているかを確かめる。

💡 が「DCMの」と呼んでいるのは、むしろ逆の組合せである。 ごくまれに(原文は very rarely)(EF)が保たれたままだけが生じることがあり、これ自体は心筋症ではないがDCMのでありうるとして、isolated left ventricular dilatation(孤立性)という呼称を推奨している1。「拡大なし+低収縮」と「拡大あり+EF正常」は別物なので取り違えない。

分類 代表疾患・特徴
一次性/内因性(2023年の5表現型) DCM、(HCM)、(RCM)、(ARVC)、非拡張型左室心筋症(NDLVC)1
線維化によりが障害。、、でみられる
蛋白変異による右室の脂肪・線維性置換、拡張・動脈瘤。、血栓、失神、(SCD)
二次性/全身性 代謝蓄積、ウイルス性心筋炎/、化学療法/アルコールなどの毒性

形態の比較

心筋症は「壁厚」と「」の組合せで形態を対比すると理解しやすい。

形態 心室壁 LV腔 主な機能障害
著明に肥厚、とくに心室中隔 小さくなりやすい 、場合によりLVOTO
見かけの壁厚は正常〜肥厚 正常〜小さめで、しばしば両心房が拡大 硬い心室による障害
相対的に薄い 著明に拡大

したがってDCMの形態診断の核は、単なるではなく「拡大した+低収縮」である。心エコーと(CMR)で壁運動、EF、、線維化を評価する。

DCMの病態

DCMはと収縮機能低下を特徴とする。心筋には可逆的または不可逆的障害、、壁菲薄化がみられる。

flowchart TD
    A["原因因子による<span class='jp-term jp-term-diagram' title='myocardial contractility'>心筋収縮力</span>低下"] --> B["Frank-Starling機序による代償"]
    B --> C["EDV・前負荷増加"]
    C --> D["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='sarcomere'>サルコメア</span>の<span class='jp-term jp-term-diagram' title='serial (organ architecture, vs. parallel)'>直列</span>付加<br><span class='jp-term jp-term-diagram' title='eccentric hypertrophy'>偏心性肥大</span>と心室拡張"]
    D --> E["収縮力・EF低下"]
    E --> F["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='Left-sided heart failure / LHF'>左心不全</span>、やがて右心不全"]

病因

  • 特発性:原因不明
  • 家族性:遺伝子変異が同定される割合は総説によって幅があり、約35%とするもの3から約50%とするもの4まである。が多い。代表的なはTTN、LMNA、MYH7で4、細胞骨格・・関連蛋白の遺伝子が中心である3
  • 感染性:主としてウイルス性心筋炎に続発し得る。最も多いウイルス群は(とくにA群・B群)で、とヘルペスウイルスもDCM患者から高頻度に検出される。の役割はこれらほど確立していない5
  • :慢性アルコール曝露、がん治療(など)2
  • :甲状腺機能亢進症など
  • 頻脈誘発性:心房細動などの慢性頻脈
  • 周産期・:妊娠、2

💡 「遺伝性か後天性か」は二者択一ではない。 Lancetのセミナーは、後天性DCMの5〜15%が病的(あるいは病的である可能性の高い)遺伝子variantを持つと述べており、誘因がはっきりしていてもが背景にあることがある2。⭐ だから診断のときは、誘因を一つ見つけた時点で遺伝学的評価を打ち切らない。

症状・診断

症状は呼吸困難、倦怠感、腹水、狭心症、肺水腫など心不全に由来する。

検査 所見
身体所見 低血圧、、、浮腫・腹水・、偏位、機能性MR/TR雑音
ECG (LBBB)、心房細動、
血液検査 B型と。診療ガイドラインを横断してもこの2つを用いる点は一致している6
CXR 、心
心エコー ⭐ 初期評価の標準検査。、収縮・拡張機能、による閉鎖不全
CMR と鑑別に重要。、びまん性運動低下、機能性MR/TR、線維化()
遺伝学的評価 家族性・不整脈リスク評価に重要。家族歴や表現型に応じて考慮する6
Holter 24〜48時間記録で予後上重要なを検索

⚠️ ガイドラインどうしで割れている論点がある。 系統的レビューによれば、定義・上記の血液マーカー・多画像・遺伝カウンセリング・進行例の管理では見解が一致する一方、多職種管理チームの編成、カスケード遺伝学的検査の位置づけ、不整脈の経路、予防的(ICD)の適応基準は資料ごとに異なる6。💡 「どのガイドラインを読んだか」で答えが変わる項目があると知っておくこと自体が、この疾患の学習の要点である。

合併症は(、を含む)、心房細動、・、心不全の進行・である。

治療

  1. 原因除去:心毒性物質とアルコールを避け、感染・内分泌疾患を治療する。

  2. 心不全治療:HFrEFに準じた標準治療を行う。現行の2026年版心不全ガイドラインは、「基盤となる薬物療法(foundational medical therapy)」として次をいずれもClass I/Aで推奨している7。

    ⚠️ 2026年版はの定義を「 50%未満」へ広げ、( 41〜49%)という区分を廃止した。 ただし同じ推奨表の脚注は、β遮断薬と阻害薬・・については 41〜49%の患者だけを対象にしたな前向きは無いと断っている7。

    ⚠️ の位置づけは版によって書き方が違う。 2021年版は/を阻害薬の置き換えとしてClass I/レベルBに置き、第一選択としての使用は「考慮してもよい(may be considered)」にとどめていた(対象は 40%以下)8。2026年版の推奨文は「阻害薬または」とを並べて書いている7。💡 2026年版は、ガイドライン向けに新たに公表されたの格付け体系を初めて用いたと述べている7(推奨表にはB1・B2のような表記が現れる)。2021年版の「レベルB」はこの体系が導入される前の格付けである。

    うっ血にはをに応じて調節して用いる(Class I/レベルA)。ただしこのレベルAはに基づくものではなく、臨床上の有効性が明らかなため作成委員会がレベルAとみなしたもので、十分な検出力をもつは倫理的な理由から行われておらず今後も行われそうにない、と推奨表の脚注が断っている7。ジゴキシンなどのは、最適な基盤治療を行ってもなお症候性で 40%以下のに、心不全入院を減らす目的で考慮する補助薬である(Class IIa/レベルB1)7。適応(心房細動、等)に応じ抗凝固薬。

  3. デバイス/手術:2026年版心不全ガイドラインは、非虚血性の症候性( II/III)で、最適な基盤治療を3か月以上続けても 35%以下にとどまり、良好なで1年を超える生存が見込まれる場合に、突然死とを減らす目的でのICDを「考慮すべき」としている(Class IIa/レベルB1。虚血性ではClass I)7。💡 同指針は、非虚血性の心不全ではICDの利益が虚血性より小さい可能性があるとして病因を患者選択の基準に含める一方、のでは非虚血性でも全体として生存の利益が示されたとも書いている。さらに、の有無と広がり・遺伝子型などが心筋症の不整脈を助けうると述べる7。個々の適応は低下のみでなく、、CMRの線維化、、遺伝子型、標準治療後の逆リモデリングの有無を含めて多因子で判断する9。⚠️ ただし予防的ICDの具体的な適応基準は資料間で一致していない6。進行例では()、補助循環、を段階的に検討する。

まとめ

  • DCMの核はとである。2023年の心筋症ガイドラインでもは定義の要件のままで、拡大を伴わない低収縮は別表現型のNDLVCに置かれている1。一方でLancetのセミナーはこれをDCMの初発像として扱う2——どちらの枠組みで「DCM」と言っているかを確かめてから読む。
  • は当初の代償だが、リモデリングを介して収縮不全を悪化させる。
  • 原因は遺伝性と後天性に分かれるが排他的ではない。後天性DCMの5〜15%にも病的(あるいはその可能性が高い)遺伝子variantがある2。
  • 心エコーで機能を評価し、原因除去、標準的な心不全治療、ICD・移植へ段階的に進む。現行の2026年版心不全ガイドラインでは、阻害薬・MRA・β遮断薬・「阻害薬または」がいずれもClass I/レベルAで、は 50%未満へ広がった7。2021年版ではは阻害薬の置き換え(Class I/レベルB)という書き方だった8。
  • ⚠️ 定義・血液マーカー・画像・遺伝カウンセリングでは資料が一致するが、予防的ICDの適応基準と不整脈の経路は資料ごとに異なる6。

出典

  1. 1.2023 ESC Guidelines for the management of cardiomyopathies(European Society of Cardiology・2023)誌上版PDF全文(Erasmus University Rotterdam のリポジトリ。表紙に Publisher's PDF, also known as Version of record と明記。academic.oup.com は403)の3.2.2・3.2.3節を逐語で確認した。拡張型心筋症は Dilated cardiomyopathy (DCM) is defined as the presence of LV dilatation and global or regional systolic dysfunction unexplained solely by abnormal loading conditions (e.g. hypertension, valve disease, CHD) or CAD と定義され、左室拡大が定義の要件であること。まれに駆出率が正常のまま左室拡大が生じることがあり、これ自体は心筋症ではないが拡張型心筋症の早期像でありうるとして isolated left ventricular dilatation という呼称を推奨していること。一方、左室が拡大しないまま心筋障害がある中間表現型については、以前のESCステートメントの hypokinetic non-dilated cardiomyopathy という用語を本ガイドラインが非拡張型左室心筋症(NDLVC)へ置き換えることを提案し、NDLVCを拡張型心筋症とは別の表現型として置いていること(The NDLVC phenotype is defined as the presence of non-ischaemic LV scarring or fatty replacement regardless of the presence of global or regional wall motion abnormalities (RWMAs), or isolated global LV hypokinesia without scarring)、NDLVCがこれまで左室拡大を伴わない拡張型心筋症などと呼ばれてきた症例を含むことを確認した。あわせて、本ガイドラインが不整脈原性心筋症(ACM)という語を独立した心筋症の下位型としては採用しないと明記していることを確認した閲覧 2026-09-14
  2. 2.Dilated cardiomyopathy: causes, mechanisms, and current and future treatment approaches(The Lancet(Heymans S, et al. 402巻10406号998-1011頁)・2023)Europe PMC(PMID 37716772)の抄録で逐語を確認した。原文は This definition has been recognised as overly restrictive, as left ventricular hypokinesis without dilation could be the initial presentation of dilated cardiomyopathy で、従来定義(異常負荷や有意な冠動脈疾患で説明できない左室または両室の拡大もしくは収縮不全)が過度に制限的とされ、拡大を伴わない左室低収縮が拡張型心筋症の初発像でありうるとしていること。後天性の要因として感染・毒物・がん治療・内分泌疾患・妊娠・頻脈性不整脈・免疫介在性疾患を挙げ、後天性拡張型心筋症の5〜15%が病的もしくは病的である可能性の高い遺伝子variantを持つ(5-15% of patients with acquired dilated cardiomyopathy harbour a likely pathogenic or pathogenic gene variant)と述べていることを確認した。⚠️ 全文は非オープンアクセスで、確認できたのは抄録の範囲のみである閲覧 2026-09-14
  3. 3.Dilated cardiomyopathy: from epidemiologic to genetic phenotypes(Journal of Internal Medicine(Reichart D, et al. 286巻4号362-372頁)・2019)Europe PMC(PMID 31132311)の抄録で逐語を確認した。原文は In about 35% of patients, genetic mutations can be identified that usually involve genes responsible for cytoskeletal, sarcomere and nuclear envelope proteins で、拡張型心筋症患者の約35%で遺伝子変異が同定され、多くは細胞骨格・サルコメア・核膜関連蛋白の遺伝子に関わることを確認した。⚠️ 全文は非オープンアクセスで、確認できたのは抄録の範囲のみである閲覧 2026-09-14
  4. 4.Dilated cardiomyopathy: from genes and molecules to potential treatments(Molecular and Cellular Biochemistry(Wang X, et al. 480巻8号4549-4571頁)・2025)Europe PMC(PMID 40155570)の抄録で逐語を確認した。原文は mutations in related pathogenic genes can account for about 50% of patients with dilated cardiomyopathy で、家族性の特徴が明らかであること、代表的な原因遺伝子として TTN・LMNA・MYH7 を挙げていることを確認した。⚠️ 全文は非オープンアクセスで、確認できたのは抄録の範囲のみである閲覧 2026-09-14
  5. 5.Dilated cardiomyopathy(Nature Reviews Disease Primers(Schultheiss HP, et al. 5巻32頁)・2019)Europe PMCのfullTextXML(PMC7096917、オープンアクセス)で全文を取得して確認した。拡張型心筋症と関連するウイルスのうち最も多い群はエンテロウイルス(とくにコクサッキーウイルスA群およびB群)であり、アデノウイルスとヘルペスウイルスも患者から高頻度に検出される一方、パルボウイルスの役割はそれほど確立していないと述べていること(原文は One of the most common groups of viruses associated with DCM are the enteroviruses (including coxsackievirus group A and B in particular). Adenoviruses and herpesviruses are also commonly found in patients with DCM. Less well established is the role of parvoviruses)。抄録は非遺伝性の拡張型心筋症の原因として、感染(大半はウイルス)による心筋の炎症、薬物・毒物・アレルゲンへの曝露、全身性の内分泌疾患または自己免疫疾患を挙げていることを確認した閲覧 2026-09-14
  6. 6.Diagnosis and management of dilated cardiomyopathy: a systematic review of clinical practice guidelines and recommendations(European Heart Journal - Quality of Care and Clinical Outcomes(Sorella A, et al. 11巻2号206-222頁)・2024)Europe PMC(PMC11879293、オープンアクセス)の抄録で逐語を確認した。2つのガイドラインと1つの科学的声明を系統的に比較した総説で、拡張型心筋症の定義、検査室診断におけるB型ナトリウム利尿ペプチドと高感度トロポニンの使用、初期診断における多モダリティ心血管画像の中心的役割、遺伝カウンセリング、進行例の管理という点では見解が一致する一方、多職種管理チームの編成・カスケード遺伝学的検査の位置づけ・不整脈リスク層別化の経路・予防的植込み型除細動器の適応基準では資料ごとに差があると述べていることを確認した閲覧 2026-09-14
  7. 7.2026 ESC Guidelines for the management of heart failure(European Society of Cardiology・2026)本文全文で次を逐語で確認した。①Table 4 New concepts は「HFrEF has been expanded to include LVEF up to 50%」「HFmrEF has been removed」とし、3.3.1節はHFrEFを「LVEF <50% and symptoms and/or signs of HF」と定義する。前文は「This guideline updates and replaces the previous version from 2021」。②Recommendation Table 5 で、LVEFを問わない全心不全に「An SGLT2-I (dapagliflozin or empagliflozin) is recommended in patients with symptomatic HF independent of LVEF」(I A)、「An MRA (sMRA for HFrEF and sMRA/nsMRA for HFpEF) is recommended in patients with symptomatic HF independent of LVEF」(I A)、ループ利尿薬の容量状態に応じた用量調節(I A。脚注dは「This recommendation is considered by the Task Force to have level of evidence A due to clear clinical effectiveness」とし、十分な検出力のRCTは倫理的理由から行われておらず今後も行われそうにないと述べる)。HFrEFに「A beta-blocker is recommended in stable patients with symptomatic HFrEF」(I A)、「An ACE-I or ARNI is recommended in patients with symptomatic HFrEF」(I A)、「Switching from an ACE-I or ARB to an ARNI is recommended」(I B1)、ARBはACE阻害薬またはARNIに忍容性がない場合(I A)、強心配糖体(digoxin or digitoxin)は最適な基盤治療下でも症候性のLVEF 40%以下のHFrEFで心不全入院を減らすため「should be considered」(IIa B1)。同表の脚注eは「No large prospective RCT has been performed on the use of beta-blockers, ACE-I/ARNI/ARB exclusively in patients with LVEF 41%–49%」。③ICDは非虚血性の症候性HFrEF(NYHA II/III)で、最適な基盤治療3か月以上の後もLVEF 35%以下、かつ良好な機能状態で1年を超える生存が見込まれる場合に「should be considered」(IIa B1)、虚血性では「is recommended」(I B1)。6.2.1.3節は「individuals with non-ischaemic HF may derive less benefit than those with ischaemic heart disease. However, a meta-analysis of RCTs demonstrated an overall survival benefit, even in patients with non-ischaemic HF」、「The presence and the extent of myocardial fibrosis, genotypes, and additional factors may help arrhythmic risk stratification in patients with cardiomyopathies」と述べる。④前文は2026年版で新しいエビデンスレベルの格付け体系を初めて用いたと述べる(定義表 Table 2 は画像で、本文抽出では読めていない)。取得経路は Wayback Machine の id_ 付き出版社ページ(20260910061149、--compressed)。Unpaywall は closed・リポジトリ版なし閲覧 2026-09-16
  8. 8.2021 ESC Guidelines for the diagnosis and treatment of acute and chronic heart failure(European Society of Cardiology・2021)誌上版PDF全文(リエージュ大学リポジトリ)でHFrEF(NYHA II〜IV、LVEF 40%以下)の推奨表を逐語で確認した。ACE阻害薬・β遮断薬・MRA・SGLT2阻害薬(ダパグリフロジンまたはエンパグリフロジン)はいずれも Class I / Level A、サクビトリル/バルサルタンは Sacubitril/valsartan is recommended as a replacement for an ACE-I in patients with HFrEF として Class I / Level B、ARBは ACE阻害薬またはARNIに忍容性がない患者に対する Class I / Level B、うっ血に対する利尿薬は Class I / Level C である。本文5.2.2はACE阻害薬・β遮断薬・MRAを cornerstone therapies と呼び、ARNIについては however, an ARNI may be considered as a first-line therapy instead of an ACE-I と述べるにとどまる。⚠️ 本ガイドラインは2023年のfocused update(DOI 10.1093/eurheartj/ehad195)に続き、2026年8月28日公開の 2026 ESC Guidelines for the management of heart failure(DOI 10.1093/eurheartj/ehag100、PMID 42661420)に置き換えられている。現行の推奨は esc-hf-2026 の項を参照(本ノートでは版の比較のためにだけ引く)閲覧 2026-09-14
  9. 9.Dilated Cardiomyopathy: A Comprehensive Approach to Diagnosis and Risk Stratification(Biomedicines(Ferreira A, et al. 11巻3号834頁)・2023)Europe PMC(PMC10044994、オープンアクセス)の抄録で逐語を確認した。多くの患者が明らかな心不全症状より前に軽微な構造異常と多様な不整脈原性の表現型を示すと認識されるようになり、心臓MRIと遺伝学的検査という補助診断の進歩を組み込んだ不整脈リスクの構造化された層別化を提案していること(a structured stratification of arrhythmic risk that incorporates novel imaging modalities and genetic test results)を確認した閲覧 2026-09-14